文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営の基本方針
当社は、「独創 公正 夢と情熱」を経営綱領のモットーとして掲げ、糖質科学の知見を活かした、独創的な医薬品等を継続して創製し、患者の方々に提供することを通じて、世界の人々の健康で心豊かな生活に貢献することを基本方針としています。これにより、医療を含む社会の持続的な発展に寄与するとともに、当社の持続的成長及び中長期的な企業価値向上を目指してまいります。また、製薬企業としての社会的使命及び責任を深く自覚し、高い倫理観のもと法令等の遵守を徹底するほか、コーポレート・ガバナンスの充実を図り、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼関係の強化に努めてまいります。
(2)目標とする経営指標
現在、次期中期経営計画の策定を進めており、本計画の公表に合わせ、目標とする経営指標についても速やかに開示いたします。次期中期経営計画の公表は、2022年秋頃を予定しています。
※詳細については、11ページの「(3)経営環境及び中長期的な経営戦略と対処すべき課題 ≪次期中期経営計画の方向性≫」をご参照ください。
(3)経営環境及び中長期的な経営戦略と対処すべき課題
≪経営環境≫
医薬品産業を取り巻く経営環境は、国内薬価制度の抜本改革をはじめとした医療費抑制策の進展や、治療選択肢の多様化等に伴う企業間競争の激化に加え、新薬開発の難易度が高まるなか研究開発コストが増大するなど、極めて厳しい状況が継続しています。このようななか、当社が再び成長軌道を描くためには、独創的な新薬を継続的に創製することが必須です。これと並行して、早期の収益改善にスピード感をもって取り組み、既存の枠組みにとらわれない変革を進めていきます。
≪直近の市場環境≫
当社の主力製品である関節機能改善剤の国内市場及び米国市場ともに、新型コロナウイルス感染症拡大による影響が一巡し、回復傾向にあります。一方で、国内市場は、高齢者人口の増加があるものの、外用薬や内服薬の処方拡大に加え、薬価引き下げの影響等により、金額ベースでの市場が縮小しています。米国市場においては、投与回数の少ない製品が選好される傾向が継続しており、単回投与製品のポテンシャルが高まるなか、複数回製品には厳しい環境となっています。
≪本中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)の概要≫
Ⅰ. 当社が目指す姿
「独創的な創薬により世界で存在価値のある企業」
糖質科学領域における知見を独自の技術に活用して、真に求められる独創的な新薬を創出し、それらをより広く、グローバルに提供することを通じて、世界の人々の健康で心豊かな生活に貢献する、存在価値のある企業を目指します。また、そのベースとして公正かつ誠実な企業活動を推進します。
Ⅱ. 基本理念/スローガン
① 当社の経営綱領(モットー) :独創 公正 夢と情熱
② 当社のミッションステートメント :糖質科学で未来を創る
③ 本中期経営計画スローガン :Innovative Thinking
革新的な思考をもって価値を創造する
Ⅲ. 重点施策
本中期経営計画は、当社が再び成長軌道を描くための収益基盤を強化する期間と位置づけ、次の重点施策に取り組みます。
① 新たな収益の柱となる新薬開発の加速
1) GAG*に関連する独自の基盤技術の強化・活用
当社が保有する独自の創薬技術を存分に活かし、創薬の可能性を高めます。
<当社が保有する主な技術>
a. 修飾・加工・生理活性による創薬
b. ドラッグデリバリーシステムへの応用
c. プラットフォーム技術活用・次世代GAG創薬アプローチ
2) オープンイノベーション戦略による独創的な創薬の加速
当社保有技術に加え、他社の保有する親和性の高い技術を積極的に取り入れ、シナジーの最大化を図り、新薬開発のプロジェクト数を拡充させるとともに、スピードアップを図ります。
3) グローバル展開を視野に入れた開発パイプラインの着実な進展
変形性関節症治療剤SI-613の承認申請・上市を達成させ、新たな基幹製品として早期に育て上げます。また、間質性膀胱炎治療剤SI-722、癒着防止材SI-449の臨床試験におけるステージアップを目指します。腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603につきましては、第Ⅲ相臨床試験追加試験のスピードアップに注力し、米国上市に向けて全力で取り組みます。
*GAG:グリコサミノグリカン。複合糖質の構成成分のひとつ(ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸等)。
② 製品の市場拡大による収益基盤強化
1) 国内ヘルニコアの育薬
適正使用と安全性確保に向けた情報提供活動や市販後の安全性情報集積を最優先に進めつつ、関連学会と連携しながら当局と合意のうえで、使用可能となる医師・施設を段階的に拡げ、着実な市場浸透に努めます。また、疾患啓発活動により、患者の方々の腰椎椎間板ヘルニアに対する認知度向上を促進します。
2) 既存製品・開発品の多国展開の加速
既存製品及び開発品の新規市場開拓を急ぎ、製品価値を最大化させることで、中長期的な収益基盤の強化を図ります。また、導出地域の医療ニーズに合わせた製品改良や用途開発にも積極的に取り組みます。
3) 遺伝子組換え技術を活かしたエンドトキシン測定用試薬の世界展開
当社グループのLAL事業の海外展開を担う子会社アソシエーツ オブ ケープ コッド インクにおいて、今後の普及が予想される遺伝子組換えエンドトキシン測定用試薬の世界展開を図り、新たな収益基盤の確保につなげます。
③ 生産性向上のための改革
1) 各種コストの徹底的な低減
製造原価につきましては、既に立ち上げているプロジェクトにより、調達コストの見直しや生産最適化・効率化をさらに進め、製品の収益性確保につなげます。
販管費につきましては、業務効率の向上と予断をもたないコスト削減を徹底するとともに、継続的な創薬活動を推進するために、優先度を見極めた研究開発費の効率的活用に取り組みます。
2) 収益モデルの多角化
