文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、Santenグループ※が判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
Santenグループは、2020年までの長期的な経営ビジョン「Vision2020」において「世界で存在感のあるスペシャリティ・カンパニー」の実現に向けて、研究開発活動や事業開発などへの成長投資を積極的に実施するとともに、高い市場成長が見込まれるアジア、EMEAでの事業展開を積極的に推進してきました。
「Vision2020」の実現に向けては、①真の顧客ニーズに対応する製品を迅速に創出、②国内事業の新たな事業展開への変革、③アジアへの積極展開とEMEA・米国への参入、④グローバルな製品供給・信頼性保証体制の確立、⑤創造と革新を担う人材と組織力強化を5つの道筋と定め、中期経営計画において具体的な活動プランを立案・実行してきました。
創業130周年を迎えた当連結会計年度において、眼科領域におけるスペシャリティ・カンパニーとして、世界の人々の目の健康に関する社会的な課題の解決において無くてはならない存在であり続けるため、2030年とその先の世界を見据え、新たな長期ビジョンを策定しました。
Santenグループが目指す理想の世界「WORLD VISION」と、その実現を目指し、2030年とその先にSantenグループのありたい姿を示した「Santen’s VISION」、そしてそのための「STRATEGY」及び「GOAL」から構成される「Santen 2030」を掲げています。Santenグループは、「天機に参与する」という基本理念を固持しながら、新たな長期ビジョンのもと、Social Innovatorとして、人々の目の健康に関する社会的な課題の解決を通じ、「見る」を通じた人々の幸せの実現に貢献してまいります。
※当社(Santen)及び当社の関係会社
(2)環境認識
世界では、少なくとも22億人が視力障がいや失明に至っており、そのうち10億人以上は未治療、若しくは未然に防げたとされています。アジアを中心とした世界的な人口増加や高齢化に加え、世界各国の経済発展により、加齢や生活習慣病による目の疾患はますます増加することが予想されます。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって社会におけるITツールの浸透が加速したことも影響し、長時間のデジタル機器使用に起因する目のストレスや近視等、何らかの支障をきたす人はこれまで以上に増えることが懸念されます。
一方、ライフサイエンス業界においても、この10~20年で大きな変化が見込まれています。より個人にカスタマイズされたサービスや、人々の健康・ウェルネスへの関心の高まり、AI・IoT・自動化等の技術革新、さらには細胞・遺伝子・電子デバイス等、目の課題に対する新たなソリューションが期待されています。
このような環境変化に鑑み、Santenグループは世界における目の社会課題にいかに対峙すべきか、目を専門とする私たちが果たすべき役割は何か、どのように社会に貢献できるのかという課題認識のもと、新長期ビジョンを策定しました。
(3)新長期ビジョン「Santen 2030」
Santen 2030は、Santenグループが目指す理想の世界「WORLD VISION」の実現を目指し、2030年とその先に向けてSantenグループのありたい姿を示した「Santen's VISION」、そしてそのための「STRATEGY」、及び「GOAL」から構成されます。
Santen's VISION
:WORLD VISIONの実現を目指し、2030年とその先に向けてSantenグループのありたい姿
Santenグループは、眼科領域での強みに加え、世界中の技術や組織・人材をつなぎ、社会に価値あるイノベーションをもたらすことで、「見る」を通じた人々の幸せを実現するSocial Innovatorとなることを目指します。
STRATEGY
:Social Innovator としての3つの戦略
A. Ophthalmology
眼科医療のイノベーション及び眼科医療エコシステムの発展加速
A1.眼科医療のイノベーション:
医薬品やデバイスの新製品創出はもちろんのこと、細胞治療や遺伝子治療等の革新的な治療アプローチへの取り組みに加えて、製薬企業としての枠を越え、患者さん起点で眼科医療ソリューションの開発と提供に取り組むことにより、眼の疾患からの解放と患者さんの生活の質向上を目指します。
A2.眼科医療エコシステム※の発展加速:
眼科薬やサージカルデバイスの開発、販売、安定供給により、増大するメディカルニーズを充足させていくことに加え、眼科医療エコシステムの質的・量的充実や社会的効率の向上をステークホルダーとの連携のもとに推進してまいります。
※眼科医療エコシステムとは、眼科医療の提供に寄与するさまざまな関係者の集合体とそれらが有機的に機能する連携関係のことです。
B. Wellness
より良い眼の状態に向けた重要性認識向上とアイケアの推進
昨今、人々の健康への意識の高まり、病気の発症・重症化予防の促進、医療周辺産業の規制緩和によるヘルスケア産業の振興が進展しています。一方で、眼に関しては、重要性に対する認識不足、疾患検出遅延による重症化、疾患認定されていない眼の不具合の蔓延といった課題があります。
SantenグループはSocial Innovatorとして、まずは「見える」ことが、日々の生活や人生において大切なものであることを、社会と人々に認知・理解してもらうことが重要だと考えます。そのうえで、デジタル技術を活用した、疾患の早期発見、目の健康維持・向上を促す製品やサービス、目の健康に対するリスクの予測・可視化等を図りながら、人々のライフステージに応じて「早期発見」と「より良い目の状態の追求」を推進してまいります。
C. Inclusion
視覚障がいの有無にかかわらず交じり合い・いきいきと共生する社会の実現
Santenグループは、Social Innovatorとして、視覚障がいの有無にかかわらず、全ての人々が交じり合い、いきいきと共生する社会を実現したいと考えています。そのために、視覚障がいに対する人々の認知・理解の向上、ともに楽しみ・価値観を共有できる取り組みの推進、視覚障がいの方のQOL向上に向けて、デジタル技術を中心とした新たなソリューション探索等を推進してまいります。
GOAL
:眼の疾患や不具合に起因する世界中の人々の社会的・経済的な機会損失を削減することを目指す
Santenグループは、WORLD VISIONの実現を目指し、Social Innovatorとして、人々の目の健康に関する社会的な課題の解決を通じ、「見る」を通じた人々の幸せの実現に貢献してまいります。
(4)中期経営計画「MTP2025」及び目標とする経営指標
2021年度から2025年度までの新たな中期経営計画「MTP2025」を策定し、2021年5月に公表しました。中期経営計画においては Santen's VISION の実現に向け、2025年度までに真のグローバル医薬企業への変革を図り、基盤事業の価値最大化とそれをテコにした新規事業・新規領域への参入を図ります。そして、その先の2030年に眼科医薬品においては、米国を含めて基盤事業を盤石化し、さらに従来の医薬品以外の新規技術や自由診療の分野へと事業を拡大しつつ、事業モデルの進化を図り、「見る」を通じて人々の幸せに貢献していきます。
1.MTP2025で取り組んでいく経営テーマ
2025年度までにグローバル化の深化・新規領域への参入を達成するため、以下のとおり、眼科領域で培ってきた強みを核にした医薬品事業のグローバルプレゼンス・収益力強化を図ります。
・量から質の戦い
-既存アセットを着実に収益化
・新規パイプラインの充実 + ライフサイクルマネジメントの徹底
-地域展開や適応拡大、特許切れ対策徹底
・真のグローバル企業への変革
-グローバルでの組織・プロセス最適化
-グローバル体制構築に向けた設備投資
2.2025年の目標
製薬業界上位1/2の水準のTSR(トータル・シェアホルダーズ・リターン)実現に向けて、2025年を目標とする以下の経営指標を定めています。
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売上収益 |
3,150億円以上 |
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営業利益率 |
21%以上 |
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ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) |
13%以上 |
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海外売上収益比率 |
