(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調を辿ってまいりましたが、中国をはじめとする新興国経済の減速、英国のEU離脱やトランプ政権の誕生に代表される保護主義の台頭、さらには朝鮮半島の政治的緊張の高まりなど、海外の政治・経済の動向が株式・為替等金融市場の先行きや企業業績に及ぼす影響について、不透明感が増大する状況となりました。
医薬品業界におきましては、医療用医薬品は、医療費抑制策の一環として薬価制度の見直しや後発医薬品使用の促進が従来にも増して強力に推進されており、またOTC医薬品市場におきましても市場競争の激化が続いており、ともに厳しい環境下で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループは平成26年度を起点とする3ヵ年の第8次中期経営計画(平成26年度~平成28年度)の最終年度にあたる当連結会計年度において、海外事業を積極的に展開させるとともに、従来より「車の両輪」と捉えております医療用医薬品事業とコンシューマーヘルスケア事業を力強く成長させるべく経営資源の積極的な投入を行ってまいりました。
これらの活動の結果、当連結会計年度は、売上高648億49百万円(前期比3.8%増)、営業利益45億41百万円(前期比0.5%減)、経常利益44億38百万円(前期比0.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益35億44百万円(前期比0.9%増)となりました。
なお、当連結会計年度の海外売上高比率は24.6%(前期20.0%)となっております。
次にセグメントの状況につきまして、ご報告申し上げます。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分方法を変更しております。前期比にあたっては、前連結会計年度分を変更後の区分に組替えて行っております。
(医療用医薬品事業)
当事業におきましては、プロモーションコードの遵守を基本に、MR(医薬情報担当者)の資質の向上と学術情報活動の一層の充実を図ってまいりました。
主力製品である潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」は、国内におきましては、平成28年4月の薬価改定及び後発品の影響を受け苦戦いたしました。一方、海外におきましては、英国での伸長などにより順調に売上を拡大いたしました。また、当社の100%子会社であるTillotts Pharma AGがAstraZenecaより米国を除く全世界における権利を取得した炎症性腸疾患治療剤「Entocort」につきましては、当連結会計年度末までに欧州、カナダ等の主要国における製造販売承認権の承継を終了し、売上を順調に拡大中であります。なお、国内におきましてはクローン病治療剤「ゼンタコート」として、平成28年11月に販売を開始し、早期の市場浸透に努めております。機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」につきましては、市場構築が計画比遅れる状況となっておりますが、医療機関における疾患及び治療法などの認知度を高めることにより進展を図っております。
これらの結果、当事業の売上高は、344億30百万円(前期比1.6%増)、営業利益は17億16百万円(前期比42.9%減)となりました。
(コンシューマーヘルスケア事業)
当事業におきましては、超高齢社会が進展する中、生活者のセルフメディケーションをサポートする製品の供給を通じて市場構築を進めてまいりました。
主力製品群である「ヘパリーゼ群」につきましては、テレビCMなどの広告宣伝活動を積極的に展開した結果、製品認知度がさらに向上し、引き続き売上を拡大いたしました。なかでも、平成28年3月に発売したコンビニエンスストア向けの「ヘパリーゼWプレミアム」(清涼飲料水)が売上に大きく寄与しております。また、ドラックストア向けミニドリンク剤の上位品として「ヘパリーゼキングプラス」(第2類医薬品)及び「ヘパリーゼキングEX」(第2類医薬品)を平成28年10月に発売し、製品ラインアップを強化いたしました。「コンドロイチン群」につきましては、医薬品としての有効性、安全性、高品質を訴求し、健康食品との違いを明確にした販売活動を行った結果、引き続き圧倒的な市場シェアを堅持しております。
これらの結果、当事業の売上高は、302億77百万円(前期比6.5%増)、営業利益は79億81百万円(前期比20.3%増)となりました。
(その他)
