第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

  (1) 会社の経営の基本方針

当社グループは「医薬品を中核としたトータルヘルスケアで人々の健康で豊かな生活に貢献する」ことを経営理念とし、国内外において存在価値のある企業グループとして発展することを目指しております。

  (2) 中長期的な会社の経営戦略

(1)の経営理念の下、当社はグループの経営課題としてかねてより以下の3つのミッションを掲げております。すなわち、
ⅰ)ジェネリック医薬品市場におけるプレゼンスを確立する
ⅱ)ウラリットを核として高尿酸血症領域でのフロントランナーを目指す
ⅲ)自社開発創薬により社会に貢献する
 さらに、将来にわたる当社グループの成長持続のためには、国内のみならず海外での事業拡大が不可欠と考えており、平成27年度からは
ⅳ)海外の事業基盤確立
を「3つのミッションプラス1」として加え、これらの達成を経営戦略の中心に据え、日々事業に取り組んでいます。

  (3) 当社グループをめぐる業界や市場の動向等の経営環境

医薬品業界においては、平成29年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」の中で、薬価制度の抜本的改革が盛り込まれました。これを受け、中央社会保険医療協議会で議論が進められ、平成30年4月に実施される薬価改定において、新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度や新薬のイノベーション評価、長期収載品およびジェネリック医薬品の薬価算定方式などの項目について新たな仕組みが取り入れられることとなりました。また、毎年薬価調査・毎年薬価改定につきましては、その対象範囲を平成32年度中に設定することとして引き続き検討が行われています。

  (4) 会社の対処すべき課題

 ① 販売

  1) ジェネリック医薬品

医療機関や製品ごとの戦略を見直すとともに、これまで以上に効率性を重視したMR活動の実施や子会社における販売チャネルの拡大などにより、ジェネリック医薬品市場におけるプレゼンスを維持していきます。また、オンコロジー領域においても品揃えの充実を図るとともに、引き続きがん診療連携拠点病院を中心に質の高い情報提供を行ってまいります。

  2) 主力品

アルカリ化療法剤「ウラリット-U配合散・同配合錠」(以下、ウラリット)に関しましては、腎臓内科、泌尿器科、代謝系内科などの専門医から得られた痛風・高尿酸血症における酸性尿の改善及びアシドーシスの酸塩基平衡改善の重要性を示すデータを活用しながら、医師・薬剤師などの医療関係者はもとより、患者さんへの有用な情報の発信をこれまで以上に強化し、引き続き同薬による痛風・高尿酸血症における尿アルカリ化療法の啓発、認知向上に努めてまいります。

また、「ソレトン錠80」(以下、ソレトン)、「カルバン錠25・50・100」(以下、カルバン)を含めた主力品3品のドラッグリポジショニングを目指した開発も外部と協力しながら推し進め、患者さんと医療機関のニーズに応えていきたいと考えています。

  3) 海外販売

海外においては、ASEAN、中国・香港などで早期に販売承認を得るとともに、申請準備段階にある品目についてもなるべく早く申請手続きに入り、品目数の拡大を図ってまいります。同時に、各地域における信頼できるパートナーの発掘にも尽力し、展開エリアを拡大していきます。また、当面は日本国内向けの製造拠点としてベトナムで事業展開するNippon Chemiphar Vietnam Co., Ltd.(以下、NC-VN社)ですが、将来的にはアジア地区の営業拠点としても機能できるようにしてまいります。

② 研究開発

新薬の研究開発については、領域を絞り込み、かつその領域の第一人者との共同研究を推進することを基本方針としています。そのうえで探索研究に重点を置き、その成果を早期段階で導出することで、開発上のリスクを軽減しつつ効率的に開発を進めていきます。

まず、平成29年度にフェーズⅠ試験が終了した「NC-2600」(P2X4受容体アンタゴニスト)につきましては、フェーズⅠ試験の結果を用いて導出活動を行っていきます。また、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、AMED)の新規事業である「医療研究開発革新基盤創成事業(以下、CiCLE)」に採択された抗うつ・抗不安薬「NC-2800」(オピオイドδ受容体アゴニスト)については、非臨床試験の結果をまとめフェーズⅠ試験へ移行すべく準備を実施しつつ、精神疾患領域に強い会社への導出活動を進めております。同じく、平成29年度にフェーズⅠ試験が終了した「NC-2500」(キサンチンオキシドリダクターゼ阻害薬)と非臨床試験が終了した「NC-2700」(URAT1阻害薬)についても、引き続き高尿酸血症領域での薬剤特性などをアピールし導出活動を進めてまいります。

