第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

  (1) 会社の経営の基本方針

当社グループは「医薬品を中核としたトータルヘルスケアで人々の健康で豊かな生活に貢献する」ことを経営理念とし、国内外において存在価値のある企業グループとして発展することを目指しております。

  (2) 中長期的な会社の経営戦略

(1)の経営理念の下、当社はグループの経営課題としてかねてより以下の3つのミッションを掲げております。すなわち、
ⅰ)ジェネリック医薬品市場におけるプレゼンスを確立する
ⅱ)ウラリットを核として高尿酸血症領域でのフロントランナーを目指す
ⅲ)自社開発創薬により社会に貢献する
 さらに、将来にわたる当社グループの成長持続のためには、国内のみならず海外での事業拡大が不可欠と考えており、2015年度からは
ⅳ)海外の事業基盤確立
を「3つのミッションプラス1」として加え、これらの達成を経営戦略の中心に据え、日々事業に取り組んでいます。

  (3) 当社グループをめぐる業界や市場の動向等の経営環境

医薬品業界においては、2018年4月より実施された診療報酬改定において、薬価への影響が薬剤費ベースでマイナス7.48%となり、国内の事業環境は厳しいものとなりました。また、同年6月には政府により「経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太の方針2018)」が閣議決定され、引き続き「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に基づき、費用対効果評価の本格実施へ向けた結論を得ることや、毎年薬価調査・毎年薬価改定の対象範囲を業界に与える影響などを把握した上で決定するとしています。このように事業環境が厳しいものとなるなか、国内製薬業界としては最大規模となる海外医薬品メーカーに対するM&Aや、企業間での長期収載品の譲渡やジェネリック医薬品事業の売却など、各企業では経営環境の変化に伴う様々な動きが目立ちました。

  (4) 会社の対処すべき課題

 ① 販売

  1) 国内販売

ジェネリック医薬品につきましては、オーソライズドジェネリックの台頭及び市場成長の鈍化による競争激化に加え、薬価制度の厳格化が進むことから、より効率的な販売体制を構築しなければなりません。当社グループにおきましては、子会社である日本薬品工業株式会社(以下、日本薬品工業)による新たな販路での売上が順調に伸びており、引き続き販売チャネルの選択肢を拡大させながらグループ全体での売上増加を図ってまいります。また、サプライチェーン効率化の一環として、2018年度中に支店・営業所の統合や、医薬事業のマネジメントを強化するための販売体制の見直しを行いました。刻々と変化する事業環境に対して迅速な対応をとることで、MR活動のさらなる生産性向上に取り組んでまいります。

2019年2月に製造販売承認を承継した新薬の経口腸管洗浄剤「ピコプレップ配合内用剤」に関する情報提供活動は、当社が消化器・オンコロジー領域への取り組みを通じて育んできた医師・薬剤師とのリレーションのさらなる深耕に資するものです。また、本剤に加えて周辺薬剤に関する情報提供を可能とすることで、より一層効率的なMR活動につながるものと期待しております。

主力品の「ウラリット-U配合散・同配合錠」(以下、ウラリット)は2019年に発売から30年を迎えました。今後も腎臓内科、泌尿器科、代謝系内科などの専門医から得られた痛風・高尿酸血症における酸性尿の改善及びアシドーシスの酸塩基平衡改善の重要性を示すデータを活用しながら、医師・薬剤師などの医療関係者はもとより、患者さんへの有用な情報の発信をこれまで以上に強化し、痛風・高尿酸血症における尿アルカリ化療法の啓発、認知向上に努めてまいります。また、「骨太の方針2018」で慢性腎臓病(以下、CKD)予防への取り組みが取り上げられる中、引き続き東北大学で進められている尿アルカリ化薬とCKDの関連を解明する臨床研究への協力を行っていきます。

なお、2019年6月4日に公正取引委員会から、炭酸ランタンOD錠の製造販売業者のうち1社に対し、独占禁止法の規定に基づき排除措置命令及び課徴金納付命令が発令されました。当社は2019年1月22日、本件に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立ち入り検査を受けましたが、公正取引委員会に対し、本件に関して課徴金減免制度の適用申請を通じて自主的に違反行為を申告するとともに、その後、一貫して公正取引委員会の調査に協力してまいりました。

当社は、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けておりませんが、違反行為に関わってしまったことは誠に遺憾であり、当社グループは本件を真摯に受け止め、今後とも、役員及び従業員一同、更なるコンプライアンスの強化及び再発防止の徹底を図るとともに、信頼回復に努めてまいります。

