第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結はありません。

 なお、2016年7月19日、当社とInnFocus, Inc.(以下、「InnFocus社」)は、緑内障用デバイスInnFocus MicroShunt®を開発するInnFocus社を当社が企業買収することについて、最終合意しました。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 10.重要な後発事象」に記載のとおりです。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において参天製薬グループが判断したものです。

 

(1)業績

①業績の状況

(ア)IFRS(フル)ベース

当第1四半期連結累計期間の国内医療用眼科薬市場は、薬価改定の影響を受けつつも、緑内障治療剤および抗アレルギー治療剤を中心に堅調に推移しました。海外医療用眼科薬市場は、欧州・アジアで堅調に推移しました。また、国内一般用眼科薬市場は、前年同期と比べ大幅に拡大しました

このような市場環境の下、事業は堅調に推移し、当第1四半期連結累計期間の業績は、次のとおりとなりました

(単位:百万円)

 

第1四半期

連結累計期間

第1四半期

連結累計期間

対前年同期増減率

売上収益

47,975

50,006

4.2

営業利益

10,799

10,811

0.1

税引前四半期利益

11,226

10,253

△8.7

親会社の所有者に

帰属する四半期利益

7,541

7,323

△2.9

 

〔売上収益〕

前年同期と比べ4.2%増加し、500億6百万円となりました。

これは、主力の国内医療用医薬品事業における継続的な売上伸長や、欧州において当社製品が順調に市場浸透していることによります

 

〔営業利益〕

売上原価率が36.8%と前年同期と比べ0.4ポイント改善したこともあり、売上総利益は、前年同期と比べ5.0%増加し、316億1千1百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、事業基盤強化と新製品価値の最大化のための費用が先行したこともあり、前年同期と比べ5.9%増加141億円となり、研究開発費は、51億5千8百万円となりました。製品に係る無形資産償却費は、15億8千6百万円となりましたが、これは主に、米メルク社から2014年に譲受けた眼科製品に関する無形資産、ならびに昨年より欧州で発売を開始した「アイケルビス」に関する無形資産の償却によるものです。その他の収益は1億1千万円、その他の費用は6千6百万円となりました。

これらにより、営業利益は前年同期比微増の108億1千1百万円となりました。

 

〔税引前四半期利益〕

保有する外貨に対する評価損により金融費用が増加したこともあり、税引前四半期利益は前年同期と比べ8.7%減少し、102億5千3百万円となりました。

 

親会社の所有者に帰属する四半期利益

親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期と比べ2.9%減少し、73億2千3百万円となりました。売上収益に対するその比率は、14.6%となりました。

 

(イ)コアベース

参天製薬グループではIFRS適用を機に、上述のIFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益、費用を控除した「コアベース」での財務情報を経常的な業績を示す指標として、併せて開示します。IFRS(フル)ベースによる業績からコアベースでの業績への調整において控除する収益、費用は次のとおりです

 ・製品に係る無形資産償却費

 ・その他の収益

 ・その他の費用

 ・金融収益

 ・金融費用

 これらの項目に係る法人所得税費用を調整し、コアベースでの四半期利益を算出しています

 

 当第1四半期連結累計期間のコアベースでの業績は、以下のとおりとなりました。なお、( )内の数値はIFRS(フル)ベースでの業績です。

(単位:百万円)

コアベース

前第1四半期連結累計期間

当第1四半期連結累計期間

対前年同期増減率

 

(フルベース)

 

(フルベース)

 

(フルベース)

売上収益

47,975

(47,975)

50,006

50,006

4.2%

4.2%

営業利益

12,206

(10,799)

12,353

10,811

1.2%

0.1%

四半期利益

8,208

(7,541)

8,762

7,323

6.8%

△2.9%

 

②セグメント別業績の状況

参天製薬グループは、医薬品事業とその他の事業セグメントから構成されます。売上収益の多くは医薬品事業によっており、その全売上収益に占める比率は、98.5%になります。

医薬品事業の売上収益は、前年同期と比べ4.0%増加し492億5千8百万円、営業利益は108億4千3百万円となりました。その他の事業の売上収益は、7億4千8百万円で前年同期と比べ20.9%、1億3千万円増加しました。営業損失は3千2百万円となりました。

(単位:百万円)

 

国内

海外

合計

金額

対前年同期

増減率

金額

対前年同期

増減率

金額

対前年同期

増減率

医薬品事業

36,145

5.2%

13,113

0.8%

49,258

4.0%

医療用医薬品

33,202

3.8%

13,088

0.7%

46,291

2.9%

うち眼科薬

33,057

13.1%

12,665

9.2%

45,722

12.0%

うちその他医薬品

145

12.2%

423

△69.8%

568

△62.9%

一般用医薬品

2,943

24.3%

24

37.0%

2,967

24.4%

その他の事業

708

16.8%

40

220.9%

748

20.9%

医療機器

614

15.5%

6

△54.1%

620

13.9%

その他

95

26.5%

34

129

72.3%

合計

36,854

5.4%

13,152

1.0%

50,006

4.2%

(注) 各セグメントの売上収益は、外部顧客に対する売上収益を表しています

 

