当事業年度におけるわが国の経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が進むなか緩やかな回復基調が続いたものの、中国をはじめとする新興国の景気減速に加え、英国のEU離脱問題や米国新政権の政策に関する不確実性の影響等への懸念が高まるなど、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。
医薬品業界では、平成27年9月に厚生労働省が策定した医薬品産業強化総合戦略が実行に移されており、薬価の毎年改定の方針が示されるなど取り巻く環境が急速に変化し、経営のさらなる強化が求められるなか、研究開発費の増加、開発リスクの増大、企業間競争の激化など厳しい事業環境が続きました。
このような状況のもと、当社は、主力製品の人工腎臓用透析剤キンダリーなど人工透析関連製商品および輸液などのより強固な浸透を図るとともに、慢性腎不全用剤「球形吸着炭」、カルニチン欠乏症改善剤「レボカルニチン塩化物錠」や排尿障害改善剤「ナフトピジルOD錠」などの後発医薬品の販売促進にも注力してまいりました。
その結果、当事業年度の業績につきましては、売上高は人工腎臓用透析剤キンダリーの売上が伸長し、467億82百万円と前年同期と比べ10億29百万円(2.2%)の増加となりました。利益面では売上高の増加により、営業利益は6億56百万円と前年同期と比べ3億59百万円(121.2%)の増加、経常利益は6億42百万円と前年同期と比べ4億69百万円(272.4%)の増加となり、また、特別利益に保有不動産の固定資産売却益4億77百万円を計上いたしました結果、当期純利益は8億61百万円(前年同期は10百万円の利益)となりました。
当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ55百万円減少し、49億51百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロ-)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権やたな卸資産の増加等があったものの、税引前当期純利益や減価償却費の計上等により18億76百万円の収入となりました。(前事業年度は21億17百万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロ-)
投資活動によるキャッシュ・フロ-は、有形固定資産の売却による収入等があったものの、有形固定資産の取得による支出等により7億86百万円の支出となりました。(前事業年度は53億36百万円の支出)
(財務活動によるキャッシュ・フロ-)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の増加等があったものの、自己株式の取得や配当金の支払等により11億45百万円の支出となりました。(前事業年度は23億26百万円の収入)
当事業年度における生産実績を医薬品事業の薬効別に示すと、次のとおりであります。
医薬品事業
|
内訳 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
神経系用薬 |
246 |
△14.9 |
|
アレルギー用薬 |
8 |
105.0 |
|
循環呼吸器用薬 |
260 |
17.5 |
|
消化器官用薬 |
496 |
0.7 |
|
ビタミン剤 |
683 |
△18.1 |
|
滋養強壮変質剤 |
1,036 |
8.5 |
|
血液体液用薬 |
20,270 |
△3.7 |
|
その他の代謝性用薬 |
142 |
△8.1 |
|
調剤用薬 |
593 |
△31.9 |
|
その他 |
30 |
26.6 |
|
合計 |
23,768 |
△8.6 |
(注) 1 金額は、卸売価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
該当事項はありません。
当事業年度における販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
|
事業の名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
医薬品事業 |
46,613 |
2.3 |
|
不動産事業 |
168 |
△0.9 |
|
合計 |
46,782 |
2.2 |
|
医薬品事業の内訳 |
|
|
|
神経系用薬 |
381 |
△2.5 |
|
アレルギー用薬 |
18 |
△78.0 |
|
循環呼吸器用薬 |
431 |
△8.1 |
|
消化器官用薬 |
895 |
△1.0 |
|
泌尿生殖器用薬 |
2,529 |
△3.5 |
|
ビタミン剤 |
703 |
△10.1 |
|
滋養強壮変質剤 |
1,674 |
0.0 |
|
血液体液用薬 |
32,287 |
7.5 |
|
その他の代謝性用薬 |
899 |
32.2 |
|
化学療法剤 |
52 |
△9.4 |
|
調剤用薬 |
771 |
△0.3 |
|
その他 |
357 |
0.6 |
|
医療用機械器具 |
5,609 |
△16.8 |
|
合計 |
46,613 |
2.3 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱スズケン |
6,426 |
14.1 |
8,663 |
18.6 |
|
アルフレッサ㈱ |
6,660 |
14.6 |
7,818 |
16.8 |
|
東邦薬品㈱ |
3,891 |
8.5 |
6,457 |
13.9 |
|
㈱メディセオ |
5,051 |
11.1 |
5,534 |
11.9 |
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、医療用医薬品を主力とする医薬品メーカーであります。社会の高齢化が進むなか、医療技術の進歩と国民意識の健康福祉指向を背景に、医療ニーズの増大と多様化に対応する医薬品の開発とその安定供給に努めることにより生命関連産業の一員としての本分を尽くし、株主をはじめとした関係者の皆様の期待に応えていくことを経営の基本方針といたしております。
