(1)業績
当期の売上高は、円安効果や海外医薬品の数量増により、前期と比べ4.9%増の309億6千2百万円となりました。
利益につきましては、高萩工場第5製剤棟の減価償却費や米国における腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603等の開発テーマ進展に伴う研究開発費が増加したことから、営業利益は10.0%減の21億4千4百万円となりました。経常利益は、受取ロイヤリティーが増加した一方で、期末にかけて円高が進行したことに伴う保有外貨建資産に関する為替評価要因などから12.7%減の35億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の税率低減要因が無くなったことなどにより税率が上昇し、29.4%減の25億7千8百万円となりました。
セグメント別の売上概況
<医薬品事業>
・国内医薬品(169億2千8百万円、前期比0.2%増)
関節機能改善剤アルツは、後発品使用促進の影響を受けたものの、販売提携先の拡販努力もあり、医療機関納入本数及び当社売上は微増となりました。
眼科手術補助剤オペガンは、厳しい競合環境が継続しており、医療機関納入本数、当社売上ともに微減となりました。なお、平成28年2月に眼科手術補助剤シェルガンの製造販売承認を取得し、現在、販売提携先と発売に向けた準備を進めています。
内視鏡用粘膜下注入材ムコアップは、平成28年4月からの販売提携先変更に伴う出荷増もあり、医療機関納入本数、当社売上ともに増加しました。
・海外医薬品(73億円、同15.1%増)
米国における単回投与の関節機能改善剤ジェル・ワンは、平成27年6月の販売提携先であるジンマー バイオメット社の合併に伴う営業体制拡充の効果が徐々に現れており、現地販売及び当社売上が引き続き増加しました。当社では同社の営業活動を支援するとともに、更なる製品認知度向上策を実施していきます。
5回投与の関節機能改善剤スパルツFXは、厳しい競合品攻勢が継続するなかで、販売提携先の拡販努力により、米国現地販売は前期並みとなりました。当社売上は、円安効果により微増となりました。
中国向けアルツは、政府による価格抑制策等の影響を受け、現地販売が減少に転じました。当社売上は、販売提携先が流通方針変更により在庫水準を高めたことに加え、円安効果もあり増加しました。
・医薬品原体(12億8千9百万円、同8.4%減)
ヒアルロン酸の市場環境が厳しさを増しており、減少しました。
これらの結果、医薬品事業の売上高は255億1千8百万円(同3.5%増)となりました。
<LAL事業>
海外におけるエンドトキシン測定用試薬等が円安効果もあり増加し、売上高は54億4千4百万円(同11.7%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ1億4千7百万円増加し、94億9千4百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は55億9千5百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益35億円及び減価償却費31億9千1百万円となった一方、たな卸資産の増加額10億3千5百万円となった結果であります。前期比では14億6千2百万円収入が増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は34億1千6百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出22億4千8百万円、有価証券及び投資有価証券の取得や償還などの運用による支出16億6千9百万円の結果であります。前期比では1億1千1百万円支出が増加しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は19億4千7百万円となりました。これは主に配当金の支払額14億7千6百万円、長期借入金の返済による支出2億8千5百万円の結果であります。前期比では14億2千7百万円支出が増加しております。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品 |
27,342 |
13.0 |
|
LAL |
4,985 |
15.5 |
|
合計 |
32,327 |
13.4 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.生産実績金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品 |
3 |
△47.4 |
|
LAL |
448 |
15.6 |
|
合計 |
451 |
14.5 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.商品仕入実績金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産しております。
受注生産を一部行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品 |
25,518 |
3.5 |
|
LAL |
5,444 |
11.7 |
|
