(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀による金融緩和策等が実施されたことにより、円安による企業収益の改善とそれに伴う雇用情勢の改善が見られ、緩やかな景気回復基調で推移しました。年明けからは中国を始めとする新興国経済の先行き不透明感や国際情勢不安に起因する世界経済の下振れ懸念が発生し、安全資産とみられる円に需要が集まったことで円高傾向となり、国際的な資源価格の下落の影響も重なり、景気の先行きに対し慎重な見方が強くなりつつあります。
医療用医薬品業界では、ジェネリック医薬品の数量シェア目標(GE数量シェア目標)が平成25年4月に公表された「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」では平成30年3月末までに60%となっておりましたが、平成27年6月に発表された「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針2015)において、平成32年度の財政健全化に向け、平成29年央に70%以上、平成32年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上と、GE数量シェア目標がより早期に、より高く見直され、ジェネリック医薬品産業の役割がこれまでになく大きくなりました。
ジェネリック医薬品業界では、平成26年4月の診療報酬改定において促進策が出されたDPC病院や保険薬局において、引き続きジェネリック医薬品の使用が拡大しました。一方、平成28年4月の診療報酬改定においては、新規に薬価収載されるジェネリック医薬品の薬価について、先発医薬品の薬価の0.6(10品目を超える内用薬は0.5)掛けから、0.5(10品目を超える内用薬は0.4)掛けへ引き下げられる大変厳しい環境の変化が決定されました。長期的な収益性が厳しくなる中、骨太方針2015で示されたGE数量シェア目標に対応できる生産能力を持ち、安定供給責任を果たすための体制づくりが各社で急務となっております。
当社グループにおいては、「信頼性のさらなる向上」を主要課題とする中期経営計画2015-2017を期初に策定し、安定供給体制の向上・東和式直販体制の確立・製品総合力No.1の製品づくりにより、東和ブランドの確立に向け取り組んでおります。
安定供給体制に関しては、中期経営計画で75億錠の生産能力から125億錠の生産能力への増強を行うこととしていましたが、骨太方針2015に対応するため、140億錠の生産能力への増強に変更しました。生産能力増強に加え、保管能力増強のために平成27年11月には東日本物流センターの移転準備に着手しており、平成28年3月には西日本物流センターの工事が完了するなど、流通面での安定供給確保にも対応しております。また、設備投資などの資金確保のため、平成27年7月23日(ロンドン時間)に2022年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を額面総額15,000百万円発行しました。
研究開発に関しては、東京大学が部局横断で全学部的に取り組む寄付講座に寄付を行い、「革新分子技術」総括寄付講座が開設され、飲みやすい薬の開発に役立つ原薬のコントロール技術の開発を手掛けております。
販売に関しては、通期で1,200百万円の計画で、平成27年6月にクロピドグレル錠を含む13成分21品目、同年12月には6成分11品目の新製品の販売を開始しました。
このような活動の結果、前連結会計年度に引き続き、DPC病院・保険薬局を主体として売上が増加しました。品目別では、消化性潰瘍用剤ランソプラゾールOD錠や高脂血症用剤ピタバスタチンOD錠など製剤付加価値の高い製品を中心に売上が順調に推移したことで、当連結会計年度の売上高は順調に推移し、ほぼ当初計画通りの、82,115百万円(前連結会計年度比14.9%増)となりました。
コスト面では、平成27年3月より当社グループである大地化成株式会社の原薬製造工場の稼働による減価償却費負担の増加などにより、売上原価率は前連結会計年度に比べて0.8ポイント上昇し悪化したものの、売上総利益は4,870百万円増加しました。販売費及び一般管理費については、付加価値製剤などを含む開発品目の増加に伴う研究開発費の増加、人件費の増加などにより、売上高に対する比率は前連結会計年度比1.2ポイント上昇し、37.4%となりました。その結果、営業利益は11,134百万円(同0.3%増)、経常利益は10,157百万円(同34.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,684百万円(同30.9%減)となりました。
