第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、参天製薬グループが判断したものです。

 

(1)会社の経営の基本方針

参天製薬グループは、「天機に参与する」という基本理念のもと、眼科領域に経営資源を集中し、患者さんと患者さんを愛する人たちに貢献することを目指して事業活動を推進しています。

眼科領域では、緑内障や網膜疾患などを中心に治療が未充足な疾患領域が存在するのみならず、未だ医療が十分に発展していない国や地域が数多く存在しています。参天製薬グループは眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、世界の患者さんのQOL(Quality of Life:クオリティ・オブ・ライフ)向上のために、医療現場のニーズを満たす製品の開発、幅広い疾患領域をカバーする製品ラインナップ、国・地域ごとに異なる多様な顧客ニーズへのきめ細やかな対応などに取り組みます。

また、基本理念に基づく事業活動を通じた社会貢献をCSR/ESGの中心と位置付け、希少疾病用医薬品の発売、未充足ニーズを満たす研究開発推進、新しい緑内障の治療オプションの開発や治療継続プログラムパッケージの提供など、世界の眼科医療水準向上に向けて参天製薬グループならではの「目に関する優れた製品とサービスを提供する」ことにより、患者さんのQOL向上への貢献を目指します。また、グローバル企業としてコーポレートガバナンスの高度化、グループ全体でのコンプライアンスの徹底を図り、高い倫理観と国際規範に則った活動をグローバルに展開します。

 

(2)環境認識

先進国においては少子高齢化が加速する一方、新興国・発展途上国においては中間層が拡大し、医療ニーズは増大しています。日本国内に目を向けると、薬事行政による薬価改定に加え、後発品促進策の推進など厳しい経営環境が続いていますが、その一方で、再生医療、個別化医療、セルフメディケーション推進といった医療における新しい潮流も認められます。

参天製薬グループが注力するグローバル眼科薬市場は、主に網膜・ドライアイ・緑内障領域を中心に引き続き成長しており、平均成長率6%程度(2013~2020年)となることが予想されます。特にアジアや東欧・北欧・ロシアなどでは高い成長率が見込まれ、米国でも成長を維持していますが、国内は薬価改定、後発品普及方針の公示等により市場成長は鈍化傾向にあります。このように複雑化する市場環境において、参天製薬グループは、長期ビジョンに基づき、中期経営計画「MTP2020」の実行を推進しています。

 

(3)長期経営ビジョン「Vision2020」

参天製薬グループは、2020年までの長期的な経営ビジョンである「世界で存在感のあるスペシャリティ・カンパニー」の実現に向けて、研究開発活動や事業開発などへの成長投資を積極的に実施するとともに、高い市場成長が見込まれるアジア、EMEAでの事業展開を積極的に推進しています。

Vision2020の実現に向けては、①真の顧客ニーズに対応する製品を迅速に創出、②国内事業の新たな事業展開への変革、③アジアへの積極展開とEMEA・米国への参入、④グローバルな製品供給・信頼性保証体制の確立、⑤創造と革新を担う人材と組織力強化を5つの道筋と定め、中期経営計画において具体的な活動プランを立案・実行しています。

 

(4)中期経営計画「MTP2020」

2018年6月、「Vision2020」実現および2020年以降の持続的成長に向けた道筋構築を目指し、中期経営計画「MTP2020」を発表しました。

世界の眼科医療においては、高齢化の進展や新たな診断・治療技術の進化に伴い、緑内障、網膜疾患、ドライアイなどの疾患領域で患者さんの増加が想定されます。「顧客満足度」、「収益性」、「組織能力」の3つの向上を活動の軸に据え、グローバル事業戦略の推進による市場を上回る成長、製品パイプラインの拡充および新たな治療オプションの開発、事業基盤強化・効率化および人材組織力の強化を図ります。

 

0102010_001.jpg

 

グローバル事業戦略では、日本、EMEAでの経験・知見をアジアに展開することで既存地域における眼科治療貢献と事業成長の加速を図るとともに、2021年以降にライフサイエンス分野のイノベーションを牽引する米国市場での持続的な事業展開を構築するための準備を進めます。

製品パイプラインの拡充および新たな治療オプションの開発では、新しい治療法や技術を積極的に取り入れ、治療継続の支援や製品の識別性改良など顧客視点で新たな治療オプションを提供するとともに、予防・診断・治療・フォローアップを含む全体におけるソリューション提供へと進化させ、従来の方法を超える製品・サービスの提供に取り組みます。

当連結会計年度は事業基盤強化を目的に業務やコストの最適化を推進するとともに、2019年4月よりグローバルな組織体制を刷新し、業務の標準化・最適化を推進するためのマネジメントフレームワークへと再編いたしました。米国での研究開発では、緑内障における新たな治療オプションとして期待されるDE-128(PRESERFLO MicroShunt)、DE-117(エイベリス)の臨床第Ⅲ相試験を継続し、事業展開に向けた準備を着実に進めています。