これまでのビジネスモデルにとらわれず、新たな収益を生み出すためのスキームを精力的に検討していきます。
3) リソースの価値最大化に向けた組織づくり
事業環境の変化に柔軟に対応し、新しい価値を創造できる人材の育成と、個々のポテンシャルを最大限発揮できる組織改革を進めます。
≪本中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)の総括≫
本中期経営計画の主な進捗及び課題は以下のとおりです。
1つ目の重点施策である「新たな収益の柱となる新薬開発の加速」では、2021年5月の関節機能改善剤ジョイクル(国内SI-613)の発売に加え、間質性膀胱炎治療剤SI-722の米国第Ⅰ/Ⅱ相試験の被験者組み入れ完了(2021年1月)及び癒着防止材SI-449のピボタル試験へのステージアップ(2020年5月)を達成し、開発パイプラインの着実な進展を図ることができました。
今後の事業成長の鍵となる、米国で第Ⅲ相臨床試験の追加試験を実施している腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により計画に遅延が生じていましたが、2022年3月に被験者組み入れが完了し、1年間の経過観察段階に移行しました。2022年1月にカナダに新設した子会社セイカガク ノース アメリカ コーポレーションとの連携を通じて、同剤の早期かつ着実な承認申請、承認取得を目指します。
研究段階におきましては、GAGに関する独自の基盤技術を活かした新たな疾患領域へのアプローチや創薬モダリティの開発などに取り組むとともに、アカデミア等との積極的なオープンイノベーション戦略を推進することで、創薬の可能性を高め、事業領域のさらなる拡充に向けた活動が進捗しました。
なお、ジョイクルにつきましては、添付文書の「重大な副作用」の項にてショック、アナフィラキシーに係る注意喚起を行っていましたが、本剤の投与後にショック、アナフィラキシーの発現が複数報告されたことから、医療関係者の方々にさらなる周知を実施するために、2021年6月1日に安全性速報(ブルーレター)を発出しました。引き続き、販売提携先である小野薬品工業株式会社と連携し、安全性情報の積極的な収集及び提供に努めています。患者の皆さまにジョイクルをより安全にお使いいただくために、これらに加え原因究明に向けた取り組みにも尽力してまいります。
2つ目の「製品の市場拡大による収益基盤強化」では、既存製品・開発品の多国展開の加速において、2021年8月に台湾で雅節一針劑型関節内注射剤(ハイリンク)を発売し、単回投与の関節機能改善剤の新規導出を達成しました。なお、変形性関節症治療剤SI-613につきましては、エーザイ株式会社と中国における共同開発及び販売提携に関する契約(2020年4月)、韓国における販売提携契約(2020年9月)の締結に至りましたが、国内でのジョイクル発売後のショック、アナフィラキシー発現に関する原因究明を優先させ、その動向を見極めながら今後の開発方針を検討することとしています。
LAL事業につきましては、2021年4月に海外子会社アソシエーツ オブ ケープ コッド インクから遺伝子組換えエンドトキシン測定用試薬であるパイロスマート ネクストジェンを発売しました。2021年5月には当社による国内販売を開始しており、今後、グローバル展開を進めていきます。
国内ヘルニコアの育薬については、引き続き適正使用と安全性確保に向けた情報集積及び提供を継続するとともに、関連学会と連携し、さらなるエビデンスの創出に努めています。また、2019年11月より日本脊椎脊髄病学会指導医による非常勤施設での使用が可能となり、ご使用いただける施設が増加しました。
3つ目に挙げた「生産性向上のための改革」では、収益モデルの多角化の一環として2020年3月にカナダのダルトン ケミカル ラボラトリーズ インクを子会社化したことで、新たに医薬品受託製造事業が当社グループの事業領域に加わりました。当社が外部委託していた化学合成品の内製化や医薬品原薬及び当社製品の一部製造移管を順次進め、生産最適化・効率化を図っています。
また、新型コロナウイルス感染症拡大をはじめとした事業環境の変化に柔軟に対応するために、在宅勤務制度を含む人事諸制度の新設やIT環境の整備などを進めました。各種コストの低減につきましては、調達コストや販売関連費用の見直しが進展した一方、抜本的なコスト構造の改善においては一部の課題を残す結果となりました。
本中期経営計画期間は、新型コロナウイルス感染症拡大という不測の事態に見舞われたことから、国内外の市場停滞や研究開発活動の遅延などの影響を受けましたが、前述のとおり、3つの重点施策において一定の成果を上げるとともに、本計画策定時に公表したすべての数値目標についても達成することができました。この3ヵ年において、一部の課題を残しましたが、「当社が再び成長軌道を描くための収益基盤を強化する期間」として次期中期経営計画につながる基盤を整備することができたと考えています。
本中期経営計画の最終年度である2022年3月期の数値目標及び実績は、以下のとおりです。
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|
2022年3月期実績 |
2022年3月期目標 |
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新表示区分※2 |
旧表示区分 |
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売上高 |
348億円 |
312億円 |
283億円 |
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経常利益 |
53.9億円 |
53.9億円 |
45億円 |
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SKK EBITDA※1 |
55.4億円 |
55.4億円 |
50億円 |
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海外売上高比率 (ロイヤリティー除く) |
56.6% |
56.6% |
50.0% |
<前提条件>
