文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営の基本方針
当社は、「独創 公正 夢と情熱」を経営綱領として掲げ、糖質科学を中心とした独創的な医薬品等の開発・供給を通じて、世界の人々の健康で心豊かな生活の質の向上に貢献する事業活動を展開し、企業価値を高める方針としています。また、製薬企業としての社会的使命及び責任を深く自覚して、高い倫理観のもと法令等の遵守を徹底するとともに、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼関係の強化に努めてまいります。
(2)目標とする経営指標
独創的な新薬を開発し、継続的な成長を実現していくために、売上高の25%~30%程度を研究開発費に配分することを基本方針としつつ、資源配分を適正かつバランス良く行い、効率的な研究開発を進めていきます。
(3)経営環境及び中長期的な経営戦略と対処すべき課題
医薬品産業の経営環境は、深刻化する医療財政の逼迫や国境を越えた企業の大型再編、創薬研究の技術革新とそれに伴う新薬開発競争の激化などにより、大きな変革期にあります。
≪前中期経営計画(2016年度~2018年度)の総括≫
当社は生化学工業10年ビジョンの最終ステップとして2016年4月から始まる3ヵ年の中期経営計画を策定し、4つの重点戦略に取り組んでまいりました。
1つ目の重点戦略であった腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603(国内名称:ヘルニコア)の開発については、承認取得に時間を要しましたが、国内上市を2018年8月に達成しました。ヘルニコアは厳格な使用要件が定められていることから、適正使用の推進及び安全性確保に十分に留意し、段階的な普及に努めています。米国開発においては、2017年11月に第Ⅲ相臨床試験結果として主要評価項目が未達であったことを発表し、2018年2月より第Ⅲ相臨床試験の追加試験を開始しました。現在、追加試験の成功確度を高めるための各種施策に注力しています。
2つ目の変形性膝関節症市場における展開については、単回投与の関節機能改善剤ジェル・ワンの米国現地販売数量が着実に増加しましたが、市場環境が厳しさを増し、その伸び率は目標に対し未達となりました。なお、単回投与製品の価値最大化を目指して新規市場展開に取り組み、2019年3月に関節機能改善剤ハイリンクのイタリア上市を実現しました。一方、国内の関節機能改善剤アルツは、ユーザーニーズに対応した製品改良に積極的に取り組んだことで医療機関納入数量の維持を達成しましたが、薬価制度の抜本改革に伴う大幅な薬価引き下げを受け、売上は大きく減少しました。
次世代品として開発中の変形性関節症治療剤SI-613は、日本において第Ⅲ相臨床試験段階にあり、3つの試験を進めています。2019年2月にメインとなる膝関節を対象とした検証的試験で良好な結果を取得したことから、他の2つの試験の結果を考慮のうえ、2020年前半の承認申請を目指します。なお、2017年9月に小野薬品工業株式会社とSI-613の日本における共同開発及び販売提携に関する契約を締結しました。これにより、今後の開発や販売等の進捗に応じてマイルストーン型ロイヤリティーを受け取る予定です。
3つ目の開発パイプラインの充実につきましては、2018年5月に癒着防止材SI-449の日本における臨床試験を開始し、新たなテーマが開発パイプラインに加わりました。SI-449は、日本のみならず、グローバル展開を視野に入れて開発を進めています。また、臨床試験段階へのステージアップを目指す他のテーマも進捗しており、開発パイプライン拡充に向けた取り組みが進展しました。
4つ目の最適な生産・品質管理体制に向けた取り組みでは、既存製品を含めたグローバル基準の管理体制を強化するため、製造設備の改修や新たな品質管理システムの導入を実施しました。さらに、高萩工場・久里浜工場において専門コンサルタントを起用した業務改善を進め、生産効率の向上に取り組むとともに、各種コスト削減による原価低減施策を推進し、一定の成果を上げました。
前中期経営計画において掲げたキーコンセプト「10年ビジョンの達成と更なる飛躍」に対しては、国内ヘルニコアの上市、SI-613を含む新薬開発の進展、そしてLAL事業の成長という成果を上げた一方で、医薬品事業の収益性悪化の要因である国内薬価制度の抜本改革や海外市場の競合激化などの事業環境変化への対応が喫緊の課題となっています。
≪次期中期経営計画の骨子≫
製薬業界を取り巻く事業環境は、今後も更に厳しさを増すと考えられ、収益基盤の確保が急務となることから、当社はコア事業である医薬品事業において、SI-6603(ヘルニコア)及びSI-613といった、新たな経営の柱を早期かつ確実に開花させることに全力を注いでまいります。LAL事業においては、遺伝子組み換え技術を活かしたエンドトキシン測定用試薬の世界市場への展開を加速します。また、これまでのビジネスモデルに囚われず、収益モデルの多角化にも布石を打ってまいります。その土台として、予断を持たない各種コストの徹底的な低減や、財務基盤を活かした機動的な経営戦略を進めてまいります。
