文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、参天製薬グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
参天製薬グループは、社名の由来でもある「天機に参与する」を基本理念とし、目をはじめとする特定の専門分野に努力を傾注し、これによって参天ならではの知識と組織的能力を培い、患者さんと患者さんを愛する人たちを中心として、社会への貢献を果たしてまいります。
(2)長期経営ビジョン
参天製薬グループは、基本理念に基づき、2020年に向けた長期的な経営ビジョン(Vision2020)を掲げております。
Vision2020:「世界で存在感のあるスペシャリティ・カンパニー」の実現
真の顧客ニーズを深く考え、競合企業に対する明確な強みをもって、グローバルな競争力・存在感を持つ会社
Vision2020の実現を目指すための5つの道筋
①真の顧客ニーズに対応する製品を迅速に創出
②国内事業の新たな事業展開への変革
③アジアへの積極展開と西欧・米国への参入
④グローバルな製品供給・信頼性保証体制の確立
⑤創造と革新を担う人材と組織力強化
(3)経営環境
先進国においては少子高齢化が加速、新興国・発展途上国においては中間層が拡大し医療ニーズが増大しています。日本国内では、薬事行政による薬価改定、後発品促進策があり、厳しい経営環境が続く一方、再生医療、個別化医療、セルフメディケーション推進といった医療における新しい流れも出てきています。
参天製薬グループが注力するグローバル眼科薬市場は、全体では、主に網膜・ドライアイ・緑内障領域が牽引し、引き続き成長しています。特に米国・アジアでは高い成長率を維持しています。国内は薬価改定、後発品普及方針の公示等により、市場成長は鈍化傾向にあります。
このような複雑化する環境のなか、参天製薬グループは、以下の中期経営計画の実行を推進してまいります。
(4)中期経営計画
参天製薬グループは、下記のとおり、長期経営ビジョン(Vision2020)の実現に向け、2018年度から2020年度までの3ヵ年の中期経営計画「MTP2020」を策定いたしました。眼科医療現場のニーズに寄り添った優れた製品・サービスの提供を通じ、世界の患者さんのQOL向上に貢献することで、眼科に特化したグローバル・スペシャリティ・カンパニーとしての責任を果たしてまいります。
①基本方針
世界の患者さんの目のQOL 向上に貢献することで、2020 年までの長期的な経営ビジョンである「世界で存在感のあるスペシャリティ・カンパニー」を実現し、2020 年以降の持続的成長に向けた道筋の構築をする。
②戦略目標
・顧客満足度の向上
・収益性の向上
・組織能力の向上
③重点戦略
(1)グローバル事業戦略の推進による市場を上回る成長
(2)製品パイプラインの拡充、および新たな治療オプションの開発
(3)事業基盤の強化・効率化、および人材と組織力強化
④MTP2020 財務目標
|
売上成長率 |
6%以上(年平均成長率) |
|
コア営業利益率 |
21%以上(期間平均) |
|
ROE |
11%以上(期間平均) |
⑤資本政策
・成長のための投資を積極的かつ効果的に実施
・利益率・資本効率の最適化
・安定的、持続性を重視した株主還元を継続
当連結会計年度末現在において判断した将来の業績または財政状態に影響を与えうるリスクや不確実性には、以下のようなものがあります。ただし、将来の業績または財政状態に影響を与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。
(1)外的環境要因
<医薬品行政の動向>
医療用医薬品部門については、日本ならびにその他各国政府による医療保険制度や薬価に関する規制の影響を受けます。日本国内の薬価改定については、現在予測可能な範囲に限り、その影響を業績予想等の見通しに織り込んでいますが、予測可能な範囲を超えた薬価改定や、その他の医療保険制度の改定があった場合は、業績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
海外においても、同様に医療用医薬品の価格等に関する様々な規制があり、政府による価格低下の圧力は継続する傾向にあります。
<社会・経済情勢ならびに法規制の変更>
将来の業績は、主要市場における政治情勢や経済情勢の影響を受ける可能性があります。また、業績または財政状態は、会計基準、税法、製造物責任(PL)法、独占禁止法、環境関連法などの法規制変更の影響を受ける可能性があります。
<為替>
参天製薬グループは世界各国で事業を展開しているため、為替の変動が参天製薬グループの業績または財政状態に影響を与えます。2018年3月期の海外売上収益は、連結売上収益の29.5%でした。
(2)競争
<後発品の影響>
国内外における後発品の販売は、参天製薬グループの業績に影響を与える可能性があります。
参天製薬グループの製品の中には、すでに他社から後発品が発売されているものもあり、今後、後発品の影響が強まる可能性があります。
(3)特定の製品・取引先等への依存
<主力製品への依存>
「アイリーア硝子体内注射液」、「コソプト配合点眼液」の2製品の連結売上収益に対する比率は、2018年3月期で30%を超えています。これらの製品が万一、製品の欠陥、予期せぬ副作用などの要因により販売中止となったり、売上収益が大幅に減少した場合、業績または財政状態に大きな影響を及ぼします。
<ライセンス製品への依存>
