第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、参天製薬グループが判断したものです。

 

(1)会社の経営の基本方針

参天製薬グループは、「天機に参与する」という基本理念のもと、眼科領域に経営資源を集中し、患者さんと患者さんを愛する人たちに貢献することを目指して事業活動を推進しています。

眼科領域では、緑内障や網膜疾患などを中心に治療が未充足な疾患領域が存在するのみならず、未だ医療が十分に発展していない国や地域が数多く存在しています。参天製薬グループは眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、世界の患者さんのQOL(Quality of Life:クオリティ・オブ・ライフ)向上のために、医療現場のニーズを満たす製品の開発、幅広い疾患領域をカバーする製品ラインナップ、国・地域ごとに異なる多様な顧客ニーズへのきめ細やかな対応などに取り組みます。

また、基本理念に基づく事業活動を通じた社会貢献をCSR/ESGの中心と位置付け、希少疾病用医薬品の発売、未充足ニーズを満たす研究開発推進、新しい緑内障の治療オプションの開発や治療継続プログラムパッケージの提供など、世界の眼科医療水準向上に向けて参天製薬グループならではの「目に関する優れた製品とサービスを提供する」ことにより、患者さんのQOL向上への貢献を目指します。また、グローバル企業としてコーポレートガバナンスの高度化、グループ全体でのコンプライアンスの徹底を図り、高い倫理観と国際規範に則った活動をグローバルに展開します。

 

(2)環境認識

先進国においては少子高齢化が加速する一方、新興国・発展途上国においては中間層が拡大し、医療ニーズは増大しています。日本国内に目を向けると、薬事行政による薬価改定に加え、後発品促進策の推進など厳しい経営環境が続いていますが、その一方で、再生医療、個別化医療、セルフメディケーション推進といった医療における新しい潮流も認められます。

参天製薬グループが注力するグローバル眼科薬市場は、主に網膜・ドライアイ・緑内障領域を中心に引き続き成長しており、平均成長率6%程度(2013~2020年)となることが予想されます。特にアジアや東欧・北欧・ロシアなどでは高い成長率が見込まれ、米国でも成長を維持していますが、国内は薬価改定、後発品普及方針の公示等により市場成長は鈍化傾向にあります。このように複雑化する市場環境において、参天製薬グループは、長期ビジョンに基づき、中期経営計画「MTP2020」の実行を推進しています。

 

(3)長期経営ビジョン「Vision2020」

参天製薬グループは、2020年までの長期的な経営ビジョンである「世界で存在感のあるスペシャリティ・カンパニー」の実現に向けて、研究開発活動や事業開発などへの成長投資を積極的に実施するとともに、高い市場成長が見込まれるアジア、EMEAでの事業展開を積極的に推進しています。

Vision2020の実現に向けては、①真の顧客ニーズに対応する製品を迅速に創出、②国内事業の新たな事業展開への変革、③アジアへの積極展開とEMEA・米国への参入、④グローバルな製品供給・信頼性保証体制の確立、⑤創造と革新を担う人材と組織力強化を5つの道筋と定め、中期経営計画において具体的な活動プランを立案・実行しています。

また、2030年とその先を見据え、新たな長期ビジョン・戦略を策定し、眼科領域におけるスペシャリティ・カンパニーとして、人々の目の健康に関する社会的な課題の解決に積極的に取り組みます。

 

(4)中期経営計画「MTP2020」

2018年6月、「Vision2020」実現および2020年以降の持続的成長に向けた道筋構築を目指し、中期経営計画「MTP2020」を発表しました。

世界の眼科医療においては、高齢化の進展や新たな診断・治療技術の進化に伴い、緑内障、網膜疾患、ドライアイなどの疾患領域で患者さんの増加が想定されます。「顧客満足度」、「収益性」、「組織能力」の3つの向上を活動の軸に据え、グローバル事業戦略の推進による市場を上回る成長、製品パイプラインの拡充および新たな治療オプションの開発、事業基盤強化・効率化および人材組織力の強化を図ります。

 

0102010_001.jpg

 

グローバル事業戦略では、日本、EMEAでの経験・知見をアジアに展開することで既存地域における眼科治療貢献と事業成長の加速を図るとともに、2021年以降にライフサイエンス分野のイノベーションを牽引する米国市場での持続的な事業展開を構築するための準備を進めます。

製品パイプラインの拡充および新たな治療オプションの開発では、新しい治療法や技術を積極的に取り入れ、治療継続の支援や製品の識別性改良など顧客視点で新たな治療オプションを提供するとともに、予防・診断・治療・フォローアップを含む全体におけるソリューション提供へと進化させ、従来の方法を超える製品・サービスの提供に取り組みます。

当連結会計年度は、2019年9月に、田辺三菱製薬株式会社と、抗アレルギー点眼剤の「アレジオン点眼液」(以下、アレジオン)および「アレジオンLX点眼液」(以下、アレジオンLX)における共同販売促進契約を締結しました。幅広い診療科へのアクセスを有する田辺三菱製薬株式会社と共同販売促進契約を締結することで、アレジオンおよびアレジオンLXを、より多くの医療現場に提供し、患者さんのQOLの向上に寄与することを目指します。

また、2020年2月には、Verily Life Sciences LLC(以下、Verily社)と合弁会社を設立することを決定しました。当社の眼科における専門性および技術と、Verily社の統合医療機器や機械学習の開発における専門性を融合することで、独創的な眼科デバイスや総合的な技術ソリューションの開発と商品化を目指します。

米国での研究開発では、緑内障における新たな治療オプションとして期待されるDE-128(PRESERFLO MicroShunt)について、第Ⅱ/Ⅲ相試験を継続し、FDA承認取得に向け準備を進めています。また、承認取得後の製品の迅速な普及促進のため、2019年4月にGlaukos Corporationと米国での独占販売の代理店契約を締結しました。

(5)目標とする経営指標

中期経営計画「MTP2020」においては、利益の実現と成長への投資に積極的に取り組むことを前提に、以下3つの財務指標を達成目標として定めています。

 

市場を上回る売上高成長: 平均成長率(CAGR)6%以上

利益率の維持向上:    コア営業利益率21%以上(期間平均)

資本効率の維持・向上:  フルROE11%以上(期間平均)

 

*特殊要因を除いたコアROEについても副次的経営指標と位置付けています。

 

0102010_002.jpg

 