合計 |
30,962 |
4.9 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
科研製薬株式会社 |
14,767 |
50.0 |
14,836 |
47.9 |
2.販売実績金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)当社グループの対処すべき課題
医薬品産業の経営環境は、深刻化する医療財政の逼迫や国境を越えた企業の大型再編、創薬研究の技術革新とそれに伴う新薬開発競争の激化などにより、大きな変革期にあります。
このような状況のなか、当社は平成21年3月に「生化学工業10年ビジョン」を策定し、『グローバル・カテゴリー・ファーマ』として発展することを目指しています。
≪生化学工業10年ビジョン≫
・コンスタントなペースで新薬(医療機器を含む)を上市し、3年程度に1つ経営の柱となり得る市場を開拓できる実力を涵養する。
・糖質科学に研究開発の焦点を絞って、国際競争力を確立する『グローバル・カテゴリー・ファーマ』として着実な成長を持続する。
≪前中期経営計画(平成25年3月期~平成28年3月期)の総括≫
平成21年4月より3ヵ年の中期経営計画をスタートさせ、ビジョン達成に向けた第1ステップとして「基礎体力の養成と体制の構築」に取り組み、その成果と反省をもとに、平成24年4月から第2ステップとして4ヵ年の中期経営計画を策定しました。当計画のもと「10年ビジョン達成に向けた萌芽形成」を目標とし、研究・開発・生産・販売の各重点戦略に対して積極的な投資を行い、成果の芽を出すことに努めてきました。
前中期経営計画期間中においては、国内では医療費抑制策が加速するなかで、関節機能改善剤市場が厳しさを増しており、アルツはシェアを増加させたものの、売上高は減少しました。一方で、海外医薬品は前提よりも円安基調で推移したこともあり、計画を上回りました。特に、戦略製品である米国の単回投与関節機能改善剤ジェル・ワンは、販売体制の確立に時間を要したことから緩やかな立ち上がりとなりましたが、着実に売上を伸ばしつつあります。LAL事業は米国子会社の売上拡大により、当社を支える柱のひとつに成長しています。
生産面においては、高萩工場第5製剤棟の稼働開始など、当期間中に取り組んできた複数の大型設備投資が完了し、中長期的な安定供給体制が整いました。
新薬開発では、複数のテーマを並行して開発する体制を構築しつつあり、諸テーマが開発後期段階へステージアップしました。腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603は、国内第Ⅲ相臨床試験で良好な結果を得て、平成26年1月に日本での承認申請に至りました。また米国で実施中の第Ⅲ相臨床試験も順調に進展しています。しかしながら、日本での審査が継続しており、承認取得には時間を要している状況です。
以上により、目標である「10年ビジョン達成に向けた萌芽形成」については、芽吹いた成果がある一方で、一部課題を残す結果となりました。
≪新中期経営計画(平成29年3月期~平成31年3月期)の概要≫
前中期経営計画で得られた成果と課題をもとに、10年ビジョンの最終ステップとして平成28年4月から始まる3ヵ年の新中期経営計画を策定しました。本計画では、重点地域とする米国での更なる販売拡大を図るとともに、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の国内上市・米国承認取得や、既存製品の新市場への進出を目指します。また、そのために必要となるグローバル基準の生産・品質管理体制を強化します。
さらに、次世代の飛躍につながる創薬・育薬パイプラインの充実を図るために基盤技術を確立し、更なる成長に向けた強い研究開発組織を構築します。
<キーコンセプト>
・「ACT for the Vision ~10年ビジョンの達成と更なる飛躍~」
Active spirit :積極的な姿勢と
Creative mind :創造的な発想で
Takeoff :飛躍していく
・事業環境の厳しさをはねのけ、10年ビジョンを達成し、『グローバル・カテゴリー・ファーマ』として勝ち
残る。
<重点戦略>
① 腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の確実な進展
・日本での上市と、適正使用を確保しつつ拡販を実現する。
・潜在市場規模の大きい米国での事業化を目指す。
② 変形性ひざ関節症市場におけるリーディングカンパニーとしての進化
・成長ドライバーであるジェル・ワンの米国売上拡大及び新規市場展開を推進する。
・製品改良等により、国内アルツの販売数量を維持する。
・次世代品となる関節機能改善剤SI-613の開発を推進する。
③ 開発パイプラインの充実
・糖質科学分野において他社を凌駕する基盤技術を保持し、探索研究を加速させ、
持続的に開発テーマを創製する。
・臨床開発力の向上により、パイプラインのステージアップを着実に進展させる。
④ 最適な生産・品質管理体制の追求
・製品の安定供給に加え、更なる生産効率化の推進により、原価低減を実現する。
・規制動向に迅速に対応し得る、グローバル基準の生産・品質管理体制を強化する。
(2)会社の支配に関する基本方針
Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針
当社は、研究開発型製薬企業であることから、事業成長の源泉である新しい医薬品の研究開発には、多大な時間を要するとともに長期にわたる継続的な資源の投下が必須です。したがって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、企業価値向上のための長期的な投資の必要性を十分理解いただき、当社の企業価値及び株主共同の利益を継続的かつ安定的に確保、向上していくことを可能とする株主であることが望ましいと当社は考えています。
そもそも、上場会社の株主は株式市場での自由な取引を通じて決まるものであり、当社は、株式会社の支配権の移転を伴うような当社株式の大規模な買付行為も、これに応じるか否かの判断は、最終的には個々の株主の自由な意思に基づいて行われるべきであると考えています。
しかしながら、大規模な買付行為は、それが成就すれば、当社の経営に直ちに大きな影響を与えるだけの支配権を取得するものであり、当社の企業価値又は株主共同の利益に重大な影響を及ぼす可能性を有していることから、当該買付行為を行う者に関する十分な情報の提供なくしては、株主の皆さまが、当該買付行為により当社の企業価値に及ぼす影響を適切に判断することは困難です。このため、当社は、以下を行うことは当社の取締役としての責務であると考えています。
(ⅰ)大規模な買付行為を行う者から株主の皆さまの判断に必要かつ十分な情報を提供させること
(ⅱ)大規模な買付行為を行う者の提案する経営方針等が当社の企業価値に与える影響を当社取締役会が検討・評価して、株主の皆さまの判断の参考として提供すること
(ⅲ)必要に応じて、当社取締役会が大規模な買付行為又は当社の経営方針等に関して買付者と交渉又は協議を行い、あるいは当社の経営方針等に関して当社取締役会としての代替的提案を株主の皆さまに提示すること
さらに、現在の日本の資本市場と法制度の下においては、当社の企業価値又は株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすような大規模な買付行為がなされる可能性も決して否定できない状況にあります。したがって、当社は、大規模な買付行為を行う者による情報提供、当社取締役会による検討・評価といったプロセスを確保するとともに、当社の企業価値又は株主共同の利益に対する明白な侵害を防止するため、大規模な買付行為に対する対抗措置を準備しておくことも、当社の取締役としての責務であると考えています。
Ⅱ.基本方針の実現に資する特別な取組み
①経営の中長期的な重点課題と施策
当社は、「独創、公正、夢と情熱」を経営綱領として掲げ、従来から取り組んでいる糖質科学を中心とした独創的な医薬品等の開発・供給を通して、世界の人々の健康で心豊かな生活の向上に貢献する事業活動を展開しています。また、製薬企業としての社会的使命及び責任を深く自覚し、高い倫理観のもと法令遵守を徹底するとともに、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼関係の強化に努めることによって、企業価値の向上に重点をおいた経営を推進しています。
医薬品産業の経営環境は、深刻化する医療財政の逼迫や国境を越えた企業の大型再編、創薬研究の技術革新とそれに伴う新薬開発競争の激化などにより、大きな変革期にあります。
平成21年4月より3ヵ年の中期経営計画をスタートさせ、ビジョン達成に向けた第1ステップとして「基礎体力の養成と体制の構築」に取り組み、その成果と反省をもとに、平成24年4月から第2ステップとして4ヵ年の中期経営計画を策定しました。当計画のもと「10年ビジョン達成に向けた萌芽形成」を目標とし、研究・開発・生産・販売の各重点戦略に対して積極的な投資を行い、成果の芽を出すことに努めてきました。平成28年4月からは、最終ステップとして「ACT for the Vision ~10年ビジョンの達成と更なる飛躍~」をキーコンセプトとした3ヵ年の新中期経営計画をスタートさせ、事業環境の厳しさをはねのけ、10年ビジョンを達成し『グローバル・カテゴリー・ファーマ』として勝ち残ることを目指していきます。
「生化学工業10年ビジョン」及び中期経営計画については、「(1)当社グループの対処すべき課題」をご参照ください。
②コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンスの徹底
当社では、コーポレート・ガバナンスを最重要経営課題の一つと位置づけており、的確な情報収集、意思決定の迅速化と業務執行の監督機能強化を図っています。当社のコーポレート・ガバナンスに関する具体的な考え方、施策は以下のとおりです。
・取締役会の監督機能の強化を目的として、社外取締役2名を選任しています。
・経営環境の変化に迅速に対応できる機動的な経営体制の構築を目的として、取締役の任期を1年としています。
・取締役会の機能を意思決定と業務執行監督機能に限定し、業務執行機能を分離するため執行役員制度を導入しています。
・常勤取締役及び執行役員が参加する経営会議を原則毎週開催し、経営上の問題点の把握及び対処方法決定の迅速化を図っています。
・社内監査役2名、社外監査役3名の5名による監査体制を構築し、体制の強化に努めています。
