第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「絶えず先見的特色ある製品を開発し、医療の世界に積極的に参加し、もって人類の健康・福祉に貢献する」という企業理念に沿って、医薬品事業を中核とし、ヘルスケア事業及びこれらの事業領域に関連する新たな分野をも含めた「顔のある総合健康関連企業グループ」を目指します。

また、企業理念の実現にあたっては、コーポレートガバナンスの充実及びコンプライアンスの徹底を経営の軸として、社員一人一人が持田製薬グループ行動憲章を遵守し、ステークホルダーの皆様の信頼と期待に応え、企業価値の向上に努めてまいります。

事業環境の変化にも対応し、持続的に成長し続けるために、引き続き利益重視と将来への投資の継続を基本方針とします

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは生命・健康関連企業グループとして企業価値向上を図るために、事業環境の変化に対応しながら、毎年度、新しい年度を加えた3ヵ年の中期経営計画を策定しております。

2020年度を起点とするこの3ヵ年は、社会保障費財源確保の問題を背景とする薬剤費抑制政策が継続的に推し進められ、後発品の使用が引き続き促進されることに加え、昨年10月に続き本年4月にも薬価改定が実施される影響などにより、ますます厳しい事業環境となることが予想されます。

当社グループはこの3ヵ年の中期経営計画(「20-22中期経営計画」)の方針を「研究・開発から製造・販売までのグループ総合力を結集して医療・健康ニーズに応え、持続的成長に向けて選択と集中を進め、さらなる環境変化に対応すべく収益構造を再構築する」とし、環境変化に対応できるよう、引き続き以下の3点に重点的に取り組みます。

・新薬等への注力

・次世代の柱構築のための継続的な投資

・選択と集中による、リソースの戦略的再配分

最重点課題として、中核事業である医薬事業において「循環器、産婦人科、皮膚科、精神科、消化器」の重点領域等へリソースを集中し、収益の最大化のために新薬に注力します。また、パートナーシップを重視した戦略的なアライアンスの推進に取り組みます。

次世代の柱構築のため、将来の競争力に結びつく事業活動への投資を積極的に進めます。創薬研究では、オープンイノベーションの推進を通じた早期開発候補品の導入等により、開発パイプラインの充実を図ります。また、自社品の海外展開にも取り組みます。

全社的な組織運営において選択と集中を進め、一層の構造改革の推進に取り組み、部門間連携の強化によってさらなる生産性の向上を目指します。また、ヒト・モノ・カネの限られたリソースを戦略的に最大限活用すると同時に、社外資源とも積極的な連携を図ります。

持田製薬グループは今後も、生命・健康関連企業グループとして、中堅企業としての機動性や俊敏性など、持てる強みを最大限に活かしながら、グローバルにも存在価値を認められるスペシャリティファーマを目指して、持続的な企業価値の向上を図ってまいります。

なお、上述の構造改革と生産性向上については、引き続き下記の取り組みを進めます。

①ビジネスユニットの自立と連携を目指した改革の推進

研究・開発、医薬販売、医薬製造、ヘルスケアなどのビジネスユニットについては、それぞれの事業固有の環境を勘案し、活動効率を高められるように、独立採算に加え部門間連携も重視して運営します。また、本社部門も一つのユニットとして本社機能のさらなる強化に取り組み、効率的な組織運営と企業価値の向上を図ります。

②生産性向上を目指した改革の推進

グループ経営体制の整備に合わせ、人的資源の育成と活性化の観点から、人材配置、人員計画、活用方法を継続して見直します。

社員一人一人の意識改革を推進し、そのパフォーマンス向上のために、能力開発への支援を継続します。さらに部門間の協力連携を重視し、業務改革を推進することにより、生産性の10%アップを目指します。

 