当連結会計年度の上記指標は、売上高成長率3.2%、コア営業利益率20.7%、フルROE8.0%となりました。

単年の売上高成長率は、国内の薬価改定および為替の影響に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響等により、目標とする水準を下回りました。

コア営業利益率は、海外事業の拡大に伴う販売費および一般管理費の増加はあるものの、適切な費用コントロール等により、引き続き目標とする水準を維持しています。

フルROEは、中国の合弁事業(重慶参天科瑞製薬有限公司)における有形固定資産の減損およびTRACON Pharmaceuticals, Inc.(アメリカ)と開発を進めていた滲出型加齢黄斑変性治療薬DE-122の開発中止に伴う無形資産の減損損失の影響等により、目標とする水準を下回りましたが、これら一過性の要因を除いた副次的経営指標であるコアROEは12.1%となり、目標とする水準を上回っています。

なお、翌連結会計年度においては、売上収益については、地域ごとに影響の度合いは異なるものの、引き続き新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による受診抑制等のマイナス影響を受けると想定しています。一方で、コア営業利益については、将来成長のための資源投下の継続と費用コントロールの強化による経常的費用支出の抑制の両立をはかり、持続的な利益成長を確保することで増益を予想しています。

 

 

(6)資本政策

参天製薬グループは、眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を目指しています。また、資本効率や財務健全性など、当社にとって最適な資本構成を追求しながら、将来の成長のための内部留保と株主の皆様への利益還元の両方を適切なバランスにて実施することを基本としています。これら収益性、資本効率および財務健全性、内部留保、株主還元を最適化することで、ROE(親会社所有者帰属持分利益率)の向上に取り組みます。

 

0102010_003.jpg

 

成長のための投資については、パイプラインの強化、グローバル展開の加速、新規医療技術、グローバルな事業基盤拡充に向けた生産拠点、情報システムへの投資などに、積極的かつ効果的に資源投入を図ります。当連結会計年度は、2019年6月にグローバル経営体制の強化に向けて基幹業務システムを刷新することを決定しました。また、中国での成長を長期にわたり確固たるものとして、引き続き中国の眼科医療の発展に貢献するため、参天製薬(中国)有限公司の第二工場を建設することを2020年1月に決定しました。

収益性については、資本コストを上回る利益を実現することを基本とし、そのための評価基準を定め、投資判断を行っています。また、投下した資本の回収については、グローバルに拡大展開する事業の状況をモニタリングする経営管理体制の整備に加えて、税務を含むキャッシュマネジメントを通したキャッシュ最大化に取組んでいます。

資本効率については、成長投資と財務健全性の両方を勘案しながら、負債資本倍率(DEレシオ)の最適化および資産圧縮を進めています。当連結会計年度は、2019年9月にSanten Oyのタンペレ工場(フィンランド)のNext Pharma Oy(フィンランド)への譲渡を完了しました。また、事業開発活動における投資機会の最大化のための効率的な資金調達を目的として、2020年3月に新たに株式会社三菱UFJ銀行とコミットメント期間を4年、貸付期間を最大10年とする総額300億円の実行可能期間付タームローン契約を締結しました。

株主還元については、経営の最重要事項と位置付け、中長期的な事業環境や資金需要と内部留保の水準、ならびに資本構成等を総合的に勘案し、配当を中心に、自己株式取得を補完的な手段として株主の皆様に利益を還元することを基本としています。当連結会計年度は、業績および財務状況などを総合的に勘案した結果、2019年度の期末配当について、1円増配した14円としました。

 

(7)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する取り組み

新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、参天製薬グループでは「天機に参与する」という基本理念に則り、眼科治療薬を世界中の患者さんにお届けし続けること、社会に貢献するライフサイエンス企業の一員としてウイルス拡散に繋がる活動を自粛すること、このような非常事態においても将来の眼科医療のイノベーションに向けた取り組みを継続すること、これらを最優先事項と位置づけ、世界各拠点においてそれぞれの地域の規制やガイダンスに則り、以下の通り、最大限の策を講じています。

 

 

<製品の安定供給に関連する取り組み>

・工場における安全確保(マスク・アルコール消毒等の衛生環境の整備、検温、従業員同士の適切な距離間隔確保の徹底)

・製品に関する、中間品および原材料などの在庫水準の維持

・製品製造に関わる内勤者については、テレワーク環境下で業務遂行できる環境を整備

 

<ウイルス拡散防止に向けた取り組み>

・出張の原則禁止

・内勤者は原則テレワーク勤務

・世界各拠点の全社員に対し、マスク・ゴーグルなどの物資を提供

・ウイルスから身を守るための基本的な方法等についての教育・周知徹底

 

<眼科医療のイノベーションに向けた取り組み>

・進行中の臨床試験、申請業務の継続に向けた安全確保と当局との話し合い

・研究所における安全確保(マスク・アルコール消毒等の衛生環境の整備、検温、従業員同士の適切な距離間隔確保の徹底)

・テレワーク環境下で医療従事者への情報提供を実施する体制への移行

 

<その他>

・代表取締役社長兼CEOを委員長とした危機管理委員会を組織し、日本および世界各拠点の状況をモニターし、対応の検討・指示を実施

・感染の拡大・長期化する事態を想定したパンデミックBCPの策定

・特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会が開設した、視覚障がい者向けの電話相談窓口「視覚障がい者ならどなたでも!おたすけ電話相談窓口」へのサポート

・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響下での新たな生活様式において増加が懸念される目の不具合について、眼科のスペシャリティ・カンパニーとして、解消に向けた情報発信を強化

・最新のテクノロジー、デジタルツール等を活用した、業務継続性を最大限担保する安全・衛生的な職場環境、多様な働き方を構築

・地球環境に対する負荷を軽減し、持続可能性を高めた新たな仕事のやり方の創造

 

2【事業等のリスク】

[リスク管理体制]

参天製薬グループは、危機管理に係る規程に基づき、事業活動遂行上想定される主要な損失の危険に適確に対処するため、各事業法人・組織において平時から損失の危険の把握と管理に努め、方針・対応策の策定や情報収集を行う体制を構築して損失の危険の回避・最小化に努めています。

重大な危機に発展する可能性のある事象が発生または報告された場合には、参天製薬の代表取締役社長兼CEOを委員長とする「危機管理委員会」を設置し、対応と事態の収拾に努めるとともに再発防止策を実施します。

また、内部監査室は、その独立した立場において、業務監査を通じリスク管理状況を検証しています。

 

[個別リスク]