また、社会的な倫理規範を加えたコンプライアンス・プログラムを制定するとともに、コンプライアンス推進委員会を設置し、法令遵守等の徹底に努めています。
③株主利益向上のための施策
当社は、株主価値の向上を重要な経営課題の一つとして位置づけており、株主の皆さまへの利益還元を充実させるとともに、研究開発や生産体制整備等の事業投資にバランスよく取り組むことで持続的成長の実現を目指します。
株主還元につきましては、中長期的な視点に立ち、安定的かつ継続的な配当を目指し、1株当たり年間26円を継続する方針です。また、今後の事業展開や総還元性向を勘案しながら、自己株式の取得を適宜検討していきます。
さらに、役員退職慰労金制度を廃止し、取締役、監査役を対象とした株価連動型報酬制度を導入しています。また、平成28年7月より社内取締役を対象とした業績連動報酬制度を導入しました。これらにより、役員報酬と株主の皆さまの利益との連動性を一層向上させ、会社業績に対する経営責任を明確化し、株主価値の増大を推進しています。
Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための 取組み
当社は、上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を目的として、当社株式の大規模買付行為に対する対応策(以下「本プラン」といいます。)を定めています。
①大規模買付ルールの設定
1)株主の皆さま及び当社取締役会による判断を可能にするため、事前に当該大規模買付行為に関する必要な情報を提供いただくこと
2)当社取締役会が、当該大規模買付行為についての検討・評価等を行い、大規模買付者と交渉し、株主の皆さまに意見・代替的提案等を提示させていただくため、一定期間は大規模買付行為を行わないこととしていただくこと
②大規模買付行為に対する対抗措置の発動に関する要件及び手続並びに内容
本プランは、当社が大規模買付行為に対して発動する対抗措置(以下「対抗措置」といいます。)について、次のことを定めています。
1)対抗措置の発動要件として、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合又は当該大規模買付行為が当社の企業価値又は株主共同の利益を著しく毀損するものである場合に限って発動しうること
2)対抗措置の発動手続として、原則、下記③の独立委員会の勧告を最大限尊重して当社取締役会の決議をもって発動すること。なお、対抗措置の必要性・相当性について株主意思を確認することが適切と判断される場合には、株主総会を開催することができる。
3)対抗措置の内容として、新株予約権の無償割当てによること
③独立委員会の設置
本プランは、対抗措置の発動等に関する当社取締役会の恣意的な判断を防止するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立した者で構成される独立委員会を設置することを定めています。
なお、本プランは、平成20年6月20日開催の第62回定時株主総会においてご承認をいただきました。その後、平成23年6月21日開催の第65回定時株主総会及び平成26年6月24日開催の第68回定時株主総会において、それぞれ有効期間を3年とする継続のご承認をいただきました。その全文は、以下の当社ウェブサイトに掲載しております。
*アドレス http://www.seikagaku.co.jp/corporate/kaitsuke.html
Ⅳ.上記の取組みが基本方針に沿い、当社の企業価値及び株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
①基本方針の実現に資する特別な取組み(上記Ⅱ)について
上記Ⅱに記載した企業価値の向上のための取組みは、当社の企業価値及び株主共同の利益を持続的に確保・向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。したがって、これらの取組みは、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、かつ当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
②基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取組み(上記Ⅲ)について
上記Ⅲに記載した本プランは、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を目的として導入するものです。その導入・継続にあたりましては、当社株主総会において株主の皆さまの承認を得ることを条件としています。また、本プランは、合理的かつ客観的な発動要件が満たされない限りは、対抗措置が発動されないように設定されています。さらに、当社取締役会は、対抗措置の発動に際して、対抗措置の発動の是非につき、独立委員会に諮問するものとされ、一定の場合には、株主の皆さまの意思を確認することとしています。