経常利益以降の減益については、前連結会計年度に発生した円安に伴うデリバティブ評価益2,999百万円及び為替差益527百万円に対し、当連結会計年度は為替差益714百万円が発生しているものの、年明けからの急激な円高に伴いデリバティブ評価損2,280百万円が発生したことが主たる要因です。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して13,318百万円増加し、18,526百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは3,732百万円の収入(前連結会計年度比4,304百万円減)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益9,903百万円(同5,303百万円減)による収入や、たな卸資産の増加6,913百万円(同589百万円減)などによる支出であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは19,032百万円の支出(同10,802百万円増)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出13,554百万円(同232百万円増)などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは27,970百万円の収入(同27,732百万円増)となりました。主な内訳は、長期借入れによる収入22,000百万円(同17,600百万円増)や、新株予約権付社債の発行による収入15,024百万円、自己株式の取得による支出5,042百万円(同5,042百万円増)などであります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
|
薬効 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
神経系及びアレルギー用薬 |
15,785 |
119.1 |
|
循環器系及び呼吸器用薬 |
39,721 |
107.0 |
|
消化器官用薬 |
17,200 |
112.4 |
|
ホルモン剤 |
189 |
226.0 |
|
ビタミン剤 |
2,760 |
108.8 |
|
その他の代謝性医薬品 |
6,034 |
113.6 |
|
抗生物質及び化学療法剤 |
5,186 |
116.0 |
|
その他 |
14,934 |
112.5 |
|
合計 |
101,813 |
111.4 |
(注)1 当社グループ(当社及び連結子会社)は、医薬品事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、薬効別生産実績を記載しております。
2 上記金額は売価換算で表示しており、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。
|
薬効 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
神経系及びアレルギー用薬 |
247 |
156.3 |
|
循環器系及び呼吸器用薬 |
286 |
86.0 |
|
消化器官用薬 |
60 |
97.2 |
|
その他の代謝性医薬品 |
11 |
96.8 |
|
抗生物質及び化学療法剤 |
413 |
93.3 |
|
漢方製剤 |
58 |
106.6 |
|
その他 |
35 |
264.5 |
|
合計 |
1,111 |
103.4 |
(注)1 当社グループ(当社及び連結子会社)は、医薬品事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、薬効別商品仕入実績を記載しております。
2 上記金額は実際仕入額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、主として見込み生産を行っているため、記載を省略しております。
(4)販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
薬効 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
(製品) |
|
|
|
神経系及びアレルギー用薬 |
11,873 |
112.7 |
|
循環器系及び呼吸器用薬 |
31,893 |
113.3 |
|
消化器官用薬 |
14,042 |
114.4 |
|
ホルモン剤 |
134 |
106.7 |
|
ビタミン剤 |
2,185 |
102.5 |
|
その他の代謝性医薬品 |
4,815 |
120.1 |
|
抗生物質及び化学療法剤 |
4,048 |
119.6 |
|
その他 |
11,615 |
127.7 |
|
計 |
80,608 |
115.7 |
|
(商品) |
|
|
|
神経系及びアレルギー用薬 |
297 |
101.5 |
|
循環器系及び呼吸器用薬 |
433 |
83.0 |
|
消化器官用薬 |
62 |
78.3 |
|
抗生物質及び化学療法剤 |
538 |
90.4 |
|
漢方製剤 |
56 |
78.8 |
|
その他 |
118 |
56.8 |
|
計 |
1,507 |
85.0 |
|
合計 |
82,115 |
114.9 |
(注)1 当社グループ(当社及び連結子会社)は、医薬品事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、薬効別販売実績を記載しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 総販売実績に占める割合が10%以上の相手先がないため、相手先別販売実績の記載はしておりません。
