文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、
1.社会に対し、食を通じて健康と豊かな食生活を提供する
2.コンプライアンス精神に基づいた事業活動を行い、社会的責任を果たす
3.フレキシビリティのある、かつ、創造力に溢れた企業として発展する
4.事業活動の視点・範囲を海外にも向け[世界の理研ビタミン]としてのブランドを高める
5.人間尊重の思想に基づき魅力ある職場をつくる
の経営理念のもと、創業以来一貫して「天然物の有効利用」を事業展開の根幹に据え、独自の技術力・開発力を通じて食品・食品用改良剤・化成品用改良剤・ビタミンの各分野において多彩な品目を創り出し、日本のみならず世界各地にお届けしてまいりましたが、この姿勢はいささかも揺らぐことなく堅持してまいります。
世界的レベルで激変する政治・経済・社会情勢の下、当社グループを取り巻く事業環境もかつてないほどのスピードで大きく変化しております。このような先行き不透明な時代にあってこそ、グループ各社との緊密な連携のもと、的確かつ機動的な意思決定を行うことが強く要請されるところであります。
加えて、社会の信頼に応える公正で透明性の高いコンプライアンス体制、企業グループ全体での健全な事業運営を推進する上でのガバナンス体制のより一層の向上が求められることは自明であり、さらにはダイバーシティの推進等CSR経営に取り組むことも必然であると認識しております。
当社グループは、従前より3年間を対象とする中期経営計画を策定しております。
平成30年3月をもって区切りを迎えた「前中期経営計画」に引き続き、本年4月からの3年間を対象とする「新中期経営計画」を策定しました。当社経営理念のもと、目指すべき目標を明確にした上で、その達成に向けた経営基本戦略・事業戦略に基づく諸施策を強力に推進し、より一層の収益基盤の強化と持続的成長が可能な強い企業体質の構築を目指して、スピード感を伴った経営に取り組んでまいります。
[経営基本方針]
<1>グループ経営の推進により、事業基盤を強化し、グローバルなフィールドでの成長を図り、更なる企業価値向上を目指す
<2>独自技術の活用と、事業の選択と集中を徹底し、高付加価値製品の追求により、企業体質の強化を目指す
<3>健全な事業運営を推進するコンプライアンス体制・ガバナンス体制のもと、安全な製品の提供で社会の信頼に応える企業を目指す
[経営基本戦略]
<1>新市場創出に繋がる独自性豊かな新製品開発と新技術開発を推進する
<2>生産体制の強化に繋がる拠点再構築を推進する
<3>中核事業での国内外マーケットシェア拡大と収益力の向上を目指す
<4>将来を見据えたグローバル展開での事業戦略の一層の推進を図る
<5>品質保証体制のさらなる強化を図り、顧客・消費者の信頼を高める
<6>CSR経営の一層の推進を図る
[目指すべき姿]
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「さらなる構造基盤の強化」と「成長エンジンの加速化」 |
◇成熟市場にある国内事業では収益基盤のさらなる強化、拡大市場にある海外事業では構造基盤の強化による成長エンジンの加速化を推進し、持続的成長が可能な企業を目指す
≪国内事業≫
<家庭用食品>
① 消費者ニーズに応える調味料・即食商品の強化 ~ ドレッシング、素材力だし、スープ関連等
② 海藻トータルでの提案によるブランド価値向上 ~ 「ときめき海藻屋」活動の展開
<業務用食品>
① 海藻トータルでの提案によるブランド価値向上 ~ 冷凍海藻拡売等
② 拡大する中食(惣菜)市場への積極的提案
<加工食品用原料等>
① 高付加価値品の強化による既存主要市場のさらなる拡大
② 独自技術を活かした新規分野への用途提案
③ 新規市場獲得と高付加価値製剤の拡売によるビタミン事業の強化
<国内化成品その他>
① 既存主要市場へのさらなる提案力強化
② 独自技術を活かした新規業界への拡張
≪海外事業≫
<改良剤(食品用/化成品用)>
① 高付加価値製剤の拡販
② 販売エリアの選択と集中 ~ 成長市場のアジアを中心とした戦略
③ 海外生産本部機能の再編による国内外の連携
<青島福生食品>
① ビジネスモデル改革の加速 ~ 中国国内市場の開拓
② ローコストプロダクションの推進による効率的生産
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独自の技術力・開発力に磨きをかけ、新領域に挑戦する |
◇独自技術をベースとした開発力の強化により新規市場へ挑戦し、社会に貢献していく
≪食品事業≫
① 差別化された新規天然調味料素材の開発
② ゆりあげファクトリー*でのわかめの優良種苗開発と新規海藻養殖技術の研究
③ わかめの科学的産地判別検査(三陸、鳴門、韓国)および情報発信による産地別ブランドの価値向上
④ 海藻の健康機能のさらなる研究および情報発信による新規需要の創出
⑤ 中食(惣菜)市場への機能性調味料*のバリエーション強化
*ゆりあげファクトリー:当社の連結子会社である理研食品㈱が宮城県名取市に開設したわかめ加工と種苗の生産・研究拠点