(3) 目標とする経営指標

医薬品業界を取り巻く環境はますます厳しいものとなることが予想されます。20-22中期経営計画の初年度(2020年度)は3年連続となる薬価改定の影響を受ける中においても、引き続き将来に向けた研究開発等への投資(含む導入)に積極的に取り組むため、足元の収益水準は回復途上にあるものとなりますが、かねてより進めてきたポートフォリオ再構築(新薬シフト)と施策の推進により、中期経営計画期間中の収益力回復を目指します。

20-22中期経営計画期間の最終年度(2022年度)の経営目標数値を以下のとおり掲げております。

 

2022年度 経営目標数値(連結)

売上高    104,000百万円

営業利益  10,000百万円

研究開発費 13,000百万円

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、より厳しい環境変化に対応し、持続的に成長し続けるために、利益重視と将来への投資の継続の基本方針のもと、さらなる生産性の向上を目指すとともに、社外資源とも積極的な連携を図ります。

対処すべき課題としては、引き続き「競争力のある事業、領域の確立」「パートナーシップの重視」「リソースの徹底した見直し」を掲げております。

①競争力のある事業、領域の確立

それぞれの事業、領域で「持田製薬でなければできない」と評価され、お客様から選ばれるように、得意分野をさらに強くし、「オンリーワン」を目指す戦略を推進してまいります。

②パートナーシップの重視

外部とのパートナーシップを重視し、社内と社外の資源を結び付け、強い分野はより強く、弱い分野は補完しあう戦略を実行してまいります。

③リソースの徹底した見直し

全てのビジネスユニットに関して、資源とその配分を見直し、ビジネスユニットの完全な自立と部門間連携により、全社の生産性向上を目指した構造改革を推進してまいります。また中核とすべき企業能力の伸長に資源を集中し、無駄のない筋肉質の経営を強化してまいります。

 

(5) 新型コロナウイルス感染症の影響

提出日現在、業績に対する新型コロナウイルス感染症の影響は限定的です。

研究開発については、一部症例登録の遅延が生じているプロジェクトがありますが、計画の大幅な変更は発生しておりません。

製品の安定供給については、原薬及び製剤製造のサプライチェーンにおいて重大な事象は発生しておらず、また、原料及び製品等の十分な在庫を保有しており、安定的に供給できる体制を維持しております。

医薬品の販売については、医療機関を受診する患者が減少する一方で長期処方が増加しており、提出日現在の影響は軽微です。

今後、この事態が長期にわたり収束せずに、業績に大きな影響が見込まれる場合は、速やかに情報を開示いたします。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、当社グループは、当社グループに適用されるリスク管理規程を制定すると共に、各部門長及び子会社社長等を委員とするリスク管理委員会を設置し、当社グループの事業及び経営に相当程度の悪影響(損失)を与え得るリスク(主要リスク)の認識と評価、対応策を全社レベルで検討・把握し、リスク管理に係る方針や主要な施策等を協議し、主要リスクが顕在化した場合の必要な事業継続、損失の極小化等を基本方針とする等、主要リスクの管理体制を整備しております。

 

(特に重要なリスク)

(1) 研究開発に関するリスク

医薬品等の研究開発には多額の資金及び長期間を要しますが、その過程で当初期待した有効性が証明できなかったり、予期せぬ副作用が発現した等の理由により、開発が中断・遅延する可能性があります。これにより、開発のやり直し、追加試験等の発生、また将来の売上機会の喪失等により、当初期待していた収益を下回る可能性があります。

当社グループは、必要な試験・調査・評価等及び適切な製造・品質管理を実施する等、当該リスクの低減に努めております。

 

(2) 製造・仕入れに関するリスク

当社グループは製品の品質について、関連法規に基づく規制のもと、品質保証等万全を期しておりますが、当社グループの工場において製造上の瑕疵による品質問題等が発生した場合や、特定の取引先に供給を依存している商品及び原材料等について、調達管理部門を設置し調達管理を実施しているものの、何らかの要因によりその供給が遅延又は停止した場合、商製品回収、出荷遅延・停止や欠品、これらによる許認可の取り消し、業務停止その他の行政処分、売上減少等により、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 業務提携に関するリスク

