(1)業績
(当期の経営成績)
当連結会計年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)におけるわが国経済は、企業業績や雇用情勢等に引き続き改善傾向が見られる中、個人消費については、天候不順による季節需要の一時的な低迷も相俟って、全体としては力強さに欠ける状況で推移いたしました。また、海外経済は、米国において個人消費主導の底堅い動きのもと拡大基調が持続し、かつ、ユーロ圏においても、若干の温度差はあるものの全体として緩やかながらも先行きの高まりに期待が持てる状況を示しております。一方、一部地域における地政学的リスクの高まりや、中国をはじめとする新興諸国や資源国等の景気減速・成長鈍化といった下振れリスクを抱える中で、依然として先行き不透明な状況が続きました。
また、食品業界においては、フードディフェンスを含めた食の安全・安心へのしっかりとした取り組みとともに、少子・高齢化が進行する国内市場での競争激化の中で、成長が見込めるエリアを見極めたグローバル展開が一段と強く求められる状況にあります。
このような事業環境のもと、当社グループでは、3ヵ年を対象期間とする「中期経営計画」を策定しており、
◇成熟市場として認識する「国内マーケット」における[収益基盤の確立]
◇成長市場として認識する「海外マーケット」における[構造基盤の強化]
(グローバルカンパニーとしての揺るぎない体制構築に繋がる成長戦略策の推進)
を基本に据え、持続的成長を図るべくグループを挙げて取り組みを推進中であります。
国内では食品事業の柱をなす「海藻」、「ドレッシング」、「エキス・調味料」の需要喚起に向けて、商品とメニュー・用途を組み合わせた販売プロモーションの展開を中心に行い、加えて、「改良剤」事業でのユーザーニーズへの的確な対応と価値提案型の活動も推進しました。
一方、海外においても、「改良剤」事業における情報発信基地としての役割を担う「アプリケーションセンター」の機能の最大限の活用や、生産能力拡大のための設備投資等、成長市場の開拓・販売拡大に向けて開発・生産・販売全ての面から取り組みを推進しました。
当連結会計年度の業績につきましては、『国内食品事業』においては、「ドレッシング」の天候不順等に起因する伸び悩みがあったものの、「改良剤」を中心に全体では順調に伸長し、通期でも前期を上回る売上高となりました。また、『国内化成品その他事業』は納入先業界の需要減等の影響で前期売上を下回りましたが、成長市場の開拓・販売拡大を推進した『海外事業』が前期を上回る実績を確保し、売上高は880億72百万円(前期比24億68百万円、2.9%増)となりました。
利益面につきましては、為替変動に伴う差損発生等のマイナス要因はあったものの、当社を含む国内グループ各社における減価償却方法の変更に伴う償却費の低減、および前期に計上のあった新商品の市場導入に伴う販売プロモーション費用の圧縮等もあり、営業利益は60億29百万円(前期比13億78百万円、29.6%増)、経常利益は53億43百万円(前期比6億57百万円、14.0%増)となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として、海外子会社での固定資産の一部の移転に伴う補償金の計上や東京電力株式会社の原子力発電所事故による風評被害に対する補償金等で合計12億13百万円を計上し、特別損失として、固定資産除却損や海外関係会社整理損等で合計4億50百万円を計上しました結果、41億29百万円(前期比3億33百万円、8.8%増)となりました。
(セグメント別の状況)
国内食品事業
『家庭用食品』で前期を下回った以外は『業務用食品』『加工食品用原料等』のいずれも好調で、国内食品事業全体の売上高は前期を上回る結果となりました。
『家庭用食品』の「ドレッシング」では、天候不順に伴う野菜価格の高騰等が買い控えに繋がった影響もあり、売上は前期を下回る結果となりました。
おいしさと健康感にこだわった食塩・化学調味料無添加の「素材力だし®」は、底堅い伸長となり、前期を上回る売上を確保することができました。
また、「海藻商品」ではメニュー訴求等を行った「ふえるわかめちゃん®」が着実に伸長したものの、原料高騰による値上げを行った「わかめスープ」は伸びを欠き、売上は横ばいの結果となりました。
『業務用食品』では、価格競争の激しい「ドレッシング」は売上微増にとどまったものの、「冷凍海藻」の着実な浸透・定着や、「調理海藻類」の好調による海藻商品群全体の伸長に加え、他の商品群でも安定した売上伸長により、部門全体の売上は前期を上回る結果となりました。