  2) 海外販売

海外においては、ASEAN、中国などで申請中の品目について早期に承認を得るとともに、申請準備段階にある品目についてもなるべく早く申請手続きに入り、品目数の拡大を図ってまいります。同時に、各地域における信頼できるパートナーの発掘にも尽力し、展開エリアを拡大していきます。

さらに、臨床検査薬事業においても、海外に広くネットワークを有する国内企業とともに中国でのビジネス展開を図っており、早期に同国での製品上市を目指しています。

② 研究開発

新薬の研究開発については、領域を絞り込み、かつその領域の第一人者との共同研究を推進することを基本方針としています。そのうえで探索研究に重点を置き、その成果を早期段階で導出することで、開発上のリスクを軽減しつつ効率的に開発を進めていきます。その実現に向け、現在のパイプラインである、NC-2500( キサンチンオキシドリダクターゼ阻害薬) 、NC-2600(P2X4受容体拮抗薬)、NC-2700(URAT1阻害薬)、NC-2800(オピオイドδ受容体作動薬)の各開発品の特性などを国内外の企業へアピールし、導出交渉を進めてまいります。加えて、AI創薬ベンチャー株式会社MOLCURE(以下「MOLCURE」)との協業など、最新の創薬技術導入にチャレンジし、将来のパイプライン充実に向けた基盤づくりにも取り組んでいきます。

ジェネリック医薬品の研究開発につきましては、開発の迅速化・効率化を図るべく、自社開発体制を強化し、他社競争優位性のある品目の開発や、子会社の日本薬品工業並びに国内外他社との共同開発にも積極的に取り組み、特長のある製品の品揃えに努めてまいります。また、原薬のコスト低減などサプライチェーン全体のコスト見直しにも取り組んでいきます。

さらに、臨床検査薬事業においては、既に販売しているアレルギー検査薬「オリトンIgE『ケミファ』」及び測定機器の「DiaPack3000」に加え、次世代の試薬及び測定装置の開発を進めており、今年度中の上市を目指しています。

③ 生産体制

日本薬品工業の子会社であるNippon Chemiphar Vietnam Co.,Ltd.(以下、NC-VN社)ベトナム工場の生産開始により、当社グループの生産能力は、年間14億錠から段階的に20億錠へと引き上がるとともに、製造コストについては国内での製造と比較して2割から3割程度の低減を見込んでおります。今後もコストメリットが見込める品目を中心に国内工場から移管を進め、グループ全体で製造コストの削減に取り組んでまいります。さらに、将来的には同工場を現地での開発やASEAN諸国への販売拡大の足掛かりとすることも目指しており、当社グループが海外での事業展開を拡大していくためにも、ベトナム工場の価値を最大限に引き上げていきたいと考えています。

④ 品質保証

製造品目数や生産能力の拡大に伴い、原薬を含めた取扱製剤に対する品質管理の重要性が増しております。今後も日本薬品工業と連携のうえ、国内外の製剤及び原薬製造所への査察を強化し、自社製販品のみならず、導入品も含めた品質の確保に努めてまいります。

⑤ 労働環境

当社は性別、年齢、国籍、障害の有無、キャリアや働き方などに対する価値観が異なる人材が、その個性や能力を十分に発揮することが会社の成長に繋がるという認識のもと、ダイバーシティ推進を重要な経営課題の一つと位置づけ、多様な人材がやりがいをもって継続して働くことができる環境を構築していきます。

また、これまでも「ノー残業デーの設定」や、「20時以降の時間外労働の原則禁止と朝残業の推奨」など、長時間労働防止への取り組みを進めてまいりましたが、引き続き「有給休暇の事前登録制度の導入」や「男性の育児休業取得を義務化」などにより、より一層のワークライフバランス向上を図ることで、社員と会社の健全な発展を目指していきます。

 

  (5) 当社の支配に関する基本方針

 ① 基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社が企業価値・株主共同の利益を継続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。

但し、当社の支配権の移転を伴う買付提案についての判断は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。

  しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

  当社では、グループとして企業価値の向上・確保に努めておりますが、特に、当社の企業価値の源泉はⅰ)ジェネリック医薬品においては、新薬メーカーとして培った技術を基礎とした製品の開発力と、国内最新鋭工場とベトナム工場を活用したコスト対応能力、ⅱ)戦略領域である高尿酸血症領域での専門知識、経験及びノウハウと関連する尿アルカリ化剤の市場価値、ⅲ)探索機能に特化し効率性と開発確度を追及するベンチャー型創薬研究という、それぞれ独自性がある3つの異なる事業を同時に推進し、ⅳ)それら事業の成果を海外へ展開するというユニークなビジネスモデルを維持していることです。当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解するのはもちろんのこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。