 当連結会計年度末現在において判断した将来の業績または財政状態に影響を与えうるリスクや不確実性には、以下のようなものがあります。ただし、将来の業績または財政状態に影響を与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、参天製薬グループが判断したものです。

 

(1)製品供給

参天製薬グループでは、品目により生産を一箇所に集中している製品、生産を外部に委託している製品、また、原薬や容器等原材料の供給を特定の取引先に依存している製品があります。これらについて、新型コロナウイルスの感染拡大等のパンデミック、自然災害、火災等により特定の工場や外部委託先の機能や、取引先からの原材料の供給が停止し、生産活動の停滞・遅延が起こった場合には、参天製薬グループの業績または財政状態に影響を与える可能性があります。

参天製薬グループでは、従前よりグローバルな製品供給体制の強化を重要な戦略の一つとして掲げています。具体的には、展開国の拡大や点眼剤以外の多様な製品の増加に対応する体制の構築に取り組んでおり、安定供給を確実なものとするプロセスおよびシステム等の仕組みを構築するとともに、計画と実行のモニタリングやリスク評価等により、継続的な実態把握と課題への対応を行っています。また、物流関連の規制が厳しい欧州にも対応した製品の生産・供給体制の構築や、生産計画を含む在庫管理の可視化・グローバルでの一元管理にも取り組んでいます。

また、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への取り組みにおいても、製品の安定供給を最優先課題と位置付けており、加えて、製品に関する在庫水準の維持、工場における安全確保、工場内勤者のテレワーク業務への移行に取り組んでいます。

 

(2)環境問題

環境汚染等の環境保全上に問題が発生した場合や関連法令の改正等により、法的措置や損害賠償責任、対策費用等が発生した場合には、業績に重大な影響を与える可能性があります。

参天製薬グループは、環境関連法令等の遵守はもとより、さらに高い自主基準を設定して、環境マネジメントシステム運用等により環境保全に取り組んでいます。

 

(3)販売中止、製品回収等

参天製薬グループの製品の一部が、製品品質の欠陥、予期せぬ副作用、第三者による異物混入等により、販売中止または製品回収等の事態となった場合、業績に悪い影響を与えます。

 

(4)医薬品行政の動向

医療用医薬品部門については、日本ならびにその他各国政府による医療保険制度や薬価に関する規制の影響を受けます。

日本国内の薬価改定については、現在予測可能な範囲に限り、その影響を業績予想等の見通しに織り込んでいます。予測可能な範囲を超えた薬価改定や、その他の医療保険制度の改定があった場合は、業績または財政状態に対して中長期的に影響を及ぼす可能性がありますが、短期的には影響は僅少です。

海外においても、同様に医療用医薬品の価格等に関する様々な規制があり、政府による価格低下の圧力は継続する傾向にあります。

また、国内外における政府当局や医薬保険制度の後発品使用促進策およびそれを背景にした他社による後発品販売は、参天製薬グループの業績に与える可能性があります。参天製薬グループの製品の中には、すでに他社から後発品が発売されているものもありますが、現時点で参天製薬グループの業績に与える影響は僅少です。

 

(5)投資に関わるリスク

参天製薬グループでは、眼科領域におけるグローバルでの持続的な成長を目指し、パイプラインの強化、グローバルでの事業展開の加速、新規医療技術・イノベーション、またグローバルな事業基盤の拡充のために、他社とのアライアンス・M&A(製品・技術導入、買収および合弁事業等)や設備投資等を積極的に行っています。これらについては、投資判断を行った時点に想定をしていた水準を超える外部環境の悪化等により、当初想定した効果や利益が実現されない可能性があります。また、このような場合には、投資に伴い計上した有形固定資産や無形資産の減損処理により、参天製薬グループの業績に影響を与える可能性があります。

参天製薬グループでは、これらの投資について、経営戦略との整合性等定性的な観点に加え、収益性の観点から、資本コストを基礎とした社内の評価基準に基づき投資の判断を行っています。また、これらの投資判断を含めた意思決定プロセスの透明性・客観性を向上させるため、重要な戦略課題について審議する戦略審議委員会の設置、また、投資後の事業の状況を適時モニタリングする経営管理体制の整備等、コーポレート・ガバナンスの充実・強化に取り組んでいます。

 

(6)グローバルな事業展開に関わるリスク

参天製薬グループでは、医薬品の販売や研究開発活動を世界各国で行っています。

このような世界各国における事業活動は、法令や規則の変更、政情不安、経済動向の不確実性、商習慣の相違その他のリスクに直面する可能性があり、その結果当初想定した効果や利益が実現されない可能性があります。

 

(7)為替

参天製薬グループは世界各国で事業を展開しているため、為替の変動が参天製薬グループの業績または財政状態に影響を与えます。当連結会計年度の海外売上収益は、連結売上収益の約32%でした。

 

(8)主力製品への依存

参天製薬グループにおける売上収益の上位2製品である「アイリーア硝子体内注射液」および「アレジオン点眼液」の連結売上収益に対する比率は、当連結会計年度で35%を超えています。これらの製品が万一、製品の欠陥、予期せぬ副作用等の要因により販売中止となったり、売上収益が大幅に減少した場合、業績または財政状態に大きな影響を及ぼします。

 

(9)ライセンス製品への依存

参天製薬グループの製品には、他社から製造販売権、ならびに販売権を供与されているものが多くあります。眼科薬における独占的製造販売権の供与を受けている品目には、「クラビット点眼液」、「タプロス点眼液」、「ジクアス点眼液」、「アレジオン点眼液」等があります。国内独占的販売権の供与を受けている品目には、「アイリーア硝子体内注射液」があります。契約期間満了、契約条件の変更や、販売提携の解消等が起こった場合、業績に影響を及ぼします。

 

(10)新薬開発の不確実性

新製品の創製・開発ならびに追加効能・剤形等の開発は将来の成長に必要不可欠であり、参天製薬グループは毎年多額の研究開発投資を行っていますが、研究開発から承認・発売までは非常に長期間を要し、開発中止、承認申請後の不許可等の不確実性を多く含みます。参天製薬グループが開発中の新薬あるいは追加効能・剤形等について、販売・製造の許可がおりるかどうか、あるいはいつ承認を得ることができるかを確実に予測することはできません。また、将来、研究開発投資に見合う新薬の売上収益を実現できない可能性があります。

 