成長の源泉である研究開発においては、専門分野とする糖質科学を引き続き創薬の中心に位置づけ、パイプラインの充実を図ってまいります。更に糖質科学を活用したドラッグデリバリーシステム(DDS)技術をはじめとする基盤技術の拡充とともに、オープンイノベーション戦略を推進し、研究開発の効率を高めてまいります。
(4)会社の支配に関する基本方針
Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針
当社は、研究開発型製薬企業であることから、事業成長の源泉である新しい医薬品の研究開発には、多大な時間を要するとともに長期にわたる継続的な資源の投下が必須です。したがって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、企業価値向上のための長期的な投資の必要性を十分理解いただき、当社の企業価値及び株主共同の利益を継続的かつ安定的に確保、向上していくことを可能とする株主であることが望ましいと当社は考えています。
そもそも、上場会社の株主は株式市場での自由な取引を通じて決まるものであり、当社は、株式会社の支配権の移転を伴うような当社株式の大規模な買付行為も、これに応じるか否かの判断は、最終的には個々の株主の自由な意思に基づいて行われるべきであると考えています。
しかしながら、大規模な買付行為は、それが成就すれば、当社の経営に直ちに大きな影響を与えるだけの支配権を取得するものであり、当社の企業価値又は株主共同の利益に重大な影響を及ぼす可能性を有していることから、当該買付行為を行う者に関する十分な情報の提供なくしては、株主の皆さまが、当該買付行為により当社の企業価値に及ぼす影響を適切に判断することは困難です。このため、当社は、以下を行うことは当社の取締役としての責務であると考えています。
(ⅰ)大規模な買付行為を行う者から株主の皆さまの判断に必要かつ十分な情報を提供させること
(ⅱ)大規模な買付行為を行う者の提案する経営方針等が当社の企業価値に与える影響を当社取締役会が検討・評価して、株主の皆さまの判断の参考として提供すること
(ⅲ)必要に応じて、当社取締役会が大規模な買付行為又は当社の経営方針等に関して買付者と交渉又は協議を行い、あるいは当社の経営方針等に関して当社取締役会としての代替的提案を株主の皆さまに提示すること
さらに、現在の日本の資本市場と法制度のもとにおいては、当社の企業価値又は株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすような大規模な買付行為がなされる可能性も決して否定できない状況にあります。したがって、当社は、大規模な買付行為を行う者による情報提供、当社取締役会による検討・評価といったプロセスを確保するとともに、当社の企業価値又は株主共同の利益に対する明白な侵害を防止するため、大規模な買付行為に対する対抗措置を準備しておくことも、当社の取締役としての責務であると考えています。
Ⅱ.基本方針の実現に資する特別な取組み
①経営の中長期的な重点課題と施策
当社は、「独創 公正 夢と情熱」を経営綱領として掲げ、従来から取り組んでいる糖質科学を中心とした独創的な医薬品等の開発・供給を通して、世界の人々の健康で心豊かな生活の向上に貢献する事業活動を展開しています。また、製薬企業としての社会的使命及び責任を深く自覚し、高い倫理観のもと法令遵守を徹底するとともに、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼関係の強化に努めることによって、企業価値の向上に重点をおいた経営を推進しています。
医薬品産業の経営環境は、深刻化する医療財政の逼迫や国境を越えた企業の大型再編、創薬研究の技術革新とそれに伴う新薬開発競争の激化などにより、大きな変革期にあります。
このような状況のなか、当社は2009年3月に「生化学工業10年ビジョン」を策定し、『グローバル・カテゴリー・ファーマ』として発展することを目指してきました。
≪生化学工業10年ビジョン≫
・コンスタントなペースで新薬(医療機器を含む)を上市し、3年程度に1つ経営の柱となり得る市場を開拓できる実力を涵養する。
・糖質科学に研究開発の焦点を絞って、国際競争力を確立する『グローバル・カテゴリー・ファーマ』として着実な成長を持続する。
<10年ビジョンの基本となる考え方>
①糖質科学をリードする研究活動を通じて新薬(医療機器を含む)を開発する。
②常に他社を凌駕できる技術開発力を競争の源泉とする。
③参入する全ての市場でトップシェアを目指す。
2009年4月より3ヵ年の中期経営計画をスタートさせ、ビジョン達成に向けた第1ステップとして「基礎体力の養成と体制の構築」に取り組み、その成果と反省をもとに、2012年4月から第2ステップとして4ヵ年の中期経営計画を策定しました。当計画のもと「10年ビジョン達成に向けた萌芽形成」を目標とし、研究・開発・生産・販売の各重点戦略に対して積極的な投資を行い、成果の芽を出すことに努めてきました。2016年4月からは、最終ステップとして「ACT for the Vision ~10年ビジョンの達成と更なる飛躍~」をキーコンセプトとした3ヵ年の中期経営計画をスタートさせ、事業環境の厳しさをはねのけ、10年ビジョンを達成し『グローバル・カテゴリー・ファーマ』として勝ち残ることを目指してきました。
