第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは経営の基本として、以下のとおり「経営理念」、「経営ビジョン」、「モットー」を中心に“EIKEN WAY”を策定し、グループ全体で“EIKEN WAY”を実践することにより持続的な企業価値の向上を図り、取引先の繁栄と株主並びに社会への貢献を果たしてまいります。

□経営理念  :ヘルスケアを通じて人々の健康を守ります。

□経営ビジョン:EIKENグループは、人々の健康を守るため、検査のパイオニアとしてお客様に信頼される製品・サービスを提供し、企業価値の向上を図ります。

□モットー  :品質で信頼され、技術で発展する“EIKEN”

 

(2) 経営戦略等

当社グループは“EIKEN ROAD MAP 2009”のもとに、企業価値の向上を図るとともに、グローバル企業への変革を柱として、持続的な成長を遂げてきました。この成長を継続し、事業のスピードアップと拡大を図ることが必要と考え、新たな“EIKEN ROAD MAP 2019”にて創立90周年にあたる2028年度に「世界的な臨床検査薬企業として、人々の健康を守り続ける」という、当社グループのグランドビジョンを実現するために以下の基本戦略を策定しました

□基本戦略1:成長と利益性の向上

□基本戦略2:新たなビジネスの創出

□基本戦略3:基盤整備

2020年3月期~2022年3月期を構造改革期と位置づけた新中期経営計画を策定し、グローバル企業“EIKEN”の実現に向けた社内体制の整備を行い、ヘルスケアを通じて世界に貢献するとともに持続的な成長と着実な収益性の向上を目指します。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、新中期経営計画において2022年3月期を最終年度として、売上高38,700百万円(海外向け売上高9,460百万円)、営業利益5,320百万円(営業利益率13.7%)、ROE10%を達成することを目指しております

 

(4) 経営環境

わが国経済の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復が継続することが期待されます。医療現場におきましては、高齢化社会における医療・介護ニーズの多様化などを背景に、地域包括ケアシステムが推進されていくことが予想されます。海外においては、先進国における医療費抑制のための効率化のニーズや予防医学の拡大、新興国における人口の増加と経済発展に伴う医療インフラの整備など、今後も成長が期待されております

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

① 当社グループは、当連結会計年度において、グローバル企業“EIKEN”の実現に向け、以下の重点課題に取り組んでまいりました。

(ア)国内市場での自社製品のシェアアップ

当社の主力製品である便潜血検査用試薬について、便潜血測定装置「OCセンサーPLEDIA(プレディア)」の設置を推進し、新規採用先の拡大に向けて注力したほか、大腸がん検診の受診率アップのための啓発活動を展開いたしました。また、尿検査用試薬・装置について、全自動尿分析装置「US-3500」と尿沈渣機器の組合せ販売を推進し、新規採用の獲得に努めました

(イ)グローバル展開の加速

米国で便潜血検査用試薬・装置の採用拡大に注力するとともに、欧州・中東を中心に大腸がん国家スクリーニング獲得に向けた活動を継続しました。海外向けの尿検査用試薬・装置につきましては、シスメックス株式会社との協業を推進し、販売拡大に努めました。遺伝子検査においては、LAMP法による結核菌群遺伝子検査試薬、マラリア遺伝子検査試薬のグローバル展開に向け、アジア、アフリカを中心とする地域で臨床試験を推進いたしました。カメルーンでの採用事例をモデルに、各国への水平展開に取り組んでおります

 

(ウ)研究開発力の強化

「Near the patient」という医療ニーズに対応するための小型全自動遺伝子検査システム(Simprova)について、装置及び多項目遺伝子検査チップの開発を推進し、2018年6月より順次、呼吸器感染症項目の製造販売承認申請を行っております。引き続き早期上市に向け取り組んでまいります

(エ)経営効率を高めるための基盤整備

全社最適化による経営効率向上のため、基幹システムの刷新を含む全社IT化施策を推進いたしました。

 

当社グループは、新たに策定した“EIKEN ROAD MAP 2019”及び中期経営計画に基づき、第82期から第84期を今後の成長に向けた構造改革期と位置づけ、持続的な成長と収益性向上を目指します。中期経営計画では以下の点を引き続き重点課題として捉え、これらを行動計画に展開し取り組んでまいります

(ア)経営効率を高めるための基盤整備

(イ)グローバル展開の加速

(ウ)国内販売の維持とシェアアップ

(エ)研究開発力の強化

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。

なお、これらのほかにも現在及び将来において、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性のある様々なリスクが存在しており、ここに記載されたリスクは当社グループのすべてのリスクではありません。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 臨床検査市場の変化による影響