50%以上 |
3.株主還元方針
株主還元については、経営の最重要事項と位置付けており、配当は配当性向40%以上を目途に利益成長とともに段階的増配を行います。また、一定期間留保した余資は、自己株式の取得により機動的に還元していきます。
4.ESG戦略/施策
4つのマテリアリティに注目し、基本理念のもと、社会の持続的な発展に貢献するとともに、持続的な成長を目指します。
①社会的意義(Happiness with Vision)ある製品・サービスの開発・安定的供給
-Ophthalmology, Wellness, Inclusionの3つの柱にそった製品・情報・サービスの充実
-責任のあるサプライチェーン、安全性監視、顧客サービスの充実
-貢献患者数6,000万人以上*1目標
②価値創造を促進する組織風土の醸成
-DE&I*2 ジェンダー・国籍・視覚障がい者を中心とした多様化の推進
③ガバナンスの強化・社会の公正・公平実現への貢献
-中長期的な成長を担保する経営の実効性・多様性・継続したコンプライアンスの遵守・人権の尊重
④地球環境保全
-気候変動対策、環境負荷低減
・Scope1・2、CO2排出量
2025年度:25%削減
2030年度:50%削減
-点眼容器のバイオマスプラスティック化
2030年度:点眼容器プラスティック材料に対して、60%のバイオマスプラスティック使用
*1 JMDCの弊社医療用医薬品毎の延べ推計患者数及び弊社出荷データを基に算出した2019年度における(疾患領域:炎症・アレルギー、角膜、緑内障、白内障)推算される延べ貢献患者数は約4,300万人
*2 Diversity Equity & Inclusion
(5)財務戦略
財務戦略は眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を追求することを基本としています。
2021年度を起点とする中期経営計画「MTP2025」においても、成長性、効率性、健全性、将来の成長のための内部留保、株主還元を最適化することで、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)の向上に取組むことは変わりありません。
特に、成長のための投資については、パイプラインの強化、グローバル展開の加速、新規医療技術、グローバルな事業基盤拡充に向けた生産拠点、次世代ERPを含めたデジタルや情報システムへの投資などに、積極的かつ効果的に資源投入を図ります。案件如何では負債の活用を検討しますが、その場合においても信用格付A+(R&I)を維持できることを意識して、財務基盤の安定性は確保してまいります。
(6)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する取り組み
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、Santenグループでは「天機に参与する」という基本理念に則り、眼科治療薬を世界中の患者さんにお届けし続けること、社会に貢献するライフサイエンス企業の一員としてウイルス拡散に繋がる活動を自粛すること、このような非常事態においても将来の眼科医療のイノベーションに向けた取り組みを継続すること、これらを最優先事項と位置付け、世界各拠点においてそれぞれの地域の規制やガイダンスに則り、以下のとおり、最大限の策を講じています。
<製品の安定供給に関連する取り組み>
・工場における安全確保(マスク・アルコール消毒等の衛生環境の整備、検温、従業員同士の適切な距離確保の徹底)
・製品に関する、中間品及び原材料などの在庫水準の維持
・製品製造に関わる内勤者については、テレワーク環境下で業務遂行できる環境を整備
<ウイルス拡散防止に向けた取り組み>
・出張の原則禁止
・内勤者は原則テレワーク勤務
・世界各拠点の全社員に対し、マスク・ゴーグルなどの物資を提供
・ウイルスから身を守るための基本的な方法についての教育・周知徹底
<眼科医療のイノベーションに向けた取り組み>
・進行中の臨床試験、申請業務の継続に向けた安全確保と当局との話し合い
・研究所における安全確保(マスク・アルコール消毒等の衛生環境の整備、検温、従業員同士の適切な距離確保の徹底)
・テレワーク環境下で医療従事者への情報提供を実施する体制への移行
<その他>
・代表取締役社長兼CEOを委員長とした危機管理委員会を組織し、日本及び世界各拠点の状況をモニターし、対応の検討・指示を実施
・感染の拡大・長期化する事態を想定したパンデミックBCPの策定
・特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会が開設した、視覚障がい者向けの電話相談窓口「視覚障がい者ならどなたでも!おたすけ電話相談窓口」へのサポート
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響下での新たな生活様式において増加が懸念される目の不具合について、眼科のスペシャリティ・カンパニーとして、解消に向けた情報発信を強化
・最新のテクノロジー、デジタルツール等を活用した、業務継続性を最大限担保する安全・衛生的な職場環境、多様な働き方を構築
・地球環境に対する負荷を軽減し、持続可能性を高めた新たな仕事のやり方の創造
[リスク管理体制]
Santenグループは、危機管理に係る規程に基づき、事業活動遂行上想定される主要な損失の危険に適確に対処するため、各事業法人・組織において平時から損失の危険の把握と管理に努め、方針・対応策の策定や情報収集を行う体制を構築して損失の危険の回避・最小化に努めています。
重大な危機に発展する可能性のある事象が発生又は報告された場合には、Santenの代表取締役社長兼CEOを委員長とする「危機管理委員会」を設置し、対応と事態の収拾に努めるとともに再発防止策を実施します。
また、内部監査室は、その独立した立場において、業務監査を通じてリスク管理状況を検証しています。
グローバルに事業が拡大する中、製薬業界には、高い水準で各種規制の遵守、製品の安定供給が求められているとともに、多様なリスクに対応する必要があります。そのため、定期的なリスクアセスメントにより、事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスクを明確にし、重要リスクに対する改善策を策定、協議する継続的なリスク管理活動を進めています。
[個別リスク]
当連結会計年度末現在において判断した将来の業績又は財政状態に影響を与えうるリスクや不確実性には、以下のようなものがあります。ただし、将来の業績又は財政状態に影響を与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、Santenグループが判断したものです。
(1)製品供給
Santenグループでは、品目により生産を一箇所に集中している製品、生産を外部に委託している製品、また、原薬や容器等原材料の供給を特定の取引先に依存している製品があります。これらについて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大等のパンデミック、自然災害、火災等により特定の工場や外部委託先の機能や、取引先からの原材料の供給が停止し、生産活動の停滞・遅延が起こった場合には、Santenグループの業績又は財政状態に影響を与える可能性があります。
Santenグループでは、従前よりグローバルな製品供給体制の強化を重要な戦略の一つとして掲げています。具体的には、展開国の拡大や点眼剤以外の多様な製品の増加に対応する体制の構築に取り組んでおり、安定供給を確実なものとするプロセス及びシステム等の仕組みを構築するとともに、計画と実行のモニタリングやリスク評価等により、継続的な実態把握と課題への対応を行っています。また、物流関連の規制が厳しい欧州にも対応した製品の生産・供給体制の構築や、生産計画を含む在庫管理の可視化・グローバルでの一元管理にも取り組んでいます。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への取り組みにおいても、製品の安定供給を最優先課題と位置付けており、加えて、製品に関する在庫水準の維持、工場における安全確保、工場内勤者がテレワーク環境下で業務遂行できる環境の整備を実施しています。
(2)環境問題
環境汚染等の環境保全上に問題が発生した場合や関連法令の改正等により、法的措置や損害賠償責任、対策費用等が発生した場合には、業績に重大な影響を与える可能性があります。
Santenグループは、環境関連法令等の遵守はもとより、さらに高い自主基準を設定して、環境マネジメントシステム運用等により環境保全に取り組んでいます。
(3)販売中止、製品回収等