当社としては、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

 ② 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

  1) 中期経営計画による取組み

当社は、近年ますますスピードが増している経済環境や制度の変化にタイムリーに対応すべく、2015年度より期間3ヶ年の中期経営計画を毎年ロールオーバーしております。この中期経営計画においては、当社が従前取り組んで参りました3つのミッション、ⅰ)ジェネリック医薬品市場におけるプレゼンスの確立、ⅱ)ウラリットを核として高尿酸血症領域でのフロントランナーを目指すこと、ⅲ)自社開発創薬による業容拡大への更なる取り組みを継続・強化するとともに、ⅳ)これらの成果をベースに海外に展開することを掲げております。

まず、ジェネリック医薬品事業につきましては、オーソライズドジェネリックの台頭および市場成長の鈍化による競争激化に加え、目まぐるしく変化する制度環境に対応し、市場におけるプレゼンスを維持するためには、「量」よりも「質」を追求し、開発、製造、販売にわたるサプライチェーン全体を強化することが不可欠であると考えております。このような方針のもと、知財部門を含む開発体制の強化や、日本薬品工業つくば工場の最新鋭製造棟や2018年に商業生産を開始したNC-VN社ベトナム工場の活用による生産体制強化など、今後ともジェネリック医薬品の更なる高品質化、同事業の更なる効率化を推進してまいります。また、営業面では、これまで同様にDPC病院を中心とした処方元への営業活動を引き続き強化していくこととともに、新規取引販路の拡大に努めてまいります。

次に、高尿酸血症領域での取組みに関しましては、尿アルカリ化剤による慢性腎臓病進展抑制等の臨床研究を支援し、これを販売実績の拡大に結び付けるべく取り組んでまいります。また、高尿酸血症治療薬「NC-2500」はフェーズⅠ試験を終了、新規の尿酸降下薬として開発を行っている「NC-2700」についても非臨床試験を終了しており、それぞれの導出活動を加速化してまいります。

創薬につきましては、公的資金を活用し開発を進めた神経障害性疼痛治療薬候補「NC-2600」はフェーズⅠが終了し、前述の「NC-2500」や「NC-2700」と合わせて早期導出に向けた活動を推進してまいります。抗うつ・抗不安薬「NC-2800」については、非臨床試験が終了し、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)の採択を受け、フェーズⅠ試験準備と導出活動を並行して進めてまいります。これらに加えてAI創薬ベンチャーである株式会社MOLCUREとの業務提携を通じAI新技術も活用し、研究開発体制の強化・効率化を進めながら、今後も自社創薬への投資を継続してまいります。更に、2019年2月に製造販売を承継した経口腸管洗浄剤新薬「ピコプレップ配合内用剤」を新たな看板商品として育成してまいります。

以上の成果を踏まえ、将来にわたる当社グループの持続的成長のために、ASEAN、中国を中心とする海外の事業基盤の強化にも取り組んでまいります。

当社は、これらのミッションに一貫して継続的に取り組むことが、国内外の医薬品業界を取り巻く環境や制度変更への対処を可能とし、当社の企業価値、すなわち、株主共同の利益を維持・拡大する最良の方策であると考えます。

 

 2) コーポレート・ガバナンスの強化

当社は、企業価値・株主共同の利益を維持・拡大させるためには、経営組織と運営のあり方の適正化に常時努めることでコーポレート・ガバナンスを強化・充実し、また、株主の皆様、顧客、社会一般に対して一層の経営の透明性を高めるとともに公正な経営を実現することを最優先の課題の一つとして位置付けております。

その具体化の一端として、当社は、経営機能を「意思決定機能・監督機能」と「業務執行機能」とに分離し、前者を独立性の高い社外取締役2名を含む取締役(会)に、後者を執行役員(会議)に権限委譲する執行役員制度を導入するとともに、監査役会設置会社として独立性の高い社外監査役2名を含む監査役の監査により経営の透明性・公正性を高め、取締役会の意思決定の監視・監督機能の強化を図っております。

社外取締役及び社外監査役は、株式会社東京証券取引所(以下、「東京証券取引所」といいます)が定める独立役員の要件及び当社の定める社外役員の独立性判断基準を満たしており、一般株主と利益相反の恐れのない独立役員です。当社は、いずれの社外役員についても東京証券取引所の定めに基づく独立役員として同取引所に届け出ております。