少子高齢化が進み、医療保険のみならず国の財政運営に厳しさが増す中、平成32年度の財政黒字化を目的とした、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針2015)が平成27年6月に閣議決定されました。ジェネリック医薬品の数量シェア目標(GE数量シェア目標)が、骨太方針2015により「平成29年央に70%以上とするとともに、平成30年度から平成32年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上」と、平成25年4月5日に厚生労働省から発表された「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」による「平成30年3月末までに60%以上」から、より早期に、より高い、新たな数量シェア目標に変更されました。
平成27年度第3四半期時点ではジェネリック医薬品の数量シェアが56.1%(日本ジェネリック製薬協会調べ)であるため、80%に向け、これまで以上にジェネリック医薬品に対する使用促進が期待され、今後も需要は急速に拡大する見込みであるとともに、安定供給に対する責任がこれまでになく大きくなりました。
一方、ジェネリック医薬品の薬価に関しては、平成26年4月の薬価制度改革による既収載品薬価の3価格帯への集約や、平成28年度薬価制度見直しにより、新規に薬価収載されるジェネリック医薬品の薬価が先発医薬品薬価の0.6(10品目を超える内用薬は0.5)掛けから、0.5(10品目を超える内用薬は0.4)掛けに引き下げられる大変厳しい環境の変化もあります。
このように業界環境が大きく変化しておりますが、これまで確立してきた当社の「品質」「安定供給」「付加価値製剤」「適正価格販売」などに対する信頼性が引き続き当社の強みであることにはなんら変わりありません。価格帯の集約により価格以外の要素が重要視されるような競争環境に変化しつつあると認識しており、そのような環境においては当社の相対的な競争優位性が高まるものと考えます。当社は、これまで継続して取り組んできた信頼性を高めるための課題についてさらに深堀りし、信頼されるジェネリック医薬品メーカーとしてさらに飛躍していきたいと考えております。そのために、当社は以下の3点に取り組んでまいります。
・1点目は、「安定供給体制の向上」です。当社の安定供給体制は、原薬確保から製品配送に至るまでの原薬・生産・物流・営業の全てにおいて当社独自の仕組みを有しており、当社製品を安定して供給できる体制を構築しております。原薬においては、複数購買化(ダブルソース化)と大地化成株式会社による製造などの当社独自の調達体制を強化しています。生産においては、ジェネリック医薬品の需要増加に対応するため、国内3工場で75億錠の生産能力を140億錠まで高める計画であり、引き続き国内3工場生産体制により災害時等でもバックアップ可能な体制を構築します。物流においては、東西物流2拠点体制により、顧客へ当社製品を安定的に供給できる体制の向上に努めます。営業においては、代理店と営業所による独自の東和式直販体制をさらに向上させることで、当社製品を医療機関や保険薬局などの取引先へ安定して供給できるように努めます。
・2点目は、「東和式直販体制の確立」です。代理店との関係強化・共存共栄を図るとともに、代理店を補完し安定供給体制を向上させるため、営業所の新設を進め、当連結会計年度末時点で合計63ヶ所の営業所を有しています。今後は、これらの営業所による売上高への寄与を増大させます。また、ジェネリック医薬品の使用数量が急拡大する地域においては、取引先数の増加、売上の増加などに対応し、当該地域の営業効率を高めるために営業所を新設・拡張・移転します。
・3点目は、「製品総合力 No.1の製品づくり」です。当社は、品揃えだけではなく、製品総合力でトップのジェネリック医薬品メーカーをめざします。当社の考える製品総合力とは、顧客視点による1つ1つの製品構成要素の品質とコストの総合力です。全品目の原薬、製剤技術・付加価値製剤、包装・表示、提供情報などについて見直し、将来にわたって使い続けられると思われる製剤については、原薬変更、製剤改良などを繰り返し、より完成度の高い製品を揃えていきます。そして、それぞれの製品の価値に見合った適正価格で提供します。
さらに、将来に向けた新たな取り組みとして、海外市場への展開に向けた調査活動を行っています。海外諸国において当社の付加価値製剤に対する潜在的ニーズを探索し、日本のものづくりと品質へのこだわりを訴求する予定です。海外での販売に関しては、市場性やリスクを考慮しながら現地法人との提携や協力関係などを探索する予定です。
また、バイオ後続品の調査や探索はこれまでも行ってきておりますが、中長期的な取り組みとして、バイオ後続品市場への参入に向けた事業展開の方向性について検討しています。
