第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、社是を『先見的独創と研究』と定めています。また、企業理念『絶えず先見的特色ある製品を開発し、医療の世界に積極的に参加し、もって人類の健康・福祉に貢献する』は普遍的な使命です。潜在的な医療・健康ニーズを捉えて、患者や顧客の皆様にとって価値あるものを創造し、提供していくことが存在意義であると考えています。

医薬品関連事業とヘルスケア事業の2つの事業活動を通じて「ニーズを満たす特色ある製品の創出」「高品質な医薬品の安定供給」「適切な価値ある情報提供」を行い、それによって、「患者さんとそのご家族のQOL向上」や「女性の様々なライフステージのサポート」、ひいては「人類の健康・福祉への貢献」といった製薬企業としての価値の提供に取り組みます。

また、サステナビリティに関する基本方針を定めており、企業として事業を展開するにあたっては、ESGの観点についても考慮し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、長期ビジョンを『医療・健康ニーズに応えることで、グローバルにも存在価値を認められる特色ある生命・健康関連企業グループとして成長する』と定めています。この長期ビジョンを具体化し、2031年に当社グループが目指す「ありたい姿」を策定しました。従来の低分子や抗体医薬品等だけでは治療が難しかった難治性疾患・希少疾患への取り組みなど、医療の多様化・高度化が進む中、今後成長が見込まれる新たな創薬モダリティを取り込み、充足していない医療・健康ニーズに挑戦します。また、現在主力の医薬品関連事業とヘルスケア事業に加えて、バイオマテリアル事業を次世代の柱の一つにするべく取り組みます。

 


 

「2031年のありたい姿」を実現するために、持続的な企業価値の向上の観点から、当社グループのサステナビリティ基本方針と整合を図りながら、この3年間で取り組む課題に対する行動計画として「22-24中期経営計画」を策定しました。

 

社会保障費財源確保の問題を背景とする薬剤費抑制政策が継続的に推し進められ、医薬品業界を取り巻く事業環境は今後もますます厳しくなることが予想されます。当社グループも、22-24中期経営計画期間において一旦は収益悪化が想定されますが、「ありたい姿」を実現するための成長投資の継続を図ります。

 

(3) 目標とする経営指標

20-22中期経営計画までは最終年度の経営目標数値を公表しておりましたが、今後の薬価制度見直しの動向などが業界環境に与える影響の程度とスピードの予測が極めて困難である状況に変わりはなく、今回も最終年度の経営目標数値の策定及び公表は見送ることといたしました。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

22-24中期経営計画期間中、当社グループはイノベーション創出と生産性向上をテーマとして以下の課題に重点的に取り組みます。

①新薬を中心とした重点領域における収益の最大化

・ 主力事業である医薬品関連事業において、重点領域の循環器、産婦人科、精神科、消化器にリソースを集中し、地位を堅持するとともに、新薬による収益の最大化を推進します。

・ 安定供給と適正品質維持の徹底を継続するとともに、調達コストの削減、製品ラインナップの見直しによるコスト構造の改善を推進します。

②「ありたい姿」を実現するための成長投資の継続

・将来の競争力に結びつく事業活動への投資を積極的に進めます。 

-バイオマテリアル事業の拡大・推進と早期上市に取り組みます。

-細胞・核酸・遺伝子といった新たな創薬モダリティを取り込んでいきます。特に再生医療等製品の分野において開発を優先的に進めます。

③イノベーション創出と生産性向上に向けた企業体制の強化

・ 業務プロセスと業務品質レベルの最適化、デジタルトランスフォーメーションの推進、制度改革、ファシリティマネジメントの推進の4つのアプローチを調和・連携させ、効率的な組織運営と企業価値の向上を図ります。

・ イノベーションをけん引する人財の育成、人財マネジメント体制の強化、部門間連携の強化に取り組みます。

 