ジェネリック医薬品の研究開発につきましては、開発の迅速化・効率化を図るべく、自社開発体制を強化するとともに、子会社である日本薬品工業株式会社(以下、日本薬品工業)及び他社との共同開発にも積極的に取り組み、品揃えの強化を進めていきます。また、他社競争優位性のある品目の開発や原薬のコスト低減などにも取り組んでまいります。

③ 生産体制

NC-VN社ベトナム工場の本格稼働後の当社グループの生産能力は、日本薬品工業つくば工場3号棟完成前(平成26年6月)の9億錠から20億錠へと引き上げられます。このNC-VN社ベトナム工場では、製造コストを日本で製造するより約3割程度低減することを目指し、平成30年度中の商業生産開始に向け、各種の薬事手続や現地人材の採用と教育など、あらゆる面で準備を進めてまいります。

当社グループはこのように安定供給能力の強化と製造原価の低減に向け、既成概念や他社の戦略にとらわれず、これからもチャレンジを続けてまいります。

④ 品質保証

製造品目数や生産能力の拡大に伴い、従来以上に取り扱う製剤及び原薬に対する品質管理の重要性が増しております。今後も日本薬品工業及びNC-VN社と連携のうえ、国内外の製剤及び原薬製造所への査察を強化し、自社製販品のみならず、導入品も含めた品質の確保に努めてまいります。

⑤ ダイバーシティ

平成28年4月より「女性活躍推進法」が施行され、社会全体で女性の活躍を支援する取り組みがスタートしました。当社においても、従来取り組んできたワークライフバランスの改善に加えて、女性活躍推進の具体的目標を定め、女性のキャリア継続やキャリアアップのための環境整備や施策を引き続き検討・実施してまいります。

また、女性の活躍のみならず、性別、年齢、国籍、障害の有無、キャリアや働き方などに対する価値観が異なる人材が、その個性や能力を十分に発揮することが会社の成長に繋がるという認識のもと、ダイバーシティ推進を重要な経営課題の一つと位置づけ、多様な人材がやりがいをもって継続して働くことができる環境構築を目指します。

 

  (5) 当社の支配に関する基本方針

 ① 基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社が企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。

当社の支配権の移転を伴う買付提案についての判断は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。

  しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。当社では、グループとして企業価値の向上・確保に努めておりますが、特に、当社の企業価値の源泉は ⅰ)新薬メーカーならではの高品質なジェネリック医薬品開発力、安定供給(製造・販売)体制及び情報提供体制、ⅱ)ウラリットを核にした高尿酸血症領域での専門知識、経験及びノウハウ、ⅲ)開発コストの低減と開発スピードの向上を企図し探索機能に特化したベンチャー型創薬研究体制、及び ⅳ)創業後60年余をかけて培った医療関係者からの信頼です。当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解するのはもちろんのこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。

当社としては、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

 ② 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

  1) 中期経営計画による取組み

当社は、近年ますますスピードが増している経済環境や制度の変化にタイムリーに対応すべく、平成27年度より期間3ヶ年の中期経営計画を毎年ロールオーバーしております。この中期経営計画においては、当社が従前取り組んで参りました3つのミッション、ⅰ)ジェネリック医薬品市場におけるプレゼンスの確立、ⅱ)ウラリットを核として高尿酸血症領域でのフロントランナーを目指すこと、ⅲ)自社開発創薬による業容拡大への更なる取り組みを継続・強化するとともに、これらの成果をベースに海外に展開することを掲げております。

まず、ジェネリック医薬品事業につきましては、目まぐるしく変化する制度環境に対応し、市場におけるプレゼンスを維持するためには、「量」よりも「質」を追求し、開発、製造、販売にわたるサプライチェーン全体を強化することが不可欠であると考えております。このような方針のもと、知財部門を含む開発体制の強化、日本薬品工業株式会社つくば工場の最新鋭製造棟や今秋に商業生産を開始する予定のNC-VN社ベトナム工場の活用による生産体制強化など、今後とも同事業の高品質化、効率化を推進してまいります。また、営業面では、これまでと同様にDPC病院を中心とした処方元への営業活動を引き続き強化していくとともに、新規取引販路の拡大に努めてまいります。