参天製薬グループの製品には、他社から製造販売権、ならびに販売権を供与されているものが多くあります。眼科薬における独占的製造販売権の供与を受けている品目には、「クラビット点眼液」、「デタントール点眼液」、「タプロス点眼液」、「ジクアス点眼液」、「アレジオン点眼液」などがあります。国内販売権の供与を受けている品目には、「リボスチン点眼液」があります。国内独占的販売権の供与を受けている品目には、「レスキュラ点眼液」、「アイリーア硝子体内注射液」があります。契約期間満了、契約条件の変更や、販売提携の解消などが起こった場合、業績に影響を及ぼします。
<特定の取引先への依存>
原薬や容器など、原材料の中には供給を特定の取引先に依存しているものがあります。何らかの要因によりこうした原材料の供給が停止した場合、参天製薬グループでの生産活動に悪影響を与える可能性があります。さらに、これに起因して参天製薬グループの製品の供給が滞った場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
参天製薬グループと取引のある医薬品卸のうち、上位10社への取引高の集中度は、連結売上収益の65%に達しており、医薬品卸の倒産などにより貸倒れが発生した場合、参天製薬グループの業績に影響を及ぼします。
<生産の停滞・遅延>
自然災害、火災などの要因により生産活動の停滞・遅延が起こった場合、参天製薬グループの業績または財政状態に影響を与える可能性があります。また、品目によっては、生産を一箇所に集中しているものや、生産を外部に委託しているものがあり、特定の工場や外部委託先の機能が停止した場合、製品供給が滞る可能性があります。
(4)研究開発活動
<新薬開発の不確実性>
新薬の研究開発から承認・発売までは非常に長期間を要し、開発中止、承認申請後の不許可などの不確実性を多く含みます。参天製薬グループが開発中の新薬あるいは追加効能・剤形等について、販売・製造の許可がおりるかどうか、あるいはいつ承認を得ることができるかを確実に予測することはできません。
新薬に関わる見通しを実現できるかどうかは、様々な要素の影響を受けます。例えば、承認審査の遅れ、臨床試験データが競合品に対し非劣性を示さない、安全性や効能に関する懸念、予期せぬ副作用、開発中止や発売時期の遅延などは、新薬の期待売上収益に悪い影響を与えます。
<研究開発投資が十分な成果を生まない可能性>
新製品の創製・開発ならびに追加効能・剤形等の開発は将来の成長に必要不可欠であり、参天製薬グループは毎年多額の研究開発投資を行っていますが、将来、研究開発投資に見合う新薬の売上収益を実現できない可能性があります。
<他社との提携の成否>
新製品に関わる見通しには、他社との開発・販売提携等を前提とするものが含まれています。こうした提携の成否は参天製薬グループの業績または財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)その他の要因
<知的財産権>
参天製薬グループの事業は、物質・製法などに関する様々な特許によって保護されています。参天製薬グループでは、これらの特許権を含む知的財産権を適切に管理し、第三者からの侵害にも注意を払っていますが、第三者からの侵害を受けた場合には、参天製薬グループの業績に影響を与える可能性があります。また、参天製薬グループの事業が第三者の知的財産権を侵害しないようにも注意を払っていますが、万一、第三者の知的財産権を侵害した場合、損害賠償を請求されるなど、業績に影響を与える可能性があります。
<ITセキュリティおよび情報管理>
参天製薬グループでは、各種ITシステムを利用しているため、システムの不備やコンピュータウィルスの感染等により、業務遂行に影響を与える可能性があります。また、個人情報等の多くの情報を有しているため、万が一の事故等によりその情報が社外流出した場合、信用を大きく失うことで業績に影響を与える可能性があります。
<販売中止、製品回収等>
参天製薬グループの製品の一部が、製品品質の欠陥、予期せぬ副作用、第三者による異物混入等により、販売中止または製品回収などの事態となった場合、業績に悪い影響を与えます。
<訴訟>
医療用医薬品の製造・販売を主たる事業とする参天製薬グループでは、将来、特許、製造物責任(PL)法、独占禁止法、消費者、環境などに関わる訴訟を提起される可能性があり、訴訟が発生した場合、それらの訴訟等の動向は、参天製薬グループの業績または財政状態に影響を与える可能性があります。なお、現在、参天製薬グループの経営に大きな影響を与えるような訴訟を提起されている案件はありません。
<グローバルな事業展開に関わるリスク>
参天製薬グループでは、医薬品の販売や研究開発活動を世界各国で行っており、また、持続的な成長のためのグローバルな事業展開にあたって、資産の譲受や企業買収を実施しています。このような世界各国における事業活動は、法令や規則の変更、政情不安、経済動向の不確実性、商習慣の相違その他のリスクに直面する可能性があり、その結果当初想定した効果や利益が実現されない可能性があります。
<財務報告に係る内部統制の整備等>
参天製薬グループは、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに実施基準に準拠して、財務報告に係る内部統制を整備および運用しています。しかし、内部統制が有効に機能せず、あるいは予期せぬ内部統制上の問題により、多大な損失が発生した場合、業績に影響を及ぼします。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における参天製薬グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の国内医療用眼科薬市場は、網膜疾患治療剤および抗アレルギー剤を中心に堅調に推移しました。
海外医療用眼科薬市場も、EMEA・アジアで堅調に推移しています。
また、国内一般用眼科薬市場は、前連結会計年度と比べ拡大しています。