『加工食品用原料等』では、ユーザーの要望に的確に応えたソリューションビジネスの展開により、食品用改良剤分野での売上が堅調な実績推移を見せたことに加え、医薬用マイクロカプセルをはじめビタミン・健康食品などが大きく伸長し、部門全体の売上は前期を上回る結果となりました。
これらの結果、各部門における売上高は、『家庭用食品』156億59百万円(前期比5億11百万円、3.2%減)、『業務用食品』210億55百万円(前期比8億0百万円、4.0%増)、『加工食品用原料等』205億65百万円(前期比7億53百万円、3.8%増)となり、当セグメント全体の売上高は、572億80百万円(前期比10億42百万円、1.9%増)となりました。
また、営業利益では、高付加価値商品の提案、広告宣伝費・販促費等の適切な運用、収益性が低い商品の見直し等の政策と各工場の稼働向上も寄与して54億0百万円(前期比14億31百万円増)を確保することができました。
国内化成品その他事業
プラスチック・農業用フィルム・食品用包材・ゴム製品・化粧品などの工業用分野に、加工性向上および帯電防止・防曇等の機能性を付加する商品を提供する『化成品(改良剤)』では、農業用フィルムや食品用ラップなどの原料となる製品群の不振により、全体売上でも前期を下回る結果となりました。
また『その他』の事業では、飼料用油脂の売上が、前期を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は59億3百万円(前期比2億65百万円、4.3%減)となりましたが、営業利益については価格改定や製品リニューアル等の施策により、4億21百万円(前期比57百万円増)となりました。
海外事業
「改良剤」分野において、情報発信基地としての役割を担う「アプリケーションセンター」の機能を活かす中で、アジア・欧米をはじめとする各エリアの既存市場での深耕はもとより、成長が見込める新市場の開拓・販売拡大に取り組んだ結果、一部エリアでの足踏みが見られたものの、総じて着実な実績化を図ることができました。
加えて、水産加工品が高いウエイトを占める青島福生食品有限公司(中国)の売上も、前期を上回る実績を確保することができました。
これらの結果、当セグメントの売上高は、261億26百万円(前期比17億65百万円、7.2%増)となりました。ただし、営業利益については、改良剤での着実な実績確保はあったものの、青島福生食品有限公司(中国)も含めた事業トータルでは、5億6百万円(前期比2億27百万円減)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は131億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億23百万円減少しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは83億77百万円の収入となりました。主な増加は税金等調整前当期純利益61億6百万円、減価償却費33億88万円、主な減少は法人税等の支払額9億21百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは63億89百万円の支出となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得59億71百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは31億40百万円の支出となりました。主な内訳は、短期借入金の減少7億79百万円、配当金の支払13億99百万円、自己株式の取得4億72百万円であります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
国内食品事業 |
55,130 |
100.4 |
|
国内化成品その他事業 |
5,140 |
95.7 |
|
海外事業 |
24,731 |
99.7 |
|
合計 |
85,003 |
99.9 |
(注)1.金額は生産者販売価格で算出しており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当社グループは一部の製品について受注生産を行っておりますがウエイトも小さく、大部分の製品は販売計画に基づく生産計画に従った見込生産を主体としております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
国内食品事業 |
57,162 |
101.8 |
|
国内化成品その他事業 |
5,903 |
95.7 |
|
海外事業 |
25,006 |
107.5 |
|
合計 |
88,072 |