次に、高尿酸血症領域での取組みに関しましては、尿アルカリ化剤による慢性腎臓病進展抑制等の臨床研究を支援し、これを販売実績の拡大に結び付けるべく取り組んでまいります。また、高尿酸血症治療薬候補「NC-2500」はフェーズⅠ試験を終了し、NC-2500に続く新規の尿酸降下薬として開発を行っている「NC-2700」についても前臨床試験を終了し、それぞれ導出活動を開始しております。

最後に、創薬につきましては公的資金の対象となった複数の有望な研究テーマのうち、神経障害性疼痛治療薬候補「NC-2600」についてはフェーズⅠ試験が終了し、前述の「NC-2500」や「NC-2700」と合わせて早期導出に向けた活動を推進しております。また、抗うつ剤・抗不安薬候補「NC-2800」についてはAMEDにより新たに大型委託研究費(CiCLE)を獲得し、開発を継続しています。これらに加えて主力品のドラッグリポジショニングなどにも取り組んでおり、研究開発体制の強化・効率化を進めながら今後も自社創薬への投資を継続してまいります。

これらの成果を踏まえ、将来にわたる当社グループの持続的成長のために、今年度秋より計画通りに商業生産を開始する予定のNC-VN社ベトナム工場建設をはじめ、ASEAN、中国・香港を中心とする海外の事業基盤の強化にも取り組んでまいります。

当社は、これらのミッションに一貫して継続的に取り組むことが、国内外の医薬品業界を取り巻く環境や制度変更への対処を可能とし、当社の企業価値、すなわち、株主共同の利益を維持・拡大する最良の方策であると考えます。

 2) コーポレート・ガバナンスの強化

当社は、企業価値・株主共同の利益を維持・拡大させるためには、経営組織と運営のあり方の適正化に常時努めることでコーポレート・ガバナンスを強化・充実し、また、株主の皆様、顧客、社会一般に対して一層の経営の透明性を高めるとともに公正な経営を実現することを最優先の課題の一つとして位置付けております。

その具体化の一端として、当社は、経営機能を「意思決定機能・監督機能」と「業務執行機能」とに分離し、前者を独立性の高い社外取締役を含む取締役(会)に、後者を執行役員(会議)に権限委譲する執行役員制度を導入するとともに、監査役会設置会社として独立性の高い社外監査役2名を含む監査役の監査により経営の透明性・公正性を高め、取締役会の意思決定の監視・監督機能の強化を図っております。

社外取締役及び社外監査役は、株式会社東京証券取引所(以下、「東京証券取引所」といいます)が定める独立役員の要件及び当社の定める社外役員の独立性判断基準を満たしており、一般株主と利益相反の恐れのない独立役員です。当社は、いずれの社外役員についても東京証券取引所の定めに基づく独立役員として同取引所に届け出ております。

また、リスク管理や内部統制システムの整備等を通じて内部管理体制の強化にも努めております。具体的には、内部統制に関する基本方針や法令等の遵守のための行動基準などに基づいた健全な企業活動を推進し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っております。

これらの取組みにより株主の皆様をはじめとする様々なステークホルダーとの信頼関係をより一層強固なものにし、企業価値の継続的な向上をめざしてまいります。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要

当社は、平成28年6月29日開催の第84回定時株主総会(以下、「本定時株主総会」といいます)において、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)について、平成19年に導入、平成22年及び平成25年に改定した内容を更新することを上程し、株主の皆様のご承認をいただきました(以下、更新後のプランを「本プラン」といいます)。本プランの内容の概要は次のとおりであります。

 1) 目的

当社は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、もしくは株主の皆様がかかる大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保したり、又は株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。

 2) 本プランの概要

 (a) 本プランに係る手続の設定

本プランは、当社の株券等に対する買付等が行われる場合に、買付等を行う者(以下、「買付者等」といいます)に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示し、又は、買付者等との交渉等を行うための手続を定めています。