このように、本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」で定める3原則「(ⅰ)企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、(ⅱ)事前開示・株主意思の原則、(ⅲ)必要性・相当性確保の原則」に適合しており、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。
したがって、本プランは、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものでなく、かつ当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、業績に重大な影響を及ぼす可能性のある主なリスクは次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)法的規制について
当社グループの製品・商品の多くは人の生命と健康に関わるものであることから、日本及び海外各国の規制当局による医薬品等の品質、有効性及び安全性を確保するための法的規制を受けております。これらの関連法規の改正など規制当局の動向等によっては、業績に影響を与える可能性があります。
(2)新製品開発に要する期間と費用について
当社の事業の中核をなす医薬品の開発には、基礎研究から製造承認に至るまで、有効性及び安全性確認のための各種試験が必要であり、長期間にわたり多額の研究開発費を負担しても発売に至らないリスクがあるうえ、その進捗によって研究開発費が増減し、業績に影響を与える可能性があります。
なお、日本製薬工業協会の調べによりますと、基礎研究から承認を受けるまでには9年から17年の年月を要し、新規物質の創製から医薬品として厚生労働省より承認が得られる成功率はおよそ3万分の1とされています。
(3)医療費抑制策による薬価基準の改定等について
日本における薬価基準は、医療保険から保険医療機関や保険薬局に支払われる際の医薬品の価格を定めたもので、原則2年ごとに改定されます。また、医療費削減を目的として、薬価の低い後発医薬品の使用促進や長期収載品(後発医薬品のある先発医薬品)に対する薬価の追加引き下げが行われています。海外においても同様に医療費抑制策として後発医薬品の使用推進や価格の引き下げが行われており、これらの動向によっては、業績に影響を与える可能性があります。
(4)特定販売先への依存について
主力製品である医療用医薬品・医療機器は販売提携先と独占販売契約を締結しており、販売先は限定されています。国内においては、関節機能改善剤アルツ、アルツディスポは科研製薬株式会社と、眼科手術補助剤オペガン、オペガンハイは参天製薬株式会社とそれぞれ独占販売契約を締結しています。海外におきましても、国又は地域毎に関節機能改善剤の独占販売契約を締結しています。状況変化によりこれらの会社との取引内容に変更がなされた場合、その内容によっては、業績に影響を与える可能性があります。
(5)特定製品への依存について
当期における医薬品事業の売上高のうち、海外向けを含めた関節機能改善剤と眼科手術補助剤が90%超を占めています。したがって、予期しない重大な副作用の発生等、これら主力製品の製造・販売に重大な影響を与える事象が生じた場合には、業績に影響を与える可能性があります。
(6)特定仕入先への依存について
医薬品の製造には様々な規制があり、原材料の中には規制当局の承認が必要とされるものもあるため、原材料の仕入先を限定し、往訪監査を行い、品質の確保と安定供給体制の確立に努めています。原材料の一部は単一の供給源に依存しているため、調達が困難になるような状況変化が生じた場合、製品の製造に支障をきたし、業績に影響を与える可能性があります。
(7)動物由来成分の原料について
当社グループの製品の多くは、ニワトリ、サメ、カブトガニといった動物に由来する成分を原料としています。そのため、原料とする動物由来成分の使用が制限された場合や調達が困難になった場合には、業績に影響を与える可能性があります。
(8)為替相場の変動について
米国における関節機能改善剤の販売や米国連結子会社アソシエーツ オブ ケープ コッド インクの売上高は米ドル建ての収入となっています。研究開発費の支払いの一部を外貨建てにするなど為替リスクの軽減を図っていますが、近年、海外売上高比率が高まっていることから、為替相場の動向によっては、業績に影響を与える可能性があります。
(9)保有有価証券等の価格変動について
将来の研究開発や設備投資に充当するために、手元資金を有価証券で運用しています。投資対象の分散を図るなどリスクの軽減を図っていますが、有価証券等の価格変動等によっては、業績に影響を与える可能性があります。
(10)訴訟の提起について
事業展開上、医薬品の副作用や製造物責任、特許等の知的財産権や労務問題等に関して訴訟を提起された場合、その内容によっては、業績に影響を与える可能性があります。
(11)大規模災害等の発生について
地震、台風等の自然災害や火災等の事故、新型インフルエンザのまん延などにより、当社グループの事業所等が大規模な被害を受け、事業活動が停滞し、または製品供給に支障が生じた場合には、業績に影響を与える可能性があります。また、災害により損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、業績に影響を与える可能性があります。