Santenグループの製品の一部が、製品品質の欠陥、予期せぬ副作用、第三者による異物混入等により、販売中止又は製品回収等の事態となった場合、業績に悪い影響を与えます。
(4)医薬品行政の動向
医療用医薬品事業については、日本並びにその他各国政府による医療保険制度や薬価に関する規制の影響を受けます。
日本国内の薬価改定については、現在予測可能な範囲に限り、その影響を業績予想等の見通しに織り込んでいます。予測可能な範囲を超えた薬価改定や、その他の医療保険制度の改定があった場合は、業績又は財政状態に対して中長期的に影響を及ぼす可能性がありますが、短期的には影響は僅少です。
海外においても、同様に医療用医薬品の価格等に関する様々な規制があり、政府による価格低下の圧力は継続する傾向にあります。
また、国内外における政府当局や医薬保険制度の後発品使用促進策及びそれを背景にした他社による後発品販売は、Santenグループの業績に影響を与える可能性があります。Santenグループの製品の中には、すでに他社から後発品が発売されているものもありますが、現時点でSantenグループの業績に与える影響は僅少です。
(5)投資に関わるリスク
Santenグループでは、眼科領域におけるグローバルでの持続的な成長を目指し、パイプラインの強化、グローバルでの事業展開の加速、新規医療技術・イノベーション、またグローバルな事業基盤の拡充のために、他社とのアライアンス・M&A(製品・技術導入、買収及び合弁事業等)や設備投資等を積極的に行っています。これらについては、投資判断を行った時点に想定をしていた水準を超える外部環境の悪化等により、当初想定した効果や利益が実現されない可能性があります。また、このような場合には、投資に伴い計上した有形固定資産や無形資産の減損処理により、Santenグループの業績に影響を与える可能性があります。
Santenグループでは、これらの投資について、経営戦略との整合性等定性的な観点に加え、収益性の観点から、資本コストを基礎とした社内の評価基準に基づき投資の判断を行っています。これらの投資判断を含めた意思決定プロセスの透明性・客観性を向上させるため、重要な戦略課題について審議する戦略審議委員会を設置し、中長期戦略及び事業・開発ポートフォリオ議論と取締役会に付議される個別議案の有機的な連携を図ると共に、個別案件の全体戦略における位置づけの明確化、論点整理に取り組んでいます。また、取締役会で決議した案件を着実に成果につなげるためのモニタリングを定期的且つ継続的に行う仕組みを導入し、コーポレート・ガバナンスの充実・強化に取り組んでいます。
(6)グローバルな事業展開に関わるリスク
Santenグループでは、医薬品の販売や研究開発活動を世界各国で行っています。
このような世界各国における事業活動は、法令や規則の変更、政情不安、経済動向の不確実性、商習慣の相違その他のリスクに直面する可能性があり、その結果当初想定した効果や利益が実現されない可能性があります。
(7)為替
Santenグループは世界各国で事業を展開しているため、為替の変動がSantenグループの業績又は財政状態に影響を与えます。当連結会計年度の海外売上収益は、連結売上収益の約32%でした。
(8)主力製品への依存
Santenグループにおける売上収益の上位2製品である「アイリーア硝子体内注射液」及び「アレジオン点眼液」の連結売上収益に対する比率は、当連結会計年度で39%です。これらの製品が万一、製品の欠陥、予期せぬ副作用等の要因により販売中止となったり、売上収益が大幅に減少した場合、業績又は財政状態に大きな影響を及ぼします。
(9)ライセンス製品への依存
Santenグループの製品には、他社から製造販売権、並びに販売権を供与されているものが多くあります。眼科薬における独占的製造販売権の供与を受けている品目には、「クラビット点眼液」、「タプロス点眼液」、「ジクアス点眼液」、「アレジオン点眼液」等があります。国内独占的販売権の供与を受けている品目には、「アイリーア硝子体内注射液」があります。契約期間満了、契約条件の変更や販売提携の解消等が起こった場合、業績に影響を及ぼします。
(10)新薬開発の不確実性
新製品の創製・開発並びに追加効能・剤形等の開発は将来の成長に必要不可欠であり、Santenグループは毎年多額の研究開発投資を行っていますが、研究開発から承認・発売までは非常に長期間を要し、開発中止、承認申請後の不許可等の不確実性を多く含みます。Santenグループが開発中の新薬あるいは追加効能・剤形等について、販売・製造の許可がおりるかどうか、あるいはいつ承認を得ることができるかを確実に予測することはできません。また、将来、研究開発投資に見合う新薬の売上収益を実現できない可能性があります。
(11)知的財産権
Santenグループの事業は、物質・製法等に関する様々な特許によって保護されています。Santenグループでは、これらの特許権を含む知的財産権を適切に管理し、第三者からの侵害にも注意を払っていますが、第三者からの侵害を受けた場合には、Santenグループの業績に影響を与える可能性があります。また、Santenグループの事業が第三者の知的財産権を侵害しないようにも注意を払っていますが、万一、第三者の知的財産権を侵害した場合、損害賠償を請求される等、業績に影響を与える可能性があります。
(12)訴訟
医療用医薬品の製造・販売を主たる事業とするSantenグループでは、将来、特許、製造物責任(PL)法、独占禁止法、消費者、環境等に関わる訴訟を提起される可能性があり、訴訟が発生した場合、それらの訴訟等の動向は、Santenグループの業績又は財政状態に影響を与える可能性があります。なお、現在、Santenグループの経営に大きな影響を与えるような訴訟を提起されている案件はありません。
(13)ITセキュリティ及び情報管理
Santenグループを含む製薬業界・医療業界を標的とするサイバー攻撃は増加する傾向にあり、ITセキュリティに対するリスクは経営問題として早急な対応が必要となっています。
Santenグループでは、各種ITシステムを利用しているため、システムの不備、サイバー攻撃やコンピュータウィルスの感染等により、業績に影響を与える可能性があります。また、個人情報等の機微情報を有しているため、万一の事故等によりその情報が社外流出した場合、信用を大きく失うことで業績に影響を与える可能性があります。
Santenグループでは、日々の業務や規制の継続性維持、及び戦略的な競争優位性の維持に必要な情報の機密性、完全性及び可用性を保証するため、ISO 27001規格に基づく情報セキュリティ管理システムの実装と維持に取り組んでいます。
また、サイバーセキュリティリスクへの対応として、グローバル個人情報保護規程、情報セキュリティ規程、文書管理規程等の社内規程を整備するとともに、セキュリティ研修・訓練を中心とした人的対策、組織対策としてのセキュリティガバナンス強化、並びに技術的対策を行っております。今後も外部環境の変化を捉え、事業継続性の強化、サイバーセキュリティの高度化、データ保護の強化等の施策を継続的に進めてまいります。
(14)コンプライアンス
社会規範や法令等に違反する事態が発生した場合、Santenグループの社会的信用やブランドイメージの低下、株価下落による企業価値の損失、売上収益の減少や損害賠償の支払い等により、Santenグループの業績悪化や事業継続が困難になる等、企業経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。
Santenグループは「天機に参与する」という基本理念のもと事業活動の礎となる「グローバル・コンプライアンス・ポリシー」を制定し、グローバルでのコンプライアンス推進体制を強化するとともに、法令や規制が厳しくなるヘルスケア業界において全従業員へのグローバルでの体系的な教育プログラムを導入・実施し、企業倫理綱領周知月間を設定してCEO、地域トップからのメッセージを発信する等、コンプライアンス意識の醸成及び法令遵守の強化に努めています。
また、コンプライアンスだけではなく組織を横断するリスクを的確に把握し、課題の発見及び適切なフォローを確実に実施することを目的として、グローバル統一のシステムの導入を進めています。
(15)内部統制の整備等
内部統制が有効に機能せず、あるいは予期せぬ内部統制上の問題により、多大な損失が発生した場合、業績に影響を及ぼします。
Santenグループは、会社法及び会社法施行規則に基づき、業務の適正を確保するための体制を整備する旨(内部統制基本方針)の決議を行っています。執行部門はその整備・運用状況について取締役会に対して定期的な報告を行い、取締役会は適宜指示、軌道修正を行うことで、当該整備・運用の質的向上並びに対象範囲の拡大を図っており、グループ各社における内部統制の構築・浸透に取り組んでいます。また、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに実施基準に準拠して、財務報告に係る内部統制を整備及び運用しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるSantenグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