*機能性調味料:当社の調味技術や食品用改良剤技術を活用した調味料
≪改良剤事業≫
① 新研究開発センターの開設による食品用改良剤のソリューションビジネスおよび価値創造型提案の強化
~ 基礎技術、分析・応用技術、提案手法の集約
② 食品添加物を活用した化成品用改良剤の新規分野への展開
~ 農業分野での防虫機能等
≪ヘルスケア事業≫
① 機能性表示食品の強化による新規需要の取り込み
~ クロセチン等のエビデンス強化
② マイクロカプセル事業の拡大に向けた研究 ~ 新機能提案による用途拡大
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CSR経営の推進 |
◇当社グループの「CSR基本方針」に基づき、ステークホルダーを重視した活動を推進し、社会の持続可能な発展に貢献する
≪社会貢献≫
ゆりあげファクトリーの種苗提供を通じた海藻養殖業の生産性向上と作業負荷低減
≪コミュニティ≫
食育活動の推進 ~ 日本の伝統食材のひとつであるわかめを通じ、子供たちの健康や食知識を豊かにする
「わかめ学習出前授業」の実施
≪取引先≫
持続可能な調達への対応 ~ FSC認証*、RSPO認証*
*FSC認証:責任ある森林管理を世界に普及させることを目的とする「森林管理協議会(Forest Stewardship Council)」が運営する国際的な森林認証制度
*RSPO認証:環境・社会に配慮したパーム油の生産を推進する「持続可能なパーム油のための円卓会議 (Roundtable on Sustainable Palm Oil)」が運営するパーム油の国際的な認証制度
≪株主≫
長期的な視野に立ち、株主を重視した安定的な利益還元の実施
≪企業風土≫
当社の自由闊達な社風に加え、当社グループの全従業員がより働きやすい職場環境・企業風土の醸成
なお、「新中期経営計画」の最終年度における数値目標は、下表のとおりであります。
(1)連結業績目標
(単位:百万円)
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第82期 (平成30年3月期) |
第85期 (中期経営計画最終年度) |
|
|
実績 |
目標 |
|
売上高 |
89,515 |
97,000 |
|
営業利益 |
6,264 |
8,000 |
|
経常利益 |
5,427 |
7,700 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
5,640 |
5,400 |
(2)事業別売上高目標
(単位:百万円)
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|
第82期 (平成30年3月期) |
第85期 (中期経営計画最終年度) |
|
|
実績 |
目標 |
|
国内食品事業 |
59,059 |
63,000 |
|
国内化成品その他事業 |
6,577 |
7,000 |
|
海外事業 |
25,258 |
28,500 |
|
セグメント売上高 |
90,895 |
98,500 |
|
調整額 |
△1,379 |
△1,500 |
|
連結売上高 |
89,515 |
97,000 |
(3)目標とする経営指標
当社グループは、持続的成長と資本効率向上の尺度として自己資本利益率(ROE)の向上を追求してまいります。第85期(新中期経営計画最終年度)ROE8.0%以上を目指し、さらに将来的には営業利益100億円突破に向け、取り組みを推進します。
先行き不透明な時代にあってこそ、「信頼に応える安全な製品の提供」の基本姿勢を堅持して社会への貢献を果たす中で、一層の収益基盤の強化と持続的成長を可能とする強い企業体質の構築を目指して、スピード感を伴った経営を推進してまいります。
(※)この中期経営計画は、本資料策定時点において入手可能な情報に基づいて策定したものです。
実際の業績等は、今後さまざまな要因によって記載内容と異なる可能性があります。
当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)安全性のリスクについて
当社グループは、世界的に認められた品質管理システム(ISO、HACCP、FSSC等)に従って各種製品を製造するとともに、原材料から製品及び仕入商品について自主検査体制やトレーサビリティシステムを構築するなど、品質保証体制の強化に努めております。
しかしながら、食品をはじめとする当社が事業を営む業界においては、これまでも鳥インフルエンザ・口蹄疫・放射能汚染等さまざまな事案が発生しております。品質については万全を期しておりますが、今後においても当社グループの取り組みの範囲を超える事態の発生により、製品・商品の回収や多額の製造物賠償責任が生じた場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(2)原材料の調達リスクについて