また、リスク管理や内部統制システムの整備等を通じて内部管理体制の強化にも努めております。具体的には、内部統制に関する基本方針や法令等の遵守のための行動基準などに基づいた健全な企業活動を推進し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っております。

これらの取組みにより株主の皆様をはじめとする様々なステークホルダーとの信頼関係をより一層強固なものにし、企業価値の継続的な向上をめざしてまいります。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要

当社は、2019年6月21日開催の第87回定時株主総会(以下、「本定時株主総会」といいます)において、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)について、2007年に導入し、その後改定した内容を更新することを上程し、株主の皆様のご承認をいただきました(以下、更新後のプランを「本プラン」といいます)。本プランの内容の概要は次のとおりであります。

 1) 目的

当社は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、もしくは株主の皆様がかかる大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保したり、又は株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。

 2) 本プランの概要

 (a) 本プランに係る手続の設定

本プランは、当社の株券等に対する買付等が行われる場合に、買付等を行う者(以下、「買付者等」といいます)に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示し、又は、買付者等との交渉等を行うための手続を定めています。

 (b) 新株予約権の無償割当ての利用

買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う等、当社の企業価値・株主共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合には、当社は、買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下、「本新株予約権」といいます)を、その時点の当社を除く全ての株主の皆様に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます)により割り当てます。

 (c) 特別委員会の利用及び株主意思の確認

本プランにおいては、本新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断について、取締役の恣意的判断を排するため、独立性のある社外取締役等から構成される特別委員会の客観的な判断を経るものとしています。

また、当社取締役会は、これに加えて、本プラン所定の場合には株主の皆様の意思を確認するための株主総会を招集し(以下、かかる株主総会を「株主意思確認株主総会」といいます)、新株予約権無償割当ての実施に関する株主の皆様の意思を確認することがあります。

 (d) 本新株予約権の行使及び当社による本新株予約権の取得

本プランに従って本新株予約権の無償割当てがなされ、買付者等以外の株主の皆様により本新株予約権が行使された場合、又は当社による本新株予約権の取得と引換えに、買付者等以外の株主の皆様に対して当社株式が交付された場合、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合は最大約50%まで希釈化される可能性があります。

 (e) 情報開示

上記(a)ないし(d)の各手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示がなされ、その透明性を確保することとしております。

 3) 本プランの有効期間、廃止

本プランの有効期間は、本定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。

ただし、有効期間の満了前であっても、ⅰ)当社の株主総会において本定時株主総会決議による当社取締役会への委任を撤回する旨の決議が行われた場合、又は、ⅱ)当社取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。

 4) 株主の皆様への影響

 本新株予約権の無償割当て自体が行われていない場合には、株主の皆様に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、本プランが発動され新株予約権行使の手続を行わなければ、その保有する株式が希釈化される場合があります(ただし、当社が当社株式を対価として新株予約権の取得の手続を行った場合、保有する当社株式全体の価値の希釈化は原則として生じません)。

 

④ 上記取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

 1) 基本方針の実現に資する特別な取組みについて

将来にわたる当社グループの持続的成長のため3つのミッションを中心とした各種取組み、コーポレート・ガバナンスの強化の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。

したがって、当該取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。

2) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについて

本プランは、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として導入されたものであり、基本方針に沿うものです。

また、本プランは、株主の承認を得た上で更新されており、一定の場合に本プランの発動の是非について株主意思確認株主総会において株主の皆様の意思を確認することができることや、有効期間が約3年間と定められた上、株主総会又は取締役会によりいつでも廃止することができるとされているなど株主意思を重視するものであること、買収防衛策に関する公の指針の要件を完全に充足していること、独立性のある社外取締役等のみから構成される特別委員会の判断の重視や情報開示の仕組みが確保されていること、合理的な客観的発動要件が設定されていること等により、その公正性・客観性が担保されており、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものといえます。

したがって、当該取組みは基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(薬価制度・医療保険制度変更に関するリスク)

 薬価については、これまでの概ね2年に1回の改定が行なわれてきましたが、今後は毎年の改定が予定されており、これまで以上のスピードで多数の品目の薬価が引き下げられる事が予想されます。また、増大する医療費の抑制を目的として医療保険制度の見直しも行われており、この見直しの内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(医薬品の研究開発に関するリスク)

 研究開発が計画どおり進行せず、新製品の発売が遅れる可能性があります。また、臨床試験で新薬の候補品が期待どおりの効果を得られなかった場合や、安全性が危惧される結果となった場合、開発期間の延長、開発の中断あるいは中止する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(原材料・商品の仕入に関するリスク)