102.9 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメントの各事業内容は次のとおりであります。
国内食品事業……………………一般家庭向け加工食品、業務用市場向け加工食品、食品業界向け加工食品用原料・食品用改良剤・ビタミンなどの製造、販売
国内化成品その他事業…………化成品用改良剤、飼料用添加物などの製造、販売
海外事業…………………………食品用改良剤、化成品用改良剤、水産加工品、冷凍野菜などの製造、販売
4.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
当社は、
1.社会に対し、食を通じて健康と豊かな食生活を提供する
2.コンプライアンス精神に基づいた事業活動を行い、社会的責任を果たす
3.フレキシビリティのある、かつ、創造力に溢れた企業として発展する
4.事業活動の視点・範囲を海外にも向け[世界の理研ビタミン]としてのブランドを高める
5.人間尊重の思想に基づき魅力ある職場をつくる
の経営理念のもと、創業以来一貫して「天然物の有効利用」を事業展開の根幹に据え、独自の技術力・開発力を通じて食品・食品用改良剤・化成品用改良剤・ビタミンの各分野において多彩な品目を創り出し、日本のみならず世界各地にお届けしてまいりました。この姿勢は、今後においてもいささかも揺らぐことなく堅持してまいります。
世界的レベルで政治・経済・社会情勢が刻々と変化し、当社グループを取り巻く事業環境にも大きな影響を及ぼす今こそ、的確かつ機動的な意思決定を行うことが強く要請されるところであります。
加えて、社会の信頼に応える公正で透明性の高いコンプライアンス体制、企業グループ全体での健全な事業運営を推進する上でのガバナンス体制の一層の向上が求められることも自明であります。更には、ダイバーシティの推進等CSR経営に取り組むことも必然であると認識する次第です。
当社グループは、従前より3年間を対象とする中期経営計画を策定しております。
平成27年3月に区切りを迎えた「前中期経営計画」に引き続き、昨年4月より平成30年3月までを対象とする「現中期経営計画」を策定し、取り組みを開始いたしました。
[経営基本方針]
<1>グループ経営の推進により、事業基盤を強化し、グローバルなフィールドでの成長を図り、更なる企業価値向上を目指す。
<2>独自技術の活用と、事業の選択と集中を徹底し、高付加価値製品の追求により、企業体質の強化を目指す。
<3>健全な事業運営を推進するコンプライアンス体制・ガバナンス体制のもと、安全な製品の提供で社会の信頼に応える企業を目指す。
[経営基本戦略]
<1>中核事業での国内外マーケットシェア拡大と収益力の向上を目指す。
<2>将来を見据えたグローバル展開での事業戦略の一層の推進を図る。
<3>新市場創出に繋がる独自性豊かな新製品開発と新技術開発を推進する。
<4>生産体制の強化に繋がる拠点再構築を推進する。
<5>品質保証体制の更なる強化を図り、顧客・消費者の信頼を高める。
<6>アライアンス・パートナーとの更なる事業推進を図る。
<7>CSR経営の一層の推進を図る。
[目指すべき姿]
収益性重視の質の強化
≪国内マーケット≫ [収益基盤の確立]
◇成熟市場として認識し、収益性重視の質の強化を図る
1)差別化された高付加価値商品の提案
2)生産効率化・営業力の一層の向上による安定的な収益の確保
<家庭用食品>
① ドレッシング / ノンオイルシリーズ商品強化によるシェア拡大
/ オイル入りドレッシングの継続育成
② 調味料 / 食塩無添加「素材力だし®」ブランドのシリーズ展開
③ 海藻 / 『わかめのリケンから海藻のリケン』への展開
<業務用食品>
① 冷凍海藻を中心に、わかめシェア拡大
② CVS等の中食市場や外食産業への積極提案
③ 老健市場等、社会的ニーズに応える市場への本格参入
<加工食品用原料等>
① 新市場・新事業展開によるシェア拡大の推進
② (製パン 製菓 豆腐 麺 飲料等)各業界No.1メーカーへの戦略推進
③ 健康機能食品 ~ 独自性のある素材、当社周辺の素材を活かす
<国内化成品その他>
① ライフスタイルや顧客ニーズの変化に応じた新機能製品の開発や新規需要の創出
② スペシャリティ分野強化による収益基盤の確立
③ 当社が強い分野での新規用途開発
④ 新事業、新市場への参入(グリーン&エコ製品の展開等)
グローバルカンパニーへの成長戦略
≪海外マーケット≫ [構造基盤の強化]
◇成長市場として認識し、グローバル化を図り、シェア拡大を目指す
1)アジア/新興国を中心とした販売強化
2)生産拠点の強化
<改良剤(食品用/化成品用)>