 (b) 新株予約権の無償割当ての利用

買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う等、当社の企業価値・株主共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合には、当社は、買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下、「本新株予約権」といいます)を、その時点の当社を除く全ての株主の皆様に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます)により割り当てます。

 (c) 特別委員会の利用及び株主意思の確認

本プランにおいては、本新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断について、取締役の恣意的判断を排するため、独立性のある社外取締役等から構成される特別委員会の客観的な判断を経るものとしています。

また、当社取締役会は、これに加えて、本プラン所定の場合には株主の皆様の意思を確認するための株主総会を招集し(以下、かかる株主総会を「株主意思確認株主総会」といいます)、新株予約権無償割当ての実施に関する株主の皆様の意思を確認することがあります。

 (d) 本新株予約権の行使及び当社による本新株予約権の取得

本プランに従って本新株予約権の無償割当てがなされ、買付者等以外の株主の皆様により本新株予約権が行使された場合、又は当社による本新株予約権の取得と引換えに、買付者等以外の株主の皆様に対して当社株式が交付された場合、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合は最大約50%まで希釈化される可能性があります。

 (e) 情報開示

上記(a)ないし(d)の各手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示がなされ、その透明性を確保することとしております。

 3) 本プランの有効期間、廃止

本プランの有効期間は、本定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。

ただし、有効期間の満了前であっても、ⅰ)当社の株主総会において本定時株主総会決議による当社取締役会への委任を撤回する旨の決議が行われた場合、又は、ⅱ)当社取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。

 4) 株主の皆様への影響

 本新株予約権の無償割当て自体が行われていない場合には、株主の皆様に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、本プランが発動され新株予約権行使の手続を行わなければ、その保有する株式が希釈化される場合があります(ただし、当社が当社株式を対価として新株予約権の取得の手続を行った場合、保有する当社株式全体の価値の希釈化は原則として生じません)。

 

④ 上記取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

 1) 基本方針の実現に資する特別な取組みについて

将来にわたる当社グループの持続的成長のため3つのミッションを中心とした各種取組み、コーポレート・ガバナンスの強化の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。

したがって、当該取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。

2) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについて

本プランは、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として導入されたものであり、基本方針に沿うものです。

また、本プランは、株主の承認を得た上で更新されており、一定の場合に本プランの発動の是非について株主意思確認株主総会において株主の皆様の意思を確認することができることや、有効期間が約3年間と定められた上、株主総会又は取締役会によりいつでも廃止することができるとされているなど株主意思を重視するものであること、買収防衛策に関する公の指針の要件を完全に充足していること、独立性のある社外取締役等のみから構成される特別委員会の判断の重視や情報開示の仕組みが確保されていること、合理的な客観的発動要件が設定されていること等により、その公正性・客観性が担保されており、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものといえます。

したがって、当該取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(法規制等に関するリスク)

 当社グループの事業は、主に薬事関連規制等に服しており、それら規制に基づく製品の回収や製造あるいは販売中止等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(薬価基準改定・医療制度改革に関するリスク)

 薬価については、これまでの原則2年に1回から毎年改定となることが決定し、その対象範囲の設定について引き続き検討が行われていることから、今後はこれまで以上のスピードで多数の品目の薬価が引き下げられる事が予想されます。また、増大する医療費の抑制を目的として医療保険制度の見直しも行われており、薬価制度の大幅な変更や医療保険制度見直しの内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(医薬品の副作用・品質に関するリスク)

 市販後の予期せぬ副作用の発生、製品に不純物が混入する等の事故により、製造の中止、製品の回収、あるいは販売の中止を余儀なくされる可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(原材料・商品の仕入に関するリスク)

 仕入先会社及び製造国において、規制上の問題、又は火災、地震その他の災害及び輸送途中の事故等により、原材料及び商品の仕入が不可能となった場合、製品の製造及び供給が停止し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(製造の遅滞又は休止に関するリスク)

 技術的もしくは規制上の問題、又は火災、地震その他の災害により、製品を製造する製造施設において操業停止又は混乱が発生した場合、当該製品の供給が停止し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(医薬品の研究開発に関するリスク)

 研究開発が計画どおり進行せず、新製品の発売が遅れる可能性があります。また、臨床試験で新薬の候補品が期待どおりの効果を得られなかった場合や、安全性が危惧される結果となった場合、開発期間の延長、開発の中断あるいは中止する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(訴訟等に関するリスク)