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相手先 |
契約締結年月日 |
契約内容及び期間等 |
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科研製薬株式会社 |
昭和62年3月27日 |
アルツの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から6年間、以後1年ごとに更新 |
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科研製薬株式会社 |
平成5年3月27日 |
アルツディスポの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から1年間、以後1年ごとに更新 |
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参天製薬株式会社 |
平成7年5月9日 |
オペガンハイの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から平成28年3月31日まで、以後1年ごとに更新 |
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参天製薬株式会社 |
平成9年9月9日 |
オペガンの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から平成28年3月31日まで、以後1年ごとに更新 |
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ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカル カンパニー |
平成19年4月25日 |
ムコアップの国内販売権 契約期間:契約締結日から平成28年3月31日まで(注)1 |
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ジンマー バイオメット ホールディングス インク (米国)(注)2 |
平成21年5月29日 |
ジェル・ワンの米国における独占販売権 契約期間:製品発売日から10年間、以後5年間の更新可能な オプションをジンマー バイオメット ホールディングス インクが保有 |
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バイオヴェンタス エルエルシー(米国) |
平成24年5月4日 |
スパルツ(アルツディスポ)の米国における独占販売権 契約期間:契約締結日から5年間、以後2年間1回まで更新 |
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科研製薬株式会社 |
平成24年12月25日 |
腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の国内独占販売権 契約期間:契約締結日から製造販売承認取得日の10年後の応当日、以後1年ごとに更新 |
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参天製薬株式会社 |
平成26年9月30日 |
シェルガンの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から平成34年3月31日まで、以後1年ごとに更新 |
(注)1.平成28年3月31日に、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカル カンパニーとのムコアップの国内販売契約を、契約期間満了により終了しました。また、平成28年4月1日より、ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社と、以下のとおりムコアップの国内独占販売契約を締結しました。
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相手先 |
契約締結年月日 |
契約内容及び期間等 |
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ボストン・サイエンティ フィック ジャパン株式会社 |
平成28年4月1日 |
ムコアップの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から平成35年3月31日まで、以後1年ごとに更新 |
2.ジンマー インクは、ジンマー バイオメット ホールディングス インクへ社名を変更しています。
3.当社は、平成28年6月15日に、フェリング・ファーマシューティカルズ社(スイス)と、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の海外におけるライセンスに関する基本合意書を締結しました。
当社グループは、専門分野としている糖質科学に研究開発の焦点を絞って、世界の人々の健康で心豊かな生活に貢献する『グローバル・カテゴリー・ファーマ』として発展することを目指しています。今後の事業成長の鍵を握る新薬の早期かつ継続的な上市を実現するために、研究開発機能を強化するとともに、内外の糖質研究ネットワークの拡充に努めています。