日本では少子高齢化等に伴う医療制度改革が実施され、医療費の抑制が継続しております。また、臨床検査市場は、医薬品医療機器等法や関連法規制に服しております。今後、医療費抑制に伴う販売競争や関連法規制の変化への対応が遅れた場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(2) 研究開発活動による影響

当社グループは、迅速かつ効率的な研究開発に努め、新製品開発及び製品の改良を行っておりますが、臨床検査薬業界は技術革新に伴う開発競争が激しく、研究開発の遅れや中断によっては、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(3) 品質問題による影響

当社グループは、品質マネジメントシステム(ISO13485)に基づいて、厳格な品質管理のもとに製品の品質保証に取り組んでおります。しかしながら、万一製品に重大な品質問題が発生した場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(4) 情報システムによる影響

当社グループは、各種ITシステムを導入し、業務の効率化を図っておりますが、情報技術革新への対応の遅れや災害等によるシステム障害・回線障害、コンピュータウイルスによる障害・情報流出等が発生した場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(5) 災害、事故等に伴う事業停止による影響

当社グループの工場及びサプライヤーにおいて、地震等の自然災害や火災等の事故が発生した場合には、事業活動の停止、制約等により製品供給に支障をきたし、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(6) 海外事業展開による影響

当社グループは、販売活動のグローバル展開を積極的に推進しており、海外売上高の比率も高まっております。海外の国・地域には、為替変動、法規制の変化、政情の変化、景気の変化等の様々なカントリーリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の売上高は、主力製品の便潜血検査用試薬を中心に海外向けの売上が増加し、35,761百万円(前期比2.2%増)となりました。

製品の種類別区分ごとの売上高では、微生物検査用試薬は、培地の売上が減少したものの薬剤感受性検査用試薬等の売上が伸び、5,153百万円(同1.1%増)となりました。尿検査用試薬は国内及び海外向け売上がともに伸長し、3,097百万円(同6.6%増)となりました。免疫血清学的検査用試薬は、東ソー株式会社から導入・販売しているAIA関連試薬が減少したものの、便潜血検査用試薬は海外向け売上が大きく伸びたほか国内販売も堅調に推移し、19,989百万円(同4.6%増)となりました。生化学的検査用試薬及び器具・食品環境関連培地は、それぞれ595百万円(同2.1%減)、2,169百万円(同0.6%減)となりました。その他(医療機器・遺伝子関連等)は、遺伝子検査(LAMP法)試薬の売上が増加しましたが、海外向け尿検査用装置等の売上が減少したことにより、4,755百万円(同6.5%減)となりました。

海外向け売上高につきましては、便潜血検査用試薬の売上が大きく伸び、6,070百万円(同12.3%増)となりました。

利益面では、売上構成の変化による売上原価率の改善や販管費の減少により、営業利益は4,611百万円(同32.6%増)、経常利益は4,681百万円(同31.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,447百万円(同32.1%増)となりました。

 

当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりであります。

前連結会計年度末に比べ総資産は2,113百万円増加、負債は421百万円減少、純資産は2,535百万円増加いたしました。

自己資本比率は前連結会計年度末の71.2%から73.5%となりました。

増減の主なものとして、資産の部では、現金及び預金が2,179百万円減少、長期預金が3,000百万円増加しております。負債の部では、支払条件の変更により電子記録債務が597百万円減少しております。純資産の部では、配当金の支払があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2,510百万円増加いたしました。

 

 

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,202百万円減少し、当連結会計年度末には4,448百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、3,318百万円の収入(前連結会計年度は4,091百万円の収入)となりました。これは

主に、売上債権の増加により242百万円の支出、たな卸資産の増加により532百万円の支出、仕入債務の減少により883百万円の支出及び、税金等調整前当期純利益が4,649百万円あったことによります。

なお、減価償却費は1,594百万円発生しております。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、4,435百万円の支出(前連結会計年度は3,250百万円の支出)となりました。これは

主に、生産設備等の設備投資による有形固定資産の取得による支出が769百万円、定期預金の預入による支出が6,127百万円及び、定期預金の満期による収入が3,099百万円あったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、1,083百万円の支出(前連結会計年度は1,175百万円の支出)となりました。これは

主に、配当金の支払が937百万円あったことによります。

 

 

生産、受注及び販売の実績

当社グループは、検査薬事業のみの単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績については製品の種類別区分ごとに記載しております。

 

(ア)生産実績

当連結会計年度における生産実績を製品の種類別区分ごとに示すと、次のとおりであります。

製品の種類別区分の名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

微生物検査用試薬(百万円)

4,307

96.9

尿検査用試薬(百万円)