① これまでの設備拡充を基盤とし、高付加価値製剤の強化
② 新組織/グローバルマーケティング部による新市場、新業界への参入
③ 海外生産会社のローコストプロダクションによる収益体質強化
<青島福生食品>
① 収益の改善・向上に向けたビジネスモデル転換の推進
・機械化によるローコストプロダクション推進
・新事業分野へのチャレンジ
・内需の高まる中国国内市場の開拓
なお、「現中期経営計画」の最終年度における数値目標は下表のとおりであります。
(1)連結業績目標
(単位:百万円)
|
|
第80期 (平成28年3月期) |
第82期 (平成30年3月期) |
|
|
実績 |
目標 |
|
売上高 |
88,072 |
94,500 |
|
営業利益 |
6,029 |
7,500 |
|
経常利益 |
5,343 |
7,500 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
4,129 |
5,100 |
(2)事業別売上高目標
(単位:百万円)
|
|
第80期 (平成28年3月期) |
第82期 (平成30年3月期) |
|
|
実績 |
目標 |
|
国内食品事業 |
57,280 |
60,800 |
|
国内化成品その他事業 |
5,903 |
6,800 |
|
海外事業 |
26,126 |
28,300 |
|
セグメント売上高 |
89,310 |
95,900 |
|
調整額 |
△1,237 |
△1,400 |
|
連結売上高 |
88,072 |
94,500 |
(3)目標とする経営指標
当社グループは、持続的成長と収益性および資本効率向上の尺度として自己資本利益率(ROE)の向上を追求してまいります。第82期(平成30年3月期)ROE6.0%以上を目指し、取り組みを推進します。
先行き不透明な時代にあってこそ、「信頼に応える安全な製品の提供」の基本姿勢を堅持して社会への貢献を果たす中で、一層の収益基盤の向上と持続的成長が可能な強い企業体質の構築を目指して、スピード感を伴った経営を推進してまいります。
(※)この中期経営計画は、本資料策定時点において入手可能な情報に基づいて策定したものです。実際の業績等は、今後さまざまな要因によって記載内容と異なる可能性があります。
当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)安全性のリスクについて
当社グループは、世界的に認められた品質管理システム(ISO、HACCP、FSSC等)に従って各種製品を製造するとともに、原材料から製品及び仕入商品について自主検査体制やトレーサビリティシステムを構築するなど、品質保証体制の強化に努めております。
しかしながら、食品をはじめとする当社が事業を営む業界においては、これまでも鳥インフルエンザ・口蹄疫・放射能汚染等さまざまな事案が発生しております。品質については万全を期しておりますが、今後においても当社グループの取り組みの範囲を超える事態の発生により、製品・商品の回収や多額の製造物賠償責任が生じた場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(2)原材料の調達リスクについて
当社グループで使用する天然物を中心とする原材料は国内外から幅広く調達しておりますが、市況の急激な変動、原産地における天候、需給バランス、社会情勢などの変化や、自然災害の発生により、安定的な価格や品質及び十分な調達量を確保出来なくなった場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(3)為替変動のリスクについて
当社グループは、海外への事業展開を進める上で輸出入取引をしておりますが、外貨建取引については為替レートの変動の影響を受けることになります。このため、為替変動に対するリスクを軽減する目的として、為替予約取引等を行いリスクヘッジしておりますが、急激な為替変動があった場合には当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、連結財務諸表作成のために在外子会社の財務諸表を円貨に換算しており、為替変動が当社グループの業績と財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)知的財産権のリスクについて
当社グループの生産する自社製品は知的財産権による保護を進めております。また、当社グループが保有する知的財産権は厳密な管理のもと、第三者の状況にも常に注意しております。