当社グループは各部門において、共同研究・開発・販売、製品の導出入等、他社との業務提携を行っており、今後何らかの事情により、これらの提携が解消される可能性があり、その場合には将来の売上見込・機会の喪失等により、当初予想・期待した収益を下回る可能性があります。

当社グループは、提携先との関係維持及び当該リスクを低減する契約の締結に努める等、当該リスクの低減に努めております。

 

(4) 法規制、制度改革に関するリスク

医薬品の研究開発・製造・販売等に関しては医薬品関連法規等の規制(医療制度改革、後発品使用の促進及び薬価基準の引き下げ等の医療費適正化推進策を含む)を受けており、規制の厳格化等により経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当該規制に適合しない場合、製品の回収、許認可の取り消し、業務停止その他の行政処分又は損害賠償請求を受けると共に、信用失墜による売上減少を招く可能性があり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、規制を遵守する体制を整備すると共に、規制の改正の方向を早期に捉え改正に備え収益の維持に努める等、当該リスクの低減に努めております。

 

(5) 副作用に関するリスク

当社グループは医薬品の品質・安全性について、医薬品関連法規に基づく厳格な規制のもと、臨床試験の信頼性の保証や製品の品質保証等万全を期しておりますが、予期せぬ副作用の発生による製品の回収、製造販売の中止、訴訟対応や損害賠償、信用失墜による売上減少等が発生する可能性があり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 事業継続に関するリスク

大規模な自然災害その他の災害・事故・パンデミック等により、当社グループの工場、研究所、支店、事業所等の各拠点が深刻な影響・被害を受け、情報システムの停止・障害、事業活動の停滞や工場の操業停止等に陥り、欠品等が生じた場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの各拠点では、地震等の災害・事故又はパンデミックの発生に備え、市場への製品安定供給を含む事業継続計画の策定等の各種対策を推進する等、当該リスクの低減に努めております。

なお、現在発生している新型コロナウイルス感染症については、社長を本部長とする対策本部を設置し、当社グループにおける感染防止と事業継続の両面で方針等を決定し推進しております。業績に対する同感染症の影響については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)新型コロナウイルス感染症の影響」をご参照下さい。

 

(重要なリスク)

(1) 製品売上構成上のリスク

当社グループの中核事業である医薬品において、一部主力製品の売上が高い比率を占めております。このため、当該製品の価値向上に努めているものの、競合品・後発品の発売・伸長による売上の減少の他、予期せぬ副作用、製品瑕疵、安定供給への障害等によりこれらの製品が販売中止や製品回収に至った場合は信用失墜による売上減少を含め、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 他社競合その他販売に関するリスク

他社製品(後発品を含む)との競合等は売上・収益を減少させる原因となり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの販売先は、特定の卸売業者に集中しており、これらの卸売業者に貸し倒れが発生し債権回収不能となった場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、製品価値の維持・向上及び適切な与信管理に努める等、当該リスクの低減に努めております。

 

(3) 知的財産権に関するリスク

当社グループの事業活動が第三者の知的財産権に抵触する場合、訴訟対応・損害賠償・実施料の支払い等による収益の低下、ひいては事業の中止に繋がり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、保有する知的財産権を適切に管理し、第三者の知的財産権を侵害しないよう必要な調査を行う等、当該リスクの低減に努めております。

 

(4) 情報管理に関するリスク

当社グループが保有する機密情報、個人情報等がシステムへの不正侵入、システム障害その他の理由により社外に流出した場合、訴訟対応や損害賠償、信用失墜による売上減少、将来の売上機会の喪失等により経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、情報保護のための安全管理措置(組織的・人的・物理的・技術的措置)を講じ、情報セキュリティ面の充実を図る等、当該リスクの低減に努めております。

 