3,343

104.5

免疫血清学的検査用試薬(百万円)

7,645

103.8

生化学的検査用試薬(百万円)

器具・食品環境関連培地(百万円)

273

96.6

その他(百万円)

758

130.0

合計(百万円)

16,328

102.8

(注)1.金額は、売価換算値で表示しております。

2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(イ)商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績を製品の種類別区分ごとに示すと、次のとおりであります。

製品の種類別区分の名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

微生物検査用試薬(百万円)

668

105.7

尿検査用試薬(百万円)

19

88.2

免疫血清学的検査用試薬(百万円)

8,393

106.9

生化学的検査用試薬(百万円)

305

97.9

器具・食品環境関連培地(百万円)

1,587

98.1

その他(百万円)

2,830

81.3

合計(百万円)

13,805

99.2

(注)本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ウ)受注実績

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(エ)販売実績

当連結会計年度における販売実績を製品の種類別区分ごとに示すと、次のとおりであります。

製品の種類別区分の名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

微生物検査用試薬(百万円)

5,153

101.1

尿検査用試薬(百万円)

3,097

106.6

免疫血清学的検査用試薬(百万円)

19,989

104.6

生化学的検査用試薬(百万円)

595

97.9

器具・食品環境関連培地(百万円)

2,169

99.4

その他(百万円)

4,755

93.5

合計(百万円)

35,761

102.2

(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱スズケン

4,728

13.5

5,028

14.1

東邦薬品㈱

4,549

13.0

4,284

12.0

アルフレッサ㈱

3,786

10.8

3,905

10.9

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま

す。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来のリスク、

不確実性及び仮定を伴う予測情報を含んでいます。「2事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要因により、当社グループの実際の業績は、これらの予測情報から予測された内容とは大幅に異なる可能性があります。

 

重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。

当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は、貸倒債権、売上戻り品、退職金、投資、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(ア)貸倒引当金

当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
(イ)返品調整引当金

当社グループは、売上げた製品及び商品が、品質上の欠陥等の理由で、販売先から返送される見積額について、返品調整引当金を計上しております。返品調整引当金の見積りは、過去の実績に基づいておりますが、実際の返品率が見積りと異なる場合、見積額の修正が必要となる可能性があります。

(ウ)退職給付費用

当社においては従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の収益率などが含まれます。当社の年金制度においては、割引率は日本の国債の市場利回りを参考値として、在籍従業員の平均残存勤務期間内の一定の年数で算出しております。期待収益率は、年金資産が投資されている資産の種類毎の期待収益率の加重平均に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下及び年金資産運用での損失は、当社グループの退職給付費用に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

(エ)投資の減損

当社グループは、取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関の株式を保有しております。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは投資価値が著しく下落し、回復の見込みがないと判断した場合、投資の減損を計上しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

(オ)固定資産の減損

固定資産については、その資産から将来生み出されると期待される割引前のキャッシュ・フローが帳簿価額を下回っている場合に減損していると判断しております。減損が発生していると判断した場合は、当該資産の帳簿価額が公正価値を超過している額に基づいて損失額を算出しております。

 

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

当連結会計年度の売上高は、主力製品の便潜血検査用試薬を中心に海外向けの売上が増加し、35,761百万円(前期比2.2%増)となりました。

売上構成の変化による売上原価率の改善により、売上原価は20,069百万円、売上原価率は56.1%となり、前連結

会計年度に比べ1.9ポイント低下いたしました。

売上総利益は前連結会計年度に比べ990百万円増加し、15,692百万円となりました。販売費及び一般管理費につ

いては、経費の効率的な使用に努め、前連結会計年度に比べ140百万円減少し、11,080百万円となりました。

営業利益は前連結会計年度に比べ1,132百万円増加し、4,611百万円となりました。売上高営業利益率は12.9%と

なり前連結会計年度に比べ3.0ポイント上昇いたしました。

営業外収益は100百万円を計上し、前連結会計年度に比べ6百万円減少いたしました。営業外費用は30百万円を計上し、前連結会計年度に比べ5百万円減少いたしました。

経常利益は営業外損益で70百万円を計上し、4,681百万円となり、前連結会計年度に比べ1,131百万円増加いたし

ました。経常利益率は前連結会計年度に比べ2.9ポイント上昇し、13.1%となりました。

特別利益は98百万円を計上し、前連結会計年度に比べ98百万円増加いたしました。特別損失は130百万円を計上

し、前連結会計年度に比べ55百万円増加いたしました。

税金等調整前当期純利益は特別損益で31百万円の純損失を計上し、4,649百万円となりました。税金等調整前当

期純利益に対する法人税、住民税及び事業税の負担率は前連結会計年度24.92%に対して当連結会計年度が25.85%となり、0.9ポイント上昇いたしました。

親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ838百万円増加し、3,447百万円となり、当期純利益率