① LAL事業を含めた海外売上高の拡大で国内薬価改定の影響をカバー
② 減損処理により減価償却費が減少
③ 研究開発費は対売上高比率 25~30%
④ 各種受取ロイヤリティーを営業外収益として織り込む
⑤ 為替レート:対米ドル105円
※1 SKK EBITDAは、営業利益に減価償却費、受取ロイヤリティーを加えた当社独自の利益指標です(下記※2により、2022年3月期からは営業利益に減価償却費を加えて算出)。
※2 2022年3月期の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用するとともに、ロイヤリティーの表示区分を営業外収益から売上高に変更しています。
≪次期中期経営計画の方向性≫
製薬企業を取り巻く事業環境は、引き続き厳しさを増すことが予想され、今後の当社を支える収益基盤のさらなる強化が必要であると認識しています。次期中期経営計画期間では、当社のコア事業である医薬品事業において、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の米国における確実な上市と早期の販売立ち上げを最優先課題とします。加えてジョイクルをより安全にご使用いただくための対策にも鋭意取り組んでまいります。また、LAL事業や医薬品受託製造事業の拡大、既存製品・開発品の海外展開の加速を継続していきます。これらに注力するとともに、着実に利益を生み出すためにコスト削減や収益構造の見直し等を検討していく方向です。
成長の源泉である研究開発においては、癒着防止材SI-449をはじめとした各開発パイプラインを進展させるとともに、新規領域や新規モダリティへの参入、オープンイノベーションの積極的な活用により、基盤技術を活かした事業領域の拡充を図ってまいります。
さらに、生命関連企業としての社会的使命及び責任を深く自覚した高い企業倫理のもと、サステナビリティ推進の重要課題であるマテリアリティを基軸とした事業活動を展開することで、社会とともに持続的に発展することを目指します。
なお、2023年3月期より始まる次期中期経営計画及び数値目標につきましては、現在取り組んでいるジョイクルの安全性に関する対策の進捗や米国における腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の動向により、経営計画や将来的な業績予測が大きく変動することを鑑み、2022年5月時点での公表を見送ることといたしました。次期中期経営計画の公表は、2022年秋頃を予定しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
これらの想定されるリスク発生の可能性を認識したうえで、リスク発生の回避や軽減及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えています。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)法的規制、制度・行政について
当社グループの製品の多くは人々の生命と健康に関わるものであることから、日本及び海外各国の規制当局による医薬品等の品質、有効性及び安全性を確保するため等の法的規制を受けています。これらの関連法規の改正や、薬価基準の改定を含む医療制度及び行政施策の動向等によっては、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。法的規制の改正等に起因するリスクについては、その動向を常にモニターすることにより改正内容を早期に把握し、的確に対応していく方針です。しかしながら、その改正の内容や時期等に加え、薬価や処方変更等は当社グループが決定できるものではなく、その影響度を事前に見積もることは困難であると認識しています。
(2)新製品開発について
当社の事業の中核をなす医療用医薬品の開発には、基礎研究から製造承認に至るまで、有効性及び安全性確認のための各種試験が必要であり、長期間にわたり多額の研究開発費を負担しても発売に至らないリスクがあります。このような場合、過去に計上された研究開発費に見合う収益が回収できない可能性があります。当社としては、アンメット・メディカル・ニーズ(いまだ有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ)に応えるべく研究・開発体制を強化し、複数の開発パイプラインを推進することにより、リスクの分散に努めています。しかしながら、これにより全てのリスクが回避されるわけではなく、このような新製品開発の不確実性が業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(3)特定販売先への依存について
主力製品である医療用医薬品・医療機器は販売提携先と独占販売契約を締結し、販売先を限定しています。状況の変化によりこれらの販売提携先との取引内容に変更があった場合、その内容によっては、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当該リスクが顕在化した場合の影響度を見積もることは困難であると認識しています。
(4)副作用に関するリスクについて
医療用医薬品・医療機器は、臨床試験段階から市販後に至るまで、予期せぬ副作用が発現するリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、開発品においては臨床試験の遅れや開発中止等に至る可能性があります。また、既承認品においても、予期せぬ副作用等で発売中止、製品回収等の事態に発展し、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに備え、日頃より安全監視活動を継続して有害事象の収集と分析を進め、予期せぬ副作用が発現した場合は、迅速に回収等の措置を講じる方針です。しかしながら、顕在化した副作用の程度等に応じた影響を受ける可能性があり、その影響度を定量的に見積もることは困難であると認識しています。なお、関節機能改善剤ジョイクルについては、投与後にショック、アナフィラキシーの発現が複数報告されたことから、医療関係者向けに安全性速報を発出し、有害事象の収集と分析を進め、安全監視活動を強化しています。今後、予期せぬ副作用や副作用の重篤化が確認された場合には、更なる対策強化等の措置を講じることがあります。その場合、ジョイクルの販売収益が当初の見込みを達成できない可能性があります。
