第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

①当期の経営成績

売上高は402億70百万円(前年同期比107.3%増)となりました。

遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」は、2021年4月に薬価改定があった一方で、販売数量は増加し、売上高は底堅く推移しました。また、同じく薬価改定があった腎性貧血治療薬は減収幅が大きかったものの、2021年5月に薬価収載された「イズカーゴ®点滴静注用10mg」が大きく寄与したことなどにより、主力製品の売上合計は前年同期を上回りました。

また、2021年3月よりアストラゼネカ株式会社の新型コロナウイルスに対するワクチンの原液の販売を開始したこと、契約金収入が前年同期より増加したことなどにより、売上高合計で前年同期に比べて大幅な増収となりました。

営業利益は183億56百万円(前年同期比364.4%増)、経常利益は187億24百万円(前年同期比362.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は129億21百万円(前年同期比295.8%増)となり、いずれも大幅な増益となりました。

積極的な研究活動および臨床試験の進捗に応じた開発活動の結果、研究開発費は34.7%増加し50億85百万円(前年同期比13億9百万円増)となりました。

なお、2021年9月に武田薬品工業株式会社とハンター症候群に対する次世代治療薬JR-141の特定地域における共同開発と事業化に向けた契約を締結いたしました。今回の契約により、当社グループはグローバルスペシャリティファーマとしてさらなる一歩を踏み出しました。

 

 

前第3四半期連結累計期間

(自 2020年4月1日

至 2020年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2021年4月1日

至 2021年12月31日)

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

売上高

19,424

40,270

107.3

営業利益

3,952

18,356

364.4

経常利益

4,045

18,724

362.8

親会社株主に帰属する四半期純利益

3,264

12,921

295.8

 

②主な売上

 

前第3四半期連結累計期間

(自 2020年4月1日

至 2020年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2021年4月1日

至 2021年12月31日)

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

ヒト成長ホルモン製剤

 グロウジェクト®

10,011

9,990

△0.2

ムコ多糖症Ⅱ型治療剤

 イズカーゴ®点滴静注用

2,045

腎性貧血治療薬

 エポエチンアルファBS注「JCR」

 ダルベポエチンアルファBS注「JCR」

5,625

2,598

3,027

4,755

2,251

2,504

△15.5

△13.3

△17.3

再生医療等製品

 テムセル®HS注

1,656

2,648

59.9

ファブリー病治療薬

 アガルシダーゼベータBS点滴静注「JCR」

346

533

53.7

契約金収入

1,772

7,667

332.5

AZD1222原液

12,553

 

③研究開発の状況

[ライソゾーム病治療薬]

・現在重点的に取り組んでいるライソゾーム病治療薬の開発では、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を適用した新薬の開発を行っております。

・血液脳関門通過型ハンター症候群治療薬パビナフスプ アルファ(開発番号:JR-141)については、2021年5月に日本での販売を開始いたしました(製品名「イズカーゴ®点滴静注用10mg」)。また、ブラジル連邦共和国では2020年12月にブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)に製造販売承認申請を行いました。その他の地域では新たに、2021年2月に米国食品医薬品局(FDA)よりFast Track指定(※1)および、2021年10月に欧州医薬品庁(EMA)よりPRIME(※2)の指定を受けております。現在、グローバル臨床第3相試験の試験開始に向けた準備を進めております。

・血液脳関門通過型ムコ多糖症Ⅰ型治療酵素製剤(開発番号:JR-171)については、現在、日本・ブラジル・米国において臨床第1/2相試験を実施しております。なお、2021年2月にFDAより、2021年3月に欧州委員会(EC)よりオーファンドラッグの指定を受けております。また、2021年9月にFDAよりFast Track指定(※1)を受けており、米国における臨床開発の迅速化、優先審査や早期承認が期待されます。

・血液脳関門通過型ムコ多糖症ⅢA型治療酵素製剤(開発番号:JR-441)については、2022年1月にECよりオーファンドラッグの指定を受けており、欧州(EU)領域における開発促進のための様々なインセンティブを受けることができます。現在、2023年上半期のグローバル臨床試験開始に向けた取り組みを進めております。

・その他のJ-Brain Cargo®を適用したライソゾーム病治療薬(ポンペ病治療薬(開発番号:JR-162)、スライ症候群治療薬(開発番号:JR-443)、サンフィリッポ症候群B型治療薬(開発番号:JR-446))についても、研究開発を順次行うとともにグローバル展開を推進してまいります。

 

[再生医療等製品]

・現在、「テムセル®HS注」の新たな適応拡大として新生児低酸素性虚血性脳症(開発番号:JR-031HIE)に対する臨床第1/2相試験を実施しております。

・他家(同種)歯髄由来幹細胞(DPC)を用いた急性期脳梗塞を適応症とする再生医療等製品(開発番号:JTR-161/JR-161)については、現在、臨床第1/2相試験を実施しております。

 

[ヒト成長ホルモン製剤]

・現在、「グロウジェクト®」の効能追加としてSHOX異常症(開発番号:JR-401X)に対する臨床第3相試験を実施しております。

・2021年3月から遺伝子組換え持続型成長ホルモン製剤(開発番号:JR-142)の臨床第2相試験を開始しております。

 

※1 FDA  Fast Track制度

重篤な疾患を治療するために、アンメットメディカルニーズを満たす治療薬の開発を促進し、審査を迅速化することを目的とした制度。ファストトラック制度に指定された医薬品は、開発計画についてFDAと頻繁にミーティングを行うほか、関連する基準を満たす場合に優先審査および早期承認の対象となる。

※2 EMA PRIME (PRIority MEdicines)

アンメットメディカルニーズを対象とした医薬品の開発支援を強化するために開始したスキーム。PRIME によって早期かつ積極的な支援を受けることで医薬品の申請を迅速に行うことが可能となり、また迅速審査の対象になる可能性がある。

 

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は934億30百万円(前連結会計年度末比196億45百万円増)、負債合計は439億74百万円(前連結会計年度末比87億47百万円増)、純資産合計は494億56百万円(前連結会計年度末比108億98百万円増)となりました。

流動資産は、現金及び預金および受取手形及び売掛金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ169億75百万円増加して655億21百万円となりました。固定資産につきましては、有形固定資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ26億70百万円増加して279億9百万円となりました。

流動負債は、圧縮未決算特別勘定および短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ109億45百万円増加して399億73百万円となりました。固定負債は長期借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ21億98百万円減少して40億円となりました。

純資産につきましては、配当金の支払があった一方で親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ108億98百万円増加して494億56百万円となりました。

これらの結果、当第3四半期連結会計期間末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.8ポイント改善して52.1%となりました。

現時点では当社グループにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響は受けておりませんが、今後の世界情勢の見通しが立たない中、当社グループがグローバルで持続的な成長を行うために、機動的かつ安定的に資金調達手段を確保する必要があり、各金融機関との間で、バックアップラインとして運転資金を確保する事を目的として、総額155億円のコミットメントライン契約を締結しております。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は50億85百万円(前年同期実績37億76百万円)であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の状況は、(1)経営成績の状況に記載のとおりであります。

 

(6)従業員の状況

 当第3四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(7)生産、受注及び販売の実績

 当第3四半期連結累計期間において、生産および販売実績が著しく増加しました。

 これは、2021年3月よりアストラゼネカ株式会社の新型コロナウイルスに対するワクチンの原液の販売を開始したことなどによるものであります。

 

(8)主要な設備

 当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動および新たに確定した重要な設備の新設、除却等はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。