2019年4月には、DE-128(PRESERFLO MicroShunt)の迅速な普及促進のため、Glaukos社と米国での独占販売の代理店契約を締結しました。

また2020年度以降の長期ビジョン・戦略の構築にも着手しました。ライフスタイルの変化に伴う新たなニーズや、新しい技術の取り込み、グローバルな市場成長を視野にいれた事業戦略の構築を進めてまいります。

 

(5)目標とする経営指標

中期経営計画「MTP2020」においては、利益の実現と成長への投資に積極的に取り組むことを前提に、以下3つの財務指標を達成目標として定めています。

 

市場を上回る売上高成長: 平均成長率(CAGR)6%以上

利益率の維持向上:    コア営業利益率21%以上(期間平均)

資本効率の維持・向上:  フルROE11%以上(期間平均)

 

*特殊要因を除いたコアROEについても副次的経営指標と位置付けています。

 

0102010_002.jpg

 

当連結会計年度の上記指標は、売上高成長率4.0%、コア営業利益率20.6%、フルROE11.1%となりました。単年の売上高成長率は目標平均成長率をやや下回りましたが、コア営業利益率およびフルROEは中期経営計画において目標とする水準を維持しています。

 

(6)資本政策

参天製薬グループは、眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を目指しています。また、資本効率や財務健全性など、当社にとって最適な資本構成を追求しながら、将来の成長のための内部留保と株主の皆様への利益還元の両方を適切なバランスにて実施することを基本としています。これら収益性、資本効率および財務健全性、内部留保、株主還元を最適化することで、ROEの向上に取り組みます。

 

0102010_003.jpg

 

成長のための投資については、パイプラインの強化、グローバル展開の加速、新規医療技術、グローバルな事業基盤拡充に向けた生産拠点、情報システムへの投資などに、積極的かつ効果的に資源投入を図ります。当連結会計年度は、2018年9月にペプチドリーム社と複数の創薬標的タンパク質に対して特殊環状ペプチド医薬品を創生する包括的創薬共同研究開発契約を締結しました。

 

収益性については、資本コストを上回る利益を実現することを基本とし、そのための評価基準を定め、投資判断を行っています。また、投下した資本の回収については、グローバルに拡大展開する事業の状況をモニタリングする経営管理体制の整備に加えて、税務を含むキャッシュマネジメントを通したキャッシュ最大化に取組んでいます。

資本効率については、成長投資と財務健全性の両方を勘案しながら、資本・負債比率(DEレシオ)の最適化および資産圧縮を進めています。2018年度には、旧本社・大阪工場跡地の売却、Santen Oyのタンペレ工場(フィンランド)のNext Pharma社への譲渡を決定しました。並行して、アジア市場を中心に増加する需要に対応するための生産拠点増強について検討を進めています。

株主還元については、経営の最重要事項と位置付け、中長期的な事業環境や資金需要と内部留保の水準、ならびに資本構成等を総合的に勘案し、配当を中心に、自己株式取得を補完的な手段として株主の皆様に利益を還元することを基本としています。当連結会計年度は、成長投資余力を勘案した結果、株主還元の強化と資本効率のさらなる向上を図るために814万株の自己株式を取得しました(内750万株は2019年3月29日に消却)。

 

2【事業等のリスク】

 当連結会計年度末現在において判断した将来の業績または財政状態に影響を与えうるリスクや不確実性には、以下のようなものがあります。ただし、将来の業績または財政状態に影響を与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、参天製薬グループが判断したものです。

 

(1)外的環境要因

<医薬品行政の動向>

医療用医薬品部門については、日本ならびにその他各国政府による医療保険制度や薬価に関する規制の影響を受けます。日本国内の薬価改定については、現在予測可能な範囲に限り、その影響を業績予想等の見通しに織り込んでいますが、予測可能な範囲を超えた薬価改定や、その他の医療保険制度の改定があった場合は、業績または財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

海外においても、同様に医療用医薬品の価格等に関する様々な規制があり、政府による価格低下の圧力は継続する傾向にあります。

 

<社会・経済情勢ならびに法規制の変更>

将来の業績は、主要市場における政治情勢や経済情勢の影響を受ける可能性があります。また、業績または財政状態は、会計基準、税法、製造物責任(PL)法、独占禁止法、環境関連法などの法規制変更の影響を受ける可能性があります。

 

<為替>

参天製薬グループは世界各国で事業を展開しているため、為替の変動が参天製薬グループの業績または財政状態に影響を与えます。当連結会計年度の海外売上収益は、連結売上収益の31.4%でした。

 

(2)競争

<後発品の影響>

国内外における後発品の販売は、参天製薬グループの業績に影響を与える可能性があります。

参天製薬グループの製品の中には、すでに他社から後発品が発売されているものもあり、今後、後発品の影響が強まる可能性があります。

 