「前中期経営計画(2016年度~2018年度)の総括」及び「次期中期経営計画の骨子」については、「(3)経営環境及び中長期的な経営戦略と対処すべき課題」をご参照ください。
②コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンスの徹底
当社では、コーポレート・ガバナンスを重要経営課題の一つと位置づけており、的確な情報収集、意思決定の迅速化と業務執行の監督機能強化を図っています。
当社のコーポレート・ガバナンスに関する具体的な考え方、施策は以下のとおりです。
・取締役会の監督機能の強化を目的として、社外取締役2名を選任しています。
・経営環境の変化に迅速に対応できる機動的な経営体制の構築を目的として、取締役の任期を1年としています。
・取締役会による経営の意思決定及び監督機能と、業務執行機能の分離を進め、コーポレート・ガバナンスを強化するために、執行役員制度を導入しています。
・常勤取締役及び執行役員が参加する経営会議を原則毎週開催し、取締役会で決定した基本方針に基づき、取締役会から委ねられた業務執行上の事項を審議・決定することとしています。
・監査役会は、社外監査役3名を含む5名で構成され、各監査役が取締役の職務執行の監査に当たっています。
・社会的な倫理規範を加えたコンプライアンス・プログラムを制定するとともに、コンプライアンス推進委員会を設置し、法令遵守等の徹底に努めています。
③株主利益向上のための施策
当社は、株主価値の向上を重要な経営課題の一つとして位置づけており、株主の皆さまへの利益還元を充実させるとともに、研究開発や生産体制整備等の事業投資にバランスよく取り組むことで持続的成長の実現を目指します。
株主還元につきましては、中長期的な視点に立ち、安定的かつ継続的な配当を目指し、1株当たり年間26円を継続する方針です。また、今後の事業展開や総還元性向を勘案しながら、自己株式の取得を適宜検討していきます。
さらに、役員退職慰労金制度を廃止し、取締役、監査役を対象とした株価連動型報酬制度を導入しています。
また、2016年7月に社内取締役を対象とした業績連動報酬制度を導入しました。これらにより、役員報酬と株主の皆さまの利益との連動性を一層向上させ、会社業績に対する経営責任を明確化し、株主価値の増大を推進しています。
Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための 取組み
当社は、上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を目的として、当社株式の大規模買付行為に対する対応策(以下「本プラン」といいます。)を定めています。
①大規模買付ルールの設定
1)株主の皆さま及び当社取締役会による判断を可能にするため、事前に当該大規模買付行為に関する必要な情報を提供いただくこと
2)当社取締役会が、当該大規模買付行為についての検討・評価等を行い、大規模買付者と交渉し、株主の皆さまに意見・代替的提案等を提示させていただくため、一定期間は大規模買付行為を行わないこととしていただくこと
②大規模買付行為に対する対抗措置の発動に関する要件及び手続並びに内容
本プランは、当社が大規模買付行為に対して発動する対抗措置(以下「対抗措置」といいます。)について、次のことを定めています。
1)対抗措置の発動要件として、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合又は当該大規模買付行為が当社の企業価値又は株主共同の利益を著しく毀損するものである場合に限って発動しうること
2)対抗措置の発動手続として、原則、下記③の独立委員会の勧告を最大限尊重して当社取締役会の決議をもって発動すること。なお、対抗措置の必要性・相当性について株主意思を確認することが適切と判断される場合には、株主総会を開催することができる。
3)対抗措置の内容として、新株予約権の無償割当てによること
③独立委員会の設置
本プランは、対抗措置の発動等に関する当社取締役会の恣意的な判断を防止するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立した者で構成される独立委員会を設置することを定めています。
なお、本プランは、2008年6月20日開催の第62回定時株主総会においてご承認をいただきました。その後、2011年6月21日開催の第65回定時株主総会、2014年6月24日開催の第68回定時株主総会及び2017年6月20日開催の第71回定時株主総会において、それぞれ有効期間を3年とする継続のご承認をいただきました。その全文は、以下の当社ウェブサイトに掲載しております。
*アドレス https://www.seikagaku.co.jp/ja/ir/management/measures.html