(5) 環境問題に関するリスク 

医薬品等の研究、製造の過程等で使用される化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与えるものも含まれ、これら物質が土壌汚染、大気汚染等、環境に深刻な影響を与えた場合、汚染発生の原因解明・周辺地域対応や、信用失墜による売上減少等により経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、関連法規を遵守し必要な調査・監視を行う等、当該リスクの低減に努めております。

 

(6) 金融市況及び為替変動に関するリスク

金融市況の悪化により、当社グループが保有する有価証券の評価損や売却損が生じ、また金利動向によっては退職給付債務の増加等が生じる可能性があり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、商品・原料の輸入等の外貨建取引において、外国為替変動が経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、一部の外貨建債権債務の為替予約等のヘッジ取引を行うと共に、急激な為替変動リスクの契約による一部転嫁等に努める等、当該リスクの低減に努めております。

 

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。また、上記以外にもさまざまなリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況 

当連結会計年度の国内経済は、海外経済の減速等を背景に外需が弱いものの、雇用・所得環境の改善等により、内需を中心に緩やかに回復していました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気は足元で大幅に下押しされ、先行きについては厳しい状況が続くと見込まれています。医薬品業界では、社会保障費財源確保の問題を背景とする薬剤費抑制政策が継続的に推し進められ、また企業間競争も加速しており、引き続き厳しい事業環境にあります。

このような状況下、当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は、事業環境の変化にも対応し持続的に成長し続けるために、利益重視と将来への投資の継続を基本方針とし、「営業力強化による新薬等への注力」「次世代の柱構築のための継続的な投資」「選択と集中による、リソースの戦略的再配分」に重点的に取り組んでまいりました。医薬品関連事業では、循環器、産婦人科、皮膚科、精神科、消化器の重点領域等へリソースを集中し、スペシャリティファーマを目指して、主力製品を中心とした学術情報提供活動を積極的に展開いたしました。また、ヘルスケア事業は、敏感肌用スキンケアのパイオニアとして事業活動を行い、マーケティングの強化に努め市場開拓を図ってまいりました。

当連結会計年度の売上高につきましては、医薬品関連事業における薬剤費抑制政策の影響等により、101,799百万円となり、前期比7.2%の減収となりました。

利益面につきましては、研究開発費の減少を主な要因として販売費及び一般管理費が前期を下回りましたが、医薬品関連事業の売上高減少に伴い売上総利益が減少したことにより、営業利益は8,807百万円で前期比16.8%の減益、経常利益は9,154百万円で前期比16.2%の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、一部の医療用医薬品販売に関する提携契約の条件変更を行ったことで発生する契約損失による特別損失の計上等もあり、4,598百万円で前期比45.5%の減益となりました。

各事業部門の業績は次のとおりであります。

1.医薬品関連事業

2019年10月に薬価改定があった中で、新薬の抗うつ剤「レクサプロ」、潰瘍性大腸炎治療剤「リアルダ」及び慢性便秘症治療剤「グーフィス」等の売上高が伸長しました。2018年11月に販売を開始した慢性便秘症治療剤「モビコール」も寄与しました。長期収載品の高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」、持続性Ca拮抗降圧剤「アテレック」及び子宮内膜症・子宮腺筋症治療剤「ディナゲスト」等は、後発品使用促進策及び薬価改定の影響等により、また、慢性疼痛・抜歯後疼痛治療剤「トラムセット」も2018年12月に後発品が上市された影響を受けたことにより、それぞれ前期売上高を下回りました。後発品事業は、バイオ後続品「エタネルセプトBS「MA」」、「ディナゲスト」のオーソライズド・ジェネリックの伸長があり、前期売上高を上回りました。なお、骨粗鬆症治療剤テリパラチドのバイオ後続品「テリパラチドBS「モチダ」」を2019年11月から販売しております。また、ロイヤリティ収入等の減少もあり、全体としては96,477百万円で前期比7.8%の減収となりました。