ⅰ)医薬品事業

a)医療用医薬品

(眼科薬)

・国内

医療施設・医療関係者のそれぞれのニーズを的確に捉えた医薬情報提供活動を展開することにより、国内医療用眼科薬の売上収益は、前年同期と比べ13.1%増加し、330億5千7百万円となりました。

緑内障・高眼圧症においては、従来からの主力製品の「タプロス点眼液」、「コソプト配合点眼液」に加えて「タプコム配合点眼液」にも注力した結果、それぞれの製品の売上収益は、「タプロス点眼液」は前年同期と比べ10.2%増加し25億2千4百万円、「コソプト配合点眼液」は前年同期と比べ7.7%増加し30億5千4百万円、「タプコム配合点眼液」は前年同期と比べ117.2%増加し5億6千万円となりました

ドライアイ(眼球乾燥症候群)などに伴う角結膜上皮障害治療剤領域においては、「ジクアス点眼液」の売上収益は、前年同期と比べ28.7%増加し26億8千4百万円、「ヒアレイン点眼液」の売上収益は、前年同期と比べ14.0%減少し32億6千7百万円となりました

抗アレルギー点眼剤領域においては、「アレジオン点眼液」の売上収益は、前年同期と比べ72.0%増加し、20億3千4百万円となりました

網膜疾患治療剤領域においては、「アイリーア硝子体内注射液」の売上収益は、滲出型加齢黄斑変性を含め適応を取得した各疾患への医薬情報提供活動の促進により、前年同期と比べ32.1%増加し、118億9千4百万円となりました

 

・海外

2014年の米メルク社からの眼科製品の譲受け以降、当該製品を含めた自社製品の市場浸透に努めた結果、海外における売上収益は、大幅な円高の影響を受けたものの円換算ベースで前年同期と比べ9.2%増加し、126億6千5百万円となりました

欧州における売上収益は、円高の影響を吸収し、円換算ベースで前年同期と比べ26.9%増加し、67億1千5百万円となりました。医薬情報提供などの普及促進活動に注力し、緑内障・高眼圧症治療剤「タフロタン」、「サフルタン」、「コソプト」が市場に浸透しています

アジアにおける売上収益は、円高の影響を受けたことにより円換算ベースでは前年同期と比べ5.4%減少し、59億4千8百万円となりました。主力品の普及促進活動の展開により、当社製品の市場浸透が進み、中国を中心として、現地通貨ベースでは二桁成長を実現しました

 

(その他医薬品)

その他医薬品には、技術提携(導出)契約に基づく収入、受託製造等が含まれます。また、米メルク社の眼科製品の譲受けに関し、関連する法制上の手続きが完了し、各国・地域で参天製薬グループの製品としての販売が開始されるまでの間、米メルク社側に生じた利益の一部が契約に基づいて当社に還元されます。この収入が2億1千3百万円あったことにより、その他医薬品の売上収益は、5億6千8百万円となりました。

 

b)一般用医薬品

インバウンド需要の取り込みに加えて、国内に向けた販売促進活動にも注力した結果、一般用医薬品の売上収益は、前年同期と比べ24.4%増加し、29億6千7百万円となりました。

 

ⅱ)その他の事業

a)医療機器

高屈折率のアクリル素材を光学部に用いたフォールダブル眼内レンズ「エタニティー」シリーズの普及促進活動に引き続いて注力した結果、医療機器の売上収益は、前年同期と比べ13.9%増加し、6億2千万円となりました。

 

b)その他

その他の売上収益は、株式会社クレール(連結子会社)での無塵・無菌服のクリーニング業によるものとサプリメント製品の販売によるもので、1億2千9百万円となりました。

 

(2)財政状態

当第1四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比べ266億1千8百万円減少し、3,287億8千2百万円となりました。これは法人所得税等の支払による現金及び現金同等物の減少などによるものです。

資本は、前連結会計年度末と比べ37億5千5百万円減少し、2,562億5千4百万円となりました。これは利益剰余金の増加などありましたが、その他の資本の構成要素の減少によるものです。

負債は、前連結会計年度末と比べ228億6千2百万円減少し、725億2千8百万円となりました。これは法人税等の支払による未払法人所得税等およびその他の金融負債の減少などによるものです。