Ⅳ.上記の取組みが基本方針に沿い、当社の企業価値及び株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
①基本方針の実現に資する特別な取組み(上記Ⅱ)について
上記Ⅱに記載した企業価値の向上のための取組みは、当社の企業価値及び株主共同の利益を持続的に確保・向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。したがって、これらの取組みは、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、かつ当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
②基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取組み(上記Ⅲ)について
上記Ⅲに記載した本プランは、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を目的として導入するものです。その導入・継続にあたりましては、当社株主総会において株主の皆さまの承認を得ることを条件としています。また、本プランは、合理的かつ客観的な発動要件が満たされない限りは、対抗措置が発動されないように設定されています。さらに、当社取締役会は、対抗措置の発動に際して、対抗措置の発動の是非につき、独立委員会に諮問するものとされ、一定の場合には、株主の皆さまの意思を確認することとしています。
このように、本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」で定める3原則「(ⅰ)企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、(ⅱ)事前開示・株主意思の原則、(ⅲ)必要性・相当性確保の原則」に適合しており、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。
したがって、本プランは、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものでなく、かつ当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、業績に重大な影響を及ぼす可能性のある主なリスクは次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)法的規制、制度・行政について
当社グループの製品・商品の多くは人の生命と健康に関わるものであることから、日本及び海外各国の規制当局による医薬品等の品質、有効性及び安全性を確保するため等の法的規制を受けております。これらの関連法規の改正や、薬価基準の改定を含む医療制度及び行政施策の動向等によっては、業績に影響を与える可能性があります。
(2)新製品開発に要する期間と費用について
当社の事業の中核をなす医薬品の開発には、基礎研究から製造承認に至るまで、有効性及び安全性確認のための各種試験が必要であり、長期間にわたり多額の研究開発費を負担しても発売に至らないリスクがあるうえ、その進捗によって研究開発費が増減し、業績に影響を与える可能性があります。
(3)特定販売先への依存について
主力製品である医療用医薬品・医療機器は販売提携先と独占販売契約を締結しており、販売先は限定しています。状況変化によりこれらの販売提携先との取引内容に変更があった場合、その内容によっては、業績に影響を与える可能性があります。
(4)特定製品への依存について
当期における医薬品事業の売上高のうち、海外向けを含めた関節機能改善剤と眼科手術補助剤が大半を占めています。したがって、予期しない重大な副作用の発生等、これら主力製品の製造・販売に重大な影響を与える事象が生じた場合には、業績に影響を与える可能性があります。
(5)特定仕入先への依存について
医薬品の製造には様々な規制があり、原材料の中には規制当局の承認が必要とされるものもあるため、原材料の仕入先を限定し、往訪監査を行い、品質の確保と安定供給体制の確立に努めています。原材料の一部は単一の供給源に依存しているため、調達が困難になるような状況変化が生じた場合、製品の製造に支障をきたし、業績に影響を与える可能性があります。
(6)動物由来成分の原料について
当社グループの製品の多くは、ニワトリ、サメ、カブトガニといった動物に由来する成分を原料としています。そのため、原料とする動物由来成分の使用が制限された場合や調達が困難になった場合には、業績に影響を与える可能性があります。
(7)為替相場の変動について
当社の輸出取引は、主に米ドル建となっております。当社は研究開発費の支払いの一部を米ドルにすることや為替予約を行うことにより、為替相場の変動リスクの軽減を図っておりますが、為替相場の動向によっては、業績に影響を与える可能性があります。
また、連結財務諸表作成時に在外連結子会社の現地通貨建財務諸表を円換算していることから、為替相場の動向によっては、業績に影響を与える可能性があります。
(8)保有有価証券等の価格変動について