2.ヘルスケア事業

市場成長は上昇傾向にありましたが、競争が激化しておりました。こうした事業環境の中で、抗真菌成分配合シャンプー・リンス等の「コラージュフルフルシリーズ」の売上高が堅調に推移し、ヘルスケア事業の売上高は5,322百万円で前期比6.8%の増収となりました。

 

 

② 財政状態の状況
(資産)

当連結会計年度末における流動資産は116,894百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,560百万円増加しました。これは主に、受取手形及び売掛金が減少したものの、現金及び預金が増加したことによるものです。固定資産は40,593百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,092百万円減少しました。これは主に、繰延税金資産が増加したものの、投資有価証券が減少したことによるものです。
 この結果、総資産は、157,488百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,531百万円減少しました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は28,562百万円となり、前連結会計年度末に比べ117百万円増加しました。これは主に、賞与引当金や電子記録債務が減少したものの、支払手形及び買掛金が増加したことによるものです。固定負債は8,260百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,795百万円増加しました。これは主に、退職給付に係る負債が減少したものの、その他の固定負債に含まれる長期未払金が増加したことによるものです。
 この結果、負債合計は、36,822百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,913百万円増加しました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は120,665百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,444百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加があったものの、自己株式の取得による減少や投資有価証券の時価下落によりその他有価証券評価差額金が減少したことによるものです。
 この結果、自己資本比率は76.6%と前期比2.1ポイント減少しました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,259百万円増加し、当連結会計年度末には37,791百万円となりました。
 主な内容は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は9,347百万円(前期は12,565百万円の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払額1,950百万円があったものの、税金等調整前当期純利益が6,273百万円であったことに加え、減価償却費2,731百万円の発生によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は1,760百万円(前期は1,121百万円の減少)となりました。これは主に、事業譲渡による収入185百万円がありましたが、有形及び無形固定資産の取得による支出1,958百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は5,328百万円(前期は6,094百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額3,338百万円であったことに加え、自己株式の取得による支出1,990百万円の発生によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

 a.生産実績

当連結会計年度の生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 2019年4月 1日

至 2020年3月31日)

(百万円)

前期比(%)

医薬品関連

71,907

16.1

ヘルスケア

5,505

△3.1

合計

77,412

14.5

 

(注) 1.金額は正味販売価格によっております。

2.上記金額中に、消費税等は含まれておりません。

 

 b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 2019年4月 1日

至 2020年3月31日)

(百万円)

前期比(%)

医薬品関連

21,551

△30.1

合計

21,551

△30.1

 

(注) 1.金額は実際仕入額によっております。

2.上記金額中に、消費税等は含まれておりません。

 

 c.受注状況

当社グループは主として見込生産を行っているため、記載を省略しております。

 

 d.販売実績

当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 2019年4月 1日

至 2020年3月31日)

(百万円)

前期比(%)

医薬品関連

96,477

△7.8

ヘルスケア

5,322

6.8

合計

101,799

△7.2

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年4月 1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月 1日

至 2020年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱メディセオ

20,765

18.9

19,070

18.7

㈱スズケン

20,327

18.5

18,166

17.8

アルフレッサ㈱

18,602

17.0

16,583

16.3

東邦薬品㈱

12,055

11.0

10,519

10.3

 

2.上記金額中に、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、その時点で最も合理的と考えられる基準に基づいて実施しておりますが、見積り等の不確実性があるため実際の結果は異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表[注記事項]連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

(退職給付に係る会計処理の方法)

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

 

新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。

なお、業績への影響につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)新型コロナウイルス感染症の影響」をご参照下さい。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因について 

中核とする医薬事業は医薬品関連法規等の規制を受けており、医療制度改革、後発品の使用促進及び薬価改定等の医療費適正化策の動向、及び主力品の市場における競争状況が経営成績に継続的に影響を及ぼす要因として認識しております。また、経営成績に大きな影響を与える要因となる可能性があるリスクについては、2[事業等のリスク]に記載のとおりであります。