(11)知的財産権

参天製薬グループの事業は、物質・製法等に関する様々な特許によって保護されています。参天製薬グループでは、これらの特許権を含む知的財産権を適切に管理し、第三者からの侵害にも注意を払っていますが、第三者からの侵害を受けた場合には、参天製薬グループの業績に影響を与える可能性があります。また、参天製薬グループの事業が第三者の知的財産権を侵害しないようにも注意を払っていますが、万一、第三者の知的財産権を侵害した場合、損害賠償を請求される等、業績に影響を与える可能性があります。

 

(12)訴訟

医療用医薬品の製造・販売を主たる事業とする参天製薬グループでは、将来、特許、製造物責任(PL)法、独占禁止法、消費者、環境等に関わる訴訟を提起される可能性があり、訴訟が発生した場合、それらの訴訟等の動向は、参天製薬グループの業績または財政状態に影響を与える可能性があります。なお、現在、参天製薬グループの経営に大きな影響を与えるような訴訟を提起されている案件はありません。

 

(13)ITセキュリティおよび情報管理

参天製薬グループでは、各種ITシステムを利用しているため、システムの不備、サイバー攻撃やコンピュータウィルスの感染等により、業績に影響を与える可能性があります。また、個人情報等の機微情報を有しているため、万一の事故等によりその情報が社外流出した場合、信用を大きく失うことで業績に影響を与える可能性があります。

参天製薬グループでは、日々の業務や規制の継続性維持、および戦略的な競争優位性の維持に必要な情報の機密性、完全性、および可用性を保証するため、ISO 27001規格に基づく情報セキュリティ管理システムの実装と維持に取り組んでいます。

情報管理体制として、グローバル個人情報保護規程、情報セキュリティ規程、文書管理規程等の社内規程に基づいて、技術的・物理的保護や教育研修を行っています。

IT以外の脅威も含む情報セキュリティリスク分析に基づく対策ロードマップを策定し、達成状況の確認および見直しを年次で行っています。

 

(14)コンプライアンス

社会規範や法令等に違反する事態が発生した場合、参天製薬グループの社会的信用やブランドイメージの低下、株価下落による企業価値の損失、売上の減少や損害賠償の支払い等により、当社グループの業績悪化や事業継続が困難になる等、企業経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

参天製薬グループは「天機に参与する」という基本理念のもと事業活動の礎となる「グローバル・コンプライアンス・ポリシー」を制定し、グローバルでのコンプライアンス推進体制を強化するとともに、法律や規制が厳しくなるヘルスケア業界において全従業員への教育啓発活動を適時実施することでコンプライアンス意識の醸成および法令遵守の強化に努めています。

 

(15)内部統制の整備等

内部統制が有効に機能せず、あるいは予期せぬ内部統制上の問題により、多大な損失が発生した場合、業績に影響を及ぼします。

参天製薬グループは、会社法および会社法施行規則に基づき、業務の適正を確保するための体制を整備する旨(内部統制基本方針)の決議を行っています。執行部門はその整備・運用状況について取締役会に対して定期的な報告を行い、取締役会は適宜指示、軌道修正を行うことで、当該整備・運用の質的向上ならびに対象範囲の拡大を図っています。また、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに実施基準に準拠して、財務報告に係る内部統制を整備および運用しています。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における参天製薬グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

世界の眼科薬市場は、ここ数年堅調な伸びを示しており、特にアジア地域では継続的に力強い市場拡大基調を示しており、また、最大市場である米国や欧州諸国も伸長傾向にあります

日本は、直近の傾向では前年同水準ではあるものの、米国に次ぎ世界第二位の市場規模を維持しています。

このような市場環境の下、当連結会計年度の業績は、次のとおりとなりました。

 

(ア)財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ176億円増加し、4,088億円となりました。

当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ100億円増加し、3,026億円となりました

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ76億円増加し、1,062億円となりました。

 

(イ)経営成績

当連結会計年度の経営成績は、コアベースでは、売上収益2,416億円(前年同期比3.2%増)、コア営業利益500億円(同3.7%増)、親会社の所有者に帰属するコア当期利益359億円(同0.5%減)となりました。

IFRS(フル)ベースでは、売上収益2,416億円(前年同期比3.2%増)、営業利益335億円(同25.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益236億円(同26.1%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、配当金の支払い、有形固定資産および無形資産の取得による支出などがあった一方、営業活動の結果得た資金が399億円あったことなどにより、前連結会計年度末と比べ206億円増加し、914億円となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

参天製薬グループは単一セグメントであり、当連結会計年度における実績は次のとおりです。

 

(ア)生産実績及び商品仕入実績

 

金額(百万円)

対前年度増減率(%)

生産実績

180,013

12.5

商品仕入実績

53,912

3.7

 (注)1 生産実績の金額は販売価格によっており、消費税等は含まれていません。

    2 商品仕入実績の金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれていません。

 

(イ)受注実績

参天製薬グループは販売計画、在庫状況を基礎として生産計画を立案し、これによって生産を行っていますので受注生産は行っていません。

 

(ウ)販売実績

 

金額(百万円)

対前年度増減率(%)

販売実績

241,555

3.2

 (注)1 最近2連結会計年度における、主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社スズケン

44,325

18.9

46,984

19.5

株式会社メディセオ

32,313

13.8

33,263

13.8

   2 上記金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による参天製薬グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ア)経営成績等

ⅰ 財政状態

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

資産

391,186

408,768

17,582

資本

292,572

302,560

9,988

負債

98,614

106,208

7,594

親会社所有者帰属持分比率

74.4%

74.1%

△0.3ポイント

当連結会計年度末の資産は、4,088億円となりました。中国の合弁事業(重慶参天科瑞製薬有限公司)における有形固定資産の減損およびTRACON Pharmaceuticals, Inc.(アメリカ)と開発を進めていた滲出型加齢黄斑変性治療薬DE-122の開発中止に伴う無形資産の減損に伴う有形固定資産および無形資産の減少の一方、現金及び現金同等物の増加、およびIFRS第16号「リース」適用による有形固定資産の増加などにより前連結会計年度と比べ176億円増加しました。

資本は、3,026億円となりました。その他の資本の構成要素の減少などがあった一方、利益剰余金の増加などにより前連結会計年度末と比べ100億円増加しました。

負債は、1,062億円となりました。繰延税金負債の減少などがあった一方、IFRS第16号「リース」適用による金融負債およびその他の金融負債の増加などにより前連結会計年度末と比べ76億円増加しました。

以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べ0.3ポイント減少し、74.1%となりました。

 