将来の研究開発や設備投資に充当するために、手元資金を有価証券で運用しています。投資対象の分散などリスクの軽減を図っていますが、有価証券等の価格変動等によっては、業績に影響を与える可能性があります。
(9)訴訟の提起について
事業展開上、医薬品の副作用や製造物責任、特許等の知的財産権や労務問題等に関して訴訟を提起された場合、その内容によっては、業績に影響を与える可能性があります。
(10)大規模災害等の発生について
地震、台風等の自然災害や火災等の事故、新型インフルエンザ等感染症のまん延などにより、当社グループの事業所等が大規模な被害を受け、事業活動が停滞し、または製品供給に支障が生じた場合には、業績に影響を与える可能性があります。また、災害により損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、業績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①経営成績
当期において、連結売上高は283億8千4百万円(前期比5.9%減)、経常利益は28億5千9百万円(同46.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億4千4百万円(同42.8%減)となりました。経営成績に重要な影響を与えた要因は、以下のとおりであります。
1)売上高
当期の売上高は、LAL事業が国内・海外ともに伸長した一方で、医薬品事業が2018年4月からの国内薬価引き下げの影響等により大幅に減少したから、283億8千4百万円(同5.9%減)となりました。
セグメント別の売上状況は次のとおりです。
医薬品事業の売上高は218億9千3百万円(同9.7%減)となりました。
・国内医薬品(141億6千1百万円、同12.2%減)
・海外医薬品(65億1千1百万円、同8.5%減)
・医薬品原体(12億2千万円、同21.4%増)
LAL事業の売上高は64億9千1百万円(同9.4%増)となりました。
2)販売費及び一般管理費
当期の販売費及び一般管理費は、142億9千2百万円(同9.2%減)となりました。これは主に、研究開発費の減少によるものです。当期における研究開発費は71億4千8百万円(同15.0%減)となり、売上高に占める割合は25.2%となりました。
3)営業外損益
当期の営業外収益は19億8千4百万円(同50.0%減)となりました。これは主に受取ロイヤリティーの減少によるものです。
営業外費用は1億2百万円(同57.8%増)となりました。
4)特別損益
当期の特別損益は発生しておりません。
②財政状態
総資産は、前期末に比べ38億5千9百万円減少の802億3千8百万円となりました。
負債は、前期末に比べ29億5千万円減少の72億2百万円となりました。
純資産は、前期末に比べ9億9百万円減少の730億3千6百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ1億9千8百万円減少し、73億1千3百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、31億2千1百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、14億8千1百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、18億1千2百万円の支出となりました。
④生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品 |
22,288 |
△11.4 |
|
LAL |
5,923 |
2.3 |
|
合計 |
28,211 |
△8.8 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.生産実績金額には、消費税等は含まれておりません。
2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品 |
5 |
55.1 |
|
LAL |
476 |
18.9 |
|
合計 |
481 |
19.3 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.商品仕入実績金額には、消費税等は含まれておりません。
3)受注状況
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産しております。
受注生産を一部行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品 |
21,893 |
△9.7 |
|
LAL |
6,491 |
9.4 |
|
合計 |
28,384 |
△5.9 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
科研製薬株式会社 |
13,687 |
45.4 |
11,712 |
41.3 |
|
ジンマー バイオメット ホールディングス インク |
2,836 |
9.4 |