当事業の売上高は、保険代理業・不動産賃貸収入などにより1億42百万円(前期比6.8%減)、営業利益は2億46百万円(前期比2.3%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、期首残高対比30億92百万円減少し、91億18百万円となりました。これは営業活動によるキャッシュ・フローが72億38百万円のプラスであったものの、投資活動によるキャッシュ・フローが7億3百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが89億82百万円のマイナスであったためであります。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、72億38百万円の資金の増加となりました(前連結会計年度対比15億43百万円増)。これは、税金等調整前当期純利益の計上49億20百万円、減価償却費の計上31億6百万円、のれん償却額の計上6億88百万円、投資有価証券売却損益(益)の計上8億7百万円、売上債権の増加20億81百万円、たな卸資産の増加7億17百万円、その他の流動負債の増加16億74百万円、法人税等の支払い4億52百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は7億3百万円の資金の減少となりました(前連結会計年度対比320億5百万円増)。これ
は、有形固定資産の取得による支出16億72百万円、無形固定資産の取得による支出20億49百万円、投資有価証券
の取得による支出23億68百万円、投資有価証券の売却による収入53億62百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は89億82百万円の資金の減少となりました(前連結会計年度対比313億98百万円減)。これは、短期借入金の増加9億24百万円、長期借入金の返済による支出76億19百万円、配当金の支払い16億94百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出5億80百万円等によるものであります。
当連結会計年度より報告セグメントの区分方法を変更しております。前期比にあたっては、前連結会計年度分を変更後の区分に組替えて行っております。
1 生産の状況
生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
前期比(%) |
||
|
医療用医薬品事業 |
31,336,444 |
8.0 |
|
|
コンシューマーヘルスケア事業 |
27,368,514 |
0.1 |
|
|
報告セグメント計 |
58,704,959 |
4.2 |
|
|
その他 |
- |
- |
|
|
合計 |
58,704,959 |
4.2 |
|
(注)1 金額は正味販売価格換算で表示しております。
2 金額は消費税等抜きで表示しております。
2 受注状況
当社グループは販売計画並びに生産計画に基づいて生産を行っており、受注生産は行っておりません。
3 商品仕入の状況
商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
前期比(%) |
||
|
医療用医薬品事業 |
1,421,281 |
△19.9 |
|
|
コンシューマーヘルスケア事業 |
753,576 |
△3.9 |
|
|
報告セグメント計 |
2,174,858 |
△15.0 |
|
|
その他 |
- |
- |
|
|
合計 |
2,174,858 |
△15.0 |
|
(注)1 金額は実際仕入額で表示しております。
2 金額は消費税等抜きで表示しております。
4 販売の状況
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
前期比(%) |
||
|
医療用医薬品事業 |
34,430,002 |
1.6 |
|
|
コンシューマーヘルスケア事業 |
30,277,679 |
6.5 |
|
|
報告セグメント計 |
64,707,682 |
3.8 |
|
|
その他 |
142,131 |
△6.8 |
|
|
合計 |
64,849,813 |
3.8 |
|
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 金額は消費税等抜きで表示しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「健康づくりは幸せづくり」を基本に、総合健康企業として、クオリティ・オブ・ライフの向上に貢献するため、国際的な医療ニーズに応えた医薬品やセルフメディケーションを指向したコンシューマーヘルスケア製品の研究開発、製造販売に取り組んでおります。
また、社会規範と行動規範を遵守し、企業活動すべてにおいて、さらには供給する製品すべてにおいて、ベスト・クオリテイを追求し、信頼と期待に応えるべく健全経営に努めてまいります。