このような市場環境の下、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(ア)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ296億円増加し、3,885億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ21億円減少し、1,009億円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ316億円増加し、2,876億円となりました。
(イ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、コアベースでは、売上収益2,249億円(前年同期比13.0%増)、コア営業利益454億円(同14.3%増)、親会社の所有者に帰属するコア当期利益334億円(同14.8%増)となりました。
IFRS(フル)ベースでは、売上収益2,249億円(前年同期比13.0%増)、営業利益387億円(同19.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益352億円(同62.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、配当金の支払い、長期借入金の返済による支出があった一方、当期利益が353億円あったことなどにより、前連結会計年度末と比べ170億円増加し、693億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
参天製薬グループは単一セグメントであり、当連結会計年度における実績は次のとおりです。
(ア)生産実績及び商品仕入実績
|
|
金額(百万円) |
対前年度増減率(%) |
|
生産実績 |
150,686 |
7.7 |
|
商品仕入実績 |
49,389 |
9.5 |
(注)1 生産実績の金額は販売価格によっており、消費税等は含まれていません。
2 商品仕入実績の金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれていません。
(イ)受注実績
参天製薬グループは販売計画、在庫状況を基礎として生産計画を立案し、これによって生産を行っていますので受注生産は行っていません。
(ウ)販売実績
|
|
金額(百万円) |
対前年度増減率(%) |
|
販売実績 |
224,942 |
13.0 |
(注)1 最近2連結会計年度における、主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社スズケン |
38,506 |
19.3 |
42,463 |
18.9 |
|
株式会社メディセオ |
31,411 |
15.8 |
33,680 |
15.0 |
2 上記金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による参天製薬グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
参天製薬グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、参天製薬グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア)経営成績等
ⅰ 財政状態
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
|
資産 |
358,906 |
388,463 |
29,557 |
|
資本 |
255,929 |
287,557 |
31,629 |
|
負債 |
102,977 |
100,905 |
△2,072 |
|
親会社所有者帰属持分比率 |
71.1% |
73.6% |
2.5ポイント |
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ296億円増加し、3,885億円となりました。これは現金及び現金同等物の増加が160億円、売上収益の増加に伴う営業債権及びその他の債権の増加が77億円あったことなどによるものです。
資本は、前連結会計年度末と比べ316億円増加し、2,876億円となりました。これは利益剰余金の増加が259億円あったことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末と比べ21億円減少し、1,009億円となりました。これは営業債務及びその他の債務の増加が58億円、未払法人所得税等の増加が44億円などがあった一方、繰延税金負債の減少が51億円、金融負債の減少が50億円、その他の金融負債の減少が32億円あったことなどによるものです。なお、繰延税金負債の減少の主な要因は米国連邦法人税率引下げによる取崩しです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べ2.5ポイント増加し、73.6%となりました。
ⅱ 経営成績
イ.コアベース ※1
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
対前年度増減率 |
|
売上収益 |
199,096 |
224,942 |
13.0% |
|
コア営業利益 |
39,687 |
45,378 |
14.3% |
|
コア当期利益 |
29,125 |
33,458 |
14.9% |
|
親会社の所有者に帰属する コア当期利益 |
29,131 |
33,445 |
14.8% |
[売上収益]
前連結会計年度と比べ13.0%増加し、2,249億円となりました。