当社グループで使用する天然物を中心とする原材料は国内外から幅広く調達しておりますが、市況の急激な変動、原産地における天候、需給バランス、社会情勢などの変化や、自然災害の発生により、安定的な価格や品質及び十分な調達量を確保出来なくなった場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(3)為替変動のリスクについて
当社グループは、海外への事業展開を進める上で輸出入取引をしておりますが、外貨建取引については為替レートの変動の影響を受けることになります。このため、為替変動に対するリスクを軽減する目的として、為替予約取引等を行いリスクヘッジしておりますが、急激な為替変動があった場合には当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、連結財務諸表作成のために在外子会社の財務諸表を円貨に換算しており、為替変動が当社グループの業績と財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)知的財産権のリスクについて
当社グループの生産する自社製品は知的財産権による保護を進めております。また、当社グループが保有する知的財産権は厳密な管理のもと、第三者の状況にも常に注意しております。
しかしながら、第三者の類似製品の発売等により自社製品のブランド価値が低下したり、あるいは将来において第三者の知的財産権を侵害しているとされた場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(5)情報、管理システムのリスクについて
当社グループは、開発・生産・販売・物流等の情報について適切なシステム管理体制をとり運営しております。また、重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。
しかしながら、情報への不正アクセスや予測不能のウイルスの侵入、その他不測の事態の発生により、社会に対する信用低下やシステムが一定期間使用できなくなった場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(6)自然災害等のリスクについて
当社グループは、国内外に複数の製造拠点を有しておりますが、当該地域において大規模な地震や風水害等の自然災害の発生により製造設備に重大な被害をうけた場合や、新型インフルエンザ等の生命・健康に重大な影響を及ぼす感染性疾病が流行拡大して人員確保が困難になった場合には、操業停止に伴う製造能力の低下と売上高の減少、設備修復費用の発生などにより、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(7)法的規制のリスク
当社グループは、事業を運営する上で、食品衛生法、JAS法、薬事法、環境リサイクル関連法規等、様々な法的規制の適用を受けております。また、日本のみならず、事業を展開する各国の関係法令、規制等の適用も受けております。このような中、当社グループにおきましてはコンプライアンス強化を第一義に、権利の保全にも万全を期しておりますが、これらの法令、規制等が変更された場合、又は予期し得ない法的規制等が新たに導入された場合、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(8)海外事業におけるリスク
当社グループは、日本国内のみならず、世界各地においても事業を展開しております。そのため、それぞれの国や地域において政治・経済・社会情勢の変化や、法令・規制の変更等のカントリーリスクを有しております。当該リスクにつきましては、それが顕在化する前に適切な対応が図れるよう取り組んでおりますが、予測の範囲を超えるような事象が発生した場合、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績の概況
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)におけるわが国経済は、個人消費については企業業績の好調に伴う雇用・所得環境の好転を背景に、緩やかな回復基調で推移しております。一方、海外経済は、米国、欧州ともに緩やかな回復を維持しておりますが、米中の貿易摩擦懸念など各国の政治政策動向及び地政学的リスクの高まり等により、先行きの不透明感は払拭出来ない状況が続いております。
また、食品業界においては、フードディフェンスを含めた食の安全・安心への対策は必須の取り組みとして強化が求められております。加えて競争激化が進む国内市場においては少子・高齢化などに対する戦略の強化、海外市場においては成長が見込めるエリアへの戦略の構築が強く求められる状況にあります。
このような事業環境のもと、当社グループは、平成27年4月より平成30年3月までの3年間を対象として、
◇成熟市場として認識する「国内マーケット」における[収益基盤の確立]
◇成長市場として認識する「海外マーケット」における[構造基盤の強化]
(グローバルカンパニーとしての揺るぎない体制構築に繋がる成長戦略策の推進)