(5)特定仕入先への依存について
医療用医薬品・医療機器の製造には様々な規制があり、原材料の中には規制当局の承認が必要とされるものもあるため、原材料の仕入先を限定し、往訪監査を行い、品質の確保と安定供給体制の確立に努めています。原材料の一部は単一の供給源に依存しているため、調達が困難になるような状況変化が生じたときは、製品の製造に支障をきたすリスクがあります。原材料及び製品在庫を適切に保有することにより、業績への影響を最小限に留める対策を講じていますが、当該リスクが顕在化した場合には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。顕在化した場合の影響度は、該当製品や代替品調達の可否、調達に要する時間等により大きく異なることから、その影響度を事前に見積もることは困難であると認識しています。
(6)動物由来成分の原料について
当社グループの製品の多くは、ニワトリ、サメ、カブトガニといった動物に由来する成分を原料としています。そのため、原料とする動物由来成分の使用が制限された場合や調達が困難になった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、可能な限り調達先を分散させることに加え、当該原料及び製品在庫を適切に保有することで業績への影響を最小限に留める対策を講じています。また、発酵原料を用いた製品の開発や、遺伝子組換え体を用いた試験法の開発も進め、リスクの最小化に努めています。しかしながら、これらにより全てのリスクが回避されるわけではなく、実際に顕在化した場合には一定程度の影響を受けることは不可避であると認識しています。
(7)為替相場の変動について
当連結会計年度における海外売上高比率は56.6%(ロイヤリティー除く)であり、その取引通貨の多くは米ドル等の外貨で行われているため、急激な為替相場の変動は業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社では海外で実施する臨床試験等の研究開発費の支払いに売上の外貨を充当することや為替予約を行うことにより、為替相場の変動リスクの軽減を図っていますが、これらにより全てのリスクを回避することは困難であると認識しています。また、連結財務諸表作成時に海外連結子会社の現地通貨建財務諸表を円換算していることから、為替相場の動向によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)保有有価証券等の価格変動について
将来の研究開発や設備投資に充当するために、手元資金を有価証券で運用しています。投資対象の分散などリスクの軽減を図っていますが、有価証券等の価格変動等によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。金融市場や金融政策の動向等に起因する外部リスクに関しては、当社独自のリスク軽減対策により軽減・排除することが難しいことから、顕在化した場合にはその時期、規模に応じて影響を受けるものと考えており、顕在化の影響を定量的に見積もることは困難であると認識しています。
(9)知的財産権について
製品や事業の優位性を確保するために特許権、その他知的財産権の取得に向けた様々な出願をしていますが、特許権等が取得できなかった場合や、特許権等が取得できたとしてもその有効性や排他性が否定された場合、特許権等の期間が満了した場合等には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、第三者の知的財産権の侵害を未然に防止するために調査をし、その可能性を最小化していますが、知的財産権の侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、現段階において、将来的な顕在化の影響を定量的に見積もることは困難であると認識しています。
(10)大規模災害等の発生について
地震、台風等の自然災害や火災等の事故、新型インフルエンザ等感染症のまん延などにより、当社グループの事業所等が大規模な被害を受け、事業活動が停滞し、または製品供給に支障が生じた場合や、災害により損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生した場合には、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、各種災害リスクに対応するためのマニュアルの整備等を含め事前の対策を講じていますが、当該リスクは当社グループのみのリスク管理施策では回避できるものではなく、顕在化した場合の規模や期間等に応じた影響を受ける可能性があり、その影響度を定量的に見積もることは困難であると認識しています。
(11)気候変動について
気候変動に伴う平均気温の上昇や気象災害の頻発・激甚化が発生した場合には、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、脱炭素社会への移行に向け、将来的に炭素税の導入等の規制強化への対応により、原材料コストの増加等の新たなコストが発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としては、気候変動リスクの特定とその対応策に加え、その影響度について、気候変動関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:TCFD)に基づき評価し、その情報を開示しています。
(12)新型コロナウイルス感染症について