(2)目標とする経営指標
経営指標につきましては、特定の経営指標を定めておりませんが、当社は健全性、収益性、効率性、成長性などを総合的に勘案し、持続的かつ安定的な企業価値の向上を重視しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社の売上の主力は血液体液用薬であり、その主柱であります人工腎臓用透析剤の需要見通しが中期戦略のポイントとなります。人工透析を必要とされる患者様に対する関連製品の迅速かつ安定的な供給を行うために基幹政策として建設した岡山・茨城両工場の生産性向上を図るとともに、現下の厳しい経営環境に対処すべく、新しい医療ニーズに応えた製品の開発・育成により透析関連製品と並ぶ新たな主力製品群を確立し、将来に向けて安定した成長を目指してまいります。
(4)会社の対処すべき課題
イ 当社は、社会から信頼される企業であり続けるため、次の課題に取り組んでまいります。
営業面では、主力製品を中心に市場へのさらなる浸透による販売強化に全力を挙げて取り組んでまいります。
生産面では、設備投資の効率化や製造コストの引き下げへの合理化を推進するとともに品質管理を徹底し信頼性向上を推進いたします。なお、茨城工場において粉末型透析剤の生産設備として、第二製剤棟が平成28年4月より竣工・稼働したことにより、「キンダリー透析剤」の災害時をも含めたより一層の安定供給体制の強化が実現するところとなりました。
研究開発面では、透析医療のさらなる活性化を図り、さらに新薬開発等により、新領域の開発を推進いたします。
また、管理面では、業務の効率化とスリムで機動的な管理組織の実現により管理費のさらなる削減につなげ収益力の向上を行ってまいります。
ロ 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針は以下に定めるとおりであります。
①基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要であると考えております。上場会社である当社の株式については、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思により決定されるべきであり、当社の支配権の移転を伴う買収提案があった場合、当社株式を売却するかどうかの判断も、最終的には当社株式を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。また、当社は、当社株式について大量買付けがなされる場合、これが当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付けの中には、その目的等からして企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付けの内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。当社の経営にあたっては、当社の企業理念、企業価値の源泉等への十分な理解が不可欠であり、これらに対する十分な理解がなければ、当社の企業価値・株主共同の利益を確保、向上させることはできません。
とくに、当社の企業価値の源泉は、①生命維持の基本となる輸液や人工腎臓用透析剤等の安定的な供給を可能とする生産・供給体制、②人工腎臓用透析剤を主力とする医薬品事業を通じて構築した日本全国の病院との広範かつ強固なネットワーク、③人工腎臓用透析剤を主力とする医薬品市場における“ぶどうマーク”や“キンダリー”の高いブランド力、④社会において「なくてはならない存在」として患者の方々の生命維持と社会生活を最優先に経営してきたことにより構築した患者・卸・病院・株主・地域社会等のステークホルダーとの信頼関係、⑤医薬品の安定供給の社会的使命を全うするための必須かつ喫緊の課題である経営基盤の安定化、強化に向けた新分野開発の鋭意推進、⑥二度の大震災に際して主力製品である透析剤の安定供給へ全社総力を挙げた結果、透析治療の遅れをきたす事態の回避を実現した企業努力、⑦当社の経営理念に誇りを持ち、患者の方々の生命維持と社会生活を最優先に当社の成長・発展・進化を目指す従業員の存在にあると考えております。当社株式の大量買付けを行う者が、かかる当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付けに対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 基本方針の実現に資する特別な取組み
イ 当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上のための取組みについて
当社は、当社の強みである医薬品事業を中心とした独創的な医薬品等の開発・供給を通して、患者様の健康で豊かな生活の向上に貢献する事業活動を展開しております。また、製薬企業としての社会的使命及び責任を深く自覚し、高い倫理観のもと法令遵守を徹底するとともに、株主をはじめとするステークホルダーの皆様との信頼関係の強化に努めることによって、企業価値の向上に重点をおいた経営を推進しております。かかる基本理念のもと、当社は次の3項目を経営の中長期的な重点課題として、その実現に鋭意取り組んでおります。
(1)販売に関する施策
・透析剤トップメーカーとして、透析患者の方々にとって必要不可欠である透析剤の安定供給を最重点課題とし、透析用剤、ろ過型人工腎臓用補液、生理食塩液及び透析関連品の血液凝固阻止剤、吸着型血液浄化器、透析器などの新たな需要市場を開拓し拡販を推進する。
・ジェネリック医薬品市場拡大政策に即応し、DPC/PDPS制度(診断分類別包括評価支払制度)導入病院を中心に、後発品採用に向けた積極的な営業活動を展開する。
(2)製造に関する施策
・近年の国民医療費抑制策による薬価引き下げに対処するため生産の効率化、製造コストの引き下げへの合理化に徹した設備投資を推進する。
・医療機関のニーズに即した、より安全性の高い容器を用いたろ過型人工腎臓用補液サブラッドBSGなどの医薬品を製造する。
・信頼性保証本部との連携のもと品質管理を徹底し製品ブランドの信頼性の向上へ総力を傾注する。