当期における研究開発費の総額は、86億4千9百万円(対売上高比率27.9%)、平成28年3月末時点の研究開発要員数は従業員数の33.3%にあたる221名となっています。
研究開発活動の主な進捗状況は、以下のとおりです。
・SI-6603(腰椎椎間板ヘルニア治療剤、開発地域:日本、米・欧)
日本では平成26年1月に厚生労働省へ製造販売承認申請を行いました。現在、審査が継続しており、平成29年3月期中の承認取得を目指します。
米国では平成27年7月に第Ⅲ相臨床試験における症例登録が完了し、現在、経過観察を行っています。また、承認申請時に必要となる安全性評価を主目的としたオープン試験を平成27年4月より欧州及び米国で実施しており、症例登録が順調に進んでいます。SI-6603は、コンドリアーゼという酵素で、腰椎椎間板ヘルニアの痛みの原因である神経の圧迫を軽減させる効果があり、椎間板への1回の注射で摘出手術による治療と同程度の効果を示すことが期待されています。
・SI-614(ドライアイ治療剤、開発地域:米・欧)
平成27年1月に第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験が終了し、現在、取得したデータを基に次相試験について検討を行っています。SI-614は、ヒアルロン酸を独自の技術を用いて修飾した物質で、同剤を点眼することにより、ドライアイ患者の眼表面保護作用と角膜創傷治癒促進作用が期待されています。
・SI-613(関節機能改善剤、開発地域:日本)
平成28年1月に第Ⅱ相臨床試験における反復投与試験が終了し、現在、取得したデータの分析を実施しています。SI-613は、当社独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸と非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を化学結合した薬剤です。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、徐放されるように設計されたNSAIDの鎮痛・抗炎症作用を併せ持つことから、変形性ひざ関節症に見られる強い痛みや炎症を速やかかつ長期間にわたり改善することが期待されています。
・SI-657(アルツの腱・靭帯付着部症の適応症追加、開発地域:日本)
日本での第Ⅲ相臨床試験結果において、期待していた有効性を明確には見いだせなかったことから、平成28年2月に本テーマの開発を中止しました。
・SI-615(関節リウマチ治療剤・導入テーマ、開発地域:日本)
関節リウマチ治療剤の製品戦略等を総合的に考慮した結果、平成27年8月に本テーマのライセンス契約を終了しました。
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
また、重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、「4.事業等のリスク」に記載しております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当期において、連結売上高は309億6千2百万円(前期比4.9%増)、経常利益は35億円(同12.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億7千8百万円(同29.4%減)となりました。経営成績に重要な影響を与えた要因は、以下のとおりであります。
①売上高
当期の売上高は、円安効果や海外医薬品の数量増により、309億6千2百万円(同4.9%増)となりました。
②販売費及び一般管理費
当期の販売費及び一般管理費は、159億4千6百万円(同6.3%増)となり、この主な要因は研究開発費の増加によるものです。なお、当期における研究開発費は86億4千9百万円(同6.2%増)となり、売上高に占める割合は27.9%となりました。
③営業外損益
当期の営業外収益は14億6千5百万円(同14.9%減)、営業外費用は1億9百万円(同11.8%増)となり、これらの主な増減要因は保有外貨建資産の為替評価に関連するものです。
④特別損益
当期の特別損益は発生しておりません。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
①資産、負債及び純資産の状況
当期末における総資産は、前期末に比べ6億7千1百万円減少の802億1千8百万円となりました。これは主に棚卸資産が増加した一方、減価償却に伴う有形固定資産の減少によるものです。
負債は、前期末に比べ7千6百万円減少の104億3百万円となりました。これは主に退職給付に係る負債が増加した一方、繰延税金負債や未払金の減少によるものです。
純資産は、前期末に比べ5億9千4百万円減少の698億1千5百万円となりました。これは主に利益剰余金が増加した一方、退職給付に係る調整累計額及びその他有価証券評価差額金の減少によるものです。
②キャッシュ・フローの状況
「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」をご参照下さい。