 当社グループが継続して事業活動を行う過程において、製造物責任、環境、労務、その他の事項に関する訴訟を提起される可能性があります。また、当社グループは新薬に加え、ジェネリック医薬品を販売していることから、先発医薬品メーカーから特許訴訟を提起される可能性があります。

(ジェネリック医薬品の競争に関するリスク)

 当社グループは薬価改定による価格引き下げで販売している製品が不採算とならないよう、適正利潤を含めた販売に努めておりますが、市場における価格選好性の高まりにより、当社製品も思わぬ価格の低下を強いられることがあります。さらに近年ではオーソライズドジェネリックの浸透によりジェネリック医薬品市場のシェアに大きな変化がおきており、その動向次第では当社グループが計画していた売上高を確保できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(海外に関するリスク)

 当社グループはベトナムに工場を所有しておりますが、海外事業の拡大と推進には多額の先行投資が必要となります。各国の規制・制度変更や外交関係の悪化、天災などにより、それらの投資回収が遅れたり、予期せぬ費用が発生して、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

上記の他、金融市況・為替変動によるリスク、コンプライアンスを含むコーポレートガバナンス関連リスク、ITシステムトラブルによるリスクなど、様々なリスクが存在しており、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

  (1) 経営成績

当期におけるわが国経済は、企業の設備投資や輸出の増加基調が継続したことに加え、良好な雇用環境の下で個人消費についても緩やかな持ち直しが見られ、期間を通して回復基調が続きました。また、海外経済も同様に景気の回復傾向が続きましたが、北朝鮮情勢をめぐる地政学的リスクが度々高まったことや、米国トランプ政権に代表される保護主義的な政策の台頭により、先行きには不透明感が広がっています。

医薬品業界につきましては、平成29年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」の中で、薬価制度の抜本的改革が盛り込まれました。これを受け、中央社会保険医療協議会で議論が進められ、平成30年4月に実施される薬価改定において、新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度や新薬のイノベーション評価、長期収載品およびジェネリック医薬品の薬価算定方式などの項目について新たな仕組みが取り入れられることとなりました。なお、毎年薬価調査・毎年薬価改定につきましては、その対象範囲を平成32年度中に設定することとして引き続き検討が行われています。

このような環境下で、当社グループは引き続き「信頼できるジェネリック医薬品」の普及に貢献するべく、ジェネリック医薬品の高品質維持と安定供給確保、並びに生産性及び効率性の向上に資する施策を一層推し進めてまいりました。

また、ジェネリック医薬品事業と並行して取り組んでいるミッション、「高尿酸血症領域」や「自社開発創薬」に関しましても、複数の開発品目において、それぞれの試験が順調に進展しております。当社グループはまだ十分な治療薬がない病気に苦しむ患者さんのために、画期的な自社創薬の開発に取り組んでいます。

 

セグメントの経営成績は次のとおりです。

① 医薬品事業

        1) 医療用医薬品

         (a) ジェネリック医薬品

当期においては循環器官用薬の「テルミサルタン錠」や「ロスバスタチン錠」「オルメサルタン錠」など5成分16品目を発売いたしました。

販売面では、ジェネリック医薬品市場の拡大は続いたものの、市場規模が大きな品目を中心にジェネリック医薬品への置換率が政府目標に近づいており、従前に較べて置換速度が鈍化しつつあることに加え、オーソライズド・ジェネリックの台頭や価格競争の激化などの影響を受けて、市場の競争環境は厳しいものとなりました。

当社においても、製剤的優位性がある製品やオンコロジー領域などで売上が好調な製品がある反面、特に近年発売した製品では競争激化の影響を受けて苦戦を強いられました。また、同業他社向けの販売である導出売上についても、同じく競争環境の厳しさから既存導出先の発注が思うように伸びず前期比減収となっています。

一方、日本薬品工業では、当期に他社からの製品承継や販売移管をおこなったことで、新たな販路を獲得することができました。

         (b) 主力品

主力品であるアルカリ化療法剤「ウラリット」につきましては、ジェネリック医薬品への置き換えが進んでおりますが、日本薬品工業が販売するウラリットのジェネリック医薬品「クエンメット」と合わせ、当製剤の9割を超えるシェアを確保しております。