当連結会計年度は、こうした諸要因のインパクトも計画に織り込み、事業に取り組みました。その結果、医薬品関連事業は、新薬の売上高が伸長、後発品使用促進策の影響を主な要因として長期収載品の売上高低下、後発品の売上高が伸長しました。またヘルスケア事業も主要製品が伸長したことにより、(1)① 経営成績の状況に記載のとおりの経営成績となったと認識しております。

また、当連結会計年度を含む中期経営計画(「19‐21中期経営計画」)においては、「営業力強化による新薬等への注力」「次世代の柱構築のための継続的な投資」「選択と集中による、リソースの戦略的再配分」に重点的に取り組むことを掲げておりました。当連結会計年度については、開発パイプライン品目の進展及び拡充、「リアルダ」「グーフィス」「モビコール」「レクサプロ」等の新薬への注力、及び「高純度EPA製剤」の海外展開を推進するとともに、将来に向けた研究開発等への投資も継続して行っております。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの主な資金需要は、運転資金、研究開発や企業提携等への資金及び設備資金であり、これらの必要資金は、主に利益の計上により生み出される自己資金により賄っております。また、当社グループでは、安定した資金調達手段を確保し、機動的に資金調達を行うため特定融資枠契約(コミットメント・ライン契約)を締結しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1)技術導入契約

相手先

国名

契約内容

契約年

バイエル社

ドイツ

子宮内膜症・子宮腺筋症・月経困難症治療剤「ディナゲスト」の原末輸入(子宮内膜症治療剤「ジエノゲスト「モチダ」」の原末も対象とする)、開発、製造及び独占的販売

1992年

ルンドベック社

デンマーク

抗うつ剤「レクサプロ」の原末輸入、開発、製造及び独占的販売

2001年

ユナイテッド・セラピューティクス社

アメリカ

肺動脈性肺高血圧症治療剤「トレプロスト」の開発、輸入及び独占的販売

2007年

シャイアー・ファーマシューティカルズ・グループ社(現 武田薬品グループ)

イギリス

潰瘍性大腸炎治療剤「リアルダ」の開発、輸入及び独占的販売

2009年

富士製薬工業㈱

日本

バイオ後続品「フィルグラスチムBS「モチダ」」の共同開発、仕入及び販売

2010年

ゲデオン・リヒター社

ハンガリー

ゲデオン・リヒター社のバイオ後続品(「テリパラチドBS「モチダ」」を含む)の開発、輸入及び独占的販売

2010年

LG Chem社

韓国

バイオ後続品「エタネルセプトBS「MA」」の開発、輸入及び独占的販売

2012年

LG Chem社

韓国

アダリムマブのバイオ後続品「LBAL」の開発、輸入及び独占的販売

2014年

EAファーマ㈱

日本

慢性便秘症治療剤「グーフィス」の共同開発、仕入及び共同販売

2016年

㈱富士薬品

日本

痛風・高尿酸血症治療剤「ユリス」の共同開発、仕入及び独占的販売

2017年

ユナイテッド・セラピューティクス社

アメリカ

肺動脈性肺高血圧症治療剤「MD-711」の開発、輸入及び独占的販売

2017年

EAファーマ㈱

日本

慢性便秘症治療剤「モビコール」の共同開発、仕入及び共同販売

2017年

ファイザー㈱

日本

抗うつ剤「MD-120」の共同開発、輸入及び共同販売

2019年

イドルシア・ファーマシューティカルズ社

スイス

不眠症治療剤「ACT-541468」の共同開発、輸入及び共同販売

2019年

㈱ジーンテクノサイエンス

日本

腸管神経節細胞僅少症等の消化器領域における希少疾患・難病を対象とする再生医療等製品の共同開発、仕入及び独占的販売

2020年

 

 

 

(2)技術導出契約

相手先

国名

契約内容

契約年

アマリン社

アイルランド

新規高純度EPA製剤の米国・他地域における開発及び販売

2018年

 

