第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

2【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間(平成27年4月1日~平成27年12月31日)の売上高は、円安効果や海外医薬品の数量増により、前年同期と比べ6.2%増の234億3千7百万円となりました。

利益につきましては、高萩工場第5製剤棟の減価償却費や海外子会社を含む米国関連の経費が増加したものの、売上増により営業利益は20.6%増の27億4千3百万円となりました。経常利益は、前年同期と比べて期中の円安幅が縮小し、保有外貨建資産の為替評価益が減少したことなどにより5.8%増の40億6百万円となりましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前期にあった一過性の税率低減要因が終了したことから前年同期並みの30億1千7百万円となりました。

 

セグメント別の売上概況

<医薬品事業>

・国内医薬品(130億1千7百万円、前年同期比0.8%減)

 関節機能改善剤アルツは、市場全体が微増で推移するなか、後発品使用促進の影響を受け医療機関納入本数及び当社売上は前年同期並みとなりました。

 眼科手術補助剤オペガンは、厳しい競合が継続し医療機関納入本数、当社売上ともに微減となりました。

 内視鏡用粘膜下注入材ムコアップは、医療機関納入本数が増加しましたが、当社売上は前年同期の出荷が高水準であった反動を受け減少しました。

・海外医薬品(53億3千9百万円、同24.1%増)

 5回投与の関節機能改善剤スパルツFX*は、米国において3回投与の競合品が引き続き売上を伸ばすなかで、販売提携先の拡販努力により現地販売は前年同期並みを維持しました。当社売上は主に円安効果により増加しました。なお、平成27年12月21日(米国現地時間)付で、米国食品医薬品局(FDA)より3回投与製品「ヴィスコ・スリー」の承認を取得しました。今後、早期販売開始に向けて準備を進めていきます。

*平成27年10月より、米国におけるブランド名をスパルツから変更しました。

 中国向けアルツは、政府による価格政策変更等の影響を受け、現地販売が減少に転じました。当社売上は販売提携先が流通方針変更により在庫水準を高めたことに加え、円安効果もあり増加しました。

 単回投与の関節機能改善剤ジェル・ワンは、販売提携先合併に伴う営業体制拡充効果が徐々に現れており、米国における現地販売及び当社売上が増加しました。当社では引き続き販売提携先の営業活動を強力に支援していきます。

・医薬品原体(9億5千万円、同6.4%減)

 ヒアルロン酸の市場環境が厳しさを増しており、減少しました。

 

これらの結果、医薬品事業の売上高は193億6百万円(同4.7%増)となりました。

 

<LAL事業>

海外におけるエンドトキシン測定用試薬等が主に円安効果により増加し、売上高は41億3千万円(同13.4%増)となりました。

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

1. 当社グループの対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

2. 会社の支配に関する基本方針

Ⅰ. 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針

 当社は、研究開発型製薬企業であることから、事業成長の源泉である新しい医薬品の研究開発には、多大な時間を要するとともに長期にわたる継続的な資源の投下が必須です。したがって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、企業価値向上のための長期的な投資の必要性を十分理解いただき、当社の企業価値及び株主共同の利益を継続的かつ安定的に確保、向上していくことを可能とする株主であることが望ましいと当社は考えています。

 そもそも、上場会社の株主は株式市場での自由な取引を通じて決まるものであり、当社は、株式会社の支配権の移転を伴うような当社株式の大規模な買付行為も、これに応じるか否かの判断は、最終的には個々の株主の自由な意思に基づいて行われるべきであると考えています。

 しかしながら、大規模な買付行為は、それが成就すれば、当社の経営に直ちに大きな影響を与えるだけの支配権を取得するものであり、当社の企業価値又は株主共同の利益に重大な影響を及ぼす可能性を有していることから、当該買付行為を行う者に関する十分な情報の提供なくしては、株主の皆さまが、当該買付行為により当社の企業価値に及ぼす影響を適切に判断することは困難です。このため、当社は、以下を行うことは当社の取締役としての責務であると考えています。