ⅱ 経営成績

イ.コアベース ※1

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

対前年度増減率

売上収益

234,026

241,555

3.2%

コア営業利益

48,230

50,023

3.7%

コア当期利益

36,092

35,894

△0.5%

親会社の所有者に帰属する

コア当期利益

36,103

35,928

△0.5%

 

[売上収益]

連結会計年度と比べ3.2%増加し、2,416億円となりました。

主力の医療用医薬品事業においては、日本では前連結会計年度と比べ4.1%増加しました。中国、アジア地域およびEMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)では、一部地域において、当第4四半期連結会計期間に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による売上の減速はあったものの、当社製品は順調に市場浸透し、成長を維持しています。

売上収益の内訳は次のとおりです。

 

上段:金額

 

 

 

 

 

 

下段:対前年度増減率

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

日本

中国

アジア

EMEA

米州

合計

医療用医薬品

148,842

22,251

16,112

36,643

735

224,584

 

4.1%

4.4%

6.2%

1.6%

39.4%

4.0%

一般用医薬品

11,722

312

12,034

 

△15.8%

6.5%

△15.4%

医療機器

3,179

336

1

3,515

 

22.3%

225.6%

△90.2%

29.8%

その他

1,281

70

71

1,422

 

31.1%

66.6%

53.5%

33.5%

合計

165,024

22,321

16,496

36,979

735

241,555

 

2.8%

4.5%

6.3%

2.3%

38.0%

3.2%

(注)外部顧客に対する売上収益を表しています。

 

 

   顧客の所在地をもとに国または地域に分類しています。なお、アジアには中国を含んでいません。

 

<医療用医薬品>

◇日本

薬価改定の影響による約2%の減収要因があったものの、「アイリーア硝子体内注射液※2の継続的な伸長、2019年11月の抗アレルギー点眼剤「アレジオンLX点眼液」発売などにより、前連結会計年度と比べ4.1%増加し、1,488億円となりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。

 

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「タプロス点眼液」

91億円

(対前年度増減率 △  4.5%)

「タプコム配合点眼液」

25億円

(対前年度増減率 △  1.1%)

「コソプト配合点眼液」

77億円

(対前年度増減率 △ 13.4%)

「エイベリス点眼液」

16億円

(対前年度増減率 +278.1%)

・角結膜疾患治療剤領域

「ヒアレイン点眼液」

78億円

(対前年度増減率 △ 10.4%)

「ジクアス点眼液」

143億円

(対前年度増減率 +  2.3%)

・抗アレルギー点眼剤領域

「アレジオン点眼液」

249億円

(対前年度増減率 + 28.1%)

・網膜疾患治療剤領域

「アイリーア硝子体内注射液

601億円

(対前年度増減率 +  7.1%)

 

◇中国

為替の影響に加え、当第4四半期連結会計期間において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による売上の減速はあったものの、円換算ベースで前連結会計年度と比べ4.4%増加し(為替影響を除いた成長率は+10.2%)、223億円となりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。

 

・角結膜疾患治療剤領域

ヒアレイン点眼液

79億円

(対前年度増減率 +  3.8%)

・眼感染症治療剤領域

クラビット点眼液

95億円

(対前年度増減率 +  7.3%)

 

◇アジア(中国除く)

円換算ベースで前連結会計年度と比べ6.2%増加し(為替影響を除いた成長率は+11.6%)、161億円となりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。

 

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「コソプト配合点眼液」

41億円

(対前年度増減率 + 10.3%)

・角結膜疾患治療剤領域

「ジクアス点眼液」

15億円

(対前年度増減率 +  9.7%)

 

◇EMEA

円換算ベースで前連結会計年度と比べ1.6%増加し(為替影響を除いた成長率は+8.0%)、366億円となりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。

 

・緑内障・高眼圧症治療剤領域

「タプロス点眼液」

65億円

(対前年度増減率 +  1.8%)

「タプコム配合点眼液」

25億円

(対前年度増減率 + 29.6%)

「コソプト配合点眼液」

93億円

(対前年度増減率 △  1.3%)

トルソプト点眼液

27億円

(対前年度増減率 △  1.3%)

・角結膜疾患治療剤領域

「Ikervis(アイケルビス)」

31億円

(対前年度増減率 +  6.2%)

 

<一般用医薬品>

前連結会計年度と比べ15.4%減少し、120億円となりました。

「サンテボーティエシリーズ」、新「サンテメディカルシリーズ」、「ソフトサンティアシリーズ」などの高価格帯品に引き続き注力しています。

 

<医療機器>

前連結会計年度と比べ29.8%増加し、35億円となりました。

これまでの主力品の「エタニティー」シリーズに加え、2019年4月に発売した眼内レンズ「レンティス コンフォート」(Oculentis IP B.V.(オランダ)から導入)の普及促進活動に注力しています。

 

<その他>

その他の売上収益は14億円となりました。サプリメント製品の販売、株式会社クレール(連結子会社)での無塵・無菌服のクリーニング業によるものです。

 

[コア営業利益]

売上総利益は、前連結会計年度と比べ2.4%増加し、1,467億円となりました。

販売費及び一般管理費は、海外事業の拡大に伴い、前連結会計年度と比べ2.9%増加し、734億円となりました。

研究開発費は、前連結会計年度と比べ1.8%減少し、233億円となりました。

 

以上により、コアベースでの営業利益は、前連結会計年度と比べ3.7%増加し、500億円となりました。

 

※1 参天製薬グループではIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益および費用を控除した「コアベース」での財務情報を経常的な業績を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績からコアベースでの業績への調整において控除する以下の収益および費用とそれらに係る法人所得税費用を調整し、コアベースを算出しています。

 

・製品に係る無形資産償却費

・その他の収益

・その他の費用

・金融収益

・金融費用

・販売費及び一般管理費のうち企業買収に係る一過性費用

 

※2 製造販売元であるバイエル薬品株式会社とのコ・プロモーション製品です。

 

ロ.IFRS(フル)ベース

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

対前年度増減率

売上収益

234,026

241,555

3.2%

営業利益

45,098

33,535

△25.6%

当期利益

31,943

21,714

△32.0%

親会社の所有者に帰属する

当期利益

31,954

23,618

△26.1%

 

[売上収益]

コアベースからの調整はありません。

 

[営業利益]

売上総利益、販売費及び一般管理費、研究開発費について、コアベースからの調整はありません。

 