かかる状況において、これまで実施して来た痛風並びに高尿酸血症における酸塩基平衡改善の重要性の啓発活動に加え、近年、高尿酸血症や代謝性アシドーシスが慢性腎臓病を進展させること、アシドーシスに対するアルカリ化療法による慢性腎臓病の進展抑制効果などの報告が増加していることを踏まえ、アルカリ化療法剤投与の重要性に関して普及活動を強化してきました。

         (c) 海外販売

海外での販売につきましては、当期末時点で韓国、タイ、中国の3か国において6品目の承認を取得し、5品目を販売しております。加えてASEANと中国を中心に数品目を申請済みであり、その他複数品目の申請準備を進めてきました。

 

以上の結果、ジェネリック医薬品の売上高は前期比 3.1%の増収となりましたが、ウラリットをはじめとする主力3品の売上高は11.7%の減収となり、医療用医薬品全体では2.0%の増収となりました。

なお、医療用医薬品の売上高比率を薬効別にみますと、循環器官用薬及び呼吸器官用薬32.0%、消化器官用薬18.3%、ウラリットなどの代謝性医薬品16.5%、神経系及び感覚器官用薬9.1%、病原生物用薬6.2%、腫瘍用薬3.4%、その他の医薬品14.5%となっています。

         (d) 研究開発

AMEDの支援を受け、当社と九州大学が共同で開発を進めている「NC-2600」は、世界で初めてグリア細胞をターゲットとした神経障害性疼痛治療薬であり、当上期にフェーズⅠ試験を終了し、その後データの解析を行いながら早期の導出を目指し、国内外複数のメーカーに対し導出交渉を実施しています。

また、当社と筑波大学、国立精神・神経医療研究センター、北里研究所の4者による共同研究を行ってきた抗うつ・抗不安薬「NC-2800」についても、同じくAMEDの支援を受けながら、当期に非臨床試験を進めてまいりました。平成30年1月には、これまでの研究成果により、その新たな作用機序に基づく情動調節薬としての期待や、既存の抗うつ・抗不安薬の抱える問題を克服しうる可能性などが認められ、AMEDのCiCLEに採択されました。これにより、現在の支援プログラム終了後も引き続き最長で9年間の支援を受けることができるようになりました。

さらに、当社グループの3つのミッションの1つである高尿酸血症の治療薬として開発を進めている尿酸降下薬については、当期において「NC-2500」のフェーズⅠ試験を終了し、NC-2500に続く新規の尿酸降下薬として開発を行っている「NC-2700」についても非臨床試験を終えて、ともにデータの取りまとめを行うとともに、他社への導出や提携を目指した活動を開始しております。

一方、ソレトンについては、日本医師会治療促進センターの支援を得て、金沢大学附属病院が中心となり、腱滑膜巨細胞腫に対する医師主導型の治験がスタートしました。また、カルバンについてもスペインのSOMバイオテック社により、ハンチントン病などの運動性疾患を対象としたフェーズⅡ試験を行うことが発表されています。このように、当社は新薬開発に力を入れるとともに、ウラリットを含めた主力品の新たな可能性を開くために外部と協力しながら開発を続けています。

         (e) 生産体制

グループ全体の生産能力増強及び製造コスト削減を目的として、日本薬品工業の子会社であるNC-VN社が建設を行っておりましたベトナム工場は、平成29年3月に建物の引渡しを受けた後、当期に設備の実装などを進め、同年9月にベトナムの政府要人をはじめとした関係者列席のもと竣工式を執り行いました。現在は試作品の生産に加え、各種の薬事手続きや現地従業員の採用と教育などを行っており、平成30年度下期の商業生産開始に向けた準備が順調に進捗しています。

一方、国内においては安定供給体制のさらなる強化を目指し、平成29年10月より大塚倉庫株式会社と西日本エリアの物流における業務提携を開始いたしました。この提携により従来の物流センター(埼玉県春日部市)に加えて、西日本(兵庫県神戸市)に二拠点目の物流センターを確保することができ、災害リスクへのより迅速な対応や、四国・九州地区への配送時間の大幅短縮などが可能となっています。