 仕入先会社及び製造国において、規制上の問題、又は火災、地震その他の災害及び輸送途中の事故等により、原材料及び商品の仕入が不可能となった場合、製品の製造及び供給が停止し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(製造の遅滞又は休止に関するリスク)

 技術的もしくは規制上の問題、又は火災、地震その他の災害により、製品を製造する製造施設において操業停止又は混乱が発生した場合、当該製品の供給が停止し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(ジェネリック医薬品の競争に関するリスク)

 当社グループは薬価改定による価格引き下げで販売している製品が不採算とならないよう、適正利潤を含めた販売に努めておりますが、市場における価格選好性の高まりにより、当社製品も思わぬ価格の低下を強いられることがあります。さらに近年ではオーソライズドジェネリックの浸透により、ジェネリック医薬品市場のシェアに大きな変化がおきており、その動向次第では当社グループが計画していた売上高を確保できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(医薬品の副作用・品質に関するリスク)

 市販後の予期せぬ副作用の発生、製品に不純物が混入する等の事故により、製造の中止、製品の回収、あるいは販売の中止を余儀なくされる可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(海外に関するリスク)

 当社グループはベトナムに工場を所有しておりますが、海外事業の拡大と推進には多額の先行投資が必要となります。各国の規制・制度変更や外交関係の悪化、天災などにより、それらの投資回収が遅れたり、予期せぬ費用が発生して、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(法規制等に関するリスク)

 当社グループの事業は、主に薬事関連規制等に服しており、それら規制に基づく製品の回収や製造あるいは販売中止等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(訴訟等に関するリスク)

 当社グループが継続して事業活動を行う過程において、製造物責任、環境、労務、その他の事項に関する訴訟を提起される可能性があります。また、当社グループは新薬に加え、ジェネリック医薬品を販売していることから、先発医薬品メーカーから特許訴訟を提起される可能性があります。

 

上記の他、金融市況・為替変動によるリスク、コンプライアンスを含むコーポレート・ガバナンス関連リスク、ITシステムトラブルによるリスクなど、様々なリスクが存在しており、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較を行っております。

  (1) 経営成績

当期におけるわが国経済は、おおむね良好な雇用・所得環境を背景に個人消費が底堅く推移したことや、企業の設備投資増加などに支えられ、期間を通して緩やかな回復が続いたものの、第4四半期に入り一部の指標が弱含んできました。海外経済についても当初は緩やかな回復が続きましたが、中国経済の減速などの影響から弱含んでおり、今後も米中における貿易摩擦の深刻化や、英国のEU離脱問題などが各国の経済成長の減速に波及するリスクが懸念されています。

医薬品業界につきましては、2018年4月より実施された診療報酬改定において、薬価への影響が薬剤費ベースでマイナス7.48%となり、国内の事業環境は厳しいものとなりました。また、同年6月には政府により「経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太の方針2018)」が閣議決定され、引き続き「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に基づき、費用対効果評価の本格実施へ向けた結論を得ることや、毎年薬価調査・毎年薬価改定の対象範囲を業界に与える影響などを把握した上で決定するとしています。このように事業環境が厳しいものとなるなか、国内製薬業界としては最大規模となる海外医薬品メーカーに対するM&Aや、企業間での長期収載品の譲渡やジェネリック医薬品事業の売却など、各企業では経営環境の変化に伴う様々な動きが目立ちました。なお、前述の「骨太の方針2018」の中に、当社の重要テーマであるCKDの予防に、国として重点的に取り組むことが初めて盛り込まれています。

このような環境下で、当社グループは引き続き「信頼できるジェネリック医薬品」の普及に貢献するべく、ジェネリック医薬品の高品質維持と安定供給確保、並びに生産性及び効率性の向上に資する施策を一層推し進めてまいりました。

また、ジェネリック医薬品事業と並行して取り組んでいるミッション、「高尿酸血症領域」や「自社開発創薬」に関しましても、各開発品目の試験が順調に進展したことで国内外企業への導出活動が本格化するなど、ミッションの実現に向けた取り組みが進んでおります。当社グループはまだ十分な治療薬がない病気に苦しむ患者さんのために、画期的な自社創薬の開発に取り組んでいます。

 