3,117 |
11.0 |
2.販売実績金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
また、重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、「2.事業等のリスク」に記載しております。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績
当期の売上高は、LAL事業が国内・海外ともに伸長した一方で、医薬品事業が2018年4月からの国内薬価引き下げの影響等により大幅に減少したことから、前期と比べ5.9%減の283億8千4百万円となりました。
営業利益は、研究開発費を中心とした販売費及び一般管理費が減少しましたが、減収により、31.3%減の9億7千7百万円となりました。経常利益は、投資有価証券売却益が増加した一方、受取ロイヤリティーが大幅に減少したことなどにより、46.3%減の28億5千9百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、42.8%減の22億4千4百万円となりました。
セグメント別の売上概況
<医薬品事業>
・国内医薬品(141億6千1百万円、前期比12.2%減)
関節機能改善剤アルツは、市場全体が縮小するなか、医療現場のニーズに応えた形状改良品投入に伴う販売提携先の拡販施策等により医療機関納入本数及び市場シェアが増加しました。当社売上は2018年4月に実施された薬価引き下げの影響を受け大幅に減少しました。
眼科手術補助剤オペガン類は、シェルガンが好調に推移したことから、医療機関納入本数及び市場シェアが拡大しています。これにより当社売上は薬価引き下げの影響をカバーし、微増となりました。
2018年8月より販売を開始した腰椎椎間板ヘルニア治療剤ヘルニコアは、販売提携先とともに適正使用及び安全性確保に向けた医療機関への情報提供活動を推進し、段階的な普及に努めています。なお、販売初年度であることから、当社売上は少額となっています。
内視鏡用粘膜下注入材ムコアップの当社売上は微増となりました。
・海外医薬品(65億1千1百万円、同8.5%減)
米国のヒアルロン酸注射剤市場は、競合激化や一部保険会社の償還停止等の影響を受け、金額ベースでの市場規模が縮小に転じました。このようななか、単回投与の関節機能改善剤ジェル・ワンは、販売提携先の拡販施策により、現地販売及び当社売上が増加しました。5回投与の関節機能改善剤スパルツFXは、償還停止の影響を強く受けており、現地販売及び当社売上が大幅に減少しました。
中国向けアルツは、販売提携先による都市部及びその周辺地域への拡販強化が奏功しており、現地販売及び当社売上が増加しました。
・医薬品原体(12億2千万円、同21.4%増)
ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸の医薬品メーカー向けの売上が増加しました。
これらの結果、医薬品事業の売上高は218億9千3百万円(同9.7%減)となりました。
<LAL事業>
エンドトキシン測定用試薬等の国内・海外販売がともに増加し、売上高は64億9千1百万円(同9.4%増)となりました。海外子会社のアソシエーツ オブ ケープ コッド インクでは、直販及び代理店経由の販売活動強化によりエンドトキシン測定用試薬に加えてグルカン測定体外診断薬が伸長しています。
2)財政状態
当期末における総資産は、前期末に比べ38億5千9百万円減少の802億3千8百万円となりました。これは主に有形固定資産や流動資産その他に含まれる未収入金の減少によるものです。
負債は、前期末に比べ29億5千万円減少の72億2百万円となりました。これは主に仕入債務や未払金の減少によるものです。
純資産は、前期末に比べ9億9百万円減少の730億3千6百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の減少によるものです。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡求処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
3)キャッシュ・フロー
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ1億9千8百万円減少し、73億1千3百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、31億2千1百万円の収入となりました。主な収入の内訳は、税金等調整前当期純利益28億5千9百万円、減価償却費29億2百万円、未収入金の減少額9億5千7百万円であり、一方で主な支出の内訳は、法人税等の支払額12億8千2百万円、仕入債務の減少額10億5千8百万円、未払金の減少額9億2千4百万円です。前期比では22億2千4百万円収入が減少しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、14億8千1百万円の支出となりました。主な支出の内訳は、有形固定資産の取得による支出11億8千2百万円です。前期比では25億8千5百万円支出が減少しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、18億1千2百万円の支出となりました。主な支出の内訳は、配当金の支払額14億6千9百万円、自己株式取得による支出3億2百万円です。前期比では4億8百万円支出が減少しております。