        2) 臨床検査薬

自社開発のアレルギー検査薬「オリトンIgE『ケミファ』」及び測定機器の「DiaPack3000」について、海外に広くネットワークを有する国内企業と協力し、アジア、中国、欧州などでマーケティング活動を行ってまいりました。また、企業と製品の知名度向上策として、専門学会などでの出展や学会発表も積極的に行いました。

 

以上により、医薬品事業全体の売上高は34,279百万円(前期比0.8%減)、営業利益は1,817百万円(前期比35.2%減)となりました。

 

② その他

受託試験事業、ヘルスケア事業及び不動産賃貸事業である「その他」の事業では受託試験事業の厳しい競争環境の中、受注は堅調に推移しましたが、翌期以降に試験終了となる案件があることなどから売上高は1,051百万円(前期比7.6%減)となり、営業利益は30百万円(前期比0.5%減)となりました。

 

以上の結果、各セグメントを通算した業績は当期の連結売上高が35,331百万円(前期比1.0%減)、連結営業利益が1,848百万円(前期比34.8%減)、連結経常利益が1,696百万円(前期比40.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,160百万円(前期比43.5%減)となりました。

 

3つのミッションの1つであるジェネリック医薬品につきましては、市場規模が大きな品目を中心にジェネリック医薬品への置換え率が政府目標に近づいており、従前に比べて置換え速度が鈍化しつつあることに加え、オーソライズド・ジェネリックの台頭による企業間競争の激化や市場における価格選好性の高まりにより、収益環境は厳しさを増しております。かかる市場環境下、当社においては、他社向けの導出売上について既存取引先の発注が思うように伸びなかった一方で、新発売品の上市や子会社を中心とした販路の拡大など自社販売での売上拡大の取り組みにより、医薬品事業、並びに「その他」の事業を含めた売上高はほぼ前期並みとなりました。

利益面ではグループ一貫製造品の製造数量調整などの影響で原価率が前期より上昇したことに加え、NC-VN社ベトナム工場での商業生産開始に向けた試験運転費用や、新薬及びジェネリック医薬品の研究開発進展に伴う研究開発費など、将来投資についても予定どおり実施したことによる費用の増加もあり、営業利益以下各利益で減益の結果となりました。

かかる状況下、平成32年以降は毎年の薬価改定が予定されていることから、ジェネリック医薬品市場の収益環境はかつてなく厳しい状況になることが予想されます。このような事業環境の変化を受け、将来にわたる当社グループの企業価値の持続的拡大のために、引き続き「3つのミッションプラス1」の早期達成に注力するとともに、一層の経営効率化を推進してまいります。

ジェネリック医薬品の販売面では、環境変化に対応するため、医療機関や製品ごとの戦略を見直すとともに、これまで以上に効率性を重視したMR活動を実施する他、子会社を中心に新たな流通ルートへの販売強化や製造受託の獲得により販売チャネルを拡大することで、ジェネリック医薬品市場におけるプレゼンスを維持していきます。また、生産面では製造コストの低減を目指し、NC-VN社ベトナム工場の平成30年度中の商業生産開始に向け、各種の薬事手続きや現地人材の採用と教育などの準備を進めてまいります。

高尿酸血症領域では、東北大学で尿アルカリ化剤の市場拡大につながる可能性がある慢性腎臓病との関連を解明する臨床研究が進んでいます。また、異なる作用機序をもつ治療薬候補「NC-2500」や「NC-2700」の導出に向けた活動を推進してまいります。

自社創薬については、AMEDのCiCLEに採択された「NC-2800」のフェーズⅠ試験への移行準備を実施しつつ、各パイプラインに関して導出活動を進めてまいります。

また、海外への取り組みに関しても、ASEAN、中国、香港を中心に各地域でパートナー通じて販売承認品目数の拡大を進めて参ります。加えて、当面は日本向けに高品質で安価なジェネリック医薬品を供給する役割を担うNC-VNベトナム工場を足掛かりに、アジア地区への展開を強化する予定です。

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

当期末における連結ベースの現金及び現金同等物は、営業活動により3,188百万円増加いたしました。また投資活動においては1,606百万円の減少、財務活動においては1,741百万円の減少となりました。