セグメントの経営成績は次のとおりです。

① 医薬品事業

        1) 医療用医薬品

         (a) ジェネリック医薬品

当期においては循環器官用薬の「イルアミクス配合錠LD・同HD『ケミファ』」や中枢神経系用薬「トアラセット配合錠『ケミファ』」など6成分9品目を発売いたしました。

販売面では、前述の薬価改定の影響に加え、市場のジェネリック医薬品への置換え率が上がるにつれ既存品の数量の伸びが鈍化しており、さらに、オーソライズドジェネリックの台頭や価格競争の激化などの影響を受けて、市場環境は厳しいものとなりました。

当社においては、子会社である日本薬品工業が、2017年度に他社からの製品承継や販売移管を行ったことで得た、新たな販路での売上を伸ばしたものの、グループ全体の薬価改定と市場競争の影響を補うには至りませんでした。

         (b) 主力品・新薬

主力品であるアルカリ化療法剤ウラリットにつきましては、ジェネリック医薬品への置換えが進んでおりますが、日本薬品工業が販売するウラリットのジェネリック医薬品「クエンメット配合散・同配合錠」と合わせて当社グループで提供できる状況を活かし、痛風並びに高尿酸血症における酸性尿改善の重要性に関する普及活動を強化してきました。

また、2018年12月にフェリング・ファーマ株式会社と、経口腸管洗浄剤「ピコプレップ配合内用剤」の製造販売承認の承継に関する契約を締結し、当社グループとしては「カルバン錠25・50・100」(以下、カルバン)以来の新薬となる同剤の販売を、2019年2月から開始しております。

         (c) 海外販売

海外での販売につきましては、当期末時点で韓国、タイ、中国の3か国において6品目の承認を取得し、5品目を販売しております。また、2018年10月に中国の中堅製薬企業と広範な提携を視野に入れた業務契約を結んでおり、今後、順調に事業が進めば、同社を通じた中国での新たな事業展開が図れると考えています。

 

以上の結果、ジェネリック医薬品の売上高は前期比 6.2%の減収、ウラリットをはじめとする主力3品の売上高は23.5%の減収となり、医療用医薬品全体では7.3%の減収となりました。

なお、医療用医薬品の売上高比率を薬効別にみますと、循環器官用薬及び呼吸器官用薬33.0%、消化器官用薬17.1%、ウラリットなどの代謝性医薬品16.0%、神経系及び感覚器官用薬8.4%、病原生物用薬5.1%、腫瘍用薬3.3%、その他の医薬品17.1%となっています。

         (d) 研究開発

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けながら、当社と九州大学が共同で開発を進めてまいりました「NC-2600」(P2X4受容体拮抗薬)は、世界で初めてグリア細胞をターゲットとした神経障害性疼痛治療薬であり、フェーズⅠ試験の結果、ヒトにおいても中枢神経系に起因する副作用が起きにくい可能性が示唆されています。当期は早期の導出を目指して国内外の複数メーカーに対し導出交渉を実施してまいりました。

抗うつ・抗不安薬「NC-2800」(オピオイドδ受容体作動薬)については、非臨床試験を終了し、その新たな作用機序に基づく情動調節薬としての期待や、既存の抗うつ・抗不安薬の抱える問題を克服しうる可能性などが認められ、2018年1月にAMEDの新規事業である「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」に採択され、引き続きAMEDの支援を受けながら開発を進めています。当期はフェーズⅠ試験に向けた準備を進めるとともに、国内外企業に向けた導出可能性についても検討を行ってきました。

また、当社グループの3つのミッションの1つである高尿酸血症の治療薬として開発を進めている尿酸降下薬については、「NC-2500」(キサンチンオキシドリダクターゼ阻害薬)がフェーズⅠ試験を、「NC-2700」(URAT1阻害薬)については非臨床試験を2017年度に終えて、ともに他社への導出や提携を目指した活動を継続いたしました。

さらに、「ソレトン錠80」(以下、ソレトン)については、日本医師会治療促進センターの支援を得て、金沢大学附属病院が中心となり、腱滑膜巨細胞腫に対する医師主導型の治験が進められています。また、カルバンについてもスペインのSOMバイオテック社により、ハンチントン病などの運動性疾患を対象としたフェーズⅡ試験が当期に始まりました。

一方、将来にわたり有望な医薬品候補を生み出し続けるためには、技術革新著しい情報技術や人工知能(AI)を取り入れるなど、創薬手法そのもののイノベーションが必要不可欠であると考え、2018年11月にAI創薬ベンチャーであるMOLCUREの第三者割当増資の一部を引受けるとともに、両社間で業務提携に向けた協議を開始することを合意した覚書を交わしております。