を基本に据えた「中期経営計画」を策定しており、最終年度の取り組みを推進してまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、『国内食品事業』、『国内化成品その他事業』、『海外事業』がそれぞれ前期を上回る実績を確保し、売上高は895億15百万円(前期比23億34百万円、2.7%増)となりました。
利益面では、営業利益は62億64百万円(前期比7億96百万円、11.3%減)と前期を下回りました。効率的な生産オペレーションの推進や販売促進費の効率的な使用などを推進しましたが、原材料の価格上昇や『海外事業』の収益悪化が影響を及ぼしました。
経常利益は54億27百万円(前期比10億62百万円、16.4%減)と前期を下回りました。営業外費用として、前期は自己株式の取得に伴う自己株式取得費用73百万円及び支払手数料2億65百万円を計上し、当期は在外子会社への現地通貨建ての貸付金に対し締結した通貨スワップ契約の時価評価に伴うデリバティブ評価損6億12百万円を計上しております。
親会社株主に帰属する当期純利益は56億40百万円(前期比13億9百万円、30.2%増)と前期を上回りました。前期は固定資産の減損損失5億6百万円を特別損失に計上した一方、当期は当社が保有する投資有価証券の一部を売却したことにより投資有価証券売却益29億11百万円を特別利益に計上しております。
セグメント毎の経営成績の概況
国内食品事業
『家庭用食品』では、乾燥わかめ「ふえるわかめちゃん®」や「わかめスープ」等が堅調な推移を示しました。また、本年2月に全面リニューアルを実施しました「リケンのノンオイル セレクティ®」がご好評をいただいている一方、「ノンオイルドレッシング」全体では前期より売上が減少しました。この結果、『家庭用食品』の売上は、前期を下回る結果となりました。
『業務用食品』では、調味料スープ関係が堅調に推移したことに加え、冷凍海藻の着実な伸長もあり、売上は前期を上回りました。
『加工食品用原料等』では、販売および技術・開発部門の連携による顧客ニーズに的確に応えるソリューションビジネスの着実な展開により、食品用改良剤分野での売上が堅調に推移し、部門全体では前年同期を上回る売上を確保しました。
これらの結果、各部門における売上高は、『家庭用食品』153億24百万円(前期比1億77百万円、1.1%減)、『業務用食品』215億92百万円(前期比1億89百万円、0.9%増)、『加工食品用原料等』221億42百万円(前期比7億62百万円、3.6%増)となり、当セグメント全体の売上高は、590億59百万円(前期比7億74百万円、1.3%増)となりまし
た。
また、営業利益では、高付加価値商品の提案、販売促進費の適切な運用等の政策を推進しましたが、原材料費の上昇等により、前期より1億47百万円減少の66億7百万円となりました。
国内化成品その他事業
プラスチック・農業用フィルム・食品用包材・ゴム製品・化粧品などの工業用分野に、加工性向上および帯電防止・防曇等の機能性を付加する『化成品(改良剤)』では、顧客ニーズを捉えたソリューションビジネスが奏功し、部門全体の売上は前期を上回りました。
また、『その他』の事業でも、飼料用油脂の売上が前期を上回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は65億77百万円(前期比3億94百万円、6.4%増)となりました。これに伴う営業利益は7億65百万円(前期比89百万円増)となりました。
海外事業
情報発信基地としての役割を担う「アプリケーションセンター」の機能を活かす中で、アジア・欧米をはじめとする各エリアの既存市場での深耕および成長が見込める新市場の開拓・販売拡大に取り組む活動の推進により『改良剤』分野においては、ソリューションビジネスを積極的に展開した結果、売上は前期を上回る実績を確保しましたが、販売競争の激化等により、営業利益は減少しました。
また、水産加工品が高いウエイトを占める『青島福生食品有限公司』においては、売上は前年実績を上回りましたが、構造改革の遅れ等により、営業利益を確保することが出来ませんでした。
この結果、当セグメントの売上高は、前期から14億65百万円(6.2%)増加した252億58百万円となり、営業損失7億11百万円(前期比7億74百万円減)となりました。
中期経営計画との比較分析
当連結会計年度は当社グループが平成27年4月より平成30年3月までの3年間を対象として策定した「中期経営計画」の最終年度であり、その数値目標との比較では、売上高、営業利益及び経常利益は目標を下回りましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として投資有価証券売却益29億11百万円を計上した結果、目標を上回りました。
成熟市場として認識する「国内マーケット」における[収益基盤の確立]については、
・不採算品目、不採算事業の整理
・付加価値製品の拡売
・新分野への提案(改良剤事業他)
といった収益基盤の強化に向けた取組みを強力に推進したことで、不採算品目の政策的終売や家庭用ノンオイルドレッシングの低迷等による売上減少はあったものの、売上高、営業利益の双方で一定の成果を挙げることができました。