(5) 新型コロナウイルス感染症の影響

提出日現在、事業及び業績に対する新型コロナウイルス感染症の影響は限定的です。なお、新型コロナウイルス感染症が事業及び業績等に与える影響については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、当社グループは、当社グループに適用されるリスク管理規程を制定すると共に、各部門長及び子会社社長等を委員とするリスク管理委員会を設置し、当社グループの事業及び経営に相当程度の悪影響(損失)を与え得るリスク(主要リスク)の認識と評価、対応策を全社レベルで検討・把握し、リスク管理に係る方針や主要な施策等を協議し、主要リスクが顕在化した場合の必要な事業継続、損失の極小化等を基本方針とする等、主要リスクの管理体制を整備しております。

 

(特に重要なリスク)

(1) 研究開発に関するリスク

医薬品等の研究開発には多額の資金及び長期間を要しますが、その過程で当初期待した有効性が証明できなかったり、予期せぬ副作用が発現した等の理由により、開発が中断・遅延する可能性があります。これにより、開発のやり直し、追加試験等の発生、また将来の売上機会の喪失等により、当初期待していた収益を下回る可能性があります。

当社グループは、必要な試験・調査・評価等及び適切な製造・品質管理を実施する等、当該リスクの低減に努めております。

 

(2) 製造・仕入れに関するリスク

当社グループは製品の品質について、関連法規に基づく規制のもと、サプライチェーンへの要請を含め品質保証等万全を期しておりますが、当社グループの工場において製造上の瑕疵による品質問題等が発生した場合や、特定の取引先に供給を依存している商品及び原材料等について、調達管理部門を設置し調達管理を実施しているものの、何らかの要因によりその供給が遅延又は停止した場合、商製品回収、出荷遅延・停止や欠品、これらによる許認可の取り消し、業務停止その他の行政処分、売上減少等により、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 業務提携に関するリスク

当社グループは各部門において、共同研究・開発・販売、製品の導出入等、他社との業務提携を行っており、今後何らかの事情により、これらの提携が解消される可能性があり、その場合には将来の売上見込・機会の喪失等により、当初予想・期待した収益を下回る可能性があります。

当社グループは、提携先との関係維持及び当該リスクを低減する契約の締結に努める等、当該リスクの低減に努めております。

 

(4) 法規制、制度改革に関するリスク

医薬品の研究開発・製造・販売等に関しては医薬品関連法規等の規制(医療制度改革、後発品使用の促進及び薬価基準の引き下げ等の医療費適正化推進策を含む)を受けており、規制の厳格化等により経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当該規制に適合しない場合、製品の回収、許認可の取り消し、業務停止その他の行政処分又は損害賠償請求を受けると共に、信用失墜による売上減少を招く可能性があり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、規制を遵守する体制を整備すると共に、規制の改正の方向を早期に捉え改正に備え収益の維持に努める等、当該リスクの低減に努めております。

 

(5) 副作用に関するリスク

当社グループは医薬品の品質・安全性について、医薬品関連法規に基づく厳格な規制のもと、臨床試験の信頼性の保証や製品の品質保証等万全を期すと共に、副作用被害の賠償に関する保険に加入する等、当該リスクの低減に努めておりますが、予期せぬ副作用の発生による製品の回収、製造販売の中止、訴訟対応や損害賠償、信用失墜による売上減少等が発生する可能性があり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 事業継続に関するリスク

大規模な自然災害その他の災害・事故等により、当社グループの工場、研究所、支店、事業所等の各拠点が深刻な影響・被害(情報システムの停止・障害を含む)を受け、また感染症の蔓延等により事業活動の停滞や工場の操業停止等に陥り、欠品等が生じた場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの各拠点では、地震等の災害・事故の発生に備え、市場への製品安定供給を含む事業継続計画の策定等の各種対策を推進する等、当該リスクの低減に努めております。

なお、今般の新型コロナウイルス感染症に対しては、従業員及び事業関係者への感染防止、製品の安定供給体制の維持を中心に取り組んでおります。

 

(重要なリスク)

(1) 製品売上構成上のリスク

当社グループの中核事業である医薬品において、一部主力製品の売上が高い比率を占めております。このため、薬価制度や競合状況等の最新情報も踏まえて当該製品の価値向上に努めておりますが、競合品・後発品の発売・伸長による売上の減少の他、予期せぬ副作用、製品瑕疵、安定供給への障害等によりこれらの製品が販売中止や製品回収に至った場合は信用失墜による売上減少を含め、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 他社競合その他販売に関するリスク