(3)特定の製品・取引先等への依存

<主力製品への依存>

「アイリーア硝子体内注射液」、「コソプト配合点眼液」の2製品の連結売上収益に対する比率は、当連結会計年度で30%を超えています。これらの製品が万一、製品の欠陥、予期せぬ副作用などの要因により販売中止となったり、売上収益が大幅に減少した場合、業績または財政状態に大きな影響を及ぼします。

 

<ライセンス製品への依存>

参天製薬グループの製品には、他社から製造販売権、ならびに販売権を供与されているものが多くあります。眼科薬における独占的製造販売権の供与を受けている品目には、「クラビット点眼液」、「タプロス点眼液」、「ジクアス点眼液」、「アレジオン点眼液」などがあります。国内独占的販売権の供与を受けている品目には、「アイリーア硝子体内注射液」があります。契約期間満了、契約条件の変更や、販売提携の解消などが起こった場合、業績に影響を及ぼします。

 

<特定の取引先への依存>

原薬や容器など、原材料の中には供給を特定の取引先に依存しているものがあります。何らかの要因によりこうした原材料の供給が停止した場合、参天製薬グループでの生産活動に悪影響を与える可能性があります。さらに、これに起因して参天製薬グループの製品の供給が滞った場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

参天製薬グループと取引のある医薬品卸のうち、上位10社への取引高の集中度は、連結売上収益の63%に達しており、医薬品卸の倒産などにより貸倒れが発生した場合、参天製薬グループの業績に影響を及ぼします。

 

<生産の停滞・遅延>

自然災害、火災などの要因により生産活動の停滞・遅延が起こった場合、参天製薬グループの業績または財政状態に影響を与える可能性があります。また、品目によっては、生産を一箇所に集中しているものや、生産を外部に委託しているものがあり、特定の工場や外部委託先の機能が停止した場合、製品供給が滞る可能性があります。

 

(4)研究開発活動

<新薬開発の不確実性>

新製品の創製・開発ならびに追加効能・剤形等の開発は将来の成長に必要不可欠であり、参天製薬グループは毎年多額の研究開発投資を行っていますが、研究開発から承認・発売までは非常に長期間を要し、開発中止、承認申請後の不許可などの不確実性を多く含みます。参天製薬グループが開発中の新薬あるいは追加効能・剤形等について、販売・製造の許可がおりるかどうか、あるいはいつ承認を得ることができるかを確実に予測することはできません。また、将来、研究開発投資に見合う新薬の売上収益を実現できない可能性があります。

 

<他社との提携の成否>

新製品に関わる見通しには、他社との開発・販売提携等を前提とするものが含まれています。こうした提携の成否は参天製薬グループの業績または財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5)その他の要因

<知的財産権>

参天製薬グループの事業は、物質・製法などに関する様々な特許によって保護されています。参天製薬グループでは、これらの特許権を含む知的財産権を適切に管理し、第三者からの侵害にも注意を払っていますが、第三者からの侵害を受けた場合には、参天製薬グループの業績に影響を与える可能性があります。また、参天製薬グループの事業が第三者の知的財産権を侵害しないようにも注意を払っていますが、万一、第三者の知的財産権を侵害した場合、損害賠償を請求されるなど、業績に影響を与える可能性があります。

 

<ITセキュリティおよび情報管理>

参天製薬グループでは、各種ITシステムを利用しているため、システムの不備、サイバー攻撃やコンピュータウィルスの感染等により、業績に影響を与える可能性があります。また、個人情報等の多くの情報を有しているため、万が一の事故等によりその情報が社外流出した場合、信用を大きく失うことで業績に影響を与える可能性があります。

 

<販売中止、製品回収等>

参天製薬グループの製品の一部が、製品品質の欠陥、予期せぬ副作用、第三者による異物混入等により、販売中止または製品回収などの事態となった場合、業績に悪い影響を与えます。

 

 

<訴訟>

医療用医薬品の製造・販売を主たる事業とする参天製薬グループでは、将来、特許、製造物責任(PL)法、独占禁止法、消費者、環境などに関わる訴訟を提起される可能性があり、訴訟が発生した場合、それらの訴訟等の動向は、参天製薬グループの業績または財政状態に影響を与える可能性があります。なお、現在、参天製薬グループの経営に大きな影響を与えるような訴訟を提起されている案件はありません。

 

<グローバルな事業展開に関わるリスク>

参天製薬グループでは、医薬品の販売や研究開発活動を世界各国で行っており、また、持続的な成長のためのグローバルな事業展開にあたって、資産の譲受や企業買収を実施しています。このような世界各国における事業活動は、法令や規則の変更、政情不安、経済動向の不確実性、商習慣の相違その他のリスクに直面する可能性があり、その結果当初想定した効果や利益が実現されない可能性があります。

 