『国内食品事業』の売上高は「前中期経営計画」の最終年度である平成27年3月期から28億21百万円(5.0%)増加し、これに伴う営業利益は26億38百万円(66.5%)増加しました。営業利益率は平成27年3月期の7.1%から11.2%に4.1ポイント上昇しております。
また『国内化成品その他事業』の売上高は「前中期経営計画」の最終年度である平成27年3月期から4億8百万円(6.6%)増加し、これに伴う営業利益は4億1百万円(110.2%)増加しました。営業利益率は平成27年3月期の5.9%から11.6%に5.7ポイント上昇しております。
一方、成長市場として認識する「海外マーケット」における[構造基盤の強化]については、
・改良剤生産拠点であるリケビタ・マレーシアの生産設備拡張
・海外アプリケーションセンターの強化
といった当社グループが「成長エンジン」と位置付ける『海外事業』の生産・開発体制の整備を推進しました。しかしながら、改良剤原体の価格競争による利益の減少に加え『青島福生食品有限公司』のビジネスモデル改革に遅れが生じたことで営業利益段階で赤字を計上することとなりました。
『海外事業』の売上高は「前中期経営計画」の最終年度である平成27年3月期から8億97百万円(3.7%)増加しましたが、これに伴う営業利益は14億45百万円減少しました。
目標とする経営指標との比較分析
当社グループは、持続的成長と収益性及び資本効率向上の尺度として目標とする経営指標に自己資本利益率(ROE)を設定し、「中期経営計画」の最終年度である当連結会計年度のROE8.0%以上を目指し、取り組みを推進してまいりました。
資本収益性の面では、国内(国内食品事業及び国内化成品その他事業)における収益基盤の強化を反映し売上高営業利益率が上昇しました。また、当連結会計年度に計上した特別利益の投資有価証券売却益の計上がROEの上昇に貢献しました。
資本政策の面では、前連結会計年度(平成28年4月~平成29年3月)に実施した自己株式244億20百万円の取得を反映し自己資本比率が低下しました。
これらの結果、当連結会計年度のROEは10.0%となり目標値を2.0ポイント上回りました。
(2) 財政状態の概況
当連結会計年度末の総資産は1,121億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億44百万円増加しました。主な増加は、受取手形及び売掛金で34億47百万円であります。
負債は520億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億47百万円減少しました。主な減少は、短期借入金44億94百万円であります。
純資産は601億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ61億92百万円増加しました。主な要因として、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上で56億40百万円増加し、剰余金の配当で10億67百万円減少しました。また、自己株式が新株予約権の行使による処分等で16億85百万円減少しました。
(3) キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は144億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億18百万円減少しました。
営業活動におけるキャッシュ・フローは57億53百万円の収入となりました。主な増加は税金等調整前当期純利益82億77百万円、減価償却費36億39百万円、主な減少は売上債権の増加33億42百万円、投資有価証券売却益29億11百万円であります。
投資活動におけるキャッシュ・フローは16億17百万円の支出となりました。主な増加は投資有価証券の売却30億14百万円、主な減少は有形固定資産の取得29億97百万円、投資有価証券の取得21億44百万円であります。
営業活動におけるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは41億36百万円の純収入となっております。
財務活動におけるキャッシュ・フローは58億69百万円の支出となりました。主な増加は新株予約権の行使による収入19億99百万円、主な減少は短期借入金の減少45億7百万円、長期借入金の返済22億3百万円であります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
国内食品事業 |
56,900 |
100.8 |
|
国内化成品その他事業 |
5,637 |
107.0 |
|
海外事業 |
24,027 |
110.7 |
|
合計 |
86,565 |
103.8 |
(注)1.金額は生産者販売価格で算出しており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは一部の製品について受注生産を行っておりますがウエイトも小さく、大部分の製品は販売計画に基づく生産計画に従った見込生産を主体としております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