当社グループの取り扱う製品・商品は主として医療用医薬品であり、その中のジェネリック医薬品(後発品)が中心です。ジェネリック医薬品(後発品)は新薬(先発品)の有効性と安全性が一定期間にわたって確認された後に上市され、有効成分が同一でかつ効能・効果、用法・用量が同一の医薬品です。そのために当社グループには医薬品製造販売業としてのリスクに加えジェネリック医薬品メーカーとしての特有のリスクなどがあります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び不測の事態に対する体制整備に最大限の努力をいたします。また、仮にこうしたリスクが顕在化したとしても、当社グループはその影響に十分に耐えていくだけの企業体力の充実・蓄積に努めております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 医薬品医療機器等法等による規制
当社グループは医薬品医療機器等法及び関連法規等により医薬品の製造・販売について規制を受けており、各種許認可、免許の取得を必要とします。その主な内容は以下のとおりです。
|
許可・免許 |
所管官庁等 |
許可・免許に関する内容 |
有効期限 |
|
医薬品製造販売業許可 |
都道府県知事 |
医薬品医療機器等法第12条 |
主たる事務所5年ごと更新 |
|
医薬品製造業許可 |
都道府県知事 |
医薬品医療機器等法第13条 |
各事業所5年ごと更新 |
|
向精神薬製造製剤業者免許 |
厚生労働大臣 |
麻薬及び向精神薬取締法第50条 |
各事業所5年ごと更新 |
|
医薬品卸売販売業許可 |
都道府県知事 |
医薬品医療機器等法第24条 |
各事業所6年ごと更新 |
② 特許期間及び再審査期間
新薬(先発品)の有効成分は通常、特許権により保護されており、その特許期間は出願日から20年間(更に5年を限度とする期間延長が可能)となっています。ジェネリック医薬品(後発品)は特許期間の満了後に製造販売承認されるため、この期間が延長されることがあれば、当社グループの新製品(追補品)の発売に影響を及ぼします。
また、新薬(先発品)については、一定期間後にその医薬品の有効性・安全性等を再確認する再審査制度があり、その再審査期間は原則として新薬(先発品)の製造販売承認日から8年間となっています。ジェネリック医薬品(後発品)はこの期間の経過後に製造販売承認申請しますが、新薬(先発品)の効能追加等により再審査期間が再度設定された場合には、新薬(先発品)と効能が異なることがあるため、当社グループの新製品(追補品)の発売に影響を及ぼします。
③ 医薬品医療機器等法に基づく再評価
医薬品の再評価とは、すでに承認された医薬品について、現時点における学問的水準から品質、有効性及び安全性を見直す制度です。薬効再評価で有用性が認められないと製品の回収を行い、当該製品の廃棄を行います。また、品質再評価で新薬(先発品)と同等でないと評価された場合は、その後の製造販売を中止します。
こうした事態が生じれば当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 副作用
ジェネリック医薬品(後発品)については新薬(先発品)で長年の使用実績があり、安全性が確認され、再審査の後に発売されるため、重篤な副作用が発生するリスクは小さいですが、もしこうしたことが生じれば当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 薬価制度及び医療費抑制政策
当社グループの主要製品、商品であります医療用医薬品を販売するためには、厚生労働大臣が定める薬価基準への収載が必要です。現在は原則として2年に1回、市場価格の調査を行い、ほとんどの品目の薬価が引き下げられています。増大する医療費の抑制を目的として医療保険制度の見直しも行われており、将来、薬価制度の大幅な変更や医療費抑制政策の強化が行われると、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
⑥ 特許訴訟
当社グループが発売するジェネリック医薬品(後発品)には、発売後も原薬の結晶形、製剤、用途等に関する特許権が存続していることがあり、新薬(先発品)メーカーから特許訴訟を提起される場合があります。そうした場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ デリバティブの時価評価
当社グループは血管拡張剤などの半製品や原材料の一部を海外メーカーから外貨建てで輸入しております。円安でコストが上昇してもわが国の薬価制度のもとではそれを販売価格に転嫁することは極めて困難です。
こうした円安によるコストアップのリスクを回避し、長期的に安定供給していくために、当社は長期のデリバティブ取引を行っています。決算時にはこれを時価評価しますが、定性的には前期末に比べて円高、また日米の長期金利差が拡大すれば評価損が出る構造になっていますので、為替レート、日米の金利動向によっては評価損が生じる可能性があります。また、逆の場合には評価益が生じる可能性があります。
⑧ 退職給付債務
当社は退職年金資産運用の結果が前提条件と異なった場合、その影響額(数理計算上の差異)はその発生の翌年度に1年間で全額処理することとしております。従って、年金資産の運用利回りの悪化等が翌年度の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは付加価値を加えた良質で経済的なジェネリック医薬品を医療の場に提供し、人々の健康と医療費の軽減に貢献するべく研究開発の努力を続けております。