(ⅰ)大規模な買付行為を行う者から株主の皆さまの判断に必要かつ十分な情報を提供させること

(ⅱ)大規模な買付行為を行う者の提案する経営方針等が当社の企業価値に与える影響を当社取締役会が検討・評価して、株主の皆さまの判断の参考として提供すること

(ⅲ)必要に応じて、当社取締役会が大規模な買付行為又は当社の経営方針等に関して買付者と交渉又は協議を行い、あるいは当社の経営方針等に関して当社取締役会としての代替的提案を株主の皆さまに提示すること

 さらに、現在の日本の資本市場と法制度の下においては、当社の企業価値又は株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすような大規模な買付行為がなされる可能性も決して否定できない状況にあります。したがって、当社は、大規模な買付行為を行う者による情報提供、当社取締役会による検討・評価といったプロセスを確保するとともに、当社の企業価値又は株主共同の利益に対する明白な侵害を防止するため、大規模な買付行為に対する対抗措置を準備しておくことも、当社の取締役としての責務であると考えています。

 

Ⅱ. 基本方針の実現に資する特別な取組み

① 経営の中長期的な重点課題と施策

 当社は、「独創、公正、夢と情熱」を経営綱領として掲げ、従来から取り組んでいる糖質科学を中心とした独創的な医薬品等の開発・供給を通して、世界の人々の健康で心豊かな生活の向上に貢献する事業活動を展開しています。また、製薬企業としての社会的使命及び責任を深く自覚し、高い倫理観のもと法令遵守を徹底するとともに、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼関係の強化に努めることによって、企業価値の向上に重点をおいた経営を推進しています。

 医薬品産業の経営環境は、深刻化する医療財政の逼迫や国境を越えた企業の大型再編、創薬研究の技術革新とそれに伴う新薬開発競争の激化などにより、大きな変革期にあります。

 このような状況のなか、当社は、平成21年3月に「生化学工業10年ビジョン」を策定し、得意分野である糖質科学に研究開発の焦点を合わせて、『グローバル・カテゴリー・ファーマ』として発展することを目指しています。

 その第1ステップとして、平成21年4月より3ヵ年の中期経営計画のもと、ビジョン達成に不可欠な「基礎体力の養成と体制の構築」に取り組み、成果をあげてまいりました。平成24年4月からは、第2ステップとして、「ACT for the future ~未来に向けて、今、行動する~」をスローガンとした4ヵ年の中期経営計画をスタートさせ、ビジョン達成に向けて、研究・開発・生産・販売の各重点戦略に取り組んでいきます。

≪生化学工業10年ビジョン≫

・コンスタントなペースで新薬(医療機器を含む)を上市し、3年程度に1つ経営の柱となり得る市場を開拓できる実力を涵養する。

・糖質科学に研究開発の焦点を絞って、国際競争力を確立する『グローバル・カテゴリー・ファーマ』として着実な成長を持続する。

≪中期経営計画(平成25年3月期~平成28年3月期)の概要≫

 平成21年4月より3ヵ年の中期経営計画をスタートさせ、ビジョン達成に向けた第1ステップとして「基礎体力の養成と体制の構築」に取り組んできましたが、その成果と反省をもとに、平成24年4月から第2ステップとして4ヵ年の中期経営計画を策定しました。本計画のもと、ビジョン達成のために研究・開発・生産・販売の各重点戦略に対して積極的な投資を行い、成果の芽を出すことに取り組んでいきます。

<経営目標とスローガン>

・10年ビジョン達成に向けた萌芽形成

・スローガン:「ACT for the future ~未来に向けて、今、行動する~」

Advance   :先進性に満ちた技術

Challenge  :挑戦を恐れない心

Transparency:透明性の高い企業

 

<全体戦略>

(ⅰ)研究:

・糖質科学研究の裾野拡大に加え、研究テーマ創生を加速する体制を整備する。

・大学や研究機関など外部学術機関の知見やノウハウを取り込み、研究成果につなげる仕組み・関係を強化する。

(ⅱ)開発:

・複数テーマの並行開発に対応できる体制を構築し、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603を筆頭とする現行パイプラインのステージアップを着実に進展させる。

・グローバルな開発にも対応できる組織力を強化する。

(ⅲ)生産:

