当連結会計年度における医薬品業界は、政府の医療費抑制政策が続く中、後発医薬品のさらなる使用促進が進められた一方で、新たな作用機序を持つC型慢性肝炎治療薬や抗がん剤等の高薬価製剤の上市によって医療財政が圧迫され、企業間の競争の激化と相まって、事業環境が一層厳しいものとなりました。
このような状況のもと、当社は昨年5カ年中期経営計画『飛躍』を策定し、その実現に向けた取組みとして、主力製品の販売促進と自社技術を生かした事業開発・ライセンス事業の強化を目的とした組織改革を実施いたしました。
営業面におきましては、主力製品である遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」および遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤(腎性貧血治療薬)「エポエチンアルファBS注JCR」は、ともに売上が伸長いたしました。
また、昨年9月にヒト間葉系幹細胞(MSC)を利用した日本初の他家※1由来再生医療等製品「テムセル®HS注」の製造販売承認を取得し、本年2月に販売を開始しました。本製品は、従来にない画期的な再生医療等製品であり、収益だけでなく、企業認知度の向上にも大きく貢献するものであると考えております。また本製品は、生きた細胞を利用したものであり、マイナス130℃以下という特殊な環境で使用直前まで凍結状態を保つ必要があるため、株式会社メディパルホールディングスと共同で液体窒素を用いた超低温輸送システムを開発し、臨床現場に安定した品質の製品をお届けしております。
自社技術のライセンシングに関しましては、血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」のライセンス供与を目的としたフィージビリティスタディ※2契約を、昨年6月に大日本住友製薬株式会社と、同年7月にエーザイ株式会社との間で、それぞれ締結いたしました。今後も本技術をはじめとする自社技術を国内外に提供する事業を強化してまいります。
研究開発面におきましては、昨年7月、「グロウジェクト®」の液状製剤の製造販売承認申請を行いました。また、希少疾病であるファブリー病の治療酵素(アガルシダーゼベータ)製剤のバイオ後続品(開発番号:JR-051)の臨床試験が順調に推移しました。さらに、持続型赤血球造血刺激因子製剤(ダルベポエチンアルファ)のバイオ後続品(開発番号:JR-131)についても臨床試験を開始いたしました。このほか、「J-Brain Cargo®」を利用した画期的な新薬であるハンター症候群治療酵素製剤(開発番号:JR-141)や、患者様のQOLのさらなる改善が期待される持続型成長ホルモン製剤(開発番号:JR-142)など様々なテーマの研究開発が順調に進捗しております。
こうした事業活動の結果、当期の当社グループの売上高は「グロウジェクト®」は前期に引き続き順調に売上が伸長し、また、「エポエチンアルファBS注JCR」や尿由来製品も順調に推移したことにより174億38百万円(前期比5億82百万円増)となりました。
利益面におきましても、営業利益は21億52百万円(前期比1億38百万円増)、経常利益は24億43百万円(前期比1億2百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億89百万円(前期比1億7百万円増)となり、いずれも前期を上回り、前期に引き続き過去最高の業績を達成することができました。また、研究開発費は33億48百万円(前期比13百万円増)となっております。
| ※1 | 患者様自身の細胞を利用する場合(自家)に対して、ドナー等、他の人の細胞を利用する場合をいいます。「テムセル®HS注」は、ドナー由来の細胞を拡大培養し、それを超低温で凍結保存しておくことで、必要な時に必要な患者様に使用できることから、通常の医薬品と同じように流通できる利点があります。 |
| ※2 | 事業やプロジェクトの実施前に、実現可能かどうかを検討するため、事前に予備的に行われる調査・研究をいいます。 |
セグメント別の業績は次のとおりであります。
主力製品である「グロウジェクト®」は前期に引き続き順調に売上が伸長して102億22百万円(前期比6億42百万円増)となりました。また、「エポエチンアルファBS注JCR」や尿由来製品も順調に推移したことにより、医薬品事業の売上高は170億40百万円(前期比5億97百万円増)となりました。
また、セグメント利益(営業利益)は21億38百万円(前年同期比1億33百万円増)となりました。