         (e) 生産体制

グループ全体の生産能力増強及び製造コスト削減を目的として、日本薬品工業の子会社であるNC-VN社 が建設し、商業生産開始に向けた準備を進めておりましたベトナム工場では、2018年11月よりウラリットとソレトンの商業生産を開始し、同年12月には日本に向けた輸出をスタートいたしました。その一方、日本薬品工業の国内つくば工場では、2018年11月より当社グループで初めてとなる新薬の受託製造を開始しております。

このように、今後も国内工場からベトナム工場へ品目移管を進めていくことでさらなる低コスト生産を図っていきながら、マザー工場の位置づけとなる国内工場においては、高い技術力を活かして新製品の製造や受託製造などに注力することで、当社グループ全体の最適な生産体制の確立を目指しています。

        2) 臨床検査薬

自社開発のアレルギー検査薬「オリトンIgE『ケミファ』」及び測定機器の「DiaPack3000」について、海外に広くネットワークを有する国内企業と協力し、アジア、中国、欧州などでマーケティング活動を行ってまいりました。また、企業と製品の知名度向上策として、専門学会などでの出展や学会発表も積極的に行いました。

 

以上により、医薬品事業全体の売上高は32,682百万円(前期比4.7%減)、営業利益は1,375百万円(前期比24.3%減)となりました。

 

② その他

受託試験事業、ヘルスケア事業及び不動産賃貸事業である「その他」の事業では受託試験事業の厳しい競争環境の中で受注が堅調に推移した結果、売上高は1,500百万円(前期比42.7%増)となり、営業利益は88百万円(前期比188.3%増)となりました。

 

以上の結果、各セグメントを通算した業績は当期の連結売上高が34,182百万円(前期比3.3%減)、連結営業利益が1,464百万円(前期比20.8%減)、連結経常利益が1,512百万円(前期比10.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が881百万円(前期比24.1%減)となりました。

 

3つのミッションの1つであるジェネリック医薬品の市場環境は前述の通り、薬価改定の影響に加え、ジェネリック医薬品への置換え率の上昇やオーソライズドジェネリックの台頭などでさらに厳しさを増しております。かかる市場環境下、当社においてはグループで販売チャネルの多様化を進めることなどで売上の増収を図っているものの、医薬品事業並びに「その他」の事業を含めた売上高は減収となりました。

利益面では、ジェネリック医薬品及び新薬開発にかかる開発費の効率的使用や経常的な経費の削減に努めたことなどから販管費率は低下した一方で、薬価改定による単価引き下げや主力品の売上減の影響から原価率が上昇し、営業利益以下各利益で減益の結果となりました。

かかる状況下でのより効率的な販売体制の構築のため、当社におきましてはサプライチェーン効率化の一環として2018年度中に支店・営業所の統合や、医薬事業のマネジメントを強化するための販売体制の見直しを行いました。刻々と変化する事業環境に対して迅速な対応をとることで、MR活動のさらなる生産性向上に取り組んでまいります。さらに、2019年2月に製造販売承認を承継した新薬の経口腸管洗浄剤「ピコプレップ配合内用剤」に関する情報提供活動は、当社が消化器・オンコロジー領域への取り組みを通じて育んできた医師・薬剤師とのリレーションのさらなる深耕に資するものです。本剤に加えて周辺薬剤に関する情報提供を可能とすることで、より一層効率的なMR活動につながるものと期待しております。

また日本薬品工業による新たな販路での売上が順調に伸びており、引き続き販売チャネルの選択肢を拡大させながらグループ全体での売上増加を図ってまいります。

主力品のウラリットは2019年に発売から30年を迎えました。今後も腎臓内科、泌尿器科、代謝系内科などの専門医から得られた痛風・高尿酸血症における酸性尿の改善及びアシドーシスの酸塩基平衡改善の重要性を示すデータを活用しながら、医師・薬剤師などの医療関係者はもとより、患者さんへの有用な情報の発信をこれまで以上に強化し、痛風・高尿酸血症における尿アルカリ化療法の啓発、認知向上に努めてまいります。また、「骨太の方針2018」でCKD予防への取り組みが取り上げられる中、引き続き東北大学で進められている尿アルカリ化薬とCKDの関連を解明する臨床研究への協力を行っていきます。

海外においては、ASEAN、中国などで申請中の品目について早期に承認を得るとともに、申請準備段階にある品目についてもなるべく早く申請手続きに入り、品目数の拡大を図ってまいります。また、臨床検査薬事業においては、海外に広くネットワークを有する国内企業とともに中国でのビジネス展開を図っており、早期に同国での製品上市を目指しています。

