第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

①当期の経営成績

売上高は283億83百万円(前年同期比159.2%増)となりました。

主力製品の売上合計は前年同期を上回りました。2021年5月に薬価収載された「イズカーゴ®点滴静注用10mg」の販売を開始したこと、遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」は、2021年4月に薬価改定がありましたが、販売数量が増加したことなどがその要因となります。

また、2021年3月よりアストラゼネカ株式会社の新型コロナウイルスに対するワクチンの原液の販売を開始したこと、契約金収入が前年同期より増加したことなどにより、売上高合計で前年同期に比べて大幅な増収となりました。

営業利益は136億40百万円(前年同期比943.3%増)、経常利益は137億31百万円(前年同期比916.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は92億34百万円(前年同期比652.6%増)となり、いずれも大幅な増益となりました。

積極的な研究活動および臨床試験の進捗に応じた開発活動の結果、研究開発費は46.2%増加し35億20百万円(前年同期比11億13百万円増)となりました。

なお、2021年9月に武田薬品工業株式会社とハンター症候群に対する次世代治療薬JR-141の特定地域における共同開発と事業化に向けた契約を締結いたしました。今回の契約により、当社グループはグローバルスペシャリティファーマとしてさらなる一歩を踏み出しました。

 

 

前第2四半期連結累計期間

(自 2020年4月1日

至 2020年9月30日)

当第2四半期連結累計期間

(自 2021年4月1日

至 2021年9月30日)

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

売上高

10,951

28,383

159.2

営業利益

1,307

13,640

943.3

経常利益

1,351

13,731

916.4

親会社株主に帰属する四半期純利益

1,227

9,234

652.6

 

 

②主な売上

 

前第2四半期連結累計期間

(自 2020年4月1日

至 2020年9月30日)

当第2四半期連結累計期間

(自 2021年4月1日

至 2021年9月30日)

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

ヒト成長ホルモン製剤

 グロウジェクト®

6,538

6,689

2.3

ムコ多糖症Ⅱ型治療剤

 イズカーゴ®点滴静注用

985

腎性貧血治療薬

 エポエチンアルファBS注「JCR」

 ダルベポエチンアルファBS注「JCR」

3,390

1,696

1,694

3,011

1,512

1,498

△11.2

△10.8

△11.6

再生医療等製品

 テムセル®HS注

784

1,717

118.9

ファブリー病治療薬

 アガルシダーゼベータBS点滴静注「JCR」

220

323

47.0

契約金収入

10

7,557

74,360.5

AZD1222原液

8,046

 

③研究開発の状況

[ライソゾーム病治療薬]

・現在重点的に取り組んでいるライソゾーム病治療薬の開発では、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を適用した新薬の開発を行っております。

・血液脳関門通過型ハンター症候群治療薬パビナフスプ アルファ(開発番号:JR-141)については、2021年5月に日本での販売を開始いたしました(製品名「イズカーゴ®点滴静注用10mg」)。また、ブラジル連邦共和国では2020年12月にブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)に製造販売承認申請を行いました。その他の地域では新たに、2021年2月に米国食品医薬品局(FDA)よりFast Track指定(※1)および、2021年10月に欧州医薬品庁(EMA)よりPRIME(※2)の指定を受けております。現在、米国・ブラジル・欧州において実施するグローバル臨床第3相試験の試験開始に向けた準備を進めております。

・血液脳関門通過型ムコ多糖症Ⅰ型治療酵素製剤(開発番号:JR-171)については、現在、日本・ブラジル・米国において臨床第1/2相試験を実施しております。なお、2021年2月にFDAより、2021年3月に欧州委員会(EC)よりオーファンドラッグの指定を受けております。また、2021年9月にFDAよりFast Track指定(※1)を受けており、米国における臨床開発の迅速化、優先審査や早期承認が期待されます。

・その他のJ-Brain Cargo®を適用したライソゾーム病治療薬(ポンペ病治療薬(開発番号:JR-162)、サンフィリッポ症候群A型治療薬(開発番号:JR-441)、スライ症候群治療薬(開発番号:JR-443)、サンフィリッポ症候群B型治療薬(開発番号:JR-446))についても、研究開発を順次行うとともにグローバル展開を推進してまいります。

 

[再生医療等製品]

・現在、「テムセル®HS注」の新たな適応拡大として新生児低酸素性虚血性脳症(開発番号:JR-031HIE)に対する臨床第1/2相試験を実施しております。

・他家(同種)歯髄由来幹細胞(DPC)を用いた急性期脳梗塞を適応症とする再生医療等製品(開発番号:JTR-161/JR-161)については、現在、臨床第1/2相試験を実施しております。

 

[ヒト成長ホルモン製剤]

・現在、「グロウジェクト®」の効能追加としてSHOX異常症(開発番号:JR-401X)に対する臨床第3相試験を実施しております。

・2021年3月から遺伝子組換え持続型成長ホルモン製剤(開発番号:JR-142)の臨床第2相試験を開始しております。

 

※1 FDA  Fast Track制度

重篤な疾患を治療するために、アンメットメディカルニーズを満たす治療薬の開発を促進し、審査を迅速化することを目的とした制度。ファストトラック制度に指定された医薬品は、開発計画についてFDAと頻繁にミーティングを行うほか、関連する基準を満たす場合に優先審査および早期承認の対象となる。