世界の眼科薬市場は、ここ数年堅調な伸びを示しており、特に最大市場である米国では継続的に力強い市場拡大基調を示しています。
また、日本、アジア地域、欧州諸国、は直近の傾向は前年同水準ですが、日本は米国に次ぎ世界第二位の市場規模を維持しています。
このような市場環境の下、当連結会計年度の業績は、次のとおりとなりました。
(ア)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ64億円減少し、4,024億円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ45億円増加し、3,071億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ109億円減少し、953億円となりました。
(イ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、IFRS(フル)ベースでは、売上収益2,496億円(前年同期比3.3%増)、営業利益129億円(同61.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益68億円(同71.1%減)となりました。
コアベースでは、売上収益2,496億円(前年同期比3.3%増)、コア営業利益501億円(同0.2%増)、親会社の所有者に帰属するコア当期利益376億円(同4.6%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動の結果得た資金が388億円あったことなどの一方、Eyevance Pharmaceuticals Holdings Inc.(米国)の買収に伴う子会社株式の取得による支出、配当金の支払い、有形固定資産及び無形資産の取得による支出などにより、前連結会計年度末と比べ285億円減少し、629億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
Santenグループは単一セグメントであり、当連結会計年度における実績は次のとおりです。
(ア)生産実績及び商品仕入実績
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|
金額(百万円) |
対前年度増減率(%) |
|
生産実績 |
167,532 |
△6.9 |
|
商品仕入実績 |
59,448 |
10.3 |
(注)1 生産実績の金額は販売価格によっており、消費税等は含まれていません。
2 商品仕入実績の金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれていません。
(イ)受注実績
Santenグループは販売計画、在庫状況を基礎として生産計画を立案し、これによって生産を行っていますので受注生産は行っていません。
(ウ)販売実績
|
|
金額(百万円) |
対前年度増減率(%) |
|
販売実績 |
249,605 |
3.3 |
(注)1 最近2連結会計年度における、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社スズケン |
46,984 |
19.5 |
49,137 |
19.7 |
|
株式会社メディセオ |
33,263 |
13.8 |
35,727 |
14.3 |
2 上記金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるSantenグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア)経営成績等
ⅰ 財政状態
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
|
資産 |
408,768 |
402,353 |
△6,415 |
|
資本 |
302,560 |
307,050 |
4,490 |
|
負債 |
106,208 |
95,303 |
△10,905 |
|
親会社所有者帰属持分比率 |
74.1% |
76.4% |
2.3ポイント |
当連結会計年度末の資産は、4,024億円となりました。Eyevance Pharmaceuticals Holdings Inc.(米国)の買収等に伴う無形資産の増加、営業債権及びその他の債権の増加などの一方、緑内障用デバイスSTN2000100(DE -128、PRESERFLO MicroShunt)の米国における承認時期の遅延を背景とした、同製品を開発するInnFocus, Inc.(米国)に係る無形資産(のれん及び開発製造販売権)の減損に伴う無形資産の減少、現金及び現金同等物の減少などにより前連結会計年度末と比べ64億円減少しました。
資本は、3,071億円となりました。利益剰余金の減少などがあった一方、その他資本の構成要素の増加などにより前連結会計年度末と比べ45億円増加しました。
負債は、953億円となりました。営業債務及びその他の債務の増加などがあった一方、InnFocus, Inc.(米国)買収に伴う条件付対価の公正価値の変動及び支払による金融負債の減少などにより前連結会計年度末と比べ109億円減少しました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べ2.3ポイント増加し、76.4%となりました。
ⅱ 経営成績
イ.IFRS(フル)ベース
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
対前年度増減率 |
|
売上収益 |
241,555 |
249,605 |
3.3% |
|
営業利益 |
33,535 |
12,917 |
△61.5% |
|
当期利益 |
21,714 |
6,645 |
△69.4% |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
23,618 |
6,830 |
△71.1% |
[売上収益]
前連結会計年度と比べ3.3%増加し、2,496億円となりました。
主力の医療用医薬品事業は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の環境下でも堅調に推移し、前連結会計年度と比べ4.5%増加し、2,347億円となりました。地域別には、日本、中国、アジアで継続的に売上伸長しています。
売上収益の内訳は次のとおりです。
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上段:金額 |
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下段:対前年度増減率、( )は為替影響を除いた対前年度増減率 |
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(単位:百万円) |
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|
日本 |
中国 |
アジア |
EMEA |
米州 |
合計 |
|
医療用医薬品 |
155,807 |
23,275 |
16,808 |
36,786 |
2,011 |
234,687 |
|
|
4.7% |
4.6% |
4.3% |
0.4% |
173.7% |
4.5% |
|
|
(-%) |
(4.8%) |
(5.2%) |
(△2.0%) |
(181.5%) |
(4.2%) |
|
一般用医薬品 |
9,058 |
- |
352 |
- |
- |
9,410 |
|
|
△22.7% |
- |
12.7% |
- |
- |
△21.8% |
|
医療機器 |
2,926 |
1 |
- |
1,110 |
- |
4,037 |
|
|
△8.0% |
- |
- |
230.8% |
△100.0% |
14.8% |
|
その他 |
1,343 |
72 |
56 |
- |
- |
1,471 |
|
|
4.8% |
3.7% |
△21.1% |
- |
- |
3.4% |
|
合計 |
169,133 |
23,349 |
17,216 |
37,896 |
2,011 |
249,605 |
|
|
2.5% |
4.6% |
4.4% |
2.5% |
173.5% |
3.3% |
|
(注)外部顧客に対する売上収益を表しています。 |
|
|