子会社である株式会社ファミリーヘルスレンタルが取り扱う乳児用呼吸モニター「ベビーセンス」の売上高が前期比で増収となった一方で、新生児聴覚スクリーニング装置「エコースクリーン」の売上高が前期比で減収となった結果、売上高は3億98百万円(前期比15百万円減)となりましたが、セグメント利益(営業利益)は12百万円(前期比4百万円増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億20百万円減少して35億23百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況および主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、22億1百万円(前連結会計年度比17億2百万円の収入増)となりました。これは主に、たな卸資産の増加額9億47百万円、法人税等の支払額2億5百万円があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上額24億59百万円、減価償却費の計上額14億7百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、9億80百万円(前連結会計年度比4億39百万円の支出減)となりました。これは主に有価証券の売却及び償還による収入11億82百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出14億13百万円、投資有価証券の取得による支出7億24百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、13億14百万円(前連結会計年度比52百万円の支出増)となりました。これは主に、長期借入金の借入による収入5億円があった一方で、長期借入金の返済による支出7億59百万円、配当金の支払額6億40百万円、リース債務の返済による支出2億9百万円があったことによるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | |
生産高(千円) | 前年同期比(%) | |
医薬品事業 | 15,284,820 | +8.1 |
合計 | 15,284,820 | +8.1 |
(注) 1 金額は販売価格により表示しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | |
仕入高(千円) | 前年同期比(%) | |
医薬品事業 | 664,014 | +27.0 |
医療用・研究用機器事業 | 110,817 | △27.8 |
合計 | 774,832 | +14.6 |
(注) 1 金額は仕入価格により表示しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは見込生産によっており、受注生産は行っておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | |
販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
医薬品事業 | 17,040,023 | +3.6 |
医療用・研究用機器事業 | 398,353 | △3.7 |
合計 | 17,438,377 | +3.5 |
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績およびそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
キッセイ薬品工業㈱ | 4,103,457 | 24.3 | 3,938,441 | 22.6 |
㈱メディセオ | 1,730,361 | 10.3 | 2,423,813 | 13.9 |
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
① 中期経営計画『飛躍』の数値目標達成に向けて
当社は、5ヵ年中期経営計画『飛躍』の最終年度の数値目標である売上高250億円、営業利益50億円達成のためには、既存品目の一層の収益拡大と開発パイプラインのスケジュールどおりの進捗が不可欠であると考えております。
既存製品である「グロウジェクト®」は、1993年の販売開始以来、適応症の追加や、患者様のQOL向上を第一に考えた、より使いやすい注入器の開発・提供を行ってまいりました。そして本年度、溶解操作が不要な液状製剤の発売を見込んでおり、既存の製剤との相乗効果によるさらなる成長を達成してまいります。「エポエチンアルファBS注JCR」は、順調に売上を伸ばしており、バイオ後続品の普及促進政策を追い風に、今後さらにシェアを拡大してまいります。2019年には次世代薬であるダルベポエチンアルファのバイオ後続品(開発番号:JR-131)を市場投入し、それぞれのメリットを最大化する事業戦略をとってまいります。また、「テムセル®HS注」は、本年2月の発売から順調に売上を伸ばしており、今後は有効性・安全性に関する使用情報を蓄積し適正使用情報として提供するとともに、安定的な製造体制を確立しつつ、慎重に販売を拡大してまいります。