(2)目標とする経営指標
経営指標については、連結売上高、連結自己資本当期純利益率及び連結海外売上高比率を重視しております。
(3)対処すべき課題
医療用医薬品におきましては、薬価制度の見直しや後発医薬品の使用促進などの医療費抑制策が強力に推進されており、またOTC医薬品におきましても、市場競争の激化などにより、今後とも厳しい経営環境が続くものと思われます。
このような状況のもと、当社グループは平成29年度を起点とした3ヵ年の第9次中期経営計画(平成29年度~平成31年度)をスタートさせました。
医療用医薬品事業におきましては、主力製品である「アサコール」と「Entocort」/「ゼンタコート」のシナジーにより、炎症性腸疾患領域における国内外でのプレゼンス向上に努めてまいります。さらに国内においては、「アサコール」の1日1回の用法追加を最大限に活用し、競合品・後発品により競争が激化している国内経口メサラジン製剤市場での市場シェアの拡大を図ってまいります。また「アコファイド」は、医療機関における疾患及び治療法などの認知度を高め、早期に本事業の柱に育成してまいります。
コンシューマーヘルスケア事業におきましては、「ヘパリーゼ群」、「コンドロイチン群」などこれまで構築してきた主力製品のブランド力をより一層向上させるとともに、西洋ハーブ製剤などの特徴ある製品の市場構築を進めてまいります。また、営業体制の強化により「イオナ」ブランドの早期の市場浸透を図り、化粧品事業を本事業の柱の1つに育成してまいります。
研究開発におきましては、国際社会に貢献する新薬を目指して、海外における新薬開発を積極的に推進するとともに、国内においても開発後期段階にある複数の開発を着実に進めてまいります。さらに、導入品を含めた新薬パイプラインの一層の充実と強化に努めてまいります。また、市場ニーズに合致したコンシューマーヘルスケア製品の開発にも積極的に取り組んでまいります。
グローバル展開におきましては、成長著しいアジア地域における事業拡大を図ってまいります。この一環として、ベトナムのPharmaceutical Joint Stock Company of February 3rdの事業基盤の強化に取り組むとともに、同社を通じた当社グループ製品の販売展開に注力し、海外売上高の拡大に挑戦してまいります。
さらには、財務体質の一層の充実に努めるとともに、会社法、金融商品取引法などに対応した内部統制の運営強化を通じて、当社グループ経営の信頼性を一層高める努力を継続してまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態に対して影響を与える可能性の高い主なリスクとして、以下のようなものがあります。
なお、以下の文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
医薬品等の安全性
販売中の医薬品等に関して、予期しない副作用が確認される場合があります。この副作用が重篤な場合には、その医薬品等の使用が制限されたり、販売を中止する可能性があります。主力製品にそのような事態が発生した場合には、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
研究開発の成否
医薬品等の開発に関しては、多大な時間と費用を要します。研究段階において医薬品の候補になり得る化合物を創製できる可能性は、高いものではありません。また、臨床研究の段階で予期しない副作用の発生や期待する有効性が確認できない場合もあります。
このような理由から、途中で開発を断念したり、開発計画の変更により開発期間が延長される可能性があります。こうした事態が発生した場合には、事業計画の大きな変更を迫られたり、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
関連する諸法規等
医薬品等の販売や製造・研究開発は、その実施に関して薬機法等関連法規によって規制されています。これらの法規制の変更により、販売の中止や制限、研究開発の変更などをせざるを得ない場合があります。これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
医療用医薬品については国により薬価基準が定められております。通常は2年に1回の薬価改定により薬価の引き下げが実施されます。この場合、売上高や利益を確保・増加させるには、販売数量の増加へ向けた努力が必要になりますが、引き下げ幅が多大であった場合または期待した販売数量増が達成できない場合には、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、既存の薬剤にとって代わる新薬の開発と上市が計画通り進行していない場合には、その影響が中長期的にも甚大なものとなる可能性があります。