・生産設備建設計画を着実に進め、最適生産体制を確立する。

・リードタイム短縮などの生産効率化により、コストダウンや欠品リスク低減を図る。

・大規模地震などの緊急事態発生に備え、原材料等の在庫保有方針を見直すとともに、物流体制を強化する。

(ⅳ)販売:

・既上市製品の競争力を活かして販売を拡大する。

・変形性ひざ関節症の疾患啓発活動等を推進し、市場拡大を図る。

・中国を始めとする海外成長市場での拡販に努める一方で、新興市場開拓努力を強化する。

 

≪平成27年3月期における中期経営計画の進捗状況≫

中期経営計画における成長ドライバーとして位置づけている米国向け単回投与の関節機能改善剤ジェル・ワンは、販売提携先であるジンマー社との製品認知度向上及び販路拡大活動の強化により、着実に販売数量を拡大させつつあります。平成26年10月には米国駐在員事務所を開設し、販売提携先の活動支援や米国市場に関する情報収集を強化することで、複数回投与の関節機能改善剤スパルツと合わせた当社製品のプレゼンス向上への取り組みを進めています。また、平成27年5月に本社組織として北米戦略室を新設し、成長戦略の重点地域である米国における事業展開を加速させるための体制整備を行いました。

国内における関節機能改善剤アルツは、定期的に実施される薬価引き下げの影響に加え、市場全体の数量ベースでの伸び率がマイナスに転じる等、市場環境は一段と厳しさを増しています。このようななか、ブランド力を活用した競合品からのシェア獲得施策に注力し、販売数量を伸ばしています。生産面では、中長期的な製品の安定供給や生産効率化を目的とした高萩工場第5製剤棟が計画どおり平成27年1月から稼働を開始しました。

新薬開発については、平成26年1月に腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の日本における製造販売承認申請を厚生労働省に対して行い、新薬としての承認取得を目指しています。また、米国では第Ⅲ相臨床試験を実施するとともに、承認申請時に必要となる安全性評価を主目的としたオープン試験を平成27年4月より欧州で開始しました。

アルツの製品付加価値向上を目的とした、腱・靭帯付着部症の適応症追加SI-657は、平成27年1月に第Ⅲ相臨床試験の経過観察が終了し、現在データの統計解析を実施しています。また、ドライアイを適応症とするSI-614は、平成27年1月に第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験が終了し、次相試験について検討しています。変形性ひざ関節症に伴う強い痛みや炎症を速やか、かつ持続的に改善する関節機能改善剤SI-613は、日本における第Ⅱ相臨床試験の反復投与試験を平成26年12月より開始しました。

② コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンスの徹底

 当社では、コーポレート・ガバナンスを最重要経営課題の一つと位置づけており、的確な情報収集、意思決定の迅速化と業務執行の監督機能強化を図っています。当社のコーポレート・ガバナンスに関する具体的な考え方、施策は以下のとおりです。

・取締役会の監督機能の強化を目的として、社外取締役2名を選任しています。

・経営環境の変化に迅速に対応できる機動的な経営体制の構築を目的として、取締役の任期を1年としています。

・取締役会の機能を意思決定と業務執行監督機能に限定し、業務執行機能を分離するため執行役員制度を導入しています。

・常勤取締役及び執行役員が参加する経営会議を原則毎週開催し、経営上の問題点の把握及び対処方法決定の迅速化を図っています。

・社内監査役2名、社外監査役3名の計5名による監査体制を構築し、体制の強化に努めています。

 また、社会的な倫理規範を加えたコンプライアンス・プログラムを制定するとともに、コンプライアンス推進委員会を設置し、法令遵守等の徹底に努めています。

③ 株主利益向上のための施策

 当社は、株主価値の向上を重要な経営課題の一つとして位置づけ、1株当たり年間26円を基本とし、安定的かつ継続的な配当を目指す方針としています。

 内部留保については、中長期的な事業成長等を実現するため、研究開発や設備投資等に充当します。また、資本効率の向上を目的として自己株式の取得等機動的な資本政策を適宜実施していきます。