開発パイプラインに関しましては、2019年度までにアガルシダーゼベータのバイオ後続品(開発番号:JR-051)およびダルベポエチンアルファのバイオ後続品(開発番号:JR-131)の承認取得、さらには血液脳関門通過型ハンター症候群治療薬(開発番号:JR-141)の承認申請を計画しております。これまで培ってきたバイオ技術、各領域での臨床開発のノウハウ等を全面的に活用し、これらをスケジュールどおりに進捗させるとともに、社外へのライセンシングを積極的に進めてまいります。
② 画期的な技術
当社は、バイオ医薬品の研究・生産の豊富な経験や研究者の自由な発想により、血液脳関門通過技術である「J-Brain Cargo®」を生み出しました。また、バイオ医薬品の効果の持続時間を延長させる技術、効率的に高機能な抗体を取得する技術である「J-Mab System®」、そして効率的な遺伝子組換えタンパク製造技術である「J-MIG System®」や糖鎖コントロール技術である「J-GlycoM®」「J-GlycoS®」といった様々な独自技術を確立しております。
「J-Brain Cargo®」は、静脈内に投与した薬剤を脳内に届けるという画期的な技術です。現在開発中の、本技術を利用したハンター症候群治療薬(開発番号:JR-141)については、既に動物試験において良好な結果を得ており、本年度中に臨床試験を開始する予定です。
この「J-Brain Cargo®」は、低分子化合物から高分子のタンパク、ペプチドまで、さまざまな医薬品へ応用できる可能性を秘めております。自社利用だけでなく、昨年は2社とライセンス供与を目的としたフィージビリティスタディ契約や共同研究のための契約を締結いたしました。
また、主力の成長ホルモン事業において、前述の持続化技術を付加した成長ホルモン製剤(開発番号:JR-142)の開発に昨年着手しております。
今後もこれらの技術を、自社での製品開発への利用と、社外への技術ライセンシングの両面で推進してまいります。
③ 細胞治療・再生医療事業の展開
再生医療等製品の市場は、医療上のニーズの高まり、その技術の発達および制度面の整備が進んだことから、今後さらに拡大することが予想されます。長年にわたって「テムセル®HS注」の開発を進め、細胞治療・再生医療技術のノウハウを蓄積してきた当社は、その先駆者として、本領域において積極的な事業展開をしていく使命があると考えます。
当社では骨髄由来の「テムセル®HS注」に加えて、歯髄由来幹細胞(DPC)などの研究にも取り組んでおり、細胞の培養技術面での強みをもとに、細胞が持つあらゆる機能に着目し、広範囲な疾患領域での可能性を探ってまいります。
④ 「グローバルで存在感のある研究開発型企業」に向けて
当社の経営ビジョン「独自のバイオ技術、細胞治療・再生医療技術により、グローバルで存在感のある研究開発型企業」への展開に取り組みます。
当社では前項の画期的な技術をもとに、昨年スイスに設立した子会社を活用し、海外企業とのパートナリングを積極的に進め、技術ライセンシングおよび原薬供給の両面で、海外展開にチャレンジしてまいります。
海外展開を実現させるための足がかりとして、当社は世界基準の品質保証体制を既に確立しており、引き続きPIC/S※1などの品質に関する規制への対応を推進してまいります。
「医薬品を通して人々の健康に貢献する」ことを企業理念とする当社の使命は、難病や希少疾病領域において革新的な医薬品を生み出すことだと考えます。その実現には、チャレンジスピリット溢れる優秀な人材の育成をはじめとする経営基盤の継続的な強化が不可欠です。
顧客はもちろんのこと、当社社員を含む全てのステークホルダーに愛され信頼される企業であり続けるため、創業時からの自由な社風を大切にし、コンプライアンスとコーポレートガバナンスのさらなる強化と企業活動の透明化、ダイバーシティ※2の実現に今後も積極的に取り組み、持続的な発展を目指してまいります。
今後も株主の皆様の信頼とご期待にお応えしてまいる所存でありますので、なお一層のご支援を賜りますようお願い申しあげます。
(注)※1 Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme
(医薬品査察協定および医薬品査察共同スキーム)
医薬品分野での調和されたGMP基準および査察当局の品質システムの国際的な開発・実施・保守を目
的とした査察当局間の非公式な協力の枠組みをいいます。
※2 人種、性別、国籍、年齢などを問わずに多様な人材を積極的に活用しようという考え方をいいます。
当社グループの事業に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主として以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの事業は、関連法規の厳格な規制を受けており、各事業活動の遂行に際して以下のとおり許認可等を受けております。これらの許認可等を受けるための諸条件および関連法令の遵守に努めており、現時点におきましては当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりその許認可等が取り消しとなる場合等には、規制の対象となる製商品の回収、または製造ならびに販売を中止することを求められる場合もあり、これらにより当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが取り扱う医療用医薬品等の販売価格は、医療制度が国民皆保険を前提としていることから、健康保険法の規定に基づき、厚生労働大臣の定める薬価基準収載価格によることとされております。薬価基準改訂(引下げ)は、流通段階における供給価格の押し下げ要因となり、当社グループの販売価格の変動要因となります。