||||
|
顧客の所在地をもとに国又は地域に分類しています。なお、アジアには中国を含んでいません。 |
||||||
|
EMEAは、欧州、中東及びアフリカです。 |
||||||
<医療用医薬品>
◇日本
前連結会計年度と比べ4.7%増加し、1,558億円となりました。「アレジオン点眼液」については高濃度で効果の持続性が長い「アレジオンLX点眼液」を2019年11月に上市したこと、同年9月に田辺三菱製薬株式会社と締結した共同販売促進契約に基づく活動の効果により前連結会計年度と比べ31.4%増加しました。また、当連結会計年度において、「アイリーア硝子体内注射液※1」のプレフィルドシリンジ製剤である「アイリーア硝子体内注射用キット」を発売しました。なお、主力製品の売上は次のとおりです。
・緑内障・高眼圧症治療剤領域
|
「タプロス点眼液」 |
87億円 |
(対前年度増減率 △ 4.5%) |
|
「タプコム配合点眼液」 |
26億円 |
(対前年度増減率 + 3.3%) |
|
「コソプト配合点眼液」 |
69億円 |
(対前年度増減率 △10.1%) |
|
「エイベリス点眼液」 |
25億円 |
(対前年度増減率 +54.4%) |
・角結膜疾患治療剤領域
|
「ジクアス点眼液」 |
123億円 |
(対前年度増減率 △13.8%) |
*2020年の薬価改定で市場拡大再算定を受け前年同期と比べ減少しましたが、数量ベースでは増加しています。
・抗アレルギー点眼剤領域
|
「アレジオン点眼液※2」 |
327億円 |
(対前年度増減率 +31.4%) |
・網膜疾患治療剤領域
|
「アイリーア硝子体内注射液※1」 |
645億円 |
(対前年度増減率 + 7.2%) |
◇中国
円換算ベースで前連結会計年度と比べ4.6%増加し(為替影響を除いた成長率は+4.8%)、233億円となりました。なお、クラビット点眼液は、当連結会計年度より集中購買による影響を受けつつも、私立病院や薬局など他のチャネルでの拡販に注力しています。なお、主力製品の売上は次のとおりです。
・角結膜疾患治療剤領域
|
「ヒアレイン点眼液」 |
93億円 |
(対前年度増減率 +17.9%) |
・眼感染症治療剤領域
|
「クラビット点眼液」 |
79億円 |
(対前年度増減率 △16.6%) |
◇アジア(中国除く)
円換算ベースで前連結会計年度と比べ4.3%増加し(為替影響を除いた成長率は+5.2%)、168億円となりました。主力製品の売上は次のとおりです。
・緑内障・高眼圧症治療剤領域
|
「タプロス点眼液」 |
19億円 |
(対前年度増減率 + 0.8%) |
|
「タプコム配合点眼液」 |
5億円 |
(対前年度増減率 +42.6%) |
|
「コソプト配合点眼液」 |
45億円 |
(対前年度増減率 +10.1%) |
◇EMEA
円換算ベースで前連結会計年度と比べ0.4%増加し(為替影響を除いた成長率は△2.0%)、368億円となりました。主力製品の売上は次のとおりです。
・緑内障・高眼圧症治療剤領域
|
「タプロス点眼液」 |
67億円 |
(対前年度増減率 + 3.2%) |
|
「タプコム配合点眼液」 |
29億円 |
(対前年度増減率 +15.4%) |
|
「コソプト配合点眼液」 |
95億円 |
(対前年度増減率 + 2.2%) |
|
「トルソプト点眼液」 |
28億円 |
(対前年度増減率 + 4.9%) |
・角結膜疾患治療剤領域
|
「Ikervis(アイケルビス)」 |
36億円 |
(対前年度増減率 +16.9%) |
◇米州
円換算ベースで20億円となりました。なお、米州の売上収益に含まれる、第2四半期連結会計期間に買収したEyevance Pharmaceuticals Holdings Inc.(米国)の売上収益は10億円です。
<一般用医薬品>
前連結会計年度と比べ21.8%減少し、94億円となりました。
インバウンド需要の減退などにより減収となりましたが、「サンテボーティエシリーズ」、新「サンテメディカルシリーズ」、「ソフトサンティアシリーズ」などの高価格帯品に引き続き注力しています。なお、当連結会計年度においては、ヒアレイン点眼液0.1%のスイッチOTC医薬品「ヒアレインS」を発売しました。
<医療機器>
前連結会計年度と比べ14.8%増加し、40億円となりました。
眼内レンズの「レンティス コンフォート」と「エタニティ」シリーズの普及促進活動に注力しています。
<その他>
その他の売上収益は15億円となりました。サプリメント製品の販売、株式会社クレール(連結子会社)での無塵・無菌服のクリーニング業によるものです。
[営業利益]
売上総利益は、前連結会計年度と比べ3.2%増加し、1,514億円となりました。
IFRS(フル)ベースの販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ8.4%増加し、796億円となりました。後述のコアベースの販売費及び一般管理費に加え、Eyevance Pharmaceuticals Holdings Inc.(米国)の買収及び統合業務、並びに、持株会社体制への移行・決算期の変更に係る一過性の費用等が24億円発生しました。
研究開発費は、前連結会計年度と比べ3.3%増加し、241億円となりました。
製品に係る無形資産償却費は、前連結会計年度と比べ0.2%増加し、99億円となりました。これは主に、Merck & Co., Inc.(米国)から2014年に譲り受けた眼科製品に関する無形資産、2015年より欧州で販売を開始した「Ikervis(アイケルビス)」に関する無形資産、並びに2016年のInnFocus,Inc.(米国)買収に伴い取得したSTN2000100(DE-128、PRESERFLO MicroShunt)に関する無形資産(2019年4月より償却開始)の償却によるものです。
その他の収益は、160億円となりました。これは主に、STN2000100(DE-128、PRESERFLO MicroShunt)を開発するInnFocus,Inc.(米国)買収時に負債計上した条件付対価の公正価値(時間的価値以外)について、米国における承認時期の遅延を前提に見直しを行った結果、帳簿価額が変動したことによるもの(戻入益)です。
その他の費用は、409億円となりました。これは主に、InnFocus,Inc.(米国)に係る無形資産(のれん及び開発製造販売権)について、米国における承認時期の遅延を前提に資産価値の見直しを行った結果、帳簿価額を回収可能価額まで減損したことによるものです。
これらにより、IFRS(フル)ベースの営業利益は、前連結会計年度と比べ61.5%減少し、129億円となりました。
[当期利益]
金融収益は、13億円となりました。これは主に、保有する投資有価証券に係る受取配当金によるものです。
金融費用は、15億円となりました。これは主に、InnFocus, Inc.(米国)買収に伴う条件付対価の公正価値変動額のうち時間的価値の変動によるものです。
持分法による投資損失は、4億円となりました。これはVerily Life Sciences LLC(米国)との合弁会社であるTwenty Twenty Therapeutics LLC(米国)の損益のうち、当社の持分に帰属する金額を計上したものです。
法人所得税費用は、前連結会計年度より46億円減少し、58億円となりました。これは主に、試験研究費の税額控除適用額の増加に伴う当期税金費用の減少、開発製造販売権の減損損失計上に伴う繰延税金負債の取り崩し、及び上述のIFRS(フル)ベースの営業利益の減少に伴う税引前当期利益の減少によるものです。
これらにより、当期利益は、前連結会計年度と比べ69.4%減少し、66億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度と比べ71.1%減少し、68億円となりました。売上収益に対するその比率は、2.7%となりました。
※1 製造販売元であるバイエル薬品株式会社とのコ・プロモーション製品です。
※2 アレジオンLX点眼液を含みます。
ロ.コアベース ※3
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
対前年度増減率 |
|
売上収益 |
241,555 |
249,605 |
3.3% |
|
コア営業利益 |
50,023 |
50,101 |
0.2% |
|
コア当期利益 |
35,894 |
37,549 |
4.6% |
|
親会社の所有者に帰属する コア当期利益 |
35,928 |
37,589 |
4.6% |
[売上収益]
IFRS(フル)ベースからの調整はありません。
[コア営業利益]
売上総利益について、IFRS(フル)ベースからの調整はありません。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ5.2%増加し、772億円となりました。なお、IFRS(フル)ベースからの調整内容については、前述の[営業利益]に記載のとおりです。