しかしながら、第三者の類似製品の発売等により自社製品のブランド価値が低下したり、あるいは将来において第三者の知的財産権を侵害しているとされた場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(5)情報、管理システムのリスクについて
当社グループは、開発・生産・販売・物流等の情報について適切なシステム管理体制をとり運営しております。また、重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。
しかしながら、情報への不正アクセスや予測不能のウイルスの侵入、その他不測の事態の発生により、社会に対する信用低下やシステムが一定期間使用できなくなった場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(6)自然災害等のリスクについて
当社グループは、国内外に複数の製造拠点を有しておりますが、当該地域において大規模な地震や風水害等の自然災害の発生により製造設備に重大な被害をうけた場合や、新型インフルエンザ等の生命・健康に重大な影響を及ぼす感染性疾病が流行拡大して人員確保が困難になった場合には、操業停止に伴う製造能力の低下と売上高の減少、設備修復費用の発生などにより、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(7)法的規制のリスク
当社グループは、事業を運営する上で、食品衛生法、JAS法、薬事法、環境リサイクル関連法規等、様々な法的規制の適用を受けております。また、日本のみならず、事業を展開する各国の関係法令、規制等の適用も受けております。このような中、当社グループにおきましてはコンプライアンス強化を第一義に、権利の保全にも万全を期しておりますが、これらの法令、規制等が変更された場合、又は予期し得ない法的規制等が新たに導入された場合、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(8)海外事業におけるリスク
当社グループは、日本国内のみならず、世界各地においても事業を展開しております。そのため、それぞれの国や地域において政治・経済・社会情勢の変化や、法令・規制の変更等のカントリーリスクを有しております。カントリーリスクにつきましては、それが顕在化する前に適切な対応が図れるよう取り組んでおりますが、予測の範囲を超えるような事象が発生した場合、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当社は、キッコーマン株式会社と資本・業務提携を行うことを平成20年6月18日開催の取締役会で決議し、同社との間で業務提携基本契約書を締結しております。
その内容は次のとおりであります。
|
契約締結日 |
契約締結先 |
資本提携の内容 |
業務提携の内容 |
|
平成20年6月18日 |
キッコーマン株式会社 |
当社株式の保有 |
・品質保証や食の安全性に関する相互協力 |
|
ただし、平成28年 |
|
|
・原料及び包装資材の共同購入、共通化の検討 |
|
4月1日に更新 |
|
取得後の株式数 |
・調達ルートの相互活用、共通化の検討 |
|
|
|
(注) 7,593,400株 |
・当社商品の海外での販売促進 |
|
|
|
(発行済株式総数 |
・キッコーマン株式会社の商品開発と販売促進における |
|
|
|
の32.10%) |
国内外の当社アプリケーションセンターの活用 |
|
|
|
|
・両社が保有する原料を有効活用するための共同研究 |
(注)キッコーマン株式会社は、同社の保有する当社普通株式の一部である6,600,000 株(発行済株式総数の27.90%)について、当社が実施した自己株式の公開買付けに応募し、平成28年6月22日付で当社が買い受けいたしました。
研究開発活動は、当社の本社開発部門が中心となり、当社の各工場に設置されている研究部門及び連結子会社の研究部門と密接な連携のもとに、当社の得意分野における基礎研究及び応用研究、新市場創出に繋がる新商品開発を行っています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、26億33百万円で売上高に対する比率は、3.0%です。
セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりです。
(国内食品事業)
食品市場においては消費増税の影響が大きく生活防衛型の商品が伸長していますが、一方でプレミアム型の価値訴求商品の流れも出来つつあり、二極化傾向の市場環境となっています。その様な環境下において健康、簡便をキーワードとした開発、市場創造型の新商品開発に注力しました。