(主たる許認可等の状況)
(平成28年3月31日現在)
許認可等の名称 | 所管官庁等 | 有効期限 | 主な許認可 | 備考 |
第1種医薬品 | 兵庫県 | 平成32年3月30日 | 関連法規・法令もしくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、または役員等の欠格条項に該当したときは許可の取消 | 本社 |
再生医療等製品 | 兵庫県 | 平成32年3月30日 | 同上 | 本社 |
製造業許可 | 兵庫県 | 平成32年3月30日 | 同上 | 神戸工場 |
製造業許可 | 近畿厚生局 | 平成30年5月14日 | 同上 | 室谷工場 |
卸売販売業許可 | 兵庫県 | 平成33年10月27日 | 同上 | 神戸物流センター |
当社は、医薬品および先端医療技術の領域における研究開発を行っておりますが、これらの領域における研究開発は、長期間かつ多額の資金を要します。現在研究開発中のプロダクトに関し、新製品の商品化に至るまでの間に、開発中止、あるいは開発期間の延長が必要となる要因が発生した場合、当社の業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループ販売品目のうち、ヒト成長ホルモン製剤の売上高が総売上高に占める割合は、前連結会計年度において56.8%、当連結会計年度において58.6%に達しております。
このため、今後本製剤の製造販売に関する承認の取り消しとなる事由が発生した場合、あるいは、その他の理由により売上高が大幅に減少する要因が発生した場合、当社業績に影響を与える可能性があります。
また、本製剤の原体仕入先は特定の会社(フェリング社)に限定されているため、一定期間分の在庫を確保して製造を継続できるなどの対応策を講じておりますが、同社との継続的な取引が困難となった場合においても、当社業績に重要な影響を与える可能性があります。
当社は平成21年12月にGSKグループと資本提携および医薬品開発・販売に係る包括契約(以下、「本契約」という)を締結しております。本契約に基づき、当連結会計年度末現在、グラクソスミスクライン・ピーエルシー(以下、「GSKplc」という)はその子会社グラクソ・グループ・リミテッド(以下、「GGL」という)を通じて当社株式の発行済株式総数の24.63%を保有しており、当社はGSKplcの持分法適用会社であります。また本契約は、平成26年2月に、GSKグループ主体のグローバル市場での同時開発から当社が主体となってGSKグループの下、日本およびアジア・オセアニア地区で開発を進めることに修正されております。
GSKplcは、医療用医薬品およびコンシューマーヘルスケア製品の開発、製造、販売を行う国際的な大手医薬品会社でロンドン証券取引所ならびにニューヨーク証券取引所に株式を上場しており、当社は、GGLの親会社であるGSKplcが事業実態を持つ会社であることから当社の実質的な親会社等(その他の関係会社)と認識しております。
本契約により、希少疾病(レア・ディジーズ)医薬品の国内外開発に関する事業提携を進めておりますが、GSKグループでは、グローバルベースでの開発を目的とした希少疾病事業部を軸に開発を進めていくことから、GSKグループと当社において開発品目ごとにテリトリー分けができているため事業上の競合はありません。さらに、GSKplcならびにそのグループ各社では、当社が販売する製商品についての競合がないことを確認しております。
当社は、本契約に基づき、GSKグループとの戦略的提携関係を維持し、企業価値の向上に努める所存でありますが、競合他社の開発状況、医療制度ならびにその他経済情勢等により、GSKグループとの本契約が変更または終了し、当社の製品開発の遅延または中断が生じた場合、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。
本報告書提出日現在、GSKグループと当社が共同開発品目の開発促進をはかり国際的な医薬品会社で培った経営知識・経験を活かしていただくため、GSKグループより社外取締役2名を招聘しております。
下記役員派遣以外の人的な関係はなく、当社の事業戦略および資本政策等の経営方針に対する制約は受けておりません。
氏 名 | 当社の役職 | GSKグループにおける役職 |
フィリップ・フォシェ | 取締役 | グラクソ・スミスクライン株式会社 代表取締役社長 |