この結果、当期末の現金及び現金同等物(以下、資金)は7,890百万円(前期末比2.4%減)となりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当期において、営業活動による資金は法人税等の支払及びたな卸資産の増加などがあったものの、主に税金等調整前当期純利益の計上により、3,188百万円の増加(前期は2,737百万円の増加)となりました。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当期において、投資活動による資金は日本薬品工業つくば工場の実装及びNC-VN社ベトナム工場の建設に係る支払などにより、1,606百万円の減少(前期は2,504百万円の減少)となりました。なお、これらの支払は手元資金及び過年度における銀行借入金を充当しております。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当期において、財務活動による資金は長期借入れがあった一方で、主に長期借入金の返済及び自己株式の取得があり、1,741百万円の減少(前期は787百万円の増加)となりました。

 

 (3) 財政状態

流動資産は前期末に比べて2.3%減少し、28,334百万円となりました。これは、主に売上債権の減少によるものです。

固定資産は前期末に比べ2.7%増加し、18,479百万円となりました。これは、主に投資有価証券の含み益の増加によるものです。

この結果、総資産は前期末に比べて0.4%減少し、46,814百万円となりました。

流動負債は前期末に比べて0.2%減少し、14,914百万円となりました。これは、仕入債務の増加があった一方で、設備関係債務の減少などによるものです。

固定負債は前期末に比べて2.0%減少し、14,412百万円となりました。これは、主に長期借入金及び退職給付債務の減少によるものです。

この結果、負債合計は前期末に比べて1.1%減少し、29,326百万円となりました。

純資産合計は前期末に比べて0.8%増加し、17,487百万円となりました。これは自己株式の取得があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び有価証券評価差額金の増加などによるものです。

 

 (4) 生産、受注及び販売の状況

  ① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

医薬品事業

8,030

4.9

その他

合計

8,030

4.9

 

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  ② 受注状況

当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立て、これにより生産をしております。

受注生産は一部の子会社で行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。

 

 

  ③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

医薬品事業

34,279

△0.8

その他

1,051

△7.6

合計

35,331

△1.0

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

アルフレッサ㈱

7,821

21.9

8,067

22.8

㈱メディセオ

7,427

20.8

7,374

20.9

 

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、AMED)の支援を受け、当社と九州大学が共同で開発を進めている「NC-2600」(P2X4受容体アンタゴニスト)は、世界で初めてグリア細胞をターゲットとした神経障害性疼痛治療薬であり、当上期にフェーズⅠ試験を終了し、その後データの解析を行いながら早期の導出を目指し、国内外複数のメーカーに対し導出交渉を実施しています。

また、当社と筑波大学、国立精神・神経医療研究センター、北里研究所の4者による共同研究を行ってきた抗うつ・抗不安薬「NC-2800」(オピオイドδ受容体アゴニスト)についても、同じくAMEDの支援を受けながら、当期に非臨床試験を進めてまいりました。平成30年1月には、これまでの研究成果により、その新たな作用機序に基づく情動調節薬としての期待や、既存の抗うつ・抗不安薬の抱える問題を克服しうる可能性などが認められ、AMEDの新規事業である「CiCLE」に採択されました。これにより、現在の支援プログラム終了後も引き続き最長で9年間の支援を受けることができるようになりました。

さらに、当社グループの3つのミッションの1つである高尿酸血症の治療薬として開発を進めている尿酸降下薬については、当期において「NC-2500」(キサンチンオキシドリダクターゼ阻害薬)のフェーズⅠ試験を終了し、NC-2500に続く新規の尿酸降下薬として開発を行っている「NC-2700」(URAT1阻害薬)についても非臨床試験を終えて、ともにデータの取りまとめを行うとともに、他社への導出や提携を目指した活動を開始しております。

一方、ソレトンについては、日本医師会治療促進センターの支援を得て、金沢大学附属病院が中心となり、腱滑膜巨細胞腫に対する医師主導型の治験がスタートしました。また、カルバンについてもスペインのSOMバイオテック社により、ハンチントン病などの運動性疾患を対象としたフェーズⅡ試験を行うことが発表されています。このように、当社は新薬開発に力を入れるとともに、ウラリットを含めた主力品の新たな可能性を開くために外部と協力しながら開発を続けています。

なお、医薬品事業における研究開発費の総額は2,280百万円であります。

 

  (注) 「その他」の事業では、研究開発活動を行っていないため記載しておりません。