第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1)業績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善など緩やかな回復基調が続いたものの、株価や為替の不安定な動きを背景に、企業収益の改善に足踏みがみられています。海外経済は、中国を始めとするアジア新興国の景気減速の懸念に加え、イギリスのEU離脱問題、米大統領選後の円安・株高の急進など、政治・経済動向による変動リスクから、先行きが不透明な状況が続いています。

臨床検査薬業界におきましては、医療制度改革が進められる中で平成28年度診療報酬改定が実施され、検体検査実施料は全体でマイナス0.4%程度と小幅な下げにとどまりました。海外においては、先進国における医療費抑制のための効率化のニーズや予防医学の拡大、新興国における人口の増加と経済発展に伴う医療インフラの整備など、今後も継続的な成長が期待されています。

このような経営環境の下、当社グループは新経営構想“EIKEN ROAD MAP 2009”の方針に基づいてグループ中期経営計画を策定し、国内での主力製品の売上拡大に努めるとともに、海外市場では便潜血検査、免疫血清学的検査、尿検査、遺伝子検査の4つを重点事業分野として、グループ全体でのグローバル化を推進してまいりました。

これらの結果といたしまして、当第3四半期連結累計期間の売上高は、海外向けの売上が伸びたほか、国内においては主力製品の便潜血検査用試薬をはじめ、迅速検査キット(イムノキャッチシリーズ)や遺伝子検査(LAMP法)試薬が売上を牽引し、252億52百万円(前年同期比4.2%増)となりました。

製品の種類別区分ごとの売上高では、微生物検査用試薬は、迅速検査キット(イムノキャッチシリーズ)の売上が大きく伸び、39億30百万円(同12.0%増)となりました。尿検査用試薬は国内及び海外向けの尿試験紙の売上が伸び、18億43百万円(同7.3%増)となりました。免疫血清学的検査用試薬は、国内でヘリコバクター・ピロリ抗体検査用試薬及び便潜血検査用試薬の売上が伸びたものの、東ソー株式会社から導入・販売しているAIA関連試薬、海外向けの便潜血検査用試薬の売上が伸び悩み、140億0百万円(同0.5%減)となりました。生化学的検査用試薬及び器具・食品環境関連培地は売上が伸びず、それぞれ4億78百万円(同4.7%減)、16億93百万円(同1.2%減)となりました。その他(医療機器・遺伝子関連等)は、遺伝子検査(LAMP法)試薬及び特許料収入が増加したことに加えて、海外向けの医療機器の売上が大きく伸び、33億5百万円(同21.9%増)となりました。

海外向け売上高につきましては、便潜血検査用試薬の売上が伸び悩んだものの、尿検査用試薬・装置が伸び、28億73百万円(同16.8%増)となりました。

利益面では、自社製品の製造原価の低減、経費の効率的な使用に努め、第3四半期連結累計期間に見込んでいた研究開発費の期ズレ、未実施があったこともあり、営業利益は33億82百万円(同19.1%増)、経常利益は34億64百万円(同20.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、24億74百万円(同31.7%増)となりました。

 

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりであります。

前連結会計年度末に比べ総資産は27億86百万円増加、負債は9億78百万円増加、純資産は18億8百万円増加いたしました。

自己資本比率は前連結会計年度末の71.2%から70.8%となりました。

増減の主なものとして、資産の部では、現金及び預金が20億19百万円増加しております。これは主に長期預金29億円を現金及び預金に振替えたことによるものです。また、受取手形及び売掛金が16億98百万円増加しておりますが主に年末の金融機関休日に伴って売掛金の回収が翌月になったことによるものです。有形固定資産が18億95百万円増加しておりますが、これは主に生産能力増強に向けた野木工場の新製造棟建設によるものです。負債の部では、法人税等の計上により未払法人税等が1億38百万円増加、賞与の支払により賞与引当金が3億45百万円減少しております。また、流動負債その他が10億39百万円増加しておりますが、これは設備投資に伴い営業外電子記録債務が7億1百万円増加したことによります。純資産の部では、配当金の支払があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が17億42百万円増加いたしました。

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、当第3四半期連結累計期間において、グローバル企業“EIKEN”の実現に向けて、以下の重点課題について、次のように取り組んでまいりました。

①国内市場での自社製品のシェアアップ

当社の主力製品である便潜血検査用試薬について、便潜血測定装置「OCセンサーPLEDIA(プレディア)」の設置を推進し、新規採用先の拡大に向けて注力したほか、大腸がん検診の受診率アップのための啓発活動を展開いたしました。また、イムノクロマト法による迅速検査キット(イムノキャッチシリーズ)について、「イムノキャッチ-レジオネラ」、「イムノキャッチ-肺炎球菌」を中心に販売を推進いたしました。

②グローバル展開の加速

米国では平成28年6月に大腸がんスクリーニングに関する新ガイドラインが発行されたことを受けて、便潜血検査用試薬・装置の採用拡大に注力いたしました。また、欧州を中心に各国で大腸がん国家スクリーニング獲得に向けた活動を継続し、中東ではカタールで国家スクリーニングを獲得いたしました。FIND(Foundation for Innovative New Diagnostics)と共同開発していたLAMP法を用いた結核遺伝子検査法がWHOの推奨を受けて、POLICY GUIDANCEが発行されました。また、ドイツのHUMAN Gesellschaft fuer Biochemica und Diagnostica mbHと結核遺伝子検査薬及びマラリア遺伝子検査薬について、グローバル販売契約を締結いたしました。

③研究開発力の強化

技術のブラッシュアップによる製品の改良を進め、尿自動分析装置「US-1000」の後継機種「US-1200」を平成28年8月に発売いたしました。また、LAMP 法による百日咳菌核酸キット「Loopamp百日咳菌検出試薬キットD」が平成28年11月に保険収載されました。

④経営効率を高めるための基盤整備

野木事業所内の尿検査用試薬等の生産能力増強のための新製造棟の建設は予定通り進捗し、平成28年10月に完成いたしました。平成29年9月稼働に向けて、引き続き準備を進めております。さらに、便潜血検査用試薬、LZ試薬のグローバル展開拡大に向けた増産体制として、那須第二工場の増改築を着工し、平成29年4月稼働に向けて準備を進めております。また、全社最適化による経営効率の向上として、IT中期計画を策定いたしました。

 

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、16億74百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

(5)主要な設備

前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間に完成したものは、次のとおりであります。

会社名

事業所名

所在地

セグメントの名称

設備の内容

投資額

(百万円)

資金調達方法

完成年月

当社

野木事業所

栃木県

野木町

検査薬事業

新製造棟建設

2,838

自己資金

平成28年10月(注)

(注)  前連結会計年度末において計画しておりました野木工場再構築(投資予定総額3,074百万円)につきまして、主要部分である新製造棟(工場建物)が平成28年10月に完成いたしました。平成29年9月稼働に向けて、生産ライン構築及び周辺インフラの整備等を進めております。