 

(3)販売契約等(導入)

相手先

国名

契約内容

契約年

日本水産㈱

日本

高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」の原末仕入

1990年

EAファーマ㈱

日本

持続性Ca拮抗降圧剤「アテレック」の仕入及び独占的販売

1997年

日医工㈱

日本

血行促進・皮膚保湿剤「ビーソフテン」及び「ヘパリン類似物質「日医工」」の仕入及び販売

2007年

EAファーマ㈱

日本

速効型食後血糖降下剤「ファスティック」の仕入及び独占的販売

2011年

EAファーマ㈱

日本

高血圧症治療剤「アテディオ」の仕入及び独占的販売

2013年

ヤンセンファーマ㈱

日本

慢性疼痛・抜歯後疼痛治療剤「トラムセット」の仕入及び独占的販売(2016年、販売枠組み変更契約締結)

2013年

ヤンセンファーマ㈱

日本

抗悪性腫瘍剤「ドキシル」の仕入及び独占的販売

2017年

 

 

 (4)販売契約等(導出) 

相手先

国名

契約内容

契約年

大正製薬㈱

日本

高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」のスイッチOTC薬「エパデールT」の供給及び独占的販売

2009年

田辺三菱製薬㈱

日本

抗うつ剤「レクサプロ」の供給及び共同販売

2010年

あゆみ製薬㈱

日本

バイオ後続品「エタネルセプトBS「MA」」の供給及び独占的販売

2016年

あゆみ製薬㈱

日本

アダリムマブのバイオ後続品「LBAL」の供給及び独占的販売

2016年

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは社是「先見的独創と研究」を実践し、国内外企業との研究開発提携も積極的に推進しながら医療用医薬品を中心に研究開発活動を展開しております。

当連結会計年度の研究開発費は、11,884百万円であります。

研究開発の状況につきましては、研究面では、オープンイノベーションの推進を通じた早期開発候補品の導入等により開発パイプラインの充実を図るべく創薬研究活動に取り組んでおります。また、統合失調症治療薬、疼痛治療薬(TRPV1拮抗薬)の導出活動にも積極的に取り組んでおります。

なお、株式会社ジーンテクノサイエンスと腸管神経節細胞僅少症等の消化器領域における希少疾患・難病を対象とする再生医療等製品の共同事業化契約を、2020年3月に締結しました。

臨床開発面では、「テリパラチドBS「モチダ」」(開発コード:RGB-10)の製造販売承認を2019年9月に取得しました。株式会社富士薬品と共同開発を行ってきた痛風・高尿酸血症治療剤「ユリス」(開発コード:FYU-981)については、同社が製造販売承認を2020年1月に取得しました。「ディナゲスト」については、月経困難症に対する効能・効果の製造販売承認を2020年1月に取得しました。新規高純度EPA製剤「MND-2119」、「リアルダ」の小児適応、「レクサプロ」の小児適応、ファイザー株式会社と共同開発を行っている抗うつ剤「MD-120」及び中国において住友制葯(蘇州)と提携して開発を進めている高トリグリセリド血症治療剤「MND-21」については、それぞれ臨床第Ⅲ相段階にあります。肺動脈性肺高血圧症治療剤「MD-711」については、臨床第Ⅱ/Ⅲ相段階にあります。2019年12月にIdorsia Pharmaceuticals Ltdと開発・販売に関する契約を締結した不眠症治療剤「ACT-541468」については、臨床第Ⅱ相段階にあります。関節軟骨損傷治療材「dMD-001」については、検証的治験段階にあります。

なお、Meiji Seikaファルマ株式会社とベトナムにおける「エパデール」の販売に関する契約を、2020年3月に締結しました。

これらの医薬品関連事業の当連結会計年度の研究開発費は、11,776百万円であります。

ヘルスケア事業の研究開発費は107百万円であります。