他社製品(後発品を含む)との競合等は売上・収益を減少させる原因となり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの販売先は、特定の卸売業者に集中しており、これらの卸売業者に貸し倒れが発生し債権回収不能となった場合、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、製品価値の維持・向上及び適切な与信管理に努める等、当該リスクの低減に努めております。

 

(3) 知的財産権に関するリスク

当社グループの事業活動が第三者の知的財産権に抵触する場合、訴訟対応・損害賠償・実施料の支払い等による収益の低下、ひいては事業の中止に繋がり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、保有する知的財産権を適切に管理し、第三者の知的財産権を侵害しないよう必要な調査を行う等、当該リスクの低減に努めております。

 

(4) 情報管理に関するリスク

当社グループが保有する機密情報、個人情報等がシステムへの不正侵入、システム障害その他の理由により社外に流出した場合、訴訟対応や損害賠償、信用失墜による売上減少、将来の売上機会の喪失等により経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、情報保護のための安全管理措置(組織的・人的・物理的・技術的措置)を講じ、情報セキュリティ面の充実を図る等、当該リスクの低減に努めております。

 

(5) 環境問題に関するリスク 

医薬品等の研究、製造の過程等で使用される化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与えるものも含まれ、これら物質が土壌汚染、大気汚染等、環境に深刻な影響を与えた場合、汚染発生の原因解明・周辺地域対応や、信用失墜による売上減少等により経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、関連法規を遵守し必要な調査・監視を行う等、当該リスクの低減に努めております。

また、気候変動に係るリスクが当社の事業活動や収益等に与える影響について分析を行い、開示を検討してまいります。

 

 

(6) 金融市況及び為替変動に関するリスク

金融市況の悪化により、当社グループが保有する有価証券の評価損や売却損が生じ、また金利動向によっては退職給付債務の増加等が生じる可能性があり、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、商品・原料の輸入等の外貨建取引において、外国為替変動が経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、一部の外貨建債権債務の為替予約等のヘッジ取引を行うと共に、急激な為替変動リスクの契

約による一部転嫁等に努める等、当該リスクの低減に努めております。

 

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。また、上記以外にもさまざまなリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況 

当連結会計年度の国内経済は、新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たない中、変異株の流行もあり、前年度に引き続き先行き不透明な状況で推移しました。医薬品業界では、社会保障費財源確保の問題を背景とする薬剤費抑制政策が継続的に推し進められる中、2021年4月には薬価の中間年改定が行われました。また企業間競争も加速しており、引き続き厳しい事業環境にあります。

このような状況下、当連結会計年度における当社グループは、事業環境の変化にも対応し持続的に成長し続けるために、利益重視と将来への投資の継続を基本方針とし、「新薬等への注力」「次世代の柱構築のための継続的な投資」「選択と集中による、リソースの戦略的再配分」に重点的に取り組んでまいりました。医薬品関連事業では、循環器、産婦人科、精神科、消化器の重点領域等へリソースを集中し、主力製品を中心とした学術情報提供活動を積極的に展開いたしました。また、ヘルスケア事業は、敏感肌用スキンケアのパイオニアとして事業活動を行い、マーケティングの強化に努め市場開拓を図ってまいりました。

当連結会計年度の売上高は、110,179百万円で前期比7.0%の増収となりました。

利益面につきましては、研究開発費の増加を主な要因として販売費及び一般管理費が増加しましたが、医薬品関連事業の売上高増加に伴い売上総利益が増加したことにより、営業利益は14,392百万円で前期比19.9%の増益、経常利益は14,799百万円で前期比20.7%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は10,569百万円で前期比23.1%の増益となりました。

各事業部門の業績は次のとおりであります。

 