家庭用食品においては、ドレッシングを中心に開発を行いました。ノンオイル・レギュラーシリーズは、「くせになるタイ風サラダ」、「胡麻とすだち」、ノンオイル・セレクティ®シリーズは、「りんごと香味野菜」を発売しました。また、オイル入りドレッシング・サラダデュオ®シリーズを導入し、新商品として「ごまわさび」、「和風バルサミコ®」、「オニオンサワークリーム」を発売しました。わかめスープはシリーズ品として「めかぶとわかめ」、「トムヤムわかめスープ」、高価格帯品として「ちょっと贅沢なわかめスープ」を発売しました。新しいわかめの食べ方の提案として「そのままサクサク食べるわかめ」を上市しました。また、市場創造型商品である化学調味料・食塩無添加の「素材力だし® だしパック」を発売しました。
業務用食品においては、ドレッシング、学校給食向け商材を中心に開発を行いました。ドレッシングは、高付加価値品である「PREMIUM STYLE ノンオイルドレッシング あめ色玉ねぎ」、「PREMIUM STYLE ノンオイルドレッシング 青じそみぞれおろし」を発売しました。学校給食向け商材は、「ヘルシーファーム® かむわかめご飯の素」、「ヘルシーファーム® やさしさいちばん®ハヤシベース」、「ヘルシーファーム® やさしさいちばん®コーンシチューベース」、「ヘルシーファーム® 中華だしの素」を発売しました。また、外食向けに、「ラクック®香味百選® わさび醤油だれ」、「ラクック®香味百選® 焦がしにんにくソース」、「ラクック®香味百選® ケイジャンソース」を発売しました。
健康機能食品への取組みでは、天然色素の機能性開発及び海藻由来の機能性開発や応用研究を推進しました。その中で、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)対応素材として「パプリカロテン®」を上市しました。「パプリカロテン®」はパプリカ色素に含まれるカロテノイドを濃縮したもので、高齢化社会に向けて提案して行きます。
食品用改良剤では、当社のキーマテリアルである乳化剤を中心とした研究開発を実施しています。
乳化剤を主体とする食品用改良剤には食品に対する多くの機能があるために、様々な加工食品に色々な機能として使用されていて、その対象食品はパン、麺、豆腐、和菓子、洋菓子、飲料、製菓、加工油脂など多岐にわたっています。
食品用改良剤の取引先である加工食品メーカーは、日々変化する消費者のニーズに応えるよう商品開発を実施しています。当社では、それぞれの食品対して食品用改良剤の効果を技術グループ、アプリケーションセンターで検証し、加工食品メーカーへの新商品の提案や加工食品メーカーが抱える課題に対する問題解決型の提案を実施しています。
ビタミン関係では、当社のキーマテリアルである天然ビタミンEを中心に、その生産技術の向上のほか、食品の安定性向上に寄与する酸化防止剤としての機能開発を実施しています。また、ビタミン類の安定化技術の開発を行い、加工食品メーカーへビタミンミックスの提案を実施しています。
天然色素類では、天然物である色素原料の調査のほか、生産技術の向上に取り組むとともに、加工食品メーカーへの提案を実施しています。
マイクロカプセルは、医薬・食品用途への応用検討を実施し、それぞれの用途における展開が進みました。
なお、食品用改良剤の分野では、日本の食品用改良剤開発部門と海外のアプリケーションセンターとの連携を積極的に取り組み、人的交流、情報の共有化を進めています。
当事業に係る研究開発費は、22億32百万円です。
(国内化成品その他事業)
化成品用改良剤では、ユーザーニーズに対応して、プラスチック、ゴム、化粧品、トイレタリー、塗料、インキなどの化学品業界への改良剤の新規商材開発、機能開発及び応用研究を行っています。
安全性の高い化成品用改良剤の開発、新規機能を有するプラスチック改良剤の研究開発に加え、地球環境問題を考慮し持続可能な社会に対応したバイオベースマテリアル材料の応用研究に取組んでいます。
当事業に係る研究開発費は、1億94百万円です。
(海外事業)
海外市場における研究開発活動は、食品用改良剤と化成品用改良剤についての展開を行っています。
食品用改良剤では、アプリケーションセンターをシンガポールと中国上海に設置して、海外市場に密着した、カスタマー視点での研究開発活動を推進しています。
RIKEVITA (SINGAPORE) PTE LTD内に設置されたアプリケーションセンターでは、パン、ケーキ、麺、冷菓、飲料、加工油脂などの製造及び実験設備を備え、国内外の理研ビタミングループで製造している製品に関して、海外市場の地域特性に対応した応用開発、新規製剤開発、取引先に対する技術サービスとその提案活動及び応用開発等を行っています。