主力の国内医療用医薬品事業において継続的に伸長するとともに、海外事業においてもEMEA・アジアで当社製品は順調に市場浸透し、高い成長率を維持しています。
事業別の状況は次のとおりです。
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
国内 |
海外 |
合計 |
|||
|
金額 |
対前年度 増減率 |
金額 |
対前年度 増減率 |
金額 |
対前年度 増減率 |
|
|
医療用医薬品 |
141,067 |
8.5% |
65,900 |
23.3% |
206,967 |
12.8% |
|
一般用医薬品 |
14,301 |
15.1% |
293 |
121.8% |
14,594 |
16.3% |
|
医療機器 |
2,527 |
0.5% |
56 |
153.6% |
2,583 |
1.8% |
|
その他 |
758 |
87.4% |
40 |
△69.8% |
798 |
48.6% |
|
合計 |
158,653 |
9.1% |
66,289 |
23.4% |
224,942 |
13.0% |
(注) 外部顧客に対する売上収益を表しています。
<医療用医薬品>
◇国内
前連結会計年度と比べ8.5%増加し、1,411億円となりました。各疾患領域の主力製品の売上推移は次のとおりです。
・緑内障・高眼圧症治療剤領域
「タプロス点眼液」 96億円(対前年度増減率 + 0.2%)
「タプコム配合点眼液」 25億円(対前年度増減率 + 9.9%)
「コソプト配合点眼液」 114億円(対前年度増減率 + 0.3%)
・角結膜疾患治療剤領域
「ヒアレイン点眼液」 108億円(対前年度増減率 △ 9.1%)
「ジクアス点眼液」 128億円(対前年度増減率 +16.4%)
・抗アレルギー点眼剤領域
「アレジオン点眼液」 169億円(対前年度増減率 +37.7%)
・網膜疾患治療剤領域
「アイリーア硝子体内注射液※2」 515億円(対前年度増減率 +14.1%)
◇海外
EMEA
円換算ベースで前連結会計年度と比べ22.1%増加し、350億円となりました。
医薬情報提供などの普及促進活動に注力し、緑内障・高眼圧症治療剤「タフロタン」、「サフルタン」、「タプティコム」、「コソプト」、「トルソプト」、角結膜疾患治療剤「アイケルビス」が市場に浸透しています。
アジア
円換算ベースで前連結会計年度と比べ30.7%増加し、306億円となりました。
「ヒアレイン」、「クラビット」等主力品の普及促進活動の展開により、中国や韓国で着実に成長するとともに、ベトナムやタイなどのアセアン諸国においても高い成長率を維持しています。
<一般用医薬品>
前連結会計年度と比べ16.3%増加し、146億円となりました。
インバウンド需要の取り込みに加え、「サンテボーティエシリーズ」、新「サンテメディカルシリーズ」、「ソフトサンティアシリーズ」などの高価格帯品が好調を維持しています。また、「サンテFXシリーズ」では、人気アニメとのコラボレーション企画が奏功しています。
<医療機器>
前連結会計年度と比べ1.8%増加し、26億円となりました。
高屈折率のアクリル素材を光学部に用いたフォールダブル眼内レンズ「エタニティ」シリーズの普及促進活動に引き続き注力しています。
<その他>
その他の売上収益は8億円となりました。サプリメント製品の販売、株式会社クレール(連結子会社)での無塵・無菌服のクリーニング業によるものです。
[コア営業利益]
売上総利益は、前連結会計年度と比べ144億円増加し、1,386億円となりました。売上原価率は、前連結会計年度と比べ0.7ポイント増加し、38.4%となりました。
販売費及び一般管理費は、海外事業の拡大に伴い、前連結会計年度と比べ71億円増加し、688億円となりました。
研究開発費は、前連結会計年度と比べ16億円増加し、244億円となりました。
以上により、コアベースでの営業利益は、前連結会計年度と比べ14.3%増加し、454億円となりました。
※1 参天製薬グループではIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益および費用を控除した「コアベース」での財務情報を経常的な業績を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績からコアベースでの業績への調整において控除する以下の収益および費用とそれらに係る法人所得税費用を調整し、コアベースを算出しています。
・製品に係る無形資産償却費
・その他の収益
・その他の費用
・金融収益
・金融費用
・販売費及び一般管理費のうち企業買収に係る一過性費用
※2 製造販売元であるバイエル薬品株式会社とのコ・プロモーション製品です。
ロ.IFRS(フル)ベース
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
対前年度増減率 |
|
売上収益 |
199,096 |
224,942 |
13.0% |
|
営業利益 |
32,479 |
38,691 |
19.1% |
|
当期利益 |
21,724 |
35,261 |
62.3% |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
21,731 |
35,247 |
62.2% |
[売上収益]
コアベースからの調整はありません。
[営業利益]
売上総利益、販売費及び一般管理費、研究開発費について、コアベースからの調整はありません。
製品に係る無形資産償却費は、前連結会計年度と比べ5.1%増加し、67億円となりました。これは主に、米メルク社から2014年に譲受けた眼科製品に関する無形資産、ならびに2015年より欧州で販売を開始した「アイケルビス」に関する無形資産の償却によるものです。