としては2.2ポイント上昇し9.6%となりました。

当社グループは、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、2019年3月期に売上高36,760百万円、営業利益4,200百万円、ROE9.2%の達成を目指しておりましたが、売上高35,761百万円、営業利益4,611百万円、ROE10.3%となりました。売上高については、主に海外向け売上高が見込みどおり伸びなかったことにより、目標を達成できませんでした営業利益とROEについては、売上構成の変化による売上原価率の改善や販管費の減少により、目標を達成いたしました。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりであります。

(ア)キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

(イ)財務政策

当社グループの財務政策における基本方針は、総資産の圧縮及び資本効率の向上による財務体質の強化であり、継続的に実行しております。

資金の調達及び運用については、当社グループとして一体となり実行しており当社の信用力を最大限に活用しております。運転資金及び減価償却費の範囲内における設備投資については、基本的に手持資金(利益等の内部留保資金)にて調達しております。なお、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関との間で、総額5,400百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。余剰資金の運用については、安全性・流動性の高い金融商品にて実行しております。当社グループの高いキャッシュポジションに対して、今後の効率的・戦略的な資金運用を検討しております。

当社グループは、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力、売掛債権信託(債権流動化)及び貸出コミットメント契約により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。今後の投資予定としては、野木工場隣接地の購入、基幹システムの刷新計画があり、当該資金は手持資金で調達する予定であります。詳細は「3設備の新設、除却等の計画(1)重要な設備の新設」に記載のとおりです。

また、当社グループは株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題のひとつと位置づけたうえで、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を勘案し安定した配当政策を実施すること、また、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。具体的には、上記方針を踏まえ連結配当性向30%以上の配当を目標といたします。

 

4【経営上の重要な契約等】

業務提携契約

契約会社名

内容

契約日

有効期限

大塚製薬㈱

臨床検査市場において、両社が競争力を強化し、メリットを享受できるための販売・市場育成、研究開発、技術の相互利用及び、両社の信頼・協力関係を深め、業務提携をより円滑に進めることを目的とする当社への資本参加を含めた業務提携契約。

2006年9月7日

業務提携契約

5年間

※期間終了後、1年毎

 の更新

 

 

5【研究開発活動】

日本経済再生の柱として、医療、医薬品、医療機器を戦略産業として育成する」という政府方針のもとで日本発の技術輸出が求められる中、グローバル製品の開発を最重要課題として市場動向の把握に努め、既存の大型製品群の強化充実並びに独自技術と研究開発力の強化による製品開発を推進してまいりました。

遺伝子検査試薬では、三大感染症のひとつであるマラリアの克服を目指して熱帯熱マラリア原虫と全種のヒトマラリア原虫を同時に検出する欧州体外診断薬「Loopamp MALARIA Pan/Pf Detection kit」を既に発売しておりましたが、個別に測定したいとの市場のニーズより、それぞれを別キットとして製品化いたしました。また、治療薬が他と異なる三日熱マラリア原虫を検出する「Loopamp MALARIA Pv detection kit」も新たなラインアップとして加えました。今後これらの試薬の国内体外診断薬化を目指します。

「Near the patient」という医療ニーズに対応するための小型全自動遺伝子検査システム (Simprova)について装置及び多項目遺伝子検査チップの開発を推進し、2018年6月より順次、呼吸器感染症項目の製造販売承認申請を行っております。引き続き早期上市に向け取り組んでまいります。

細菌学的検査用試薬としては嫌気性菌検査ガイドラインに則した寒天培地4種を発売いたしました。また、薬剤耐性(AMR)対策がクローズアップされておりますが、適切な薬剤選択のため、耐性菌用プレート「ドライプレート‘栄研’(192)EPG1」を発売いたしました。研究用試薬としてカルバペネム耐性腸内細菌科細菌 (CRE)とカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)の鑑別が可能なプレート「CPEプレート‘栄研’」を発売いたしました。また、「ドライプレート‘栄研’」にチゲサイクリンを追加いたしました。イムノクロマト製品では、既発売品である「イムノキャッチ- 肺炎球菌」でご要望の多かった髄液対応品を出荷開始いたしました。また、肺炎球菌とレジオネラ菌を同時に測定できる「イムノキャッチ- 肺炎球菌/レジオネラ」を発売いたしました。

大塚製薬株式会社とは業務提携契約に基づき、両社が補完できる領域を中心に共同開発を引き続き検討中であります。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額2,904万円となりました。