当社グループの製品の多くは人々の健康に関わるものであることから、平時より適切な在庫量を確保しています。従って、一時的に製造や物流が途絶えることがあっても、製品供給には問題ありません。一方で、各国における外出自粛やロックダウン等により、関節機能改善剤に対する処方需要に一定程度の影響を受けており、特に主要市場である日本及び米国における新型コロナウイルス感染症の再流行等により影響が長期化する場合は、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応に伴い、当社の臨床試験に参加される被験者の組み入れ遅延や一部治験施設での受け入れ停止等の影響は継続しており、これらが長期化する場合は、開発中の新製品の発売時期にも影響を与え、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。本リスクに関しては、当社グループでのリスク管理施策のみをもって排除できるものではなく、今後の新型コロナウイルス感染症の世界的なまん延や収束までに要する期間に加え、各国政府の対策方針等の影響を強く受けると考えています。そのため、その影響度を定量的に見積もることは困難であると認識しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①経営成績
当期における、連結売上高は348億5千1百万円(前期比25.7%増)、経常利益は53億9千5百万円(同78.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は37億3千3百万円(同12.4%減)となりました。経営成績に重要な影響を与えた要因は、以下のとおりであります。
1)売上高
当期の売上高は、国内での薬価引き下げがあった一方、前期に国内外における新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けた反動に加え、ロイヤリティー(当期より営業外収益から売上高に表示区分を変更)の大幅な増加やLAL事業及び海外製品の堅調な伸長により、348億5千1百万円(同25.7%増)となりました。
セグメント別の売上状況は次のとおりです。
医薬品事業の売上高は256億9千6百万円(同23.6%増)となりました。
・国内医薬品(114億4千7百万円、同0.0%減)
・海外医薬品(76億5千2百万円、同12.9%増)
・医薬品原体・医薬品受託製造(26億7百万円、同41.2%増)
LAL事業の売上高は91億5千5百万円(同31.9%増)となりました。
2)販売費及び一般管理費
当期の販売費及び一般管理費は、160億3千3百万円(同19.9%増)となりました。これは主に、研究開発費の増加によるものです。当期における研究開発費は90億5百万円(同24.9%増)となり、売上高に占める割合は25.8%となりました。
3)営業外損益
当期の営業外収益は10億5百万円(同25.8%増)となりました。これは主に為替差益の増加によるものです。
営業外費用は1億5百万円(同350.8%増)となりました。これは主に減損損失の発生によるものです。
4)特別損益
当期の特別損益は発生しておりません。
②財政状態
総資産は、前期末に比べ53億2千8百万円増加の752億4千4百万円となりました。
負債は、前期末に比べ25億9千2百万円増加の89億4百万円となりました。
純資産は、前期末に比べ27億3千6百万円増加の663億4千万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ75億9千9百万円増加し、233億6千7百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、81億9千2百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、8億7千万円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、21億5千1百万円の支出となりました。
④生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品 |
21,518 |
4.4 |
|
LAL |
8,137 |
15.8 |
|
合計 |
29,656 |
7.3 |
(注)金額は販売価格によっております。
2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品 |
1 |
- |
|
LAL |
599 |
31.2 |
|
合計 |
601 |
31.1 |
(注)金額は仕入価格によっております。
3)受注状況
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産しております。
受注生産を一部行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬品 |
25,696 |
23.6 |
|
LAL |
9,155 |
31.9 |
|
合計 |
34,851 |
25.7 |
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
科研製薬株式会社 |
9,068 |
32.7 |
8,984 |
25.8 |
|
ジンマー バイオメット ホールディングス インク |
4,894 |
17.6 |
4,818 |
13.8 |
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
また、重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、「2.事業等のリスク」に記載しております。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計上の見積り」に記載しております。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「注記事項(追加情報)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績
当期の売上高は、国内での薬価引き下げがあった一方、前期に国内外における新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けた反動に加え、ロイヤリティー(当期より営業外収益から売上高に表示区分を変更)の大幅な増加やLAL事業及び海外製品の堅調な伸長により、前期と比べ25.7%増の348億5千1百万円となりました。