1.医薬品関連事業

医薬品関連事業の売上高は104,447百万円で前期比7.4%の増収となりました。薬価改定の影響を受けたものの、新薬の抗うつ剤「レクサプロ」、潰瘍性大腸炎治療剤「リアルダ」、慢性便秘症治療剤「グーフィス」「モビコール」、及び月経困難症治療剤「ディナゲスト」の売上高が伸長しました。また、2020年5月に販売を開始した痛風・高尿酸血症治療剤「ユリス」も寄与しました。一方、長期収載品の高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」、及び持続性Ca拮抗降圧剤「アテレック」の売上高は、前期を下回りました。後発品事業の売上高は前期を上回りました。ロイヤリティ収入も前期に比べて増加しました。

 

2.ヘルスケア事業

ヘルスケア事業の売上高は5,732百万円で前期比0.4%の増収となりました。「コラージュフルフルシリーズ」の抗真菌成分配合シャンプー・リンス・石鹸、同シリーズの育毛剤、及び基礎化粧品「コラージュリペアシリーズ」の売上高が伸長しました。

 

<新型コロナウイルス感染症への取り組み及び業績への影響について>

新型コロナウイルス感染症に対しては、従業員及び事業関係者への感染防止、製品の安定供給体制の維持を中心に取り組んでまいりました。

当社は、社長を本部長とする新型コロナウイルス対策本部を設置し、当社グループにおける感染防止と事業継続の両面で方針等を決定しております。従業員に対しては、在宅勤務や時差出勤を推奨し、感染防止の徹底を図っております。また、新型コロナウイルス感染症の患者様の対応にあたる医療関係者の皆様を支援する目的で、昨年度に引き続き寄付を実施いたしました。

MR(医薬情報担当者)の活動においては、各医療機関の状況を個別に把握しつつ、デジタルマーケティングを積極的に活用した情報提供を行っております。

研究・開発については、症例登録の遅延や治験実施施設の追加等が生じているプロジェクトが一部ありますが、概ね計画通りに進んでおります。

医薬品製造については、原薬及び製剤製造のサプライチェーンにおいて、新型コロナウイルス感染症に起因する重大な事象は発生しておりません。製品を安定的に供給できる体制を維持すべく、取り組んでおります。

事業活動において、一部、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が見られるものの、当連結会計年度の売上高及び利益に対する影響は軽微でした。

 

② 財政状態の状況
(資産)

当連結会計年度末における流動資産は121,448百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,654百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が減少したものの、有価証券や売掛金(前連結会計年度は、受取手形及び売掛金)が増加したことによるものです。固定資産は41,691百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,306百万円減少しました。これは主に、建設仮勘定が増加したものの、投資有価証券が減少したことによるものです。

この結果、総資産は、163,139百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,347百万円増加しました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は29,856百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,146百万円増加しました。これは主に、未払法人税等が減少したものの、支払手形及び買掛金が増加したことによるものです。固定負債は4,636百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,469百万円減少しました。これは主に、固定負債のその他に含まれる長期未払金が減少したことによるものです。

この結果、負債合計は、34,493百万円となり、前連結会計年度末に比べ323百万円減少しました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は128,646百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,671百万円増加しました。これは主に、配当金の支払いによる利益剰余金の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加があったことによるものです。

この結果、自己資本比率は78.9%と前期比0.4ポイント増加しました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ472百万円減少し、当連結会計年度末には40,515百万円となりました。

主な内容は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は7,459百万円(前期は9,198百万円の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払3,616百万円があったものの、税金等調整前当期純利益が14,591百万円であったことに加え、減価償却費2,689百万円の発生によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は2,007百万円(前期は880百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入(純額)5,600百万円があったものの、有価証券の取得による支出(純額)4,500百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出2,988百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は5,956百万円(前期は5,112百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払3,445百万円、自己株式の取得による支出2,511百万円があったことによるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

 a.生産実績

当連結会計年度の生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門の名称

金額(百万円)

前期比(%)

医薬品関連

72,872

5.1

ヘルスケア

5,894

0.8

合計

78,767

4.8

 

(注) 金額は正味販売価格によっております。

 

 b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門の名称

金額(百万円)

前期比(%)

医薬品関連

20,777

12.3

合計

20,777

12.3

 

(注) 金額は実際仕入額によっております。

 

 c.受注状況

当社グループは主として見込生産を行っているため、記載を省略しております。

 

 d.販売実績

当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門の名称

金額(百万円)