・研究開発センターとの連携をも含めて、新製品の開発・量産化に備えた体制整備にも鋭意投資を進める。
(3)研究開発に関する施策
・透析関連製剤については、医療現場に即応した新製品の開発を進め、成熟期を迎えつつある透析医療分野のさらなる活性化を図り、さらに、遺伝子バイオ技術を応用した新薬開発等により、新領域の開拓も鋭意、推進する。
・研究開発センターでは、生産、営業、信頼性保証の各本部と常時密接な連携を保ちつつ、開発期間の短縮や開発コストの低減を念頭に所属員一丸で業務の効率化に取り組む。
ロ コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、経営の効率や公正性、法令遵守を確保するためのコーポレート・ガバナンスの強化は、多様なステークホルダーの皆様と適切な関係を維持し、社会的な責任を果たすことに繋がり企業価値・株主共同の利益の向上に資するものと考えております。現在当社は2名の社外取締役を選任しており、監査役3名のうち2名は社外監査役であることから、独立性の高い役員により取締役の業務執行を監視できる体制となっております。加えて、当社は内部監査室及びコンプライアンス委員会、リスク管理委員会等各種委員会を設置し、これらによる監視・統制に万全を期しております。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、上記①記載の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、平成27年6月24日開催の第92回定時株主総会において、内容を改定した上で「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を株主の皆様のご承認をいただき継続しました。本プランの概要は以下のとおりです。
本プランは、当社株式に対する大量買付けが行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大量買付けに応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とする枠組みが必要不可欠であり、これらを行っていくことにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的としております。本プランは、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付けその他の取得、もしくは当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の当該公開買付けに係る買付け等後の株券等所有割合及びその特別関係者の当該公開買付けに係る買付け等後の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けもしくはこれらに類似する行為またはこれらの提案(以下「買付等」といいます。)を適用対象とします。
買付等を行おうとする者(以下「買付者等」といいます。)に対して、当該買付等に先立ち、買付等に関する情報の提出を求めるなど、当社取締役会並びに社外取締役及び社外監査役で構成される独立委員会が当該買付等の内容の検討等を行うための手続を定めています。
独立委員会は、買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う場合、当社の企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合等、本プランに定める要件に該当する買付等であると判断した場合には、原則として、当社取締役会に対し、買収者等による権利行使は(一定の例外事由が存する場合を除き)認められないとの行使条件及び当社が買収者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項等が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の無償割当てその他の法令及び当社定款の下でとりうる適切な施策を実施すべき旨の勧告を行います。当社取締役会は、独立委員会の上記勧告を最大限尊重して、本新株予約権の無償割当て等の実施または不実施等に関する決議を行います。当社取締役会が本新株予約権の無償割当ての実施を決議した場合、当社は、本新株予約権をその時点の当社を除く全ての株主に対して無償割当ての方法により割り当てます。本プランに従った本新株予約権の無償割当て等の実施若しくは不実施又は本新株予約権の取得等の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、独立性の高い社外取締役及び社外監査役から構成される独立委員会の客観的な判断を経ることとしています。また、当社取締役会は、これに加えて、本プラン所定の場合には株主の皆様の意思を確認するための株主総会を招集し、新株予約権無償割当ての実施又は買付者等の買付等に関しての株主の皆様の意思を確認することがあります。
なお、買収防衛策の詳細につきましては、インターネットの当社ホームページ(http://www.fuso-pharm.co.jp/)に掲載しております。
本プランの有効期間は、平成27年6月24日から平成30年6月開催予定の当社定時株主総会の終結の時までです。ただし、その有効期間の満了前であっても、①当社の株主総会において本プランに係る本新株予約権の無償割当てに関する事項の決定についての取締役会への上記委任を撤回する旨の決議が行われた場合、または、②当社取締役会もしくは株主総会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることとなります。
④上記の各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記②「基本方針の実現に資する特別な取組み」に記載した各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。従って、これらの各施策は、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