<財務報告に係る内部統制の整備等>

参天製薬グループは、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに実施基準に準拠して、財務報告に係る内部統制を整備および運用しています。しかし、内部統制が有効に機能せず、あるいは予期せぬ内部統制上の問題により、多大な損失が発生した場合、業績に影響を及ぼします。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における参天製薬グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

世界の眼科薬市場は、ここ数年堅調な伸びを示しており、特にアジア地域では継続的に力強い市場拡大基調を示しています。

また、最大市場である米国や欧州諸国も伸長傾向であり、国内の直近の傾向は前年同水準ですが、米国に次ぎ世界第二位の市場規模を維持しています。

このような市場環境の下、当連結会計年度の業績は、次のとおりとなりました。

 

(ア)財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ27億円増加し、3,912億円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ23億円減少し、986億円となりました。

当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ50億円増加し、2,926億円となりました

 

(イ)経営成績

当連結会計年度の経営成績は、コアベースでは、売上収益2,340億円(前年同期比4.0%増)、コア営業利益482億円(同6.3%増)、親会社の所有者に帰属するコア当期利益361億円(同7.9%増)となりました。

IFRS(フル)ベースでは、売上収益2,340億円(前年同期比4.0%増)、営業利益451億円(同16.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益320億円(同9.3%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、自己株式の取得による支出、配当金の支払い、長期借入金の返済による支出などがあった一方、営業キャッシュ・フローが329億円あったことなどにより、前連結会計年度末と比べ15億円増加し、708億円となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

参天製薬グループは単一セグメントであり、当連結会計年度における実績は次のとおりです。

 

(ア)生産実績及び商品仕入実績

 

金額(百万円)

対前年度増減率(%)

生産実績

160,005

6.2

商品仕入実績

52,000

5.3

 (注)1 生産実績の金額は販売価格によっており、消費税等は含まれていません。

    2 商品仕入実績の金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれていません。

 

(イ)受注実績

参天製薬グループは販売計画、在庫状況を基礎として生産計画を立案し、これによって生産を行っていますので受注生産は行っていません。

 

(ウ)販売実績

 

金額(百万円)

対前年度増減率(%)

販売実績

234,026

4.0

 (注)1 最近2連結会計年度における、主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社スズケン

42,463

18.9

44,325

18.9

株式会社メディセオ

33,680

15.0

32,313

13.8

   2 上記金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による参天製薬グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①重要な会計方針及び見積り

参天製薬グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。

なお、参天製薬グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ア)経営成績等

ⅰ 財政状態

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

資産

388,463

391,186

2,724

資本

287,557

292,572

5,015

負債

100,905

98,614

△2,291

親会社所有者帰属持分比率

73.6%

74.4%

0.8ポイント

 

当連結会計年度末の資産は、3,912億円となりました。金融資産および無形資産の減少などがあった一方、営業債権及びその他の債権および棚卸資産の増加などにより前連結会計年度末と比べ27億円増加しました。

資本は、2,926億円となりました。その他の資本の構成要素の減少などがあった一方、利益剰余金の増加などにより前連結会計年度末と比べ50億円増加しました。

負債は、986億円となりました。営業債務及びその他の債務および金融負債の増加などがあった一方、繰延税金負債および借入金の返済などによるその他の金融負債の減少などにより前連結会計年度末と比べ23億円減少しました。

以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べ0.8ポイント増加し、74.4%となりました。

 

ⅱ 経営成績

イ.コアベース ※1

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

対前年度増減率

売上収益

224,942

234,026

4.0%

コア営業利益

45,378

48,230

6.3%

コア当期利益

33,458

36,092

7.9%

親会社の所有者に帰属する

コア当期利益

33,445

36,103

7.9%

 

[売上収益]

連結会計年度と比べ4.0%増加し、2,340億円となりました。

主力の国内医療用医薬品事業においては、「アレジオン点眼液」等の伸長により薬価改定の影響を吸収し、前連結会計年度と比べ増収となりました。海外事業においてはEMEA・アジアで当社製品は順調に市場浸透し、高い成長率を維持しています。

事業別の状況は次のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

国内

海外

合計

金額

対前年度

増減率

金額

対前年度

増減率

金額

対前年度

増減率

医療用医薬品

142,950

1.3%

73,080

10.9%

216,030

4.4%

一般用医薬品

13,930

△2.6%

293

△0.1%

14,223

△2.5%

医療機器

2,600

2.9%

109

95.7%

2,709

4.9%

その他

977

28.9%

88

121.0%

1,065

33.5%

 合計

160,456

1.1%

73,570

11.0%

234,026

4.0%

(注) 外部顧客に対する売上収益を表しています。

 

<医療用医薬品>

◇日本

前連結会計年度と比べ1.3%増加し、1,430億円となりました。2018年11月に緑内障・高眼圧症治療剤「エイベリス点眼液」を新発売しました。各疾患領域の主力製品の売上推移は次のとおりです。

 

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「タプロス点眼液」

96億円

(対前年度増減率 △ 0.6%)

