文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、円高の進行に伴う企業収益の圧迫や、景気の先行きへの不安により個人消費に足踏みがみられています。海外経済は、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気に減速傾向がみられるほか、イギリスのEU離脱の決定による影響への懸念から、先行きが不透明な状況です。
臨床検査薬業界におきましては、医療制度改革が進められる中で平成28年度診療報酬改定が実施され、検体検査実施料は全体でマイナス0.4%程度と小幅な下げにとどまりました。海外においては、先進国における医療費抑制のための効率化のニーズや予防医学の拡大、新興国における人口の増加と経済発展に伴う医療インフラの整備など、今後も継続的な成長が期待されています。
このような経営環境の下、当社グループは新経営構想“EIKEN ROAD MAP 2009”の方針に基づいてグループ中期経営計画を策定し、国内での主力製品の売上拡大に努めるとともに、海外市場では便潜血検査、免疫血清学的検査、尿検査、遺伝子検査の4つを重点事業分野として、グループ全体でのグローバル化を推進してまいりました。
これらの結果といたしまして、当第2四半期連結累計期間の売上高は、海外向けの売上が伸びたほか、国内においては主力製品の便潜血検査用試薬や迅速検査キット(イムノキャッチシリーズ)が売上を牽引し、168億4百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
製品の種類別区分ごとの売上高では、微生物検査用試薬は、迅速検査キット(イムノキャッチシリーズ)の売上が大きく伸び、24億70百万円(同8.7%増)となりました。尿検査用試薬は国内及び海外向けの尿試験紙の売上が伸び、12億37百万円(同9.2%増)となりました。免疫血清学的検査用試薬は、国内でヘリコバクター・ピロリ抗体検査用試薬及び便潜血検査用試薬の売上が伸びたものの、東ソー株式会社から導入・販売しているAIA関連試薬、海外向けの便潜血検査用試薬の売上が伸び悩み、95億53百万円(同0.4%減)となりました。生化学的検査用試薬及び器具・食品環境関連培地は売上が伸びず、それぞれ3億18百万円(同5.6%減)、11億30百万円(同1.4%減)となりました。その他(医療機器・遺伝子関連等)は、遺伝子検査(LAMP法)試薬及び特許料収入が増加したことに加えて、海外向けの医療機器の売上が大きく伸び、20億94百万円(同15.6%増)となりました。
海外向け売上高につきましては、便潜血検査用試薬・装置の売上が伸び悩んだものの、尿検査用試薬・装置が伸び、18億62百万円(同6.0%増)となりました。
利益面では、自社製品の製造原価の低減、経費の効率的な使用に努め、当第2四半期連結累計期間に見込んでいた研究開発費が第3四半期以降にずれ込んだこともあり、営業利益は23億25百万円(同18.7%増)、経常利益は23億43百万円(同18.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、17億15百万円(同35.8%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりであります。
前連結会計年度末に比べ総資産は28億67百万円増加、負債は16億9百万円増加、純資産は12億58百万円増加いたしました。
自己資本比率は前連結会計年度末の71.2%から69.4%となりました。
増減の主なものとして、資産の部では、現金及び預金が37億61百万円増加しております。これは主に長期預金29億円を現金及び預金に振替えたことによるものです。また、売上の増加により、受取手形及び売掛金が7億28百万円増加しております。有形固定資産が9億48百万円増加しておりますが、これは主に生産能力増強に向けた野木工場の新製造棟建設によるものです。負債の部では、仕入の増加により電子記録債務が1億47百万円増加、法人税等の計上により未払法人税等が2億68百万円増加しております。また、流動負債その他が10億58百万円増加しておりますが、これは設備投資に伴い営業外電子記録債務が6億9百万円増加したことによります。純資産の部では、配当金の支払いがあったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が13億49百万円増加いたしました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ18億78百万円増加し、当連結会計年度末には69億53百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、20億72百万円の増加(前年同四半期は9億6百万円の増加)となりました。これは主に売上債権の増加により7億34百万円の減少及び、法人税等の支払額が3億53百万円あったものの、仕入債務の増加 により2億3百万円の増加及び、税金等調整前四半期純利益が23億22百万円あったことによります。
なお、減価償却費は7億32百万円発生しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、2億66百万円の増加(前年同四半期は8億44百万円の減少)となりました。これは主に生産設備等の設備投資による有形固定資産の取得による支出が7億円及び、定期預金の預入による支出が19億90百万円あったものの、定期預金の払戻による収入が29億86百万円あったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、4億54百万円の減少(前年同四半期は4億18百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額が3億65百万円あったことによります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、当第2四半期連結累計期間において、グローバル企業“EIKEN”の実現に向けて、以下の重点課題について、次のように取り組んでまいりました。
①国内市場での自社製品のシェアアップ
当社の主力製品である便潜血検査用試薬について、便潜血測定装置「OCセンサーPLEDIA(プレディア)」の設置を推進し、新規採用先の拡大に向けて注力したほか、大腸がん検診の受診率アップのための啓発活動を展開いたしました。また、イムノクロマト法による迅速検査キット(イムノキャッチシリーズ)について、「イムノキャッチ-レジオネラ」、「イムノキャッチ-肺炎球菌」を中心に販売を推進いたしました。
②グローバル展開の加速
米国では2016年6月に大腸がんスクリーニングに関する新ガイドラインが発行されたことを受けて、便潜血検査用試薬・装置の採用拡大に注力いたしました。欧州ではドイツやイングランドで大腸がん国家スクリーニング獲得に向けた活動を継続いたしました。
FIND(Foundation for Innovative New Diagnostics)と共同開発していたLAMP法を用いた結核遺伝子検査法がWHOの推奨を受けて、POLICY GUIDANCEが発行されました。また、ドイツのHUMAN Gesellschaft fuer Biochemica und Diagnostica mbHと結核遺伝子検査薬及びマラリア遺伝子検査薬について、海外販売契約を締結いたしました。
③研究開発力の強化
技術のブラッシュアップによる製品の改良を進め、尿自動分析装置「US-1000」の後継機種「US-1200」を2016年8月に発売いたしました。
④経営効率を高めるための基盤整備
野木事業所内の尿検査用試薬等の生産能力増強のための新製造棟の建設は予定通り進捗し、2016年10月に完成いたしました。製造設備の稼働に向けて、引き続き準備を進めてまいります。さらに、便潜血検査用試薬、LZ試薬のグローバル展開拡大に向けた増産体制として、那須第二工場の増改築に着工いたしました。また、全社最適化による経営効率の向上として、IT中期計画を策定いたしました。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、10億27百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。