製品に係る無形資産償却費は、前連結会計年度と比べ41.6%増加し、99億円となりました。これは主に、Merck & Co., Inc.(アメリカ)から2014年に譲受けた眼科製品に関する無形資産、2015年より欧州で販売を開始した「Ikervis(アイケルビス)」に関する無形資産、ならびに2016年のInnFocus,Inc.(アメリカ)買収に伴い取得した「DE-128(PRESERFLO MicroShunt)」に関する無形資産(2019年4月より償却開始)の償却によるものです。

 

その他の収益は、4億円となりました。

その他の費用は、70億円となりました。主に、中国の合弁事業(重慶参天科瑞製薬有限公司)における有形固定資産の減損およびTRACON Pharmaceuticals, Inc.(アメリカ)と開発を進めていた滲出型加齢黄斑変性治療薬DE-122の開発中止に伴う無形資産の減損損失によるものです。

これらに加え、前連結会計年度に実施した旧本社・大阪工場跡地の売却に伴う売却益の反動減により、IFRS(フル)ベースの営業利益は、前連結会計年度と比べ25.6%減少し、335億円となりました。

 

[当期利益]

金融収益は、10億円となりました。

金融費用は、24億円となりました。主に、InnFocus,Inc.(アメリカ)買収に伴う条件付対価の公正価値の変動によるものです。

法人所得税費用は、104億円となりました。研究開発に関する税額控除による法人税等の減少の一方、中国の合弁事業(重慶参天科瑞製薬有限公司)における有形固定資産の減損およびInnFocus,Inc.(アメリカ)買収に伴う条件付対価の公正価値の変動に対する税効果の未認識により、税負担率が前連結会計年度より上昇しました。

 

これらにより、当期利益は、前連結会計年度と比べ32.0%減少し217億円となりました。

 

[親会社の所有者に帰属する当期利益]

親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度と比べ26.1%減少し、236億円となりました。

 

また、参天製薬グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

(イ)キャッシュ・フローの状況および資本の財源及び資金の流動性についての分析

ⅰ 資本政策

参天製薬グループは、眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を目指しています。また、資本効率や財務健全性など、当社にとって最適な資本構成を追求しながら、将来の成長のための内部留保と株主の皆様への利益還元の両方を適切なバランスにて実施することを基本としています。これら収益性、資本効率および財務健全性、内部留保、株主還元を最適化することで、ROE(親会社所有者帰属持分利益率)の向上に取り組みます。

成長のための投資については、パイプラインの強化、グローバル展開の加速、新規医療技術、グローバルな事業基盤拡充に向けた生産拠点、情報システムへの投資などに、積極的かつ効果的に資源投入を図ります。当連結会計年度は、2019年6月にグローバル経営体制の強化に向けて基幹業務システムを刷新することを決定しました。また、中国での成長を長期にわたり確固たるものとして、引き続き中国の眼科医療の発展に貢献するため、参天製薬(中国)有限公司の第二工場を建設することを2020年1月に決定しました。

収益性については、資本コストを上回る利益を実現することを基本とし、そのための評価基準を定め、投資判断を行っています。また、投下した資本の回収については、グローバルに拡大展開する事業の状況をモニタリングする経営管理体制の整備に加えて、税務を含むキャッシュマネジメントを通したキャッシュ最大化に取組んでいます。

資本効率については、成長投資と財務健全性の両方を勘案しながら、負債資本倍率(DEレシオ)の最適化および資産圧縮を進めています。当連結会計年度は、2019年9月にSanten Oyのタンペレ工場(フィンランド)のNext Pharma Oy(フィンランド)への譲渡を完了しました。

株主還元については、経営の最重要事項と位置付け、中長期的な事業環境や資金需要と内部留保の水準、ならびに資本構成等を総合的に勘案し、配当を中心に、自己株式取得を補完的な手段として株主の皆様に利益を還元することを基本としています。当連結会計年度は、業績および財務状況などを総合的に勘案した結果、2019年度の期末配当について、1円増配した14円としました。

ⅱ キャッシュ・フロー

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

営業活動による

キャッシュ・フロー

32,894

39,947

7,053

投資活動による

キャッシュ・フロー

△2,935

△5,175

△2,240

財務活動による

キャッシュ・フロー

△28,107

△12,729

15,379

現金及び現金同等物の

期末残高

70,796

91,430

20,634

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ206億円増加914億円となりました。

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、399億円の収入(前連結会計年度は、329億円の収入)となりました。これは法人所得税の支払いが141億円などあった一方、当期利益が217億円に加えて、減価償却費および償却費が166億円および法人所得税費用が104億円あったことなどによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、52億円の支出(前連結会計年度は、29億円の支出)となりました。これは有形固定資産および無形資産の取得による支出が92億円あったことなどの一方、投資有価証券の売却による収入が35億円あったことなどによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、127億円の支出(前連結会計年度は、281億円の支出)となりました。配当金の支払いが104億円およびリース負債の返済による支出が29億円あったことなどによるものです。

 

当連結会計年度の設備投資額は、90億円となりました。製造設備および研究開発用機器の更新に加え、Merck & Co., Inc.(アメリカ)より譲受けた眼科製品の内製化のための投資、グローバルな製品供給基盤の強化を目的とした生産体制・拠点再編に伴う設備投資および事業のグローバル展開を支えるためのIT基盤への投資等を行いました。

 

資金調達については、事業開発活動における投資機会の最大化のための効率的な資金調達を目的として、2020年3月に新たに株式会社三菱UFJ銀行とコミットメント期間を4年、貸付期間を最大10年とする総額300億円の実行可能期間付タームローン契約を締結しました。

 

(ウ)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標

当社は、中期経営計画「MTP2020」においては、利益の実現と成長への投資に積極的に取り組むことを前提に、売上高成長率、コア営業利益率、フルROEの3つの財務指標に達成目標を定めています。具体的目標値および実績値は下表のとおりです。

 

 

実績値

目標値

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

売上高成長率

13.0%

4.0%

3.2%

6%以上(CAGR)

コア営業利益率

20.2

20.6%

20.7%

21%以上(期間平均)

フルROE

13.0%

11.1%

8.0%

11%以上(期間平均)

 

当連結会計年度の実績値については、売上高成長率は、日本での薬価改定および為替影響による減収に加え、第4四半期連結会計期間における中国、アジア地域およびEMEAでの一部地域における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による売上の減速により、前年対比0.8ポイント減少し、目標の平均成長率を下回りました。なお、2021年3月期においても、地域毎の影響の度合いは異なるものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による受診抑制等は一定期間続くものと想定しており、売上収益は前年対比減少を予想しています。