菊池 加奈子 | 取締役 | グラクソ・スミスクライン株式会社 取締役 |
(注)本契約では、本報告書提出日現在、GSKグループでは2名の取締役候補者を推薦することとなっております。
当連結会計年度末までの取引関係につきましては、主として共同開発品目に関する契約金および共同開発に伴う研究開発費分担金を受け入れております。
本契約では、GSKグループと当社の事業提携を強化し共同開発品目の開発促進ならびに海外での事業化を円滑に進める観点から、GSKplcは、GGLを通じて当社株式を保有しており、当連結会計年度末現在における持株比率(自己株式控除前)は24.63%であります。
GSKグループもしくは当社の経営方針や事業戦略の変更あるいは医薬品事業を含む経済環境の変化等が生じた場合、当社の事前承認を前提に、持株比率が変更される可能性があります。
当社グループは、主として取引先および業務提携先の株式(外国株式を含む)を長期的に保有しており、株式市況の動向および為替相場の変動などにより評価損が発生し当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
契約会社名 | 相手先の名称 | 契約内容 | 対価の支払 | 契約期限 |
当社 | メゾブラスト社 | 造血幹細胞移植時におけるヒト間葉系幹細胞(MSC)の利用、国内独占製造権 | マイルストーンおよび一定率のロイヤルティ | 平成43年2月まで(製品発売から15年間) |
契約会社名 | 相手先の名称 | 契約内容 | 対価の受取 | 契約期限 |
当社 | あすか製薬㈱ | 不妊治療薬(遺伝子組換え卵胞刺激ホルモン)の開発権および製造販売権付与および当社の原薬製造権 | 契約金およびマイルストーン | 特定期間を定めず |
当社 | グラクソ・スミスクライングループ | 国内およびアジア・オセアニア地区におけるライソゾーム病治療薬のコ・プロモーションの選択権付与 | マイルストーン | 特定期間を定めず |
当社 | キッセイ薬品工業㈱ | 持続型赤血球造血刺激因子製剤ダルベポエチンアルファ(一般名)のバイオ後続品の共同研究開発 | 契約金およびマイルストーン | 共同研究開発終了まで |
契約会社名 | 相手先の名称 | 契約内容 | 対価の支払 | 契約期限 |
当社 | フェリング社 | 遺伝子組換えヒト成長ホルモン原体の独占輸入権および同製剤の国内独占販売権 | ― | 平成35年10月まで(以降5年毎の更新) |
当社 | キッセイ薬品工業㈱ | 腎性貧血治療薬「エポエチンアルファBS注JCR」の共同販売 | ― | 平成32年5月まで(以降1年毎自動更新) |
当社 | ㈱メディパルホールディングス | ㈱メディパルホールディングスによる研究開発費の一部負担および当社によるロイヤルティの支払 | 一定率のロイヤルティの支払 | ロイヤルティの支払終了まで |
当社グループにおきましては、医薬品事業においてバイオテクノロジー応用医薬品の他、小児領域を中心とした希少疾病領域、ならびに細胞治療などの先端医療領域における研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は33億48百万円(前連結会計年度33億34百万円)、対売上高比19.2%(前年実績19.8%)となりました。
なお、平成28年6月1日現在の医薬品の研究開発状況は下記のとおりであります。
開発番号 | 開発段階 | 適応症等 | 備考 |
(一般名) | |||
JR-041 | 臨床 | 不妊治療 | あすか製薬㈱へ導出 |
(遺伝子組換え卵胞刺激ホルモン) | |||
JR-051 | 臨床 | ファブリー病 | 酵素補充療法 |
(遺伝子組換え | |||
JR-032 | 臨床試験 | ハンター症候群 | 酵素補充療法 |
(遺伝子組換え | |||
JR-131 | 臨床 | 腎性貧血 | キッセイ薬品工業㈱と共同開発 |
(遺伝子組換えダルベポエチン) | |||
JR-101 | 前臨床 | ゴーシェ病 | 酵素補充療法 |
(遺伝子組換え | |||
JR-141 | 前臨床 | ハンター症候群 | 酵素補充療法 |
(血液脳関門通過型遺伝子組換え | |||
JR-142 | 前臨床 | 成長障害 | 持続型成長ホルモン製剤 |
(持続型遺伝子組換え成長ホルモン) |
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、たな卸資産、有価証券、貸倒引当金、退職給付に係る負債および繰延税金資産などについて、資産・負債および収益・費用の数値に影響を与える見積りおよび判断を行っております。従いまして、実際の結果は、見積りの不確実性により異なる場合があります。
当連結会計年度末における資産合計は353億46百万円(前連結会計年度末比12億60百万円増)、負債合計は82億84百万円(前連結会計年度末比4億62百万円増)、純資産合計は270億62百万円(前連結会計年度末比7億97百万円増)となりました。