「タプコム配合点眼液」

25億円

(対前年度増減率 + 2.8%)

「コソプト配合点眼液」

89億円

(対前年度増減率 △21.8%)

・角結膜疾患治療剤領域

「ヒアレイン点眼液」

88億円

(対前年度増減率 △18.7%)

「ジクアス点眼液」

139億円

(対前年度増減率 + 8.7%)

・抗アレルギー点眼剤領域

「アレジオン点眼液」

194億円

(対前年度増減率 +15.4%)

・網膜疾患治療剤領域

「アイリーア硝子体内注射液※2

562億円

(対前年度増減率 + 9.0%)

 

◇EMEA

円換算ベースで前連結会計年度と比べ3.1%増加し、361億円となりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「タプロス点眼液」        64億円(対前年度増減率 △ 0.8%)

「タプコム配合点眼液」      19億円(対前年度増減率 +53.9%)

「コソプト配合点眼液」      94億円(対前年度増減率 △ 2.2%)

「トルソプト点眼液」       27億円(対前年度増減率 △ 0.4%)

・角結膜疾患治療剤領域

「アイケルビス」         29億円(対前年度増減率 +48.0%)

 

◇アジア

円換算ベースで前連結会計年度と比べ19.4%増加し、365億円となりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。

・角結膜疾患治療剤領域

「ヒアレイン点眼液」      101億円(対前年度増減率 +37.1%)

「クラビット点眼液」      104億円(対前年度増減率 +12.6%)

 

<一般用医薬品>

前連結会計年度と比べ2.5%減少し、142億円となりました。

「サンテボーティエシリーズ」、新「サンテメディカルシリーズ」、「ソフトサンティアシリーズ」などの高価格帯品に引き続き注力しています。

 

<医療機器>

前連結会計年度と比べ4.9%増加し、27億円となりました。

高屈折率のアクリル素材を光学部に用いたフォールダブル眼内レンズ「エタニティ」シリーズの普及促進活動に引き続き注力しています。また、2019年4月にOculentis社(オランダ)から導入した眼内レンズ「レンティス コンフォート」を新発売しました。

 

<その他>

その他の売上収益は11億円となりました。サプリメント製品の販売、株式会社クレール(連結子会社)での無塵・無菌服のクリーニング業によるものです。

 

[コア営業利益]

売上総利益は、前連結会計年度と比べ47億円増加し、1,433億円となりました。

販売費及び一般管理費は、海外事業の拡大に伴い、前連結会計年度と比べ25億円増加し、713億円となりました。

研究開発費は、前連結会計年度と比べ6億円減少し、238億円となりました。

 

以上により、コアベースでの営業利益は、前連結会計年度と比べ6.3%増加し、482億円となりました。

 

ロ.IFRS(フル)ベース

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

対前年度増減率

売上収益

224,942

234,026

4.0%

営業利益

38,691

45,098

16.6%

当期利益

35,261

31,943

△9.4%

親会社の所有者に帰属する

当期利益

35,247

31,954

△9.3%

 

[売上収益]

コアベースからの調整はありません。

 

[営業利益]

売上総利益、販売費及び一般管理費、研究開発費について、コアベースからの調整はありません。

 

製品に係る無形資産償却費は、前連結会計年度と比べ3.7%増加し、70億円となりました。これは主に、米メルク社から2014年に譲受けた眼科製品に関する無形資産、ならびに2015年より欧州で販売を開始した「アイケルビス」に関する無形資産の償却によるものです。

 

その他の収益は、当社保有の固定資産譲渡などにより40億円、その他の費用は、2億円となりました。

 

これらにより、IFRS(フル)ベースの営業利益は、前連結会計年度と比べ16.6%増加し、451億円となりました。

 

[親会社の所有者に帰属する当期利益]

親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度と比べ9.3%減少し、320億円となりました。これは、前連結会計年度において米国における連邦法人税率引下げに伴い法人所得税費用が一時的に減少したことによるものです。売上収益に対する親会社の所有者に帰属する当期利益の比率は、13.7%となりました。

 

※1 参天製薬グループではIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益および費用を控除した「コアベース」での財務情報を経常的な業績を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績からコアベースでの業績への調整において控除する以下の収益および費用とそれらに係る法人所得税費用を調整し、コアベースを算出しています。

 

・製品に係る無形資産償却費

・その他の収益

・その他の費用

・金融収益

・金融費用

・販売費及び一般管理費のうち企業買収に係る一過性費用

 

※2 製造販売元であるバイエル薬品株式会社とのコ・プロモーション製品です。

 

また、参天製薬グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

ⅲ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 (イ)資本の財源及び資金の流動性についての分析」に記載のとおりです。

 

(イ)資本の財源及び資金の流動性についての分析

ⅰ 資本政策

参天製薬グループは、眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を目指しています。また、資本効率や財務健全性など、当社にとって最適な資本構成を追求しながら、将来の成長のための内部留保と株主の皆様への利益還元の両方を適切なバランスにて実施することを基本としています。これら収益性、資本効率および財務健全性、内部留保、株主還元を最適化することで、ROEの向上に取り組みます。