上記③「基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み」に記載した本プランは、当社株券等に対する買付等がなされた際に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。
また、本プランは、買収防衛策に関する指針等の要件を充足していること、株主意思を重視するものであること、取締役の恣意的判断を排除するため本プランの発動及び運用に際しての実質的な判断が社外取締役及び社外監査役で構成される独立委員会により行われること、合理的な客観的要件が充足されなければ本プランが発動されないように設定されていること、第三者専門家の意見の取得が可能とされていることで独立委員会による判断の公正性・客観性が担保される仕組みとなっていること、デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと等の理由から、本プランは当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
当社の事業その他に関する主なリスクは以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 当社の事業に関わる法的規制リスク
当社の事業は、国内外において各国の薬事関連規則等を厳守しております。ことに、医薬品、医療用機器につきましては、開発、製造、輸入、流通及びユーザーの使用の各段階において、種々の承認・許可制度及び監視制度が設けられております。これら制度等の改正により業績に影響を与える可能性があります。
(2) 医薬品の開発及び発売に係るリスク
医療用医薬品の開発には、多大な技術的・財務的・人的資源と長い時間を要しますが、それにもかかわらず、商業的に成功する製品とはならない可能性があります。
(3) 医薬品の激しい市場競争によるリスク
製薬業界は、市場競争が激しく、また、技術の進歩が急速であるという特性があり、業界内はもとより他業種、海外企業との激しい市場競争により経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4) 医薬品の副作用に係るリスク
医薬品には、発売後予期せぬ副作用が確認される可能性があります。この新たな副作用が確認された場合には、製品の自主回収、発売中止等により業績に影響を与える可能性があります。
(5) 特定の製品への依存に関わるリスク
医薬品事業の主力製品である人工腎臓用透析剤は厳しい市場競争下にあります。透析剤メーカーとしてトップシェアを占める当社では、常にコストダウンに努めておりますが、市場環境により大幅に売上が減少した場合には、業績に影響を与える可能性があります。
(6) 有価証券、不動産などの価格変動リスク
当社は、有価証券、不動産などの価格変動リスクのあるものを保有しており、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7) その他
これらのほかにも、当社が継続して事業活動を行う過程においては、災害などにより製造が遅滞または休止するリスク、製造物責任法(PL法)関連、その他に関しての訴訟リスク、海外導入品に関わる為替変動リスクなど、様々なリスクの可能性が存在しております。
該当事項はありません。
当社における研究開発活動は、研究開発センターを中心に行っており、企業価値の源泉を向上するべく鋭意研究開発をすすめております。なかでも主要製品群である医療用医薬品事業につきましては、輸液及び人工腎臓用透析剤関連の深耕並びにバイオ関連分野の新薬シーズ開発を指向し、鋭意研究開発をすすめております。
なお、当事業年度の研究開発費は、総額22億61百万円と前年同期と比べ2.4%の増加となっております。
(1) 経営成績の分析
輸液などの基礎的医薬品の安定供給に努めるほか、業績の確保に向け、主力製品の人工腎臓用透析剤キンダリーなど人工透析関連製商品のより強固な浸透を図るとともに、慢性腎不全用剤「球形吸着炭」、カルニチン欠乏症改善剤「レボカルニチン塩化物錠」や排尿障害改善剤「ナフトピジルOD錠」などの後発医薬品の販売促進にも注力してまいりました。
その結果、当事業年度の業績につきましては、売上高は人工腎臓用透析剤キンダリーの売上が伸長し、467億82百万円と前年同期と比べ10億29百万円(2.2%)の増加となりました。利益面では売上高の増加により、営業利益は6億56百万円と前年同期と比べ3億59百万円(121.2%)の増加、経常利益は6億42百万円と前年同期と比べ4億69百万円(272.4%)の増加となり、また、特別利益に保有不動産の固定資産売却益4億77百万円を計上いたしました結果、当期純利益は8億61百万円(前年同期は10百万円の利益)となりました。
(2) 財政状態の分析
|
|
前事業年度 |
当事業年度 |
増減 |
|
資産 |
69,056百万円 |
68,788百万円 |
△268百万円 |
|
負債 |
36,440百万円 |
36,242百万円 |
△197百万円 |
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純資産 |
32,616百万円 |
32,545百万円 |
△70百万円 |
|
自己資本比率 |
47.2% |
47.3% |
0.1% |
当事業年度末の総資産は、売掛金や商品及び製品、建物や機械及び装置の増加等があったものの、土地や建設仮勘定の減少等により前事業年度末から2億68百万円(0.4%)減少し、687億88百万円となりました。
負債は、支払手形や未払法人税等の増加等があったものの、設備関係支払手形や再評価に係る繰延税金負債の減少等により前事業年度末から1億97百万円(0.5%)減少し、362億42百万円となりました。
純資産は、当期純利益の計上等による利益剰余金の増加等があったものの、自己株式の取得や保有不動産の売却に伴う土地再評価差額金の取崩等により前事業年度末から70百万円(0.2%)減少し、325億45百万円となり、自己資本比率は47.3%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。