その他の収益は、前連結会計年度と比べ10.9%減少し、4億円となりました。その他の費用は、前連結会計年度と比べ50.0%減少し、4億円となりました。
これらにより、IFRS(フル)ベースの営業利益は、前連結会計年度と比べ19.1%増加し、387億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
親会社の所有者に帰属する当期利益は、米国における連邦法人税率引下げに伴う法人所得税費用の減少などもあり、前連結会計年度と比べ62.2%増加し、352億円となりました。売上収益に対するその比率は、15.7%となりました。
なお、翌期については、国内事業に加えてEMEAおよびアジアの海外事業が成長を牽引し、売上収益は2,370億円、対前期5.4%増を予想しています。また、事業開発や研究開発を中心に戦略的な中長期の成長投資に資源配分する一方で費用コントロールやオペレーションの効率化を図り、コア営業利益は480億円、対前期5.8%増を見込んでいます。
また、参天製薬グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
ⅲ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(イ)資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ 資本政策
キャッシュ創出力を最大化し、安定的株主還元のもと、効果的な成長投資を実施してまいります。
・成長のため投資を積極的かつ効果的に実施
・利益率・資本効率の最適化
・安定的、持続性を重視した株主還元を継続
ⅱ キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
|
営業活動による キャッシュ・フロー |
10,843 |
42,843 |
32,000 |
|
投資活動による キャッシュ・フロー |
△28,201 |
△8,259 |
19,942 |
|
財務活動による キャッシュ・フロー |
△28,657 |
△17,631 |
11,026 |
|
現金及び現金同等物の 期末残高 |
52,282 |
69,283 |
17,001 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ170億円増加し、693億円となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、428億円の収入(前連結会計年度は、108億円の収入)となりました。これは営業債権及びその他の債権の増加が71億円、法人所得税の支払いが70億円などあった一方、当期利益が353億円、減価償却費及び償却費が109億円あったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、83億円の支出(前連結会計年度は、282億円の支出)となりました。これは投資の売却による収入が29億円などあった一方、無形資産の取得による支出が60億円、有形固定資産の取得による支出が40億円あったことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、176億円の支出(前連結会計年度は、287億円の支出)となりました。これは配当金の支払いが106億円、長期借入金の返済による支出が83億円あったことなどによるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末と比べ170億円増加し、693億円となりました。
設備投資については、製造設備および研究開発用機器の更新に加え、米メルク社より譲受けた眼科製品の内製化のための投資、グローバルな製品供給基盤の強化を目的とした生産体制・拠点再編に伴う設備投資および事業のグローバル展開を支えるためのIT基盤への投資等を行いました。
これらの設備投資資金は、自己資金により充当しました。
資金調達については、機動的な事業開発活動のための効率的な調達を目的に、2018年3月に総額300億円のコミットメントライン(特定融資枠)契約を締結しています。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんの償却については、効果が発現すると見積られる期間にわたり均等償却を行っていましたが、IFRSでは移行日以降、償却をせず毎期減損テストを行っています。
この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「販売費及び一般管理費」が1,679百万円減少しています。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では、製品および技術の導入契約に伴い発生した一時金等の費用のうち、主に当局の承認が得られる前に発生したものを研究開発費として費用処理していましたが、IFRSでは、これらの費用のうち、資産計上の要件を満たしたものを「無形資産」として計上しています。
この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「研究開発費」が210百万円減少しています
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(のれんの償却)
日本基準では、のれんの償却については、効果が発現すると見積られる期間にわたり均等償却を行っていましたが、IFRSでは移行日以降、償却をせず毎期減損テストを行っています。