コア営業利益率は、海外事業の拡大に伴う販売費および一般管理費の増加はあったものの、適切な費用コントロール等により、引き続き目標とする水準を維持しています。また、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のコア営業利益率への影響は限定的です。なお、2021年3月期においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による売上収益の減少が想定される状況下においても、将来成長のための資源投下の継続と費用コントロールの強化による経常的支出の抑制の両立を図ることで持続的な利益成長を確保していきます。

フルROEは、中国の合弁事業(重慶参天科瑞製薬有限公司)における有形固定資産の減損およびTRACON Pharmaceuticals, Inc.(アメリカ)と開発を進めていた滲出型加齢黄斑変性治療薬DE-122の開発中止に伴う無形資産の減損損失の影響に加え、前連結会計年度に実施した旧本社・大阪工場跡地の売却に伴う売却益の反動減の影響により、前年対比3.1ポイント減少し、目標値を下回りましたが、これら一過性の要因を除いた副次的経営指標であるコアROEは12.1%となり、目標とする水準を上回っています。

 

②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

参天製薬グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。

参天製薬グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。

参天製薬グループの財政状態または経営成績に対して特に重大な影響を与え得る会計上の見積りおよび判断が必要となる項目は以下のとおりです。

なお、2021年3月期における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響については、収束時期を地域別に仮定を置いたうえで見積りを行っており、売上収益については、引き続き受診抑制等による減収影響を受けるものの、将来成長のための資源投下の継続と費用コントロールの強化による経常的費用支出の抑制の両立をはかることで持続的な利益成長を確保することを想定しており、現時点では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が以下の会計上の見積りおよび仮定に与える重要な影響はないと判断しています。

 

(ア)無形資産に係る減損

参天製薬グループにおける無形資産の残高は多額であるため、会計上の見積りおよび判断において重要なものとなっています。

未だ使用可能でない無形資産については、資産または資金生成単位の減損の兆候の有無にかかわらず、毎年、減損テストを実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その額を減損損失として純損益で認識しています。

回収可能価額は、使用価値に基づき算定しています。使用価値は、将来キャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位毎の加重平均資本コストを基礎に算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しています。

回収可能価額の測定に用いる将来キャッシュ・フローは、経営者が作成した製品別の事業性評価のための事業計画を基礎として見積られていますが、各製品の薬価、関連する各市場の今後の成長、開発製品の優位性に基づくマーケットシェアの拡大見込および製品開発の成功確率には高い不確実性を伴います。

予測不能な前提条件の変化などにより回収可能価額の算定に重要な影響を及ぼす可能性があります

(イ)企業結合による条件付対価の評価

参天製薬グループにおける企業結合による条件付対価の評価の残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっています。

企業結合による条件付対価は「純損益を通じて公正価値で測定される金融負債」に分類され、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しています。

当該条件付対価は、主としてDE-128(PRESERFLO MicroShunt)(以下、対象製品)の開発の進捗および販売実績に応じたマイルストンの達成により支払義務が生じるため、その公正価値の算定には当該プログラムが成功する可能性(以下、成功確率)や将来販売計画を用いています。

成功確率は対象製品の開発難易度に基づきます。また、将来販売計画は、対象製品の薬価、関連する市場(緑内障・高眼圧症例領域)の今後の成長、対象製品の優位性に基づくマーケットシェアの拡大見込等に基づき、経営者により作成された対象製品の事業計画を基礎として見積られます。これらの成功確率や将来販売計画の前提条件には高い不確実性を伴います。

予測不能な前提条件の変化などにより当該条件付対価の公正価値の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。

また、条件付対価の公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合に、条件付対価の公正価値に与える影響について、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 32.企業結合」に記載しています。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術契約(導入)

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

対価の支払

参天製薬

株式会社

(当社)

第一三共

株式会社

日本

オフロキサシン

(合成抗菌剤)

眼科薬における独占的製造販売権

1986年8月~2001年9月

(以後3年毎の自動更新)

販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

第一三共

株式会社

日本

レボフロキサシン

(合成抗菌剤)

眼科薬における独占的製造販売権

1994年5月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方

(以後3年毎の自動更新)

契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

エーザイ

株式会社

日本

ブナゾシン塩酸塩

(緑内障治療剤)

眼科薬における独占的製造販売権

1994年12月~発売日から8年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方

(以後1年毎の自動更新)

契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

AGC

株式会社

日本

タフルプロスト

(緑内障・高眼圧症治療剤)

眼科薬における独占的製造販売権

2005年12月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方

契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

Merck

& Co., Inc.

アメリカ

ジクアホソルナトリウム

(角結膜疾患治療剤)

眼科薬における独占的製造販売権

1998年12月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方

販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

日本ベーリン

ガーインゲル

ハイム株式会社

日本

エピナスチン塩酸塩

(抗アレルギー点眼剤)

眼科薬における独占的製造販売権

2011年2月~発売日から10年間

契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

宇部興産

株式会社

日本

オミデネパグ イソプロピル

(緑内障・高眼圧症治療剤)

眼科薬における独占的製造販売権

2011年2月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方

契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

Oculentis

IP B.V.

オランダ

レンティス コンフォート

(眼内レンズ)

独占的製造販売権

2016年3月~特許権の存続期間の満了日の長い方

契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

 

(2)技術契約(導出)

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

対価の受取

Advanced

Vision

Science, Inc.

(連結子会社)

Bausch & Lomb

Incorporated

アメリカ

エタニティー

(眼内レンズ)

独占的製造販売権

2009年2月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方

契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

参天製薬

株式会社

(当社)

OAK

PHARMACEUTICALS,

INC.