前期比(%)

医薬品関連

104,447

7.4

ヘルスケア

5,732

0.4

合計

110,179

7.0

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱メディセオ

20,322

19.7

22,783

20.7

㈱スズケン

17,586

17.1

18,602

16.9

アルフレッサ㈱

16,976

16.5

17,390

15.8

東邦薬品㈱

10,299

10.0

10,559

9.6

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、その時点で最も合理的と考えられる基準に基づいて実施しておりますが、見積り等の不確実性があるため実際の結果は異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表〔注記事項〕(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。

なお、業績への影響につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因について 

中核とする医薬事業は医薬品関連法規等の規制を受けており、医療制度改革、後発品の使用促進及び薬価改定等の医療費適正化策の動向、及び主力品の市場における競争状況が経営成績に継続的に影響を及ぼす要因として認識しております。また、経営成績に大きな影響を与える要因となる可能性があるリスクについては、「2[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。

当連結会計年度は、こうした諸要因のインパクトも計画に織り込み、事業に取り組みました。その結果、医薬品関連事業は、新薬の売上高が伸長、後発品使用促進策の影響を主な要因として長期収載品の売上高が低下、後発品の売上高がやや伸長しました。またヘルスケア事業も主要製品が伸長したことにより、(1)① 経営成績の状況に記載のとおりの経営成績となったと認識しております。

また、当連結会計年度を含む中期経営計画(「21-23中期経営計画」)においては、「新薬等への注力」「次世代の柱構築のための継続的な投資」「選択と集中による、リソースの戦略的再配分」に重点的に取り組むことを掲げておりました。当連結会計年度については、「レクサプロ」「リアルダ」「グーフィス」「モビコール」「ユリス」等の新薬への注力、開発パイプライン品目の進展及び拡充のための取り組み、及び将来に向けた研究開発等への継続投資を行いました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの主な資金需要は、運転資金、研究開発や企業提携等への資金及び設備資金であり、これらの必要資金は、主に利益の計上により生み出される自己資金により賄っております。また、当社グループでは、安定した資金調達手段を確保し、機動的に資金調達を行うため特定融資枠契約(コミットメントライン契約)を締結しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1)技術導入契約

相手先

国名

契約内容

契約年

バイエル社

ドイツ

子宮内膜症・子宮腺筋症・月経困難症治療剤「ディナゲスト」の原末輸入(子宮内膜症・子宮腺筋症治療剤「ジエノゲスト「モチダ」」の原末も対象とする)、開発、製造及び独占的販売

1992年

ルンドベック社

デンマーク

抗うつ剤「レクサプロ」の原末輸入、開発、製造及び独占的販売

2001年

ユナイテッド・セラピューティクス社

アメリカ

肺動脈性肺高血圧症治療剤「トレプロスト」の開発、輸入及び独占的販売

2007年

シャイアー・ファーマシューティカルズ・グループ社(現 武田薬品グループ)

イギリス

潰瘍性大腸炎治療剤「リアルダ」の開発、輸入及び独占的販売

2009年

富士製薬工業㈱

日本

バイオ後続品「フィルグラスチムBS「モチダ」」の共同開発、仕入及び販売

2010年

ゲデオン・リヒター社

ハンガリー

ゲデオン・リヒター社のバイオ後続品(「テリパラチドBS「モチダ」」を含む)の開発、輸入及び独占的販売

2010年

LG Chem社

韓国

バイオ後続品「エタネルセプトBS「MA」」の開発、輸入及び独占的販売

2012年

LG Chem社

韓国

バイオ後続品「アダリムマブBS「MA」」の開発、輸入及び独占的販売

2014年

EAファーマ㈱

日本

慢性便秘症治療剤「グーフィス」の共同開発、仕入及び共同販売

2016年

㈱富士薬品

日本

痛風・高尿酸血症治療剤「ユリス」の共同開発、仕入及び独占的販売

2017年

ユナイテッド・セラピューティクス社

アメリカ

肺動脈性肺高血圧症・間質性肺疾患に伴う肺高血圧症治療剤「MD-711」の開発、輸入及び独占的販売

2017年

EAファーマ㈱

日本

慢性便秘症治療剤「モビコールLD」「モビコールHD」の共同開発、仕入及び共同販売

2017年

ファイザー㈱

日本

抗うつ剤「MD-120」の共同開発、輸入及び共同販売

2019年

イドルシア・ファーマシューティカルズ社

スイス

不眠症治療剤「ACT-541468」の共同開発、輸入及び共同販売

2019年

キッズウェル・バイオ㈱(注)