国内食品事業 |
58,769 |
101.1 |
|
国内化成品その他事業 |
6,577 |
106.4 |
|
海外事業 |
24,169 |
105.6 |
|
合計 |
89,515 |
102.7 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメントの各事業内容は次のとおりであります。
国内食品事業……………………一般家庭向け加工食品、業務用市場向け加工食品、食品業界向け加工食品用原料・食品用改良剤・ビタミンなどの製造、販売
国内化成品その他事業…………化成品用改良剤、飼料用添加物などの製造、販売
海外事業…………………………食品用改良剤、化成品用改良剤、水産加工品、冷凍野菜などの製造、販売
4.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
当社は、キッコーマン株式会社と資本・業務提携を行うことを平成20年6月18日開催の取締役会で決議し、同社との間で業務提携基本契約書を締結しております。
その内容は次のとおりであります。
|
契約締結日 |
契約締結先 |
資本提携の内容 |
業務提携の内容 |
|
平成20年6月18日 |
キッコーマン株式会社 |
当社株式の保有 |
・品質保証や食の安全性に関する相互協力 |
|
ただし、平成30年 |
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・原料及び包装資材の共同購入、共通化の検討 |
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4月1日に更新 |
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株式数 |
・調達ルートの相互活用、共通化の検討 |
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|
|
993,400株 |
・当社商品の海外での販売促進 |
|
|
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(発行済株式総数 |
・キッコーマン株式会社の商品開発と販売促進における |
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|
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の4.88%) |
国内外の当社アプリケーションセンターの活用 |
|
|
|
|
・両社が保有する原料を有効活用するための共同研究 |
研究開発活動は、当社の本社開発部門が中心となり、当社の各工場に設置されている研究部門及び連結子会社の研究部門と密接な連携のもとに、当社の得意分野における基礎研究及び応用研究、新市場創出に繋がる新商品開発を行っています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、28億95百万円で売上高に対する比率は、3.2%です。
セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりです。
(国内食品事業)
食品市場は、生活防衛型の商品とプレミアム型の価値訴求商品の二極化傾向の市場環境となっています。その様な環境下において、当社の強いカテゴリーへの商品開発に注力しました。
家庭用食品においては、主力商品のノンオイル・セレクティ®シリーズのリニューアルを行いました。生産設備を一新し、また消費者ニーズを取り入れ、PET容器化、小容量化、開封しやすいキャップや分別廃棄しやすい包装への変更を行いました。中身につきましても、原料、製法の見直しにより、まろやかでしっかりとしたコクが味わえるノンオイルドレッシング“コクがあってノンオイル”を実現しました。「あめ色玉ねぎ」、「こく仕立て和風」、「胡麻」、「シーザーサラダ」のリニューアルを行うほか、新商品として「青じそ香るみぞれおろし」、「玉ねぎいっぱいイタリアン」を発売しました。ノンオイル・レギュラーシリーズも引き続き“天才調味料”としての汎用性の訴求を進め、「青じそ塩レモン」のリニューアルを行うほか、新商品「くせになるペッパー」を発売しました。また、わかめスープシリーズでは、新商品「わかめとたまごのスープ」を発売し、海藻サラダでは、「さっぱりおいしい海草サラダ」のリニューアルを行うほか、新商品「チョレギ風海藻サラダ」を発売しました。
業務用食品においては、産業給食、外食向け商材を中心に開発を行いました。外食向けに付加価値型ドレッシングの「PREMIUM STYLE 東京フレンチ」、「PREMIUM STYLE オーロラサラダ」を発売、産業給食および外食向けに風味調味料の「海宝だし」を発売、老健市場向けに「冷凍海藻そのまま手軽にすりおろし風めかぶ」を発売しました。
○海藻養殖の生産安定化に向けて