 さらに、役員退職慰労金制度を廃止し、取締役、監査役を対象とした株価連動型報酬制度を導入しています。これにより、役員報酬と株主の皆さまの利益との連動性を一層向上させ、会社業績に対する経営責任を明確化し、株主価値の増大を推進しています。

 

Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を目的として、当社株式の大規模買付行為に対する対応策(以下「本プラン」といいます。)を定めています。

① 大規模買付ルールの設定

1) 株主の皆さま及び当社取締役会による判断を可能にするため、事前に当該大規模買付行為に関する必要な情報を提供いただくこと

2) 当社取締役会が、当該大規模買付行為についての検討・評価等を行い、大規模買付者と交渉し、株主の皆さまに意見・代替的提案等を提示させていただくため、一定期間は大規模買付行為を行わないこととしていただくこと

② 大規模買付行為に対する対抗措置の発動に関する要件及び手続並びに内容

 本プランは、当社が大規模買付行為に対して発動する対抗措置(以下「対抗措置」といいます。)について、次のことを定めています。

1) 対抗措置の発動要件として、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合又は当該大規模買付行為が当社の企業価値又は株主共同の利益を著しく毀損するものである場合に限って発動しうること

2) 対抗措置の発動手続として、原則、下記③の独立委員会の勧告を最大限尊重して当社取締役会の決議をもって発動すること。なお、対抗措置の必要性・相当性について株主意思を確認することが適切と判断される場合には、株主総会を開催することができる。

3) 対抗措置の内容として、新株予約権の無償割当てによること

③ 独立委員会の設置

 本プランは、対抗措置の発動等に関する当社取締役会の恣意的な判断を防止するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立した者で構成される独立委員会を設置することを定めています。

 

 なお、本プランは、平成20年6月20日開催の第62回定時株主総会においてご承認をいただきました。その後、平成23年6月21日開催の第65回定時株主総会及び平成26年6月24日開催の第68回定時株主総会において、それぞれ有効期間を3年とする継続のご承認をいただきました。その全文は、当社ウェブサイトに掲載しております。

 *アドレス http://www.seikagaku.co.jp/corporate/kaitsuke.html

Ⅳ.上記の取組みが基本方針に沿い、当社の企業価値及び株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

① 基本方針の実現に資する特別な取組み(上記Ⅱ)について

 上記Ⅱに記載した企業価値の向上のための取組みは、当社の企業価値及び株主共同の利益を持続的に確保・向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。したがって、これらの取組みは、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、かつ当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

② 基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取組み(上記Ⅲ)について

 上記Ⅲに記載した本プランは、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を目的として導入するものです。その導入・継続にあたりましては、当社株主総会において株主の皆さまの承認を得ることを条件としています。また、本プランは、合理的かつ客観的な発動要件が満たされない限りは、対抗措置が発動されないように設定されています。さらに、当社取締役会は、対抗措置の発動に際して、対抗措置の発動の是非につき、独立委員会に諮問するものとされ、一定の場合には、株主の皆さまの意思を確認することとしています。

 このように、本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」で定める3原則「(ⅰ)企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、(ⅱ)事前開示・株主意思の原則、(ⅲ)必要性・相当性確保の原則」に適合しており、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。

 したがって、本プランは、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものでなく、かつ当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。

 

(3) 研究開発活動

当社グループは、専門分野としている糖質科学に研究開発の焦点を合わせて、世界の人々の健康で心豊かな生活に貢献する『グローバル・カテゴリー・ファーマ』として発展することを目指しています。今後の事業成長の鍵を握る新薬の早期かつ継続的な上市を実現するために、研究開発機能を強化するとともに、内外の糖質研究ネットワークの拡充に努めています。

当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は56億3千4百万円(対売上高比率24.0%)となりました。研究開発活動の主な進捗状況は以下のとおりです。

アルツの適応症追加SI-657については、日本での第Ⅲ相臨床試験結果において、期待していた有効性を明確には見いだせなかったことから、共同開発先の科研製薬株式会社と今後の開発方針について慎重に検討を重ねてきましたが、平成28年2月に腱・靭帯付着部症適応追加の開発を中止することで合意しました。

その他の研究開発活動については、重要な変更はありません。