新薬の研究開発については、各開発品の特性などを国内外の企業へアピールし、導出交渉を進めてまいります。加えて、AI創薬ベンチャーMOLCUREとの協業など、最新の創薬技術導入にチャレンジし、将来のパイプライン充実に向けた基盤づくりにも取り組んでいきます。

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

当期における連結ベースの現金及び現金同等物は、営業活動により2,196百万円増加いたしました。また投資活動においては960百万円の減少、財務活動においては110百万円の増加となりました。

この結果、当期末の現金及び現金同等物(以下、資金)は9,254百万円(前期末比17.3%増)となりました。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当期において、営業活動による資金は法人税等の支払及び仕入債務の減少などがあったものの、主に税金等調整前当期純利益の計上により、2,196百万円の増加(前期は3,188百万円の増加)となりました。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当期において、投資活動による資金は主に既存設備更新のための固定資産取得などにより、960百万円の減少(前期は1,606百万円の減少)となりました。なお、これらの支払は過年度における銀行借入金を充当しております。

なお前期に比べ支出が減少した主な要因は、ベトナム工場建設等の大型設備投資が一巡したことによるものです。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当期において、財務活動による資金は長期借入金の返済があった一方で、主に長期の借入れがあり、110百万円の増加(前期は1,741百万円の減少)となりました。

なお前期に比べキャッシュ・フローが増加した主な要因は、前期には自己株式の取得支出があったことによるものです。

 

 (3) 財政状態

流動資産は前期末に比べて3.2%増加し、28,668百万円となりました。これは売上債権が減少した一方で、主に現金及び預金の増加によるものです。

固定資産は前期末に比べ3.5%減少し、18,256百万円となりました。これは、主に減価償却費の計上によるものです。

この結果、総資産は前期末に比べて0.5%増加し、46,926百万円となりました。

流動負債は前期末に比べて7.3%減少し、13,825百万円となりました。これは、主に仕入債務の減少によるものです。

固定負債は前期末に比べて6.6%増加し、15,237百万円となりました。これは、長期借入金の増加などによるものです。

この結果、負債合計は前期末に比べて0.5%減少し、29,063百万円となりました。

純資産合計は前期末に比べて2.1%増加し、17,863百万円となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものです。

 

 (4) 生産、受注及び販売の状況

  ① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

医薬品事業

7,664

△4.6

その他

合計

7,664

△4.6

 

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  ② 受注状況

当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立て、これにより生産をしております。

受注生産は一部の子会社で行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。

 

  ③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

医薬品事業

32,682

△4.7

その他

1,500

42.7

合計

34,182

△3.3

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

アルフレッサ㈱

8,067

22.8

7,508

22.0

㈱メディセオ

7,374

20.9

6,485

19.0

 

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けながら、当社と九州大学が共同で開発を進めてまいりました「NC-2600」(P2X4受容体拮抗薬)は、世界で初めてグリア細胞をターゲットとした神経障害性疼痛治療薬であり、フェーズⅠ試験の結果、ヒトにおいても中枢神経系に起因する副作用が起きにくい可能性が示唆されています。当期は早期の導出を目指して国内外の複数メーカーに対し導出交渉を実施してまいりました。

抗うつ・抗不安薬「NC-2800」(オピオイドδ受容体作動薬)については、非臨床試験を終了し、その新たな作用機序に基づく情動調節薬としての期待や、既存の抗うつ・抗不安薬の抱える問題を克服しうる可能性などが認められ、2018年1月にAMEDの新規事業である「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」に採択され、引き続きAMEDの支援を受けながら開発を進めています。当期はフェーズⅠ試験に向けた準備を進めるとともに、国内外企業に向けた導出可能性についても検討を行ってきました。

また、当社グループの3つのミッションの1つである高尿酸血症の治療薬として開発を進めている尿酸降下薬については、「NC-2500」(キサンチンオキシドリダクターゼ阻害薬)がフェーズⅠ試験を、「NC-2700」(URAT1阻害薬)については非臨床試験を2017年度に終えて、ともに他社への導出や提携を目指した活動を継続いたしました。

さらに、「ソレトン錠80」については、日本医師会治療促進センターの支援を得て、金沢大学附属病院が中心となり、腱滑膜巨細胞腫に対する医師主導型の治験が進められています。また、「カルバン錠25・50・100」についてもスペインのSOMバイオテック社により、ハンチントン病などの運動性疾患を対象としたフェーズⅡ試験が当期に始まりました。

なお、医薬品事業における研究開発費の総額は2,066百万円であります。

 

  (注) 「その他」の事業では、研究開発活動を行っていないため記載しておりません。