この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「販売費及び一般管理費」が2,431百万円減少しています。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では、製品および技術の導入契約に伴い発生した一時金等の費用のうち、主に当局の承認が得られる前に発生したものを研究開発費として費用処理していましたが、IFRSでは、これらの費用のうち、資産計上の要件を満たしたものを「無形資産」として計上しています。
この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「研究開発費」が1,838百万円減少しています。
(1)技術契約(導入)
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
対価の支払 |
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参天製薬 株式会社 (当社) |
第一三共 株式会社 |
日本 |
オフロキサシン (合成抗菌剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
1986年8月~2001年9月 (以後3年毎の自動更新) |
販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
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参天製薬 株式会社 (当社) |
第一三共 株式会社 |
日本 |
レボフロキサシン (合成抗菌剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
1994年5月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方 (以後3年毎の自動更新) |
契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
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参天製薬 株式会社 (当社) |
エーザイ 株式会社 |
日本 |
ブナゾシン塩酸塩 (緑内障治療剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
1994年12月~発売日から8年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方 (以後1年毎の自動更新) |
契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
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参天製薬 株式会社 (当社) |
旭硝子 株式会社 |
日本 |
タフルプロスト (緑内障・高眼圧症治療剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
2005年12月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方 |
契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
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参天製薬 株式会社 (当社) |
メルク社 |
アメリカ |
ジクアホソルナトリウム (角結膜疾患治療剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
1998年12月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方 |
販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
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参天製薬 株式会社 (当社) |
日本ベーリン ガーインゲル ハイム株式会社 |
日本 |
エピナスチン塩酸塩 (抗アレルギー点眼剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
2011年2月~発売日から10年間 |
契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
(注) 旭硝子株式会社は、2018年7月1日にAGC株式会社に商号変更の予定です。
(2)技術契約(導出)
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
対価の受取 |
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Advanced Vision Science, Inc. (連結子会社) |
ボシュロム社 |
アメリカ |
エタニティー (眼内レンズ) |
独占的製造販売権 |
2009年2月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方 |
契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
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参天製薬 株式会社 (当社) |
オーク社 |
アメリカ |
タフルプロスト (緑内障・高眼圧症治療剤) |
独占的製造販売権 |