研究開発費は、IFRS(フル)ベースからの調整はありません。
以上により、コアベースでの営業利益は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で経営環境が不安定な状況下であっても、前連結会計年度と比べ0.2%増加し、501億円となりました。
※3 Santenグループでは第103期(2015年3月期)のIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益及び費用を控除した「コアベース」での財務情報を経常的な業績を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績からコアベースでの業績への調整において控除する以下の収益及び費用とそれらに係る法人所得税費用を調整し、コアベースを算出しています。
・製品に係る無形資産償却費
・その他の収益
・その他の費用
・金融収益
・金融費用
・持分法による投資損益
・販売費及び一般管理費のうち企業買収などに係る一過性費用
また、Santenグループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(イ)キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ 財務戦略
財務戦略は眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を追求することを基本としています。
2021年度を起点とする中期経営計画「MTP2025」においても、成長性、効率性、健全性、将来の成長のための内部留保、株主還元を最適化することで、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)の向上に取組むことは変わりありません。
特に、成長のための投資については、パイプラインの強化、グローバル展開の加速、新規医療技術、グローバルな事業基盤拡充に向けた生産拠点、次世代ERPを含めたデジタルや情報システムへの投資などに、積極的かつ効果的に資源投入を図ります。案件如何では負債の活用を検討しますが、その場合においても信用格付A+(R&I)を維持できることを意識して、財務基盤の安定性は確保してまいります。当連結会計年度は、製品安定供給のための生産能力確保を目的として、滋賀プロダクトサプライセンター敷地内における医療用点眼薬製造のための第3棟を増設することを2020年9月に決定しました。
株主還元については、経営の最重要事項と位置付けており、配当は配当性向40%以上を目途に利益成長とともに段階的増配を行います。また、一定期間留保した余資は、自己株式の取得により機動的に還元していきます。当連結会計年度は、業績及び財務状況などを総合的に勘案した結果、2020年度の中間配当及び期末配当はそれぞれ1株につき14円としました。
ⅱ キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
|
営業活動による キャッシュ・フロー |
39,947 |
38,808 |
△1,140 |
|
投資活動による キャッシュ・フロー |
△5,175 |
△53,355 |
△48,180 |
|
財務活動による キャッシュ・フロー |
△12,729 |
△16,685 |
△3,956 |
|
現金及び現金同等物の 期末残高 |
91,430 |
62,888 |
△28,542 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ285億円減少し、629億円となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、388億円の収入(前連結会計年度は、399億円の収入)となりました。主に当期利益が66億円、InnFocus,Inc.(米国)に係る無形資産の減損等に伴う減損損失407億円、InnFocus,Inc.(米国)買収に伴う条件付対価の公正価値の変動及び支払等による長期未払金の減少173億円、減価償却費及び償却費168億円、法人所得税の支払128億円、営業債権及びその他の債権の増加75億円によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、534億円の支出(前連結会計年度は、52億円の支出)となりました。主にEyevance Pharmaceuticals Holdings Inc.(米国)の買収に伴う子会社株式の取得による支出238億円、jCyte,Inc.(米国)とのライセンス契約に伴う無形資産の取得による支出55億円及びAerie Pharmaceuticals, Ireland Ltd.(アイルランド)とのライセンス契約に伴う無形資産の取得による支出52億円などの無形資産の取得による支出197億円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、167億円の支出(前連結会計年度は、127億円の支出)となりました。主に配当金の支払い112億円によるものです。
当連結会計年度の設備投資額は、113億円となりました。拡大を続ける需要に対し、安定供給のための生産能力確保を目的として、滋賀プロダクトサプライセンター敷地内に医療用点眼薬製造棟の増設、並びに中国の現地法人「参天製薬(中国)有限公司」の新工場にかかる投資を開始しました。今後、見込まれる市場成長に対し、早期にキャパシティを構築することで、グローバルでの競争優位を確立し、さらなる事業の成長に繋げていきます。また、事業のグローバル展開を支え、業務標準化と抜本的な生産性効率向上を目的として、次世代ERPへの投資等を継続しています。
資金調達については、事業開発活動における投資機会の最大化のための効率的な資金調達を目的として、2020年3月に新たに株式会社三菱UFJ銀行とコミットメント期間を4年、貸付期間を最大10年とする総額300億円の実行可能期間付タームローン契約を締結しています。なお、タームローン契約における当連結会計年度の借入実行額はありません。
(ウ)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標
Santenグループは、中期経営計画「MTP2020」においては、利益の実現と成長への投資に積極的に取り組むことを前提に、売上高成長率、コア営業利益率、フルROEの3つの財務指標に達成目標を定めて取り組んできました。具体的目標値及び実績値は下表のとおりです。
|
|
実績値 |
目標値 |
|||
|
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
3事業年度の平均値 |
||
|
売上高成長率 |
4.0% |
3.2% |
3.3% |
3.5% |
6%以上(CAGR) |
|
コア営業利益率 |
20.6% |
20.7% |
20.1% |
20.5% |
21%以上(期間平均) |
|
フルROE |
11.1% |
8.0% |
2.2% |
7.1% |
11%以上(期間平均) |
同中期経営計画の対象期間である2019年3月期から2021年3月期までの3事業年度に係る売上高成長率、コア営業利益率平均値、フルROEの平均値のいずれも目標値を下回りました。
同中期経営計画の最終年度である当連結会計年度の実績値については、売上高成長率は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の環境下でも伸長し、前年同期比0.1ポイント増加しました。
コア営業利益率は、販売費及び一般管理費並びに研究開発費の増加があったため、前年同期比0.6ポイント減少しました。
フルROEは、InnFocus, Inc.(米国)に係る条件付対価の公正価値変動額の戻入益及び無形資産(のれん及び開発製造販売権)の減損損失による一過性の収益と費用が発生したことなどにより、前年同期比5.8ポイント減少しましたが、これら一過性の要因を除いた副次的経営指標であるコアROEは12.3%となり、目標とする水準を上回りました。
また、2021年度から2025年度までの新たな中期経営計画「MTP2025」を策定しました。2025年度までに真のグローバル眼科医薬品企業への変革を図り、基盤事業の価値最大化とそれをテコにした新規事業・新規領域への参入を図ります。製薬業界上位1/2の水準のTSR(トータル・シェアホルダーズ・リターン)実現に向けて、2025年を目標とする以下の経営指標を定めています。
|
売上収益 |
3,150億円以上 |
|
営業利益率 |
21%以上 |
|