当連結会計年度においては、平成27年6月に初収載品目として抗血小板剤、ビグアナイド系経口血糖降下剤、アロマターゼ阻害剤/閉経後乳癌治療剤、ニューキノロン系経口抗菌製剤、片頭痛治療薬/5-HT1B/1D受容体作動薬、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤、抗悪性腫瘍剤とその他規格揃え品目を含む13成分21品目を、平成27年12月に初収載品目として選択的セロトニン再取り込み阻害剤、選択的AT1受容体ブロッカー/持続性Ca拮抗薬合剤、持続性Ca拮抗薬/HMG-CoA還元酵素阻害薬合剤とその他規格揃え品目を含む6成分11品目を上市しております。
また、平成28年6月には、初収載品目として末梢COMT阻害剤、抗精神病薬、深在性真菌症治療剤とその他規格揃え品目を含む7成分15品目の上市を予定しています。平成28年12月の薬価収載予定品目については、9成分17品目の製造販売承認申請を完了しております。
引き続き次の上市予定品目の製造販売承認申請に向けて、医療機関や患者様のニーズに応える付加価値製品の開発を目指した研究開発活動を行っております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、8,924百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高82,115百万円(前期比14.9%増)、営業利益は11,134百万円(同0.3%増)、経常利益は10,157百万円(同34.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,684百万円(同30.9%減)となりました。
経常利益以降の減益については、前連結会計年度に発生した円安に伴うデリバティブ評価益2,999百万円及び為替差益527百万円に対し、当連結会計年度は為替差益714百万円が発生しているものの、年明けからの急激な円高に伴いデリバティブ評価損2,280百万円が発生したことが主たる要因です。
詳細につきましては「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは医療用医薬品事業を営んでおりますが、その製品のほとんどはジェネリック医薬品(後発品)であります。
政府は、患者負担の軽減や医療保険財政の改善の観点から、平成25年4月5日に、厚生労働省から、「平成30年3月末までに60%以上」という後発医薬品の数量シェア目標を含む「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を発表しました。平成27年6月末には、平成32年度の財政黒字化を目的とした、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針2015)が閣議決定され、「平成29年央に70%以上とするとともに、平成30年度から平成32年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上」と、ロードマップによる数量シェア目標から、より早期に、より高い、新たな目標に変更されました。
一方、ジェネリック医薬品の薬価に関しては、平成26年4月の薬価制度改革による既収載品薬価の3価格帯への集約や、平成28年度薬価制度見直しにより、新規に薬価収載されるジェネリック医薬品の薬価が先発医薬品薬価の0.6(10品目を超える内用薬は0.5)掛けから、0.5(10品目を超える内用薬は0.4)掛けに引き下げられる大変厳しい環境の変化もあります。
このような政府のジェネリック医薬品に対する数量シェア目標の変更や診療報酬および薬価制度の変更が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える主たる要因であります。
(4) 経営戦略の現状と見通し
上記のように業界環境が大きく変化する中、「信頼性のさらなる向上」を主要課題とする中期経営計画2015-2017に基づきつつ、業界環境の変化に合わせた見直しを行った結果、これまで取り組んできた安定供給体制の向上・東和式直販体制の確立・製品総合力No.1の製品づくりによる、東和ブランドの確立が引き続き当社グループの強みになることには変わりありません。
今後も業界環境の変化に合わせ、経営戦略を見直しつつ対処していきます。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて13,318百万円増加し、18,526百万円となりました。
詳細につきましては「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。
特に、当社グループの経営成績は、国の診療報酬改定による後発医薬品使用促進策や、薬価制度改革の影響を大きく受けることが考えられるため、それらの情報収集に努めるとともに、質を維持しつつコストを抑えた公平・公正な薬価制度のあり方についての提言を積極的に行っていきたいと考えております。