成長のための投資については、パイプラインの強化、グローバル展開の加速、新規医療技術、グローバルな事業基盤拡充に向けた生産拠点、情報システムへの投資などに、積極的かつ効果的に資源投入を図ります。当連結会計年度は、2018年9月にペプチドリーム社と複数の創薬標的タンパク質に対して特殊環状ペプチド医薬品を創生する包括的創薬共同研究開発契約を締結しました。

収益性については、資本コストを上回る利益を実現することを基本とし、そのための評価基準を定め、投資判断を行っています。また、投下した資本の回収については、グローバルに拡大展開する事業の状況をモニタリングする経営管理体制の整備に加えて、税務を含むキャッシュマネジメントを通したキャッシュ最大化に取組んでいます。

資本効率については、成長投資と財務健全性の両方を勘案しながら、資本・負債比率(DEレシオ)の最適化および資産圧縮を進めています。2018年度には、旧本社・大阪工場跡地の売却、Santen Oyのタンペレ工場(フィンランド)のNext Pharma社への譲渡を決定しました。並行して、アジア市場を中心に増加する需要に対応するための生産拠点増強について検討を進めています。

株主還元については、経営の最重要事項と位置付け、中長期的な事業環境や資金需要と内部留保の水準、ならびに資本構成等を総合的に勘案し、配当を中心に、自己株式取得を補完的な手段として株主の皆様に利益を還元することを基本としています。当連結会計年度は、成長投資余力を勘案した結果、株主還元の強化と資本効率のさらなる向上を図るために814万株の自己株式を取得しました(内750万株は2019年3月29日に消却)。

 

ⅱ キャッシュ・フロー

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

営業活動による

キャッシュ・フロー

42,843

32,894

△9,949

投資活動による

キャッシュ・フロー

△8,259

△2,935

5,324

財務活動による

キャッシュ・フロー

△17,631

△28,107

△10,476

現金及び現金同等物の

期末残高

69,283

70,796

1,513

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ15億円増加708億円となりました。

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、329億円の収入(前期は、428億円の収入)となりました。前連結会計年度においては、一時差異の取崩の影響により一時的に法人所得税の支払が減少していたことなど、当連結会計年度の法人所得税の支払が64億円増加したことなどにより、99億円減少しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、29億円の支出(前期は、83億円の支出)となりました。これは有形固定資産の売却による収入が43億円などあった一方、有形固定資産の取得による支出が55億円、無形資産の取得による支出が29億円あったことなどによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、281億円の支出(前期は、176億円の支出)となりました。これは自己株式の取得による支出が141億円、配当金の支払いが106億円および長期借入金の返済による支出が41億円あったことなどによるものです。

 

設備投資については、製造設備および研究開発用機器の更新に加え、米メルク社より譲受けた眼科製品の内製化のための投資、グローバルな製品供給基盤の強化を目的とした生産体制・拠点再編に伴う設備投資、重慶参天科瑞製薬有限公司の工場建設に伴う設備投資および事業のグローバル展開を支えるためのIT基盤への投資等を行い、当期連結会計年度の設備投資額は、72億円となりました。

 

資金調達については、重慶参天科瑞製薬有限公司における工場建設の資金の一部として、MUFG Bank (China) Ltd.より6億円の借入を実行しました。その他の設備投資については、自己資金により行いました。また、機動的な事業開発活動のための効率的な調達を目的に、2018年3月に株式会社三菱東京UFJ銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)と総額300億円のコミットメントライン(特定融資枠)契約を締結していますが、当期連結会計年度の借入実行額はありません。

 

(ウ)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標

当社は、中期経営計画「MTP2020」においては、利益の実現と成長への投資に積極的に取り組むことを前提に、売上高成長率、コア営業利益率、フルROEの3つの財務指標に達成目標を定めています。具体的目標値および実績値は下表のとおりです。

 

 

実績値

目標値

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

売上高成長率

1.9%

13.0%

4.0%

6%以上(CAGR)

コア営業利益率

19.9

20.2%

20.6%

21%以上(期間平均)

フルROE

8.4

13.0%

11.1%

11%以上(期間平均)

 

当連結会計年度の実績値については、売上高成長率は、国内の薬価改定等の影響により、前年対比9.0ポイント減少し、目標の平均成長率をやや下回りましたが、EMEA・アジアで当社製品は高い成長率を維持しており、引き続き堅調に伸長していくと考えています。コア営業利益率は堅調に推移しており、目標とする水準を維持しています。フルROEは、前連結会計年度における米国での連邦法人税率引下げによる一時的な当期利益の上昇等の影響により、前年対比1.9ポイント減少しているものの、目標値を上回っています。

 

(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。

 

連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)

(のれんの償却)