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) |
13%以上 |
|
海外売上収益比率 |
50%以上 |
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
Santenグループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
Santenグループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。
Santenグループの連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用に関する報告金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。
Santenグループの財政状態又は経営成績に対して特に重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。
なお、2022年3月期については、売上収益の成長、将来の成長のための資源投下の継続と引き続き費用コントロールの強化による経常的費用支出の抑制の両立をはかることで持続的な利益成長を確保することを想定しており、現時点では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載の会計上の見積り及び仮定に与える重要な影響はないと判断しています。
(1)技術契約(導入)
|
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
対価の支払 |
|
第一三共 株式会社 |
日本 |
オフロキサシン (合成抗菌剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
1986年8月~2001年9月 (以後3年毎の自動更新) |
販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
|
第一三共 株式会社 |
日本 |
レボフロキサシン (合成抗菌剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
1994年5月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方 (以後3年毎の自動更新) |
契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
|
エーザイ 株式会社 |
日本 |
ブナゾシン塩酸塩 (緑内障治療剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
1994年12月~発売日から8年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方 (以後1年毎の自動更新) |
契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
|
AGC 株式会社 |
日本 |
タフルプロスト (緑内障・高眼圧症治療剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
2005年12月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方 |
契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
|
Merck & Co., Inc. |
米国 |
ジクアホソルナトリウム (角結膜疾患治療剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
1998年12月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方 |
販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
|
日本ベーリン ガーインゲル ハイム株式会社 |
日本 |
エピナスチン塩酸塩 (抗アレルギー点眼剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
2011年2月~発売日から10年間 |
契約一時金及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
|
宇部興産 株式会社 |
日本 |
オミデネパグ イソプロピル (緑内障・高眼圧症治療剤) |
眼科薬における独占的製造販売権 |
2011年2月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方 |
契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
|
Oculentis IP B.V. |
オランダ |
レンティス コンフォート (眼内レンズ) |
独占的製造販売権 |
2016年3月~特許権の存続期間の満了日の長い方 |
契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
|
jCyte, Inc. |
米国 |
jCell (網膜前駆細胞を主成分とする細胞治療製剤) |
日本、欧州、アジアの独占的開発・販売権 |
2020年5月~国毎に実施料支払終了まで(最初の製品販売から15年) |
契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
|
RVL Pharmaceuticals,Inc. |
米国 |
RVL-1201 (後天性眼瞼下垂治療剤) |
日本、中国、その他アジア諸国、EMEA諸国の独占的開発・承認申請・商業化の権利 |
2020年7月~国毎にロイヤルティ支払期間満了まで |
契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
|
Aerie Pharmaceuticals, Ireland Ltd. |
アイルランド |
Rhopressa® Rocklatan® (緑内障・高眼圧症治療剤) |
日本、その他のアジア諸国の独占的開発・販売権 |
2020年10月~国・製品毎に実施料支払終了まで |
契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
(2)技術契約(導出)
|
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
対価の受取 |
|
Bausch & Lomb Incorporated |
米国 |
エタニティー (眼内レンズ) |
独占的製造販売権 |
2009年2月~発売日から10年間、又は、特許権の存続期間の満了日の長い方 |
契約一時金、マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
|
Akorn Operating Company LLC (注) |
米国 |
タフルプロスト (緑内障・高眼圧症治療剤) |
独占的製造販売権 |
2014年4月~ 2029年5月 |
マイルストン及び販売高に応じた一定料率のロイヤルティ |
(注)2020年10月にOAK PHARMACEUTICALS,INC.とのライセンス契約における同社の権利がAkorn Operating Company LLCに譲渡されたことにより、相手方の名称を変更しています。
(3)販売契約
|
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
対価の支払 |
|
ヤンセン ファーマ 株式会社 |
日本 |
レボカバスチン塩酸塩 (抗アレルギー剤) |
国内販売権 |
2000年9月~ 発売日から10年後の12月 (以後1年毎の自動更新) |
契約一時金 |
|
バイエル薬品 株式会社 |
日本 |
アフリベルセプト硝子体内注射液 (眼科用VEGF阻害剤) |
国内独占的販売権 |
2012年5月~2027年12月 |
- |
|
田辺三菱製薬 株式会社 |
日本 |
抗アレルギー点眼剤(アレジオン点眼液及びアレジオンLX点眼液) |
共同販売促進 |
2019年9月~2024年5月 |
販売高に応じた固定額対価及び変動額対価 |
|
Glaukos Corporation |
米国 |
STN2000100(DE-128、PRESERFLO MicroShunt) |
米国独占販売権 |
(注) |
- |
(注) 2019年4月に契約締結していましたが2021年5月に契約が終了し、同年月に新たに上記契約品目の米州(北米、中南米)、オーストラリア及びニュージーランドにおける開発・販売提携に拡大して契約を締結しています。