また、医療政策や保険制度の変更が医薬品の処方等に影響を与え、市場の成長を変化させる可能性もあります。
提携関係等
医薬品等の販売や研究開発の過程では、他社との間で、製品導入、共同販売、共同開発などが行われています。これらの関係は、今後発生するさまざまな事情から解消される可能性を否定できません。現実に解消があった場合には、期待した経営成果を実現することができなくなり、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
ジェネリック医薬品の参入等
自社の医療用医薬品について、特許期間が満了したり、国によって定められた再審査期間が終了した場合には、ジェネリック医薬品の参入が予想されます。これにより医療用医薬品市場での競合が激化し、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新薬の開発と上市が計画通り進行していない場合には、その影響が中長期的にも甚大となる可能性があります。
のれん、販売権等
国内外における事業拡大の一環として企業買収を実施してきた当社グループにおいては、買収後の連結貸借対照表に多額の「のれん」が計上されております。これまでTillotts Pharma AGをはじめ、買収を通じてグループ企業となった連結子会社はグループ業績に多大な貢献をしてきておりますが、これら子会社の今後の業績がさまざまな要因により低迷した場合には、のれんの減損により当社グループの業績、財政状態に甚大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの連結貸借対照表には多額の「販売権」及び「商標権」が計上されております。これら無形固定資産については、のれんと同様に定期的に減損の兆候の有無の評価が必要となりますが、減損が生じていると判断される場合には、減損損失の計上により、当社グループの業績、財政状態に甚大な影響を及ぼす可能性があります。
訴訟の発生等
人々の健康に直接的に係りを持つ医薬品事業等の展開にあたっては、副作用や品質管理上の問題により予期せぬ健康被害の発生に直面する可能性を否定できません。また、幾多の提携関係等をベースとして事業を営む当社グループにおいては、提携等の内容・条件や提携関係の継続の可否を巡って、相手先との間で紛争の発生する可能性も否定できません。これらの事態が訴訟に進展した場合、その結果によっては、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
災害の発生等
大規模な災害の発生等により工場または原材料等の仕入先が被災した場合には、その程度によっては工場の操業が一時的に停止する可能性があります。これら事態の発生に備え、製造の一部委託あるいは原材料等の複数社からの購買等の対応を進めてはおりますが、操業の停止が長期に亘る場合には、製品供給に支障を来たし、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
海外展開等
海外での事業展開にあたっては、展開する国や地域の法令、税制、薬事行政等の変更により、期待する事業展開が困難となったり、事業の収益性に重大な影響が生じる可能性があります。今後アジア地域における事業展開の本格化を経営課題の1つに掲げる当社グループにとって、これらの事態に直面した場合には、期待する経営成果を実現することができなくなる可能性があります。
なお、上記以外にもさまざまなリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
(1) 技術導入等契約
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
対価 |
契約期間 |
|
ゼリア新薬工業 株式会社(当社) |
丸 山 茂 雄 丸 山 達 雄 亀 谷 道 子 |
日本 |
「SSM」及びこれに関連する医薬品の製造販売及び技術指導等に関する契約 |
一定率のロイヤリティー(支払) |
1992.3.23 ~「SSM」の有償治験終了まで |
|
ゼリア新薬工業 株式会社(当社) |
Eli Lilly and Company |
アメリカ |
H2受容体拮抗剤「アシノン」の日本国内における商標権を含むすべての権利等の取得 |
契約一時金 |
- |
|
ゼリア新薬工業 株式会社(当社) |
InKine Pharmaceutical Company |
アメリカ |
腸管洗浄剤の製品及び技術ライセンス |
実施料及び一定率のロイヤリティー(支払) |
2001.8.27 ~発売後10年間 (注)1 |
|
ゼリア新薬工業 株式会社(当社) |
Tillotts Pharma AG |
スイス |
炎症性腸疾患治療剤「アサコール」の開発、製造、販売に関する契約 |