営業利益は、米国で実施中の腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603追加臨床試験の進展に伴う研究開発費等の販管費が増加しましたが、増収効果が上回り、99.9%増の44億9千5百万円、経常利益は78.4%増の53億9千5百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に繰延税金資産計上の増益要因があった反動により、12.4%減の37億3千3百万円となりました。
なお、2022年3月期より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を適用しています。また、収益認識に関する会計基準等の適用については、収益認識に関する会計基準第84項に定める原則的な取扱いに従って、新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用しています。
セグメント別の売上概況
<医薬品事業>
・国内医薬品(114億4千7百万円、前期比0.0%減)
関節機能改善剤アルツは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い前期に外来受診数が減少した反動に加え、競合品からの切り替え施策が奏功し、医療機関納入本数は増加しました。当社売上高は薬価引き下げの影響により微減となりました。
2021年5月19日に販売を開始した関節機能改善剤ジョイクルにつきましては、添付文書の「重大な副作用」の項にてショック、アナフィラキシーに係る注意喚起を行っていましたが、本剤の投与後にショック、アナフィラキシーの発現が複数報告されたことから、医療関係者の方々にさらなる周知を実施するために、同年6月1日に安全性速報(ブルーレター)を発出しました。引き続き、販売提携先である小野薬品工業株式会社と連携し、副作用報告等の情報収集や安全性に関する情報提供を積極的に進めています。また、専門家や医療機関等の協力を得ながら、原因究明に向けた医師主導の臨床研究を開始しました。
眼科手術補助剤オペガン類は、新型コロナウイルス感染症拡大により前期に減少した白内障手術件数が回復しつつあることから、医療機関納入本数は増加しました。当社売上高は前期に出荷水準が高かったことに加え、薬価引き下げの影響を受け減少しました。
内視鏡用粘膜下注入材ムコアップは、前期に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた反動がありましたが、販売提携先の在庫調整により、当社売上高は前期並みとなりました。
腰椎椎間板ヘルニア治療剤ヘルニコアは、販売提携先とともに医療機関への積極的な情報提供活動を推進したことにより、医療機関納入本数が着実に伸び、当社売上高も増加しました。
・海外医薬品(76億5千2百万円、前期比12.9%増)
米国における単回投与の関節機能改善剤ジェル・ワンは、少数回投与製品が選好される傾向の継続や、販売提携先による競合品からの切り替え施策が奏功し、現地販売本数及び当社売上高が増加しました。
5回投与の関節機能改善剤スパルツFXは、複数回投与製品には厳しい市場環境が継続していますが、前期に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた反動により、現地販売本数が増加しました。当社売上高は流通リスク回避に向けた前倒し出荷もあり、増加しました。
中国向けアルツは、集中購買を落札した地域での積極的な販売促進活動の推進や、新型コロナウイルス感染症拡大による流通停滞を懸念した医療機関からの受注増により、現地販売本数が増加しました。当社売上高は包装資材変更に伴う前倒し出荷もあり、大幅に増加しました。
・医薬品原体・医薬品受託製造※1(26億7百万円、前期比41.2%増)
医薬品原体は微減となりましたが、海外子会社ダルトン ケミカル ラボラトリーズ インクの医薬品受託製造等の売上が年間を通じて加わったことにより、大幅に増加しました。
これらに加え、ロイヤリティー※2(39億8千9百万円、前期比455.6%増)の大幅な増加もあり、医薬品事業の売上高は256億9千6百万円(前期比23.6%増)となりました。
※1 2020年3月に子会社化したダルトン ケミカル ラボラトリーズ インクの売上高は、2021年3月期に係る第2四半期連結会計期間より医薬品事業区分に含めています。
※2 2022年3月期よりロイヤリティーの表示区分を営業外収益から売上高に変更しています。
<LAL事業>
海外子会社アソシエーツ オブ ケープ コッド インクにおける販売活動強化に伴うエンドトキシン測定用試薬及びグルカン測定体外診断用医薬品の増加や、受託試験サービスの受注増に加え、国内販売が堅調に推移したことから、売上高は91億5千5百万円(前期比31.9%増)となりました。
2)財政状態
当期末における総資産は、前期末に比べ53億2千8百万円増加の752億4千4百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加によるものです。
負債は、前期末に比べ25億9千2百万円増加の89億4百万円となりました。これは主に未払金及び繰延税金負債の増加によるものです。
純資産は、前期末に比べ27億3千6百万円増加の663億4千万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加によるものです。
3)キャッシュ・フロー
