第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、英国の欧州連合(EU)離脱や米国大統領選挙等による世界経済情勢の変化に伴い、株価・為替の大きな変動があったものの、国内景気は政府の経済政策や日銀の金融緩和を背景に緩やかな回復傾向で推移しました。一方、先行きについては、米国・EUを始めとする海外情勢の不安定さが世界経済に懸念を生み、国内に関しては総人口の減少傾向が続き、今後も少子高齢化が進むことなどから企業・個人ともに将来不安を抱えており、依然として不透明な状況が続いております。

ジェネリック医薬品業界では、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針2015)で示されたジェネリック医薬品の数量シェアを「2017年央に70%以上、2018年度から2020年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上とする」という目標に向け、平成28年4月の診療報酬改定において保険薬局・DPC病院におけるジェネリック医薬品の使用促進策の基準引き上げ、DPC病院以外の病院における後発医薬品使用体制加算の施設基準見直しや診療所における外来後発医薬品使用体制加算の新設など、広くジェネリック医薬品の使用促進策が打ち出されました。第3四半期におけるジェネリック医薬品の数量シェアは66.4%(日本ジェネリック製薬協会調べ)であり、平成29年央の数量シェア目標70%に向け、着実に数量シェアが伸びてきております。そのような中、高額薬剤による社会保険財政への影響が社会的な問題となったことから、12月20日に「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」が決定されました。基本方針には、現在2年に1回行われている薬価改定に加えて、その間の年(中間年)においても、価格乖離の大きな品目について薬価改定を行うことなどが盛り込まれており、今後、中間年改定の対象やジェネリック医薬品の薬価の在り方など、ジェネリック医薬品業界にも影響のある議論が進められる予定です。

当社グループにおいては、骨太方針2015で示されたジェネリック医薬品の数量シェア目標に対応するべく、岡山工場と山形工場の生産能力増強に向けた設備投資を進めております。岡山工場の設備投資は一部完了し、35億錠の生産能力を持つ工場となりました。引き続き岡山工場と山形工場への設備投資を続け、平成30年度中には大阪・岡山・山形の3工場で110億錠の生産能力(建屋は140億錠まで対応可能)を持つ計画です。また、11月には、今後ジェネリック医薬品において市場の成長・拡大が見込まれるソフトカプセル製剤の自社製造および付加価値製剤の開発に向け、株式会社三協との合弁会社である「グリーンカプス製薬株式会社」を設立しました。当社グループは将来の安定供給体制構築に向けた取り組みを今後も進めてまいります。

販売・流通体制に関しては、6月に新製品7成分15品目、9月に新製品1成分2品目、12月に新製品7成分13品目の販売を開始し、当社の製品数は337成分709品目となりました。また、第3四半期までに開設した7営業所に加え、宮崎営業所を新たに開設し、営業網の拡充及び営業効率の向上に取り組んでいます。その結果、営業所数は計70か所となりました。さらに、営業所と全国の代理店に加えて、さらなる強化策として医薬品卸との協業についても準備を進めております。これにより医療現場のニーズに沿ったきめ細やかな対応が可能となります。今後も当社の製品を全国の医療機関・保険薬局へお届けできるよう努めてまいります。

このような活動の結果、ジェネリック医薬品の使用促進策の追い風もあり、引き続き取引軒数と販売数量を伸ばしました。しかしながら、薬価改定による当社既存品の薬価が大幅に引き下げられた影響を補いきれず、当連結会計年度における当社グループの売上高は84,949百万円(前連結会計年度比3.5%増)と低調な推移となりました。

 コスト面においても薬価の大幅な低下により、売上原価率は前連結会計年度に比べて5.0ポイント上昇し悪化したため、売上総利益は2,807百万円減少しました。販売費及び一般管理費については、付加価値製剤などを含む開発品目の増加に伴う研究開発費の増加や人件費の増加などにより、売上高に対する比率は前連結会計年度比0.5ポイント上昇し、37.9%となりました。その結果、営業利益は6,869百万円(同38.3%減)、経常利益は7,417百万円(同27.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,576百万円(同27.4%減)となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して11,414百万円減少し、7,112百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは10,195百万円の収入(前連結会計年度比6,462百万円減)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益7,237百万円(同2,665百万円減)などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは22,206百万円の支出(同3,173百万円増)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出20,488百万円(同6,934百万円増)、無形固定資産の取得による支出680百万円(同117百万円増)などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは92百万円の支出(前連結会計年度は27,970百万円の収入)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入3,500百万円があったものの、長期借入金の返済による支出2,033百万円、配当金の支払額1,558百万円があったことなどによるものであります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

薬効

金額(百万円)

前年同期比(%)

神経系及びアレルギー用薬

15,832

100.3

循環器系及び呼吸器用薬

37,972

95.6

消化器官用薬

16,574

96.4

ホルモン剤

130

68.8

ビタミン剤

2,481

89.9

その他の代謝性医薬品

5,591

92.7

抗生物質及び化学療法剤

6,209

119.7

その他

13,949

93.4

合計

98,741

97.0

 (注)1 当社グループ(当社及び連結子会社)は、医薬品事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、薬効別生産実績を記載しております。

2 上記金額は売価換算で表示しており、消費税等は含まれておりません。

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。

薬効

金額(百万円)

前年同期比(%)