※2 EMA PRIME (PRIority MEdicines)

アンメットメディカルニーズを対象とした医薬品の開発支援を強化するために開始したスキーム。PRIME によって早期かつ積極的な支援を受けることで医薬品の申請を迅速に行うことが可能となり、また迅速審査の対象になる可能性がある。

 

(2)財政状態の分析

当第2四半期連結会計期間末における資産合計は866億19百万円(前連結会計年度末比128億34百万円増)、負債合計は396億10百万円(前連結会計年度末比43億83百万円増)、純資産合計は470億8百万円(前連結会計年度末比84億51百万円増)となりました。

流動資産は、現金及び預金が減少した一方で、受取手形及び売掛金および棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ98億76百万円増加して584億22百万円となりました。固定資産につきましては、有形固定資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ29億58百万円増加して281億97百万円となりました。

流動負債は、圧縮未決算特別勘定および短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ65億58百万円増加して355億86百万円となりました。固定負債は長期借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ21億74百万円減少して40億24百万円となりました。

純資産につきましては、配当金の支払があった一方で親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ84億51百万円増加して470億8百万円となりました。

これらの結果、当第2四半期連結会計期間末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.1ポイント改善して53.4%となりました。

現時点では当社グループにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響は受けておりませんが、今後の世界情勢の見通しが立たない中、当社グループがグローバルで持続的な成長を行うために、機動的かつ安定的に資金調達手段を確保する必要があり、各金融機関との間で、バックアップラインとして運転資金を確保する事を目的として、総額155億円のコミットメントライン契約を締結しております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ58億48百万円減少して204億12百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況および主な要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、47億47百万円(前年同期比89億79百万円の支出増)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益の計上額127億29百万円、減価償却費の計上額9億22百万円があった一方で、売上債権の増加額139億34百万円、法人税等の支払額24億35百万円、棚卸資産の増加額14億91百万円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、2億36百万円(前年同期比42億47百万円の支出減)となりました。これは主に助成金の受取額43億45百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出45億14百万円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、9億30百万円(前年同期比97億98百万円の支出増)となりました。これは主に、配当金の支払額9億28百万円があったことによるものであります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動

当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は35億20百万円(前年同期実績24億7百万円)であります。

なお、当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の状況は、(1)経営成績の状況に記載のとおりであります。

 

遺伝子組換医薬品

開発番号

(一般名)

開発段階

適応症等

備考

JR-141

(血液脳関門通過型遺伝子組換え

 イズロン酸-2-スルファターゼ)

ブラジル:

製造販売

承認申請

ムコ多糖症Ⅱ型

(ハンター症候群)

酵素補充療法

「J-Brain Cargo®」採用

グローバル:

臨床

第3相試験

JR-171

(血液脳関門通過型遺伝子組換え

 α-L-イズロニターゼ)

グローバル:

臨床

第1/2

相試験

ムコ多糖症Ⅰ型

(ハーラー症候群等)

酵素補充療法

「J-Brain Cargo®」採用

「J-MIG System®」採用

JR-162

(J-Brain Cargo®適用遺伝子組換え酸性α-グルコシダーゼ)

前臨床

ポンぺ病

酵素補充療法

「J-Brain Cargo®」採用

JR-441

(血液脳関門通過型遺伝子組換え

 へパランN-スルファターゼ)

前臨床

ムコ多糖症ⅢA型

(サンフィリッポ症候群A型)

酵素補充療法

「J-Brain Cargo®」採用

JR-443

(血液脳関門通過型遺伝子組換え

 β-グルクロニダーゼ)

前臨床

ムコ多糖症Ⅶ型

(スライ症候群)

酵素補充療法

「J-Brain Cargo®」採用

JR-446

(血液脳関門通過型遺伝子組換え

 α-N-アセチルグルコサミニダーゼ)

前臨床

ムコ多糖症ⅢB型

(サンフィリッポ症候群B型)

酵素補充療法

「J-Brain Cargo®」採用

JR-401X

(遺伝子組換えソマトロピン)

臨床

第3相試験

SHOX異常症における低身長症

「グロウジェクト®」適応拡大

JR-142

(遺伝子組換え持続型成長ホルモン)

臨床

第2相試験

小児成長ホルモン分泌不全性低身長症

「J-MIG System®」採用

 

再生医療等製品

開発番号

(一般名)

開発段階

適応症等

備考

JR-031HIE

(ヒト間葉系幹細胞)

臨床

第1/2

相試験

新生児低酸素性虚血性脳症

「テムセル®HS注」適応拡大

JTR-161/JR-161

(ヒト歯髄由来幹細胞)

臨床

第1/2

相試験

急性期脳梗塞

帝人㈱と共同開発

 

(7)従業員の状況

当第2四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(8)生産、受注及び販売の実績

当第2四半期連結累計期間において、生産および販売実績が著しく増加しました。

これは、2021年3月よりアストラゼネカ株式会社の新型コロナウイルスに対するワクチンの原液の販売を開始したことなどによるものであります。

 

(9)主要な設備

当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動および新たに確定した重要な設備の新設、除却等はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。

 当社は、2021年9月に武田薬品工業株式会社とハンター症候群の治療薬として現在開発中の次世代組換え融合タンパク質JR-141(INN: pabinafusp alfa)の特定地域における独占的な共同開発およびライセンス契約を締結いたしました。