平成29年7月、当社の国内子会社である理研食品㈱は、宮城県名取市にわかめ加工と種苗の生産・研究拠点として「ゆりあげファクトリー」を開設しました。
近年のわかめ養殖産業を取り巻く課題として、①気候変動による生産量低下、②生産者の方々の高齢化、③寒冷期の苛酷な労働条件などが挙げられます。特に、水温が不安定な年は、海上での養殖初期段階で「芽落ち」と呼ばれる生長不良が起こり、わかめ生産量低下の原因のひとつとなっています。
こうした環境下、「わかめの苗」ともいえる種苗を養殖水槽を用いて、高生長種苗、早生(わせ)・晩生(おくて)種苗など優良系統の選抜技術を開発・実用化するとともに、環境変動に対応したわかめ養殖の安定生産、労働の軽減化及び年に複数回の養殖による生産量の増加など生産性向上を目指した研究を行っています。
わかめの産業の取り巻く課題に対して、研究開発の視点から多面的に提案を行い、海藻産業の活性化に貢献していきます。
「ゆりあげファクトリー」は、東日本大震災において甚大な被害を受けた閖上地区の復興と地域水産業の活性化を目的とした名取市の水産業共同利用施設復興整備事業でもあります。
健康機能食品への取組みでは、天然色素の機能性開発及び海藻由来の機能性開発や応用研究を推進しました。その中で、わかめを摂取することにより、便通と腸内環境が改善されることを発表しました。
食品用改良剤では、当社のキーマテリアルである乳化剤を中心とした研究開発を実施しています。
乳化剤を主体とする食品用改良剤には食品に対する多くの機能があるために、様々な加工食品に色々な機能として使用されており、その対象食品はパン、麺、豆腐、和菓子、洋菓子、飲料、製菓、加工油脂など多岐にわたっています。
食品用改良剤の取引先である加工食品メーカーは、日々変化する消費者のニーズに応えるよう商品開発を実施しています。当社では、それぞれの食品に対して食品用改良剤の効果を技術グループ、アプリケーションセンターで検証し、加工食品メーカーへの新商品の提案や加工食品メーカーが抱える課題に対する問題解決型の提案を実施しています。
ビタミン関係では、当社のキーマテリアルである天然ビタミンEを中心に、その生産技術の向上のほか、食品の安定性向上に寄与する酸化防止剤としての機能開発を実施しています。また、ビタミンの安定化技術の開発を行い、加工食品メーカーへビタミンミックスの提案を実施しています。
天然色素では、天然物である色素原料の調査のほか、生産技術の向上に取り組むとともに、加工食品メーカーへの提案を実施しています。
マイクロカプセルでは、医薬・食品用途への応用検討を実施し、それぞれの用途における展開を進めています。
当事業に係る研究開発費は、24億48百万円です。
(国内化成品その他事業)
化成品用改良剤では、ユーザーニーズに対応して、プラスチック、ゴム、化粧品、トイレタリー、塗料、インキなどの化学品業界への改良剤の新規商材開発、機能開発及び応用研究を行っています。
安全性の高い化成品用改良剤の開発、新規機能を有するプラスチック改良剤の研究開発に加え、環境問題を考慮し持続可能な社会に対応したバイオベースマテリアルの応用研究に取組んでいます。
当事業に係る研究開発費は、2億12百万円です。
(海外事業)
海外市場における研究開発活動は、食品用改良剤と化成品用改良剤についての展開を行っています。
食品用改良剤では、アプリケーションセンターをシンガポールと中国上海に設置して、海外市場に密着した、顧客視点での研究開発活動を推進しています。
RIKEVITA (SINGAPORE) PTE LTD内に設置されたアプリケーションセンターでは、パン、ケーキ、麺、冷菓、飲料、加工油脂などの製造及び実験設備を備え、国内外の理研ビタミングループで製造している製品に関して、海外市場の地域特性に対応した応用開発、新規製剤開発、取引先に対する技術サービスとその提案活動及び応用開発等を行っています。
理研維他精化食品工業(上海)有限公司内に設置されたアプリケーションセンターは上海中心部に立地し、末端市場及び顧客の視点から、よりそのニーズに対応したソリューションを提供できる体制を整備しています。パン、ケーキ、和菓子、麺、冷凍食品等の製造及び実験設備を備え、理研ビタミングループで長年培った知見、経験を生かし、中国国内顧客の製品の改良、工程改善、コストリダクション、新製品の開発などに貢献し、加工食品分野の情報発信基地となっています。
化成品用改良剤においては天津理研維他食品有限公司内にアプリケーションセンターを設置し、中国市場の地域特性に対応した製品開発、応用開発及び取引先への技術サービスを行い、さらに、その活動を世界市場に向けて展開を進めています。
これら海外アプリケーションセンターと国内の関連研究開発部門との連携を更に強化し、人的交流、情報の共有化を進め、日本国内の知見、経験を取込み、海外ユーザーのみならず日本国内ユーザーの海外展開への情報サービス提供活動を展開し、海外の食品用改良剤及び化成品用改良剤の研究機能の充実と強化に向けて積極的に取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は、2億34百万円です。