神経系及びアレルギー用薬

268

108.5

循環器系及び呼吸器用薬

369

129.3

消化器官用薬

46

76.9

その他の代謝性医薬品

6

61.6

抗生物質及び化学療法剤

456

110.5

漢方製剤

45

77.5

その他

60

173.0

合計

1,254

112.8

 (注)1 当社グループ(当社及び連結子会社)は、医薬品事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、薬効別商品仕入実績を記載しております。

2 上記金額は実際仕入額で表示しており、消費税等は含まれておりません。

(3)受注状況

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、主として見込み生産を行っているため、記載を省略しております。

(4)販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

薬効

金額(百万円)

前年同期比(%)

(製品)

 

 

神経系及びアレルギー用薬

13,411

113.0

循環器系及び呼吸器用薬

32,015

100.4

消化器官用薬

13,746

97.9

ホルモン剤

122

90.8

ビタミン剤

2,422

110.9

その他の代謝性医薬品

5,073

105.3

抗生物質及び化学療法剤

4,617

114.1

その他

12,213

105.1

83,621

103.7

(商品)

 

 

神経系及びアレルギー用薬

288

96.9

循環器系及び呼吸器用薬

458

105.9

消化器官用薬

28

45.8

抗生物質及び化学療法剤

411

76.3

漢方製剤

46

81.9

その他

93

79.3

1,327

88.1

合計

84,949

103.5

 (注)1 当社グループ(当社及び連結子会社)は、医薬品事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、薬効別販売実績を記載しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 総販売実績に占める割合が10%以上の相手先がないため、相手先別販売実績の記載はしておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、

「私達は人々の健康に貢献します」

「私達はこころの笑顔を大切にします」

を理念に掲げております。そして、ものづくり(企業活動)を通じて理念を実現するために、

(品質)常に最良の製品、サービスを提供します。

(責任)すべてに対して責任を果たします。

(行動)常に創意工夫し、不断の努力を惜しみません。

(協調)全体が最適になるように尽力します。

(公正)すべてに対して公正かつ適正であり続けます。

(共存)互いに自立し、競争し、共に持続的な成長を目指します。

(貢献)会社の繁栄を通じ社会に貢献します。

を私達の誓いとして掲げております。

 現在、当社はジェネリック医薬品の供給を通じて人々の健康とこころの笑顔を実現することを目指し、医薬品産業の中で確かなポジションを確立することを経営方針としております。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは環境変化への迅速な対応を基本とし、目標とすべき経営指標、比率等を具体的には定めておらず、営業利益の売上高に対する比率、10%以上の確保を意識して従来から経営してまいりました。

 一方、業界環境としては政府によるジェネリック医薬品の数量シェア目標が示され、販売数量が拡大しております。それに合わせて、当社は平成30年3月までの期間を業績拡張期の導入期間であると位置づけており、大阪・岡山・山形の3工場への積極的な設備投資による生産能力の増強及び東西にある物流センターの増強などによる安定供給体制の向上、東和式販売体制の確立、製品総合力No.1の製品づくりなど、種々の施策に取り組んでおります。工場への設備投資により、短中期的に減価償却費の増加により売上原価が悪化し、売上総利益が減少すると予想しております。しかしながら、中長期における安定的な成長、ならびに長期における持続的な成長を達成するためには必要な投資であると考えております。従いまして、当面は、営業利益の売上高に対する比率は10%程度を目指しつつ、売上高の伸びを重視したいと考えております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 政府は、患者負担の軽減や医療保険財政の改善の観点から、ジェネリック医薬品の使用促進を進めてきました。また、近年は少子高齢化が進み、医療保険のみならず国の財政運営に厳しさが増す中、平成32年度の財政黒字化を目的とした「経済財政運営と改革の基本方針2015」(平成27年6月30日閣議決定)において、ジェネリック医薬品の数量シェア目標を「2017年(平成29年央)に70%以上とするとともに、2018年度(平成30年度)から2020年度(平成32年度)末までの間のなるべく早い時期に80%以上」と掲げています。この政府目標に向けて、4月に行われた診療報酬改定では、DPC病院・保険薬局におけるジェネリック医薬品使用促進策の算定基準が引き上げられたことによるDPC病院・保険薬局での使用促進に加え、DPC以外の病院や院内処方を行う診療所においてもジェネリック医薬品使用促進策が導入され、第3四半期におけるジェネリック医薬品の数量シェアは66.4%(日本ジェネリック製薬協会調べ)であり、着実に数量シェアが伸びてきております。そのような中、高額薬剤による社会保険財政への影響が社会的な問題となったことから、12月20日に「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」が決定されました。基本方針には、現在2年に1回行われている薬価改定に加えて、その間の年(中間年)においても、価格乖離の大きな品目について薬価改定を行うことなどが盛り込まれており、今後、中間年改定の対象やジェネリック医薬品の薬価の在り方など、ジェネリック医薬品業界にも影響のある議論が進められる予定です。

 このような状況下、当社は、平成27年5月に平成27年度~平成29年度(平成27年4月~平成30年3月)の中期経営計画を策定いたしました。この中で明確にした中長期的な会社の経営戦略は、以下のとおりであります。

・中期経営計画期間に増加するジェネリック医薬品の需要へ対応できる供給体制を整える。

・付加価値製剤を上市し、信頼される製品を安定供給することで、「東和ブランド」を確立する。

・2025年以降も信頼され成長する企業となるための基礎づくりを行う。

 なお、営業所と代理店からなる「