4)資本の財源及び資金の流動性
・資本の財源
当社グループは、販売活動から得た資金を主な財源とし、医薬品を中心とした研究開発活動や高い品質の製品を安定的に供給するための製造設備等へ投資を行っております。
・資金の流動性
当面の運転資金や設備資金に加え、医薬品の開発には長期間にわたり多額の研究開発費を要することから、将来の事業に対する待機資金としての性格も鑑み、現預金水準を確保しております。
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相手先 |
契約締結年月日 |
契約内容及び期間等 |
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科研製薬株式会社 |
1987年3月27日 |
関節機能改善剤アルツの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から6年間、以後1年ごとに更新 |
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科研製薬株式会社 |
1993年3月27日 |
関節機能改善剤アルツディスポの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から1年間、以後1年ごとに更新 |
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参天製薬株式会社 |
1995年5月9日 |
眼科手術補助剤オペガンハイの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から2016年3月31日まで、以後1年ごとに更新 |
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参天製薬株式会社 |
1997年9月9日 |
眼科手術補助剤オペガンの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から2016年3月31日まで、以後1年ごとに更新 |
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ジンマー バイオメット ホールディングス インク (米国) |
2009年5月29日 |
関節機能改善剤ジェル・ワンの米国における独占販売権 契約期間:製品発売日から10年間、以後5年間の更新可能なオプ |
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科研製薬株式会社 |
2012年12月25日 |
腰椎椎間板ヘルニア治療剤ヘルニコア(SI-6603)の国内独占販売権 契約期間:契約締結日から製造販売承認取得日(2018年3月23日)の10年後の応当日、以後1年ごとに更新 |
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参天製薬株式会社 |
2014年9月30日 |
眼科手術補助剤シェルガンの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から2022年3月31日まで、以後1年ごとに更新 |
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ボストン・サイエンティ フィック ジャパン株式会社 |
2016年4月1日 |
内視鏡用粘膜下注入材ムコアップの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から2023年3月31日まで、以後1年ごとに更新 |
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フェリング インターナショナル センター エス アー(スイス) |
2016年8月29日 |
腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の日本を除く全世界を対象とした独占開発・販売権 契約期間:契約締結日から、対象特許満了日または製品発売日より起算して15年後の応当日のいずれか遅い日まで、以後3年ごとに更新 |
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ジンマー バイオメット ホールディングス インク (米国) |
2016年11月8日 |
関節機能改善剤ヴィスコ・スリーの米国における独占販売権
契約期間:契約締結日から10年間、以後5年間の更新可能なオプ |
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小野薬品工業株式会社 |
2017年8月31日 |
変形性関節症治療剤SI-613の国内共同開発・独占販売権 契約期間:契約締結日から製品発売日の10年後の応当日、以後 2年ごとに更新 |
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バイオヴェンタス エルエルシー(米国) |
2018年2月13日 |
関節機能改善剤スパルツFXの米国における独占販売権 契約期間:2018年5月4日(発効日)から10年間 |
当社グループは、世界の人々の健康で心豊かな生活に貢献するために、専門分野とする糖質科学に特化して、独創的な医薬品等の創製を目指しています。
今後の事業成長の鍵を握る新薬の早期かつ継続的な上市を実現するために、対象物質や重点疾患を絞り込んだ効率的な活動を推進するとともに、内外の糖質研究ネットワークの拡充に努めています。
当期における研究開発費の総額は
研究開発活動の主な進捗状況は、以下のとおりです。
・SI-6603(腰椎椎間板ヘルニア治療剤、開発地域:米国)
米国で開発中の腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603(国内名称:ヘルニコア)は、第Ⅲ相臨床試験において薬理効果が認められた一方、主要評価項目において改善効果が認められなかった結果を受け、2018年2月に第Ⅲ相臨床試験の追加試験を開始し、現在、被験者の組み入れを行っています。本追加試験では、前回試験の結果から得られた知見を反映させ、成功確度を高めてまいります。
SI-6603は、コンドリアーゼを有効成分とし、椎間板内に直接注射する治療剤です。全身麻酔の必要もなく、手術療法と比較して患者の方々への身体的侵襲が小さいという特徴を有しています。1回の投与で腰椎椎間板ヘルニアの症状改善効果が期待できることから、新たな治療選択肢として、患者の方々の生活の質の向上に貢献できるものと考えています。
・SI-613、SI-613-ETP(変形性関節症及び腱・靭帯付着部症治療剤、開発地域:日本、米国)
国内では、変形性関節症を対象とした第Ⅲ相臨床試験として、膝関節を対象とした検証的試験、他関節部位(股、足首、肘、肩)を対象とした臨床試験、及び安全性評価を主目的とした長期投与試験の3つの試験を実施しています。2019年2月に膝関節を対象とした検証的試験において、主要評価項目である初回投与12週間後のWOMACスコア(膝の痛みの評価指標)で統計学的に有意な改善効果を示すトップライン結果を取得しました。他の2つの臨床試験の進捗に注力し、全ての試験の終了後に取得したデータを考慮のうえ、2020年前半の承認申請を目指します。また、腱・靱帯付着部症を対象とした国内の後期第Ⅱ相臨床試験、及び変形性膝関節症を対象とした米国の第Ⅱ相臨床試験は、共に経過観察が終了し、現在、取得したデータの解析を行っています。
SI-613は、当社独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸とジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤です。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、徐放されるように設計されたジクロフェナクの鎮痛・抗炎症作用を併せ持つことから、変形性関節症や腱・靭帯付着部症に見られる痛みや炎症を速やか、かつ持続的に改善することが期待されています。
・SI-614(ドライアイ治療剤、開発地域:米国)
2015年1月に第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験が終了し、現在、取得したデータをもとに第Ⅲ相臨床試験について検討を行うとともに、販売提携先の選定を進めています。
SI-614は、ヒアルロン酸を独自の技術を用いて修飾した物質で、同剤を点眼することにより、ドライアイ患者の眼表面保護作用と角膜創傷治癒促進作用が期待されています。
・SI-449(癒着防止材、開発地域:日本)
2018年5月に開始した癒着防止材SI-449の国内における臨床試験(パイロット試験)が順調に進捗しており、2019年4月に被験者の組み入れが完了し、現在、経過観察を行っています。本試験では、操作性と安全性を確認し、有効性を探索的に検討します。
SI-449は、当社独自のグリコサミノグリカン架橋技術を用いて創製した、コンドロイチン硫酸架橋体を主成分とする医療機器です。水分を吸収し膨潤する特性を有しており、撒布後に手術創部と周辺組織の間でバリアとなることで、外科手術における術後癒着の防止・軽減効果が期待されます。SI-449は、架橋剤を含め体内に存在する物質で構成されており、高い生体適合性を有していると考えられます。また、粉末状製材であることから、凹凸の多い組織表面への付着性が高く、普及が進んでいる腹腔鏡下手術での操作性にも優れていると考えています。本テーマは日本のみならず、グローバル展開を視野に入れて開発を進めていきます。