契約金及び一定率のロイヤリティー(支払) |
2004.1.8 ~薬価収載後10年間 |
|
ゼリア新薬工業 株式会社(当社) |
HemCon Medical Technologies, Inc. |
アメリカ |
国内におけるHemCon社製止血・創傷治療用品の包括的・独占的開発、輸入、販売に関する契約 |
契約金(支払) |
2010.4.8 ~5年間、その後特許の権利存続期間の満了日まで延長可能 |
|
ゼリア新薬工業 株式会社(当社) |
日産化学工業株式会社 |
日本 |
カルシウム拮抗剤「ランデル」の製造販売承認の承継および商標権を含むすべての権利等の取得 |
契約一時金 |
- |
|
Tillotts Pharma AG(連結子会社) |
Prof John Rhodes Dr Brian Evans |
イギリス |
アサコールの開発・販売に伴うロイヤリティ支払いに関する契約 |
一定率の 実施料 |
1980.3.18~ |
|
ゼリア新薬工業 株式会社(当社) |
Vifor (International) AG |
スイス |
鉄欠乏性貧血治療剤Ferinjectの日本国内における独占的開発及び販売に関する契約 |
契約金及び一定率のロイヤリティー(支払) |
2013.8.6~ 発売後10年間 |
|
Tillotts Pharma AG(連結子会社) |
Cancer Prevention Pharmaceuticals, INC. |
アメリカ |
家族性大腸腺腫症治療薬の欧州および日本における独占的開発および販売に関する契約 |
契約金及び一定率のロイヤリティー(支払) |
2013.12.27~特許期間満了日、または上市後12年が経過する日の何れか遅い日まで |
|
ゼリア新薬工業 株式会社(当社) |
EAファーマ株式会社 |
日本 |
プロトンポンプ阻害剤「E3710」の日本国内における独占的開発および共同販促に関する契約 |
契約金及び一定率のロイヤリティー(支払) |
2014.8.18~ 発売後10年間、特許満了日、あるいは再審査期間終了日のいずれか遅い日まで (注)2 |
|
Tillotts Pharma AG(連結子会社) |
AstraZeneca AB |
スウエーデン |
IBD治療剤「Entocort」(一般名:ブデソニド)の米国を除く全世界における権利 |
契約一時金 |
- |
(注)1 Inkine Pharmaceutical Company との腸管洗浄剤の製品及び技術ライセンスに関する契約は2017年6月15
日をもって終了いたしました。
2 EAファーマ株式会社とのプロトンポンプ阻害薬「E3710」の日本国内における独占的開発および共同販促に
関する契約は2017年6月16日をもって解約したことにより終了いたしました。
(2) 当社の技術導出契約
|
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
対価 |
契約期間 |
|
SK Chemicals Co., Ltd. |
韓国 |
韓国における抗潰瘍剤「プロマック」の技術導出、当該製剤の輸出 |
契約金及び一定率のロイヤリティー(受取) |
2006.2.27~販売承認後10年間 |
|
協和発酵キリン株式会社 |
日本 |
炎症性腸疾患治療剤「アサコール」の共同開発及び共同販売に関する契約 |
契約金(受取) |
2007.1.29~薬価収載後10年間 |
|
アステラス製薬株式会社 |
日本 |
国内における機能性ディスペプシア治療剤「Z-338」の共同開発及び共同販促に関する契約 |
契約金及び一定率のロイヤリティー(受取) |
2012.12.28~薬価収載後10年間又は特許期間満了日のいずれか遅い日まで(その後両社が終了に合意しない限り10年間延長) |
(3) 当社の取引契約(輸入)
|
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
Davol,INC. |
アメリカ |
止血材「アビテン」の輸入、販売 |
1991.6.6 ~2021.6.6 |
(4) 当社の取引契約(国内)
|
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
第一三共株式会社 |
日本 |
急性心不全治療薬「ハンプ注射用1000」の日本国内における独占的販売権に関する再実施権許諾、販売等についての改定合意及び契約 |
2003.3.31 ~2013.7.31 その後2年毎 自動延長 |
|
寿製薬株式会社 |
日本 |
商品の取引に関する基本契約 |
1997.3.31 ~1999.3.31 その後1年毎 自動延長 |
|
伊藤忠商事株式会社 株式会社スーパーレックス |
日本 |
物流業務委託に関する基本契約 |
1999.1.25~ |