日本基準では、のれんの償却については、効果が発現すると見積られる期間にわたり均等償却を行っていましたが、IFRSでは移行日以降、償却をせず毎期減損テストを行っています。

この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「販売費及び一般管理費」が2,431百万円減少しています。

 

(研究開発費の資産計上)

日本基準では、製品および技術の導入契約に伴い発生した一時金等の費用のうち、主に当局の承認が得られる前に発生したものを研究開発費として費用処理していましたが、IFRSでは、これらの費用のうち、資産計上の要件を満たしたものを「無形資産」として計上しています。

この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「研究開発費」が1,838百万円減少しています。

 

連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

(のれんの償却)

日本基準では、のれんの償却については、効果が発現すると見積られる期間にわたり均等償却を行っていましたが、IFRSでは移行日以降、償却をせず毎期減損テストを行っています。

この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「販売費及び一般管理費」が2,429百万円減少しています。

 

(研究開発費の資産計上)

日本基準では、製品および技術の導入契約に伴い発生した一時金等の費用のうち、主に当局の承認が得られる前に発生したものを研究開発費として費用処理していましたが、IFRSでは、これらの費用のうち、資産計上の要件を満たしたものを「無形資産」として計上しています。

この結果、IFRSでは、日本基準に比べて、連結純損益及びその他の包括利益計算書の「研究開発費」が714百万円減少しています。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術契約(導入)

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

対価の支払

参天製薬

株式会社

(当社)

第一三共

株式会社

日本

オフロキサシン

(合成抗菌剤)

眼科薬における独占的製造販売権

1986年8月~2001年9月

(以後3年毎の自動更新)

販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

第一三共

株式会社

日本

レボフロキサシン

(合成抗菌剤)

眼科薬における独占的製造販売権

1994年5月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方

(以後3年毎の自動更新)

契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

エーザイ

株式会社

日本

ブナゾシン塩酸塩

(緑内障治療剤)

眼科薬における独占的製造販売権

1994年12月~発売日から8年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方

(以後1年毎の自動更新)

契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

AGC

株式会社

日本

タフルプロスト

(緑内障・高眼圧症治療剤)

眼科薬における独占的製造販売権

2005年12月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方

契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

メルク社

アメリカ

ジクアホソルナトリウム

(角結膜疾患治療剤)

眼科薬における独占的製造販売権

1998年12月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方

販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

日本ベーリン

ガーインゲル

ハイム株式会社

日本

エピナスチン塩酸塩

(抗アレルギー点眼剤)

眼科薬における独占的製造販売権

2011年2月~発売日から10年間

契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

宇部興産

株式会社

日本

オミデネパグ イソプロピル

(緑内障・高眼圧症治療剤)

眼科薬における独占的製造販売権

2011年2月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方

契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

Oculentis社

オランダ

レンティス コンフォート

(眼内レンズ)

独占的製造販売権

2016年3月~特許権の存続期間の満了日の長い方

契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

(注) AGC株式会社は、2018年7月1日に旭硝子株式会社から商号変更しています。

 

(2)技術契約(導出)

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

対価の受取

Advanced Vision Science, Inc.

(連結子会社)

ボシュロム社

アメリカ

エタニティー

(眼内レンズ)

独占的製造販売権

2009年2月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方

契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

オーク社

アメリカ

タフルプロスト

(緑内障・高眼圧症治療剤)

独占的製造販売権

2014年4月~

2022年3月

マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

 

(3)販売契約(導入)

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

対価の支払

参天製薬

株式会社

(当社)

ヤンセン

ファーマ

株式会社

日本

レボカバスチン塩酸塩

(抗アレルギー剤)

国内販売権

2000年9月~

発売日から10年後の12月

(以後1年毎の自動更新)

契約一時金

参天製薬

株式会社

(当社)

スキャンポ

ファーマ

合同会社

日本

イソプロピル

ウノプロストン

(緑内障治療剤)

国内独占的

販売権

2004年7月~

2016年3月

(以後1年毎の自動更新)

契約一時金

参天製薬

株式会社

(当社)

バイエル薬品株式会社

日本

アフリベルセプト硝子体内注射液

(眼科用VEGF阻害剤)

国内独占的

販売権

2012年5月~2021年12月

(注) スキャンポファーマ合同会社との契約は2019年3月31日に終了しています。

 

(4)企業結合による条件付対価

  当社は米国時間の2016年8月19日にInnFocus, Inc.を買収しました。当社は、条件付対価契約に基づき、DE-128(PRESERFLO MicroShunt)の開発の進捗および販売実績に応じたマイルストンを支払う定めがあり、要求されうるすべての将来の支払額は409百万米ドル(割引前)です。

 

(5)その他

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約締結日

参天製薬

(中国)有限公司

(連結子会社)

重慶科瑞製薬

(集団)有限公司

中国

中国の患者さんに適切な価格で高品質の医療用眼科薬を提供することを目的に2016年8月に合弁会社(重慶参天科瑞製薬有限公司)を設立

2016年3月22日

 