2014年4月~ 2022年3月 |
マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
(3)販売契約(導入)
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
対価の支払 |
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参天製薬 株式会社 (当社) |
ヤンセン ファーマ 株式会社 |
日本 |
レボカバスチン塩酸塩 (抗アレルギー剤) |
国内販売権 |
2000年9月~ 発売日から10年後の12月 (以後1年毎の自動更新) |
契約一時金 |
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参天製薬 株式会社 (当社) |
スキャンポ ファーマ 合同会社 |
日本 |
イソプロピル ウノプロストン (緑内障治療剤) |
国内独占的 販売権 |
2004年7月~ 2016年3月 (以後1年毎の自動更新) |
契約一時金 |
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参天製薬 株式会社 (当社) |
バイエル薬品株式会社 |
日本 |
アフリベルセプト硝子体内注射液 (眼科用VEGF阻害剤) |
国内独占的 販売権 |
2012年5月~2021年12月 |
- |
(4)企業結合による条件付対価
当社は米国時間の2016年8月19日にInnFocus, Inc.を買収しました。当社は、条件付対価契約に基づき、MicroShuntの開発の進捗および販売実績に応じたマイルストンを支払う定めがあり、要求されうるすべての将来の支払額は409百万米ドル(割引前)です。
(5)その他
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約締結日 |
対価の支払 |
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参天製薬 株式会社 (当社) |
メルク社 |
アメリカ |
ドルゾラミド塩酸塩およびチモロールマレイン酸塩 ドルゾラミド塩酸塩 チモロールマレイン酸塩 チモロールマレイン酸塩持続性 タフルプロスト タフルプロストおよびチモロールマレイン酸塩 (緑内障・高眼圧症治療剤) |
日本・欧州・アジア太平洋地域における眼科用医薬品およびこれらの製品に関連した権利等一式の譲受 |
2014年5月13日 |
譲受価額約600百万米ドルおよび販売マイルストンに基づいた支払 |
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約締結日 |
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参天製薬 (中国)有限公司 (連結子会社) |
重慶科瑞製薬 (集団)有限公司 |
中国 |
中国の患者さんに適切な価格で高品質の医療用眼科薬を提供することを目的に2016年8月に合弁会社(重慶参天科瑞製薬有限公司)を設立 |
2016年3月22日 |
参天製薬グループは、中長期的な成長の源泉として新製品の創製を重視しており、眼科薬を中心とした積極的な研究開発活動を進めています。
主力の医療用眼科薬では、研究活動の拠点として、関西文化学術研究都市(奈良県生駒市)に「奈良研究開発センター」を設け、独自の創薬研究ならびに全身薬として開発された薬剤の眼科応用研究などを中心に研究を進めています。
さらに、緑内障、角結膜疾患、網膜疾患の3つの領域にテーマを絞ることで、従来培ってきた眼科研究の質・量・スピードと効率を高め、新薬開発の充実を図っています。
臨床開発では、日米欧の三極連携による開発体制を強化し、新薬開発の「スピード化」と「質の向上」を進めています。
<緑内障・高眼圧症領域>
EP2受容体作動薬DE-117(一般名:オミデネパグ イソプロピル)は、米国で後期第Ⅱ相試験を終了し、日本では2017年11月に製造販売承認を申請しました。アジアでは2016年12月に第Ⅲ相試験を開始しました。
FP/EP3受容体デュアル作動薬DE-126(一般名:sepetaprost)は、2017年7月に米国、日本にて後期第Ⅱ相試験を開始しました。
2016年8月に買収したInnFocus社の緑内障用デバイスInnFocus MicroShunt(DE-128)は、FDA承認取得に向け米国および欧州にて第Ⅱ/Ⅲ相試験を実施しています(欧州にてCEマーク承認取得済み)。
<角結膜疾患(ドライアイを含む)領域>
DE-089(一般名:ジクアホソルナトリウム)は、2017年10月に中国で輸入医薬品承認を取得しました。
DE-076B(開発品名:シクロカット、一般名:シクロスポリン)は、アジアで順次販売承認を申請しており、2017年12月にタイで発売しました。
DE-076C(開発品名:ベカシア、一般名:シクロスポリン)は、2016年12月に欧州で販売承認を申請し、2017年7月に欧州医薬品庁の医薬品評価委員会より承認勧告を取得しました。
<網膜・ぶどう膜疾患領域>
ぶどう膜炎を適応症とするDE-109(一般名:シロリムス)は、米国で追加の臨床試験を計画中です。
DE-122(一般名:carotuximab)は、米国での開発を目指し、2017年7月に滲出型加齢黄斑変性を対象とした前期第Ⅱ相試験を開始しました。
<その他疾患領域>
近視を適応症とするDE-127(一般名:アトロピン硫酸塩)は、2017年11月にアジアで第Ⅱ相試験を開始しました。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、244億円です。