以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べ4.7ポイント増加し、77.9%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、142億6千2百万円の支出(前年同期は、3億3千8百万円の支出)となりました。これは四半期利益が73億2千3百万円などありましたが、法人所得税の支払いが200億3千2百万円あったことなどによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、41億1千1百万円の支出(前年同期は、25億5千9百万円の支出)となりました。これは無形資産の取得による支出が23億9千2百万円、有形固定資産の取得による支出が16億1百万円あったことなどによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、46億7千2百万円の支出(前年同期は、75億5千7百万円の支出)となりました。これは長期借入れによる収入が30億円ありましたが、配当金の支払いが52億7千9百万円、長期借入金の返済が24億1千2百万円あったことなどによるものです。

以上の結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末と比べ252億8千2百万円減少し、745億1千6百万円となりました。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

中期経営計画について

 参天製薬グループは、基本理念の実現に向けて、2020年に向けた長期的な経営ビジョンを掲げ、世界中の一人でも多くの患者さんの健康の増進に貢献するために、「世界で存在感のあるスペシャリティ・カンパニー」を目指します。さらに、長期的な経営ビジョンの実現に向け、より具体的な取り組みを進めるために、2014年度から2017年度までの4ヵ年の中期経営計画を策定し、以下の3つの基本方針を主たる対処すべき課題として取り組んでいます。

(ⅰ) 持続的成長を可能とするための製品創製への変革、生産性向上の実現

(ⅱ) アジア・欧州での事業成長および新規市場参入によるプレゼンスの向上

(ⅲ) 持続的な成長を実現するための人材育成および組織構築

 

2018年3月期 財務目標

売上高

2,050 億 円 以 上

営業利益

450 億 円 以 上

当期純利益

310 億 円 以 上

ROE

13 % 以 上

研究開発費

210 億 円 程 度

コア営業利益

515 億 円 以 上

配当性向

40 % を 目 途

 

(5)研究開発活動

参天製薬グループは、中長期的な成長の源泉として新製品の創製を重視しており、眼科薬を中心とした積極的な研究開発活動を進めています。

緑内障・高眼圧症領域において、プロスタグランジンF誘導体DE-085(一般名:タフルプロスト)は、2008年12月より日本で「タプロス点眼液」として販売しています。海外では欧州とアジアで自社販売しており、2016年3月より中国にて販売しています。緑内障・高眼圧症を適応症とする配合剤DE-111(一般名:タフルプロスト/チモロールマレイン酸塩)は、2014年11月より日本において「タプコム配合点眼液」として販売しています。欧州において、2014年10月に販売承認を取得し、「TAPTIQOM」(タプティコム)として2015年1月より順次、各国にて発売しています。また、アジアでも順次販売承認を申請中で、2016年3月にタイにて販売承認を取得し、2016年4月に韓国にて発売しました。緑内障・高眼圧症を適応症とするEP2受容体作動薬DE-117(一般名:未定)は、米国で後期第Ⅱ相試験を終了しました。日本において、2015年12月に後期第Ⅱ/Ⅲ相試験を開始しました。緑内障・高眼圧症を対象とした米国での第Ⅱ相試験を終了しているFP/EP3受容体デュアル作動薬DE-126(一般名:Sepetaprost)は、2016年3月に小野薬品工業株式会社より導入しグローバルの開発の権利を取得しました。

角結膜疾患(ドライアイを含む)領域において、DE-089(一般名:ジクアホソルナトリウム)は、2010年12月より日本で「ジクアス点眼液」として販売しています。また、韓国では2013年10月より販売しています。中国では輸入医薬品承認を申請中です。2016年2月よりアジアで順次発売しています。Cyclokat(開発品名:シクロカット、一般名:シクロスポリン、製品名:「Ikervis」(アイケルビス))は、2015年7月に、成人患者において人工涙液等で効果が不十分なドライアイに伴う重度の角膜炎を適応症として、ドイツにて販売、順次、欧州各国にて発売しています。アジアにおいて順次販売承認を申請中です。韓国において2015年12月に販売承認を申請しました。春季カタルを適応症とするVekacia(開発品名:ベカシア、一般名:シクロスポリン)は、2016年3月に欧州で第Ⅲ相試験を終了しました。

網膜・ぶどう膜疾患領域において、ぶどう膜炎を適応症とするDE-109(一般名:シロリムス)は、欧州にて2016年5月に販売承認申請を一旦取り下げました。今後、再申請を予定しています。また、米国、他で第Ⅲ相試験を実施中です。DE-120(一般名:未定)は、滲出型加齢黄斑変性を対象に前期第Ⅱ相試験を米国で実施中です。DE-122(一般名:未定)は、滲出型加齢黄斑変性を対象に第Ⅰ/Ⅱ相試験を米国で実施中です。

なお、当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、51億5千8百万円です。