理研維他精化食品工業(上海)有限公司内に設置されたアプリケーションセンターは上海中心部に立地し、末端市場及び顧客の視点から、よりそのニーズに対応したソリューションを提供できる体制を整備しています。パン、ケーキ、和菓子、冷菓、麺、加工用油脂、冷凍食品等の製造及び実験設備を備え、理研ビタミングループで長年培った知見、経験を生かし、中国国内顧客の製品の改善・改良、工程改善、コストリダクション、新製品の開発などに貢献し、加工食品分野の情報発信基地として展開しています。
化成品用改良剤においては天津理研維他食品有限公司内にアプリケーションセンターを設置し、中国市場の地域特性に対応した製品開発、応用開発及び取引先への技術サービスを行い、さらに、その活動を世界市場に向けて展開を進めています。
これら海外アプリケーションセンターと国内の関連研究開発部門との連携を更に強化し、日本国内の知見、経験を取込み、海外ユーザーのみならず日本国内ユーザーの海外展開への情報サービス提供活動を展開し、海外の食品用改良剤及び化成品用改良剤の研究機能の充実と強化に向けて積極的に取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は、2億6百万円です。
当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高
売上高は880億72百万円となり、前期を24億68百万円(2.9%)上回りました。
『国内食品事業』では、「ドレッシング」の天候不順等に起因する伸び悩みがあったものの、「改良剤」を中心に全体では順調に伸長し、通期でも前期を上回る売上高となりました。また、『国内化成品その他事業』は納入先業界の需要減等の影響で前期売上を下回りましたが、『海外事業』が前期を上回る実績を確保しました。
②営業利益
営業利益は60億29百万円となり、前期を13億78百万円(29.6%)上回りました。
売上原価は、売上高の増加に伴い増加しましたが、一方で当社を含む国内グループ各社における償却方法の変更に伴う減価償却費の減少があり、全体では前期を10億64百万円(1.7%)上回る621億49百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前年に計上のあった新商品の市場導入に伴う販売プロモーション費用の圧縮等があり、全体では前期を26百万円(0.1%)上回る198億93百万円に留まりました。
③経常利益
経常利益は53億43百万円となり、前期を6億57百万円(14.0%)上回りました。
為替変動に伴う差損の発生等があったものの、前期を上回る実績を確保しました。
④親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は41億29百万円となり、前期を3億33百万円(8.8%)上回りました。
特別損益では、特別利益として海外子会社での固定資産の一部の移転に伴う補償金の計上や東京電力株式会社の原子力発電所事故による風評被害に対する補償金などで合計12億13百万円を計上し、特別損失として、固定資産除売却損や海外関係会社整理損などで合計4億50百万円を計上しました。
(2)当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は1,090億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ50億0百万円減少しました。主な減少は有価証券8億16百万円、たな卸資産14億94百万円、投資有価証券20億92百万円であります。
負債は346億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億25百万円減少しました。主な減少は短期借入金9億38百万円、長期借入金3億3百万円、繰延税金負債11億48百万円であります。
純資産は744億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億75百万円減少しました。利益剰余金が、配当金の支払により14億0百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上41億29百万円により27億29百万円増加しました。一方で、その他有価証券評価差額金が13億60百万円、為替換算調整勘定が14億90百万円、退職給付に係る調整累計額が11億10百万円それぞれ減少しています。
(3)当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。