日本

腸管神経節細胞僅少症等の消化器領域における希少疾患・難病を対象とする再生医療等製品の共同開発、仕入及び独占的販売

2020年

 

(注) 株式会社ジーンテクノサイエンスは、2021年7月1日付でキッズウェル・バイオ株式会社に商号変更しております。

 

(2)技術導出契約

相手先

国名

契約内容

契約年

アマリン社

アイルランド

新規高純度EPA製剤の米国・他地域における開発及び販売

2018年

 

 

 

(3)販売契約等(導入)

相手先

国名

契約内容

契約年

日本水産㈱

日本

高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」の原末仕入

1990年

EAファーマ㈱

日本

持続性Ca拮抗降圧剤「アテレック」の仕入及び独占的販売

1997年

日医工㈱

日本

血行促進・皮膚保湿剤「ヘパリン類似物質「日医工」」の仕入及び販売

2007年

EAファーマ㈱

日本

高血圧症治療剤「アテディオ」の仕入及び独占的販売

2013年

ヤンセンファーマ㈱

日本

慢性疼痛・抜歯後疼痛治療剤「トラムセット」の仕入及び独占的販売(2016年、販売枠組み変更契約締結)

2013年

ヤンセンファーマ㈱

日本

抗悪性腫瘍剤「ドキシル」の仕入及び独占的販売

2017年

 

 

 (4)販売契約等(導出) 

相手先

国名

契約内容

契約年

大正製薬㈱

日本

高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療剤「エパデール」のスイッチOTC薬「エパデールT」の供給及び独占的販売

2009年

田辺三菱製薬㈱

日本

抗うつ剤「レクサプロ」の供給及び共同販売

2010年

あゆみ製薬㈱

日本

バイオ後続品「エタネルセプトBS「MA」」の供給及び独占的販売

2016年

あゆみ製薬㈱

日本

バイオ後続品「アダリムマブBS「MA」」の供給及び独占的販売

2016年

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは社是「先見的独創と研究」を実践し、国内外企業との研究開発提携も積極的に推進しながら医療用医薬品を中心に研究開発活動を展開しております。

当連結会計年度の研究開発費は、12,295百万円であります。

研究開発の状況につきましては、研究面では、オープンイノベーションの推進を通じた早期開発候補品の導入等により開発パイプラインの充実を図るべく創薬研究活動に取り組んでおります。また、統合失調症治療薬、疼痛治療薬(TRPV1拮抗薬)の導出活動にも積極的に取り組んでおります。

臨床開発面では、新規高純度EPA製剤「MND-2119」、及びトレプロスチニルの吸入剤「MD-711」の肺動脈性肺高血圧症適応について製造販売承認申請中です。「リアルダ」の小児適応、「レクサプロ」の小児適応、ファイザー株式会社と共同開発を行っている抗うつ剤「MD-120」、中国において住友制葯(蘇州)と提携して開発を進めている高トリグリセリド血症治療剤「MND-21」、及びイドルシアファーマシューティカルズジャパン株式会社と共同開発を行っている不眠症治療剤「ACT-541468」は、臨床第Ⅲ相段階にあります。「MD-711」の間質性肺疾患に伴う肺高血圧症の適応については、臨床第Ⅱ/Ⅲ相段階にあります。また、「ユリス」の小児適応のための臨床第Ⅲ相試験を2022年4月に開始しました。

医療機器として開発している関節軟骨損傷治療材「dMD-001」は、検証的治験段階にあります。また、海綿体神経損傷治療材「dMD-002」は、探索的治験段階にあります。

これらの医薬品関連事業の当連結会計年度の研究開発費は、12,202百万円であります。

ヘルスケア事業の研究開発費は93百万円であります。