|
堺化学工業株式会社 |
日本 |
下肢静脈瘤硬化療法剤「ポリドカスクレロール」の取引に関する基本契約 |
2006.10.16~ |
|
浜理薬品工業株式会社 |
日本 |
抗潰瘍剤「プロマック」の原薬の仕入契約 |
2007.8.10~ |
|
寿製薬株式会社 味の素製薬株式会社 |
日本 |
売買協定 (マーズレンS配合顆粒・マーズレン配合錠1.0ES・マーズレン配合錠0.5ESの発売元の変更に関わる3社協定) |
2012.3.22~ 最長10年まで |
研究開発部門におきましては、自社オリジナル品の海外での臨床試験を積極的に推進するとともに、海外で実
績のある薬剤を導入し、国内での開発を進めております。
最重点領域である消化器分野の新薬パイプライン強化に取り組む中で、「Z-206(アサコール)」は、協和発
酵キリン株式会社と共同で潰瘍性大腸炎を対象とした、用法・用量を追加するフェーズⅢを実施し、平成28年7月に当社が承認申請を行っておりましたが、平成29年5月に承認を取得いたしました。また、中国での開発につきましては、フェーズⅢを終了し、平成25年5月に承認申請を実施済みであります。
自社オリジナル品の「Z-338(アコファイド)」につきましては、欧州において機能性ディスペプシアを対象
としたフェーズⅢを実施しております。
クローン病治療剤「ゼンタコート」につきましては、平成28年9月に製造販売承認を取得し、同年11月に販
売を開始いたしました。
エーザイ株式会社から導入した長時間作用型プロトンポンプ阻害剤「Z-215」につきましては、逆流性食道炎
を対象としたフェーズⅡを実施しております。
「Z-100」につきましては、子宮頸癌を対象として、日本を含むアジア地域におけるフェーズⅢ国際共同治験
を実施しております。
「Z-360」につきましては、膵臓癌を対象として、日本を含むアジア地域におけるフェーズⅡ国際共同治験を
実施しております。
スイスVifor (International) AGから導入いたしました鉄欠乏性貧血治療剤「Z-213」につきましては、フェ
ーズⅢを実施しております。
コンシューマーヘルスケア製品につきましては、引き続き西洋ハーブ製剤の開発を進めるとともに、新製品を
順次発売いたしました。
Tillotts Pharma AGは欧州を中心に下部消化器疾患治療薬の開発を進めております。
新技術を適用した改良型メサラジン製剤「TP05」につきましては、潰瘍性大腸炎を対象としてフェーズⅢを終
了し、平成29年1月に欧州において承認申請を行いました。
米国Cancer Prevention Pharmaceuticals, Inc.と共同開発中の「TP09」につきましては、家族性大腸腺腫症
を対象として、欧州・米国においてフェーズⅢを実施しております。
これらの活動の結果、当連結会計年度の研究開発費は前年度実績から減少し、84億58百万円(前期比1.4%
減)となりました。セグメント別の研究開発費は医療用医薬品事業78億75百万円、コンシューマーヘルスケア事業5億83百万円でありました。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、その計上額に影響する見積りや判断を用いなければなりませんが、当社は特に以下の重要な会計方針が見積りや判断の要素が高いものであると考えております。
① 収益の認識
当社グループの売上高は、製商品に対する受注に基づく出庫がなされた時点、あるいは役務の提供が行われた時点に計上しております。また、特許権、ライセンス収入に関してはライセンシーからの計算書に基づいて計上しております。
なお、当社グループは販売した医療用医薬品に対する将来の売上割戻に備えて、当期の実績に基づいた見積額を収益から控除しております。今後発生する売上割戻が見積りを上回った場合は、収益からの追加控除が必要となる可能性があります。
② 貸倒引当金
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能見込額を貸倒引当金に計上しておりますが、顧客の財務状況の悪化等により回収不能リスクが高まった場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
③ 返品調整引当金
当社グループは将来予想される返品に備えて返品見込額に対する売買利益及び廃棄損失の見積額を計上しておりますが、今後発生する返品が見積りを上回った場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
④ のれん等の減損
当社グループはのれんその他の無形固定資産について定期的に減損の兆候の有無を評価し、減損が生じていると判断される場合には、公正価値まで減損処理することとしております。この公正価値の見積りには、将来キャッシュ・フローや割引率等多くの見積りや前提を使用しておりますが、前提条件等の変化によって見積りが変更されることにより公正価値が下落し減損損失の計上が必要となる可能性があります。