アメリカ

タフルプロスト

(緑内障・高眼圧症治療剤)

独占的製造販売権

2014年4月~

2022年3月

マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ

 

(3)販売契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

対価の支払

参天製薬

株式会社

(当社)

ヤンセン

ファーマ

株式会社

日本

レボカバスチン

塩酸塩

(抗アレルギー剤)

国内販売権

2000年9月~

発売日から10年後の12月

(以後1年毎の自動更新)

契約一時金

参天製薬

株式会社

(当社)

バイエル薬品株式会社

日本

アフリベルセプト硝子体内注射液

(眼科用VEGF阻害剤)

国内独占的販売権

2012年5月~2027年12月

参天製薬

株式会社

(当社)

田辺三菱製薬株式会社

日本

抗アレルギー点眼剤(アレジオン点眼液およびアレジオンLX点眼液)

共同販売促進

2019年9月~2024年5月

販売高に応じた固定額対価及び変動額対価

 

(4)企業結合による条件付対価

  当社は米国時間の2016年8月19日にInnFocus, Inc.(アメリカ)を買収しました。当社は、条件付対価契約に基づき、DE-128(PRESERFLO MicroShunt)の開発の進捗および販売実績に応じたマイルストンを支払う定めがあり、要求されうるすべての将来の支払額は409百万米ドル(割引前)です。

 

(5)合弁契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約締結日

参天製薬

(中国)有限公司

(連結子会社)

重慶科瑞製薬

(集団)有限公司

中国

中国の患者さんに適切な価格で高品質の医療用眼科薬を提供することを目的に2016年8月に合弁会社(重慶参天科瑞製薬有限公司)を設立

2016年3月22日

Santen Holdings

U.S. Inc.

(連結子会社)

Verily Life Sciences

LLC

アメリカ

独創的な眼科デバイスの開発・商業化を目指し合弁会社を設立予定

2020年2月3日

 

(6)その他

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

参天製薬

株式会社

(当社

International

Telecommunication

Union

スイス

International Telecommunication UnionおよびWorld Health Organizationが実施しているデジタルヘルスの取り組みである眼科領域におけるBe He@lthy, Be Mobileに対する当社のサポート

2020年1月~

2023年12月

 

5【研究開発活動】

(研究開発戦略)

 参天製薬グループは、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、患者さんの目の健康を守るために、未充足ニーズに対応し、QOL向上に大きく貢献する製品の創出に努めています。当社は、患者さんのQOL向上に注力することで、患者さんのみならず、眼科医や医療関係者をはじめとした重要なステークホルダーの期待にも応えていきます。

 中期経営計画「MTP2020」では、「製品パイプラインの拡充、および新たな治療オプションの開発」を重点戦略として掲げています。従来からの医薬品開発に加え、ネットワーク製品創製(※1)を活用し、治療成果を最適化する挑戦的な新しい技術への取り組みも始めています。また、臨床開発の精度を高め、患者さんの治療に貢献するために、トランスレーショナル・リサーチ(※2)を通じたバイオマーカーの探索(※3)や新しい診断方法の開発に取り組んでいます。既存製品についても、患者さんの一層の利便性の向上と負担軽減を目指し、製剤化技術を駆使した防腐剤フリー製剤の開発や、ドラッグデリバリーシステム(※4)の活用、容器の改良に努めています。

 

※1 社外に存在する化合物や技術を積極的に活用し、製品創製に応用する手法

※2 基礎研究・臨床研究・診療をつなげて、医療発展に寄与する成果を効率的・効果的に実用化する橋渡し研究

※3 病気の存在や進行度などを識別するため、生体情報を客観的に測定・評価する指標

※4 必要な薬効成分を、必要な時間に、必要な部位へ送達させるように工夫された製剤技術

 

(グローバル体制)

 参天製薬グループでは、創薬研究および臨床開発をグローバルの参天製薬グループや関係機関で展開し、グローバルな医療ニーズに合致した製品を、より早く創出し続ける体制を強化しています。

 研究分野では、奈良研究開発センターに基礎研究、非臨床試験、製剤研究の各機能を集約することで各部門の英知を結集し、より良い製品の創出に努めています。また、社外に対しては、独自のネットワークを通じ、外部機関とも情報交換や共同開発が行える協力体制を構築しています。

 臨床開発では、米国を中心に日本、ヨーロッパならびに中国をはじめとするアジア主要国や新興国で実施する体制を整備し、開発の高質化、効率化への動きを加速させています。

 

(開発パイプラインの状況)

緑内障・高眼圧症領域>

プロスタグランジンF₂α誘導体およびβ遮断剤の配合剤DE-111(一般名:タフルプロスト/チモロールマレイン酸塩)は、中国で2019年1月に第Ⅲ相試験を開始しました。

EP2受容体作動薬DE-117(一般名:オミデネパグ イソプロピル)は、米国で2018年9月に第Ⅲ相試験を開始しました。日本では2018年11月に発売しました。アジアでは、順次販売承認を申請しており、韓国で2019年12月に販売承認を取得しました。

FP/EP3受容体デュアル作動薬DE-126(一般名:sepetaprost)は、米国および日本で、後期第Ⅱ相試験を完了しています。

緑内障用デバイスDE-128は、米国でFDA承認取得に向け第Ⅱ/Ⅲ相試験を実施しています。欧州では、2019年1月に発売しました。アジアでは、韓国において2020年3月に販売承認を申請しました。

プロスタグランジンF₂α誘導体の乳化点眼剤DE-130A(一般名:ラタノプロスト)は、欧州およびアジアで2019年4月に第Ⅲ相試験を開始しました。

 

角結膜疾患領域

春季カタルを対象とするDE-076C(一般名:シクロスポリン)は、2018年7月に欧州委員会より医薬品販売承認を取得し、イギリスで2018年10月に発売以降、欧州で順次発売しています。台湾で2019年8月にIkervis(アイケルビス)の適応拡大として承認を取得以降、アジアで順次承認を取得しています。カナダでは、2018年12月に販売承認を取得し、2019年11月に発売しました。

アレルギー性結膜炎を対象とするDE-114A(一般名:エピナスチン塩酸塩)は、日本で2019年9月に製造販売承認を取得し、2019年11月に発売しました。

 

<網膜・ぶどう膜疾患領域>

DE-109(一般名:シロリムス)は、米国で2018年12月にぶどう膜炎を対象とする追加の第Ⅲ相試験を開始しました。

DE-122(一般名:carotuximab)は、滲出型加齢黄斑変性を対象とした前期第Ⅱ相試験で主要評価項目において期待した効果を示さなかったため、2020年3月に開発を中止しました。

 

<その他疾患領域>

DE-127(一般名:アトロピン硫酸塩)は、アジアで2020年4月に近視を対象とする第Ⅱ相試験を終了しました。日本では、2019年8月に第Ⅱ/Ⅲ相試験を開始しました。

白内障手術後無水晶体眼に挿入する乱視用(トーリック)眼内レンズMD-16は、日本で2019年11月に製造販売承認を取得しました。

 

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、233億円です。