(4)企業結合による条件付対価
当社は米国時間の2016年8月19日にInnFocus, Inc.(米国)を買収しました。当社は、条件付対価契約に基づき、STN2000100(DE-128、PRESERFLO MicroShunt)の開発の進捗及び販売実績に応じたマイルストンを支払う定めがあり、要求されうるすべての将来の支払額は386百万米ドル(割引前)です。
(5)Eyevance Pharmaceuticals Holdings Inc.の買収契約
当社とEyevance Holdings LLC(米国)は、当社子会社のSanten Holdings U.S. Inc.が同社子会社のEyevance Pharmaceuticals Holdings Inc.(米国)の発行済株式の全てを取得する買収契約を締結し、米国時間の2020年9月16日に完了しました。これに伴い、Eyevance Pharmaceuticals Holdings Inc.及びその傘下の事業会社であるEyevance Pharmaceuticals LLC(米国)の2社を完全子会社化しています。
(6)合弁契約
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相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約締結日 |
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重慶科瑞製薬 (集団)有限公司 |
中国 |
中国の患者さんに適切な価格で高品質の医療用眼科薬を提供することを目的に2016年8月に合弁会社(重慶参天科瑞製薬有限公司)を設立 |
2016年3月22日 |
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Verily Life Sciences LLC |
米国 |
独創的な眼科デバイスの開発・商業化を目指し2020年8月に合弁会社(Twenty Twenty Therapeutics LLC)を設立 |
2020年2月3日 |
(7)その他
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相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約期間又は 契約締結日 |
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International Telecommunication Union |
スイス |
International Telecommunication Union及びWorld Health Organizationが実施しているデジタルヘルスの取り組みである眼科領域におけるBe He@lthy, Be Mobileに対するサポート |
2020年1月~ 2023年12月 |
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Orbis International |
米国 |
今後ますます増加が予想される眼疾患について、低・中所得国(とりわけアジア)における負担軽減に向けた10年間の長期パートナーシップ |
2020年10月~ 2030年12月 |
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Plano Pte. Ltd. |
シンガポール |
世界の近視患者さんが抱える負担に対処するための戦略的提携 |
2020年6月22日 |
(研究開発戦略)
Santenグループは、患者さんの目の健康を守るために、未充足ニーズに対応し、QOL向上に大きく貢献する製品の創出に努めています。当社は、患者さんのQOL向上に注力することで、患者さんのみならず、眼科医や医療関係者をはじめとした重要なステークホルダーの期待にも応えていきます。
ネットワーク製品創製(※1)を活用し、治療成果を最適化する挑戦的な新しい技術への取り組みも始めています。また、臨床開発の精度を高め、患者さんの治療に貢献するために、トランスレーショナル・リサーチ(※2)を通じたバイオマーカーの探索(※3)や新しい診断方法の開発に取り組んでいます。既存製品についても、患者さんの一層の利便性の向上と負担軽減を目指し、製剤化技術を駆使した防腐剤フリー製剤の開発や、ドラッグデリバリーシステム(※4)の活用、容器の改良に努めています。
※1 社外に存在する化合物や技術を積極的に活用し、製品創製に応用する手法
※2 基礎研究・臨床研究・診療をつなげて、医療発展に寄与する成果を効率的・効果的に実用化させる橋渡し研究
※3 病気の存在や進行度などを識別するため、生体情報を客観的に測定・評価する指標
※4 必要な薬効成分を、必要な時間に、必要な部位へ送達させるように工夫された製剤技術
(グローバル体制)
Santenグループでは、創薬研究及び臨床開発をグローバルのSantenグループや関係機関で展開し、グローバルな医療ニーズに合致した製品を、より早く創出し続ける体制を強化しています。
研究分野では、奈良研究開発センターに基礎研究、非臨床試験、製剤研究の各機能を集約することで各部門の英知を結集し、より良い製品の創出に努めています。また、社外に対しては、独自のネットワークを通じ、外部機関とも情報交換や共同開発が行える協力体制を強化しています。
臨床開発においては、市場ニーズや薬事規制を踏まえ、日本、米国、欧州並びに中国をはじめとするアジア主要国や新興国での臨床開発の高質化、効率化への動きを加速させています。
(開発パイプラインの状況)
<緑内障・高眼圧症領域>
プロスタグランジンF₂α誘導体及びβ遮断剤の配合剤STN1011101(DE-111A、一般名:タフルプロスト/チモロールマレイン酸塩)は、中国で2019年1月に第Ⅲ相試験を開始しました。
EP2受容体作動薬STN1011700(DE-117、一般名:オミデネパグ イソプロピル)は、米国で2020年11月に販売承認を申請しました。日本では2018年11月に発売しました。アジアでは、順次販売承認を申請しており、韓国で2021年2月に発売しました。
FP/EP3受容体デュアル作動薬STN1012600(DE-126、一般名:sepetaprost)は、米国で2020年12月に追加の第Ⅱ相試験を開始しました。日本では、後期第Ⅱ相試験を完了しています。
緑内障用デバイスSTN2000100(DE-128)は、米国で2020年6月に市販前承認(PMA)の段階的申請を完了し、2021年2月末に米国食品医薬品局(FDA)から審査に関するフィードバックを受け、以降協議を実施しています。欧州では、2019年4月に発売しました。韓国で2020年3月に販売承認を申請以降、アジアで順次申請しています。カナダで、2021年3月に販売承認を取得しました。
プロスタグランジンF₂α誘導体の乳化点眼剤STN1013001(DE-130A、一般名:ラタノプロスト)は、欧州及びアジアで2019年4月に第Ⅲ相試験を開始しました。
ROCK阻害剤STN1013900(AR-13324、一般名:netarsudil dimesylate)は、日本で2020年11月に第Ⅲ相試験を開始しました。
<角結膜疾患(ドライアイを含む)領域>
春季カタルを対象とするSTN1007603(DE-076C、一般名:シクロスポリン)は、欧州、アジア、カナダなど既に承認・販売されている諸国に続き、中国では2021年4月に新薬承認申請が受理されました。米国では2020年10月に新薬承認申請が受理され、2021年6月に承認を取得しました。
ドライアイを対象とするSTN1008903(DE-089C、一般名:ジクアホソルナトリウム)は、日本で第Ⅲ相試験を終了しました。
<網膜・ぶどう膜疾患領域>
ぶどう膜炎を対象とするSTN1010900(DE-109、一般名:シロリムス)は、米国で2018年12月に追加の第Ⅲ相試験を開始しました。
<その他疾患領域>
近視を対象とするSTN1012700(DE-127、一般名:アトロピン硫酸塩)は、アジアで2020年4月に第Ⅱ相試験を終了しました。日本では、2019年8月に第Ⅱ/Ⅲ相試験を開始しました。
白内障手術後無水晶体眼に挿入する乱視用(トーリック)眼内レンズMD-16は、日本で2020年11月に発売しました。
※開発コードの附番方法変更に伴い、新開発コード(STNXXXXXXX)及び既存開発コード(DE-XXX)を併記しています。なお、AR-13324はAerie Pharmaceuticals, Inc.での開発コードです。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、