⑤ 投資の減損
当社グループは投資の公正価値が帳簿価額を下回り、かつ回復の見込があると認められる場合を除き、その帳簿価額を実現可能価額まで減損処理することとしております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
⑥ 退職給付費用
当社グループは退職給付費用及び債務の計上にあたって、数理計算上で設定される割引率、期待運用収益率、昇給率、退職率等の基礎率を前提条件としております。この設定された基礎率と実際の結果との間に差異が生じた場合や設定された基礎率自体を変更する必要が生じた場合には、退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。
⑦ 繰延税金資産
当社グループは繰延税金資産を計上するにあたって、将来の収益力に基づく課税所得及び将来加算一時差異の十分性等からその回収可能性について慎重に検討しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当社グループの売上高は前連結会計年度の624億75百万円に対して648億49百万円となりました。
医療用医薬品事業の売上高は、「アサコール」が薬価改定及び後発品の影響を受け苦戦したものの、「Entocort」の売上が拡大した結果、前連結会計年度339億2百万円に対して344億30百万円となりました。
一方、コンシューマーヘルスケア事業の売上高は「ヘパリーゼ群」がテレビCMなどの広告宣伝活動を積極的に展開し、かつ製品ラインナップの強化を行った結果、前連結会計年度284億19百万円に対して302億77百万円となりました。
その他の事業につきましては、前連結会計年度の1億52百万円に対して1億42百万円となりました。
② 売上総利益
当社グループの売上総利益は、前連結会計年度の445億48百万円から466億91百万円に増加いたしました。これは売上高が前期比3.8%増加したことに加え、売上総利益率も71.3%から72.0%に改善したことによるものであります。
③ 販売費及び一般管理費
当社グループの販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の399億82百万円に対して421億49百万円となりました。これは研究開発費が前連結会計年度の85億79百万円から84億58百万円に減少しましたが、販売促進費、減価償却費等が増加したことによるものであります。
④ 営業利益
当社グループの営業利益は、売上総利益が増加したものの販売費及び一般管理費の増加を受け、前連結会計年度の45億65百万円から45億41百万円に減少いたしました。
⑤ 営業外収益(費用)
当社グループの営業外収益(費用)は、収益純額で前連結会計年度の△1億15百万円から△1億3百万円となりました。この主な要因は、為替差損が前連結会計年度は1億36百万円であったのに対し、当連結会計年度は78百万円に減少したこと等によるものであります。
⑥ 特別利益(損失)
当社グループの特別利益(損失)は、利益純額で前連結会計年度の8億11百万円から4億82百万円となりました。この主な要因は、投資有価証券売却益が前連結会計年度の10億87百万円から8億7百万円に減少したこと等によるものであります。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益
当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の35億13百万円から35億44百万円に増加いたしました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の66円15銭から66円73銭となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
② 資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料、仕入商品の購入などのほか、製造費用、販売費及び一般管理費などの営業費用です。研究開発費は、販売費及び一般管理費に計上されております。一方、設備投資をはじめとして有形・無形固定資産などへの投資資金需要が発生いたします。当社グループはこれらの資金需要に自己資金及び社債の発行、長・短期借入金にて対応しております。
当連結会計年度の設備投資資金並びにPharmaceutical Joint Stock Company of February 3rdへの追加投資資金につきましては、自己資金主体の調達を実施しております。