流動資産は、有価証券が減少した一方で現金及び預金およびたな卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ11億75百万円増加して183億66百万円となりました。固定資産につきましては、投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ85百万円増加して169億80百万円となりました。
流動負債は短期借入金が減少した一方で支払手形及び買掛金および未払法人税等が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ9億32百万円増加して60億67百万円となりました。固定負債は、退職給付に係る負債が増加した一方でリース債務が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ4億69百万円減少して22億17百万円となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ7億97百万円増加して270億62百万円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.7ポイント減少して75.9%となりました。
主力製品である「グロウジェクト®」は前期に引き続き順調に売上が伸長して、前連結会計年度に比べ6億42百万円(6.7%)増加いたしました。また、「エポエチンアルファBS注JCR」や尿由来製品も順調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ5億82百万円(3.5%)増加して174億38百万円となりました。
売上高の増収の一方で、売上総利益は前連結会計年度に比べ1億35百万円(1.2%)減少の109億78百万円となりました。なお、契約金収入の売上構成比が減少したことなどにより、売上原価率は前連結会計年度に比べ2.9ポイント増加して37.0%となりました。
販売手数料が減少した一方で、研究開発費は前連結会計年度とほぼ同水準(13百万円増加)となり、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2億73百万円(3.0%)減少して88億26百万円となりました。これらの結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ1億38百万円(6.9%)増加して21億52百万円となりました。
営業外収益が主として貸倒引当金戻入額の減少などにより前連結会計年度に比べ55百万円減少した一方で、営業外費用が有価証券評価損の減少などにより19百万円減少した結果、経常利益は前連結会計年度に比べ1億2百万円(4.4%)増加して24億43百万円となりました。
債務保証損失引当金戻入額が当連結会計年度において発生したことなどにより特別利益が16百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ1億24百万円(5.4%)増加して24億59百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ1億7百万円(6.4%)増加して17億89百万円となりました。
当連結会計年度におきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、上述の経営成績を背景として税金等調整前当期純利益が24億59百万円計上されたことなどにより22億1百万円の収入となりました。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより9億80百万円の支出となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済および配当金の支払などより13億14百万円の支出となり、これらの結果、現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ1億20百万円減少して35億23百万円となりました。
なお、当社グループにおきましては、原材料等の仕入れ、研究開発費、および販売費などの運転資金、ならびに生産および研究開発を目的とする設備投資に主たる資金需要が生じます。これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび金融機関からの借入金による調達を基本としております。
当社グループの経営成績は、医療制度に関する法規制、新薬開発の成否、および主力製品の動向などにより重要な影響を受ける可能性があります。これらの要因に対し、当社グループにおきましては、①主力製品に関する付加価値および販売力の一層の向上、②他社との提携を通した新薬開発の迅速化およびリスクの低減、ならびに③研究開発における重点テーマの絞り込み、などを基本方針として製品ラインアップの充実度を高め、収益の安定・向上を図る所存であります。