5【研究開発活動】

(研究開発戦略)

 参天製薬グループは、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、患者さんの目の健康を守るために、未充足ニーズに対応し、QOL向上に大きく貢献する製品の創出に努めています。当社は、患者さんのQOL向上に注力することで、患者さんのみならず、眼科医や医療関係者をはじめとした重要なステークホルダーの期待にも応えていきます。

 中期経営計画「MTP2020」では、「製品パイプラインの拡充、および新たな治療オプションの開発」を重点戦略として掲げています。従来からの医薬品開発に加え、ネットワーク製品創製(※1)を活用し、治療成果を最適化する挑戦的な新しい技術への取り組みも始めています。また、臨床開発の精度を高め、患者さんの治療に貢献するために、トランスレーショナル・リサーチ(※2)を通じたバイオマーカーの探索(※3)や新しい診断方法の開発に取り組んでいます。既存製品についても、患者さんの一層の利便性の向上と負担軽減を目指し、製剤化技術を駆使した防腐剤フリー製剤の開発や、ドラッグデリバリーシステム(※4)の活用、容器の改良に努めています。

 

※1 社外に存在する化合物や技術を積極的に活用し、製品創製に応用する手法

※2 基礎研究・臨床研究・診療をつなげて、医療発展に寄与する成果を効率的・効果的に実用化さる橋渡し研究

※3 病気の存在や進行度などを識別するため、生体情報を客観的に測定・評価する指標

※4 必要な薬効成分を、必要な時間に、必要な部位へ送達させるように工夫された製剤技術

 

(グローバル体制)

 参天製薬グループでは、創薬研究および臨床開発をグローバルの参天製薬グループや関係機関で展開し、グローバルな医療ニーズに合致した製品を、より早く創出し続ける体制を強化しています。

 研究分野では、奈良研究開発センターに基礎研究、非臨床試験、製剤研究の各機能を集約することで各部門の英知を結集し、より良い製品の創出に努めています。また、社外に対しては、独自のネットワークを通じ、外部機関とも情報交換や共同開発が行える協力体制を構築しています。

 臨床開発では、米国を中心に日本、ヨーロッパ並びに中国をはじめとするアジア主要国や新興国で実施する体制を整備し、開発の高質化、効率化への動きを加速させています。

 

(開発パイプラインの状況)

緑内障・高眼圧症領域>

プロスタグランジンF₂α誘導体およびβ遮断剤の配合剤DE-111(一般名:タフルプロスト/チモロールマレイン酸塩、製品名:「タプコム配合点眼液」)は、中国で2019年1月に第Ⅲ相試験を開始しました。

EP2受容体作動薬DE-117(一般名:オミデネパグ イソプロピル、製品名:「エイベリス点眼液」)は、米国で2018年9月に第Ⅲ相試験を開始しました。日本では2018年11月に発売しました。アジアでは2019年4月より韓国をはじめとして順次、販売承認を申請しています。

FP/EP3受容体デュアル作動薬DE-126(一般名:sepetaprost)は、米国および日本で、2017年7月より後期第Ⅱ相試験を実施しています。

緑内障用デバイスDE-128(製品名:「PRESERFLO MicroShunt」)は、FDA承認取得に向け米国および欧州にて第Ⅱ/Ⅲ相試験を実施しています(欧州にてCEマーク承認取得済み)。

プロスタグランジンF₂α誘導体の乳化点眼剤DE-130A(一般名:ラタノプロスト)は、欧州およびアジアで2019年4月より第Ⅲ相試験を実施しています。

 

<角結膜疾患(ドライアイを含む)領域>

DE-089(一般名:ジクアホソルナトリウム、製品名:「ジクアス点眼液」)は、中国で2018年9月に発売しました。

DE-076C(開発品名:Vekacia、一般名:シクロスポリン、製品名:「Verkazia」)は、2018年7月に欧州委員会より医薬品販売承認を取得し、イギリスで2018年10月に発売しました。アジアでは、2018年11月に販売承認を申請しました。カナダでは、2018年12月に販売承認を取得しました。

 

<網膜・ぶどう膜疾患領域>

DE-109(一般名:シロリムス)は、米国で2018年12月よりぶどう膜炎を対象とした追加の第Ⅲ相試験を実施しています。

DE-122(一般名:carotuximab)は、米国での開発を目指し、2017年7月より滲出型加齢黄斑変性を対象とした前期第Ⅱ相試験を実施しています。

 

<その他疾患領域>

DE-127(一般名:アトロピン硫酸塩)は、アジアで2017年11月より近視を対象とする第Ⅱ相試験を実施しています。日本では、2019年度上期より第Ⅱ/Ⅲ相試験を実施予定です。

眼内レンズMD-16は、日本で2019年3月に第Ⅲ相試験を終了しました。

 

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、238億円です。