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ75億9千9百万円増加し、233億6千7百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、81億9千2百万円の収入となりました。主な収入の内訳は、税金等調整前当期純利益53億9千5百万円、売上債権の減少額11億9千5百万円、減価償却費8億7千万円です。前期比では69億3千4百万円収入が増加しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、8億7千万円の収入となりました。主な収入の内訳は、有価証券及び投資有価証券の取得と償還などの運用による収入24億7千3百万円です。主な支出の内訳は、有形固定資産の取得による支出18億3千9百万円です。前期比では1億5千3百万円収入が減少しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、21億5千1百万円の支出となりました。主な支出の内訳は、配当金の支払額16億3千3百万円及び自己株式の取得による支出2億2千1百万円です。前期比では6億4千4百万円支出が増加しております。
4)資本の財源及び資金の流動性
・資本の財源
円滑な事業活動に必要な資金の調達について、当社グループは、今後の成長戦略への資金需要や変化の激しい事業環境における経営の安定性確保など、様々な要因を総合的に勘案し決定しています。新薬開発はリスクの高いビジネスであるため、強固な財務体質維持の必要性から一定の財務基盤を確保しており、主として、営業キャッシュ・フローで得た資金を財源に、新薬開発を中心とした研究開発や高い品質の製品を安定的に供給するための製造設備などへの投資を行っています。
・資金の流動性
成長戦略への投資や株主の皆さまへの継続した利益還元に対する適切な資金の配分に加え、新薬開発には承認を取得するまでに長期間にわたる多額の研究開発投資が必要なことから、将来の事業に対する待機資金としての性格も鑑みて、現預金残高を維持しています。さらに、主要取引銀行とコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結することなどにより、十分な資金の流動性を確保しています。
(1)販売提携等に関する契約
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相手先 |
契約締結年月日 |
契約内容及び期間等 |
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科研製薬株式会社 |
1993年3月27日 |
関節機能改善剤アルツディスポの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から1年間、以後1年ごとに更新 |
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参天製薬株式会社 |
1995年5月9日 |
眼科手術補助剤ヒアルロン酸Na眼粘弾剤(旧名称:オペガンハイ)の国内独占販売権 契約期間:契約締結日から2016年3月31日まで、以後1年ごとに更新 |
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参天製薬株式会社 |
1997年9月9日 |
眼科手術補助剤オペガンの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から2016年3月31日まで、以後1年ごとに更新 |
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科研製薬株式会社 |
2012年12月25日 |
腰椎椎間板ヘルニア治療剤ヘルニコア(SI-6603)の国内独占販売権 契約期間:契約締結日から製造販売承認取得日(2018年3月23日)の10年後の応当日、以後1年ごとに更新 |
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参天製薬株式会社 |
2014年9月30日 |
眼科手術補助剤シェルガンの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から2022年3月31日まで、以後1年ごとに更新 |
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ボストン・サイエンティ フィック ジャパン株式会社 |
2016年4月1日 |
内視鏡用粘膜下注入材ムコアップの国内独占販売権 契約期間:契約締結日から2023年3月31日まで、以後1年ごとに更新 |
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フェリング インターナショナル センター エス アー(スイス) |
2016年8月29日 |
腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の日本を除く全世界を対象とした独占開発・販売権 契約期間:契約締結日から対象特許満了日または製品発売日より起算して15年後の応当日のいずれか遅い日まで、以後3年ごとに更新 |
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ジンマー バイオメット ホールディングス インク (米国) |
2016年11月8日 |
関節機能改善剤ヴィスコ・スリーの米国における独占販売権 契約期間:契約締結日から10年間、以後5年間の更新可能なオプ |
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小野薬品工業株式会社 |
2017年8月31日 |
関節機能改善剤ジョイクルの国内共同開発・独占販売権 契約期間:契約締結日から製品発売日の10年後の応当日、以後 2年ごとに更新 |
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バイオヴェンタス インク(米国) |
2018年2月13日 |
関節機能改善剤スパルツFXの米国における独占販売権 契約期間:2018年5月4日(発効日)から10年間 |
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エーザイ株式会社 |
2020年4月1日 |
変形性関節症治療剤SI-613の中国における共同開発・独占販売権 契約期間:契約締結日から製造販売承認取得日の10年後の応当日、以後2年ごとに更新 |
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エーザイ株式会社 |
2020年9月30日 |
変形性関節症治療剤SI-613の韓国における独占販売権 契約期間:契約締結日から製品発売日の10年後の当該年度の末日、以後2年ごとに更新 |
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ジンマー バイオメット ホールディングス インク (米国) |
2021年8月31日 |
関節機能改善剤ジェル・ワンの米国における独占販売権 契約期間:2022年1月25日(発効日)から10年間 ※1 |
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クンミン ベーカー ノートン ファーマシューティカル セールス コーポレーション リミテッド(中国) |
2021年12月1日 |
関節機能改善剤アルツディスポの中国独占販売権 契約期間:契約締結日から2024年12月31日まで ※2 |
※1 2009年に締結した前契約の期間満了に伴い、契約内容及び期間を変更して新たに締結しました。
※2 2018年に締結した前契約の期間満了に伴い、契約内容及び期間を変更して新たに締結しました。
※3 前連結会計年度まで記載していました科研製薬株式会社との関節機能改善剤アルツの国内独占販売権契約につきましては、2022年3月31日の終売に伴い、経過措置期間満了となるため削除しました。
(2)株式取得に関する契約
該当事項はありません。
当社グループは、世界の人々の健康で心豊かな生活に貢献するために、専門分野とする糖質科学に特化して、独創的な医薬品等の創製を目指しています。
今後の事業成長の鍵を握る新薬の早期かつ継続的な上市を実現するために、対象物質や重点疾患を絞り込んだ効率的な活動を推進するとともに、独自の創薬技術の強化やオープンイノベーションの活用によりプロジェクト数の拡充を図っていきます。
当期における研究開発費の総額は、
研究開発活動の主な進捗状況は、以下のとおりです。
・SI-6603(腰椎椎間板ヘルニア治療剤、開発地域:米国)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により試験スケジュールに遅延が生じていましたが、2022年3月に第Ⅲ相臨床試験の追加試験における被験者組み入れが完了しました。1年間の経過観察期間後に、結果解析や承認申請準備等を行う計画です。
SI-6603は、コンドリアーゼを有効成分とし、椎間板内に直接注射する治療剤です。全身麻酔の必要がなく、手術療法と比較して身体的侵襲が小さいという特徴を有しています。1回の投与で腰椎椎間板ヘルニアの症状改善効果が期待できることから、新たな治療選択肢の提供を目指します。
・SI-614(ドライアイ治療剤、開発地域:米国)
第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験等で臨床的に有用な効果が確認できたことから、2022年5月に第Ⅲ相臨床試験を開始しました。本試験は有効性と安全性の評価を目的としています。
SI-614は、当社独自の技術を活用してヒアルロン酸に疎水基を導入した両親媒性高分子の物質であり、同剤を点眼することで涙液層安定化作用と創傷角膜治癒促進作用によりドライアイの諸症状を改善することが期待されます。SI-614の開発を通じ、ドライアイ治療の新たな選択肢を提供することを目指します。
・SI-613(変形性関節症治療剤、開発地域:米国、中国、韓国)
・SI-613-ETP(腱・靭帯付着部症治療剤、開発地域:日本)
<SI-613>
米国、中国、韓国の開発においては、国内ジョイクルのショック、アナフィラキシー発現に関する原因究明の進捗を見極めつつ、今後の方針を検討していきます。
<SI-613-ETP>
腱・靭帯付着部症を対象とした国内の後期第Ⅱ相臨床試験において主要有効性評価が未達であったことや、ジョイクルのショック、アナフィラキシーの発現に関する原因究明を優先するため、2022年2月に開発を中断しました。
SI-613は、当社独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸とジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤であり、加水分解によりジクロフェナクを遊離することで、変形性関節症や腱・靭帯付着部症の症状を改善することが期待されます。
・SI-722(間質性膀胱炎治療剤、開発地域:米国)
米国で実施した第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験につきましては、2021年1月に被験者組み入れが完了し、本試験において忍容性が確認されました。現在、取得したデータをもとに次相試験について検討を行っています。
SI-722は、当社独自のグリコサミノグリカン修飾技術やドラッグデリバリーシステムを活用してコンドロイチン硫酸にステロイドを結合させた新規の化合物です。膀胱内に注入した同剤が抗炎症作用を有するステロイドを徐放することで、持続的に頻尿や膀胱痛などの症状改善作用を発揮すると考えられます。
・SI-449(癒着防止材、開発地域:日本)
2020年5月より実施している消化器外科領域におけるピボタル試験においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、試験スケジュールに遅延が生じています。引き続き、治験実施施設の拡充や訪問制限がある施設にはリモート対応をするなど、遅延を挽回する施策に取り組んでいます。
なお、2021年11月に婦人科領域におけるパイロット試験を開始しました。本試験は、婦人科領域において操作性と安全性を確認することにより、適用範囲の拡大を目的として実施するものです。
SI-449は、当社独自のグリコサミノグリカン架橋技術を用いて創製したコンドロイチン硫酸架橋体を主成分とする粉末状の医療機器です。水分を吸収し膨潤する特性を有しており、撒布後に手術創部と周辺組織の間でバリアとなることで、外科手術における術後癒着の防止効果が期待されます。本テーマは国内のみならず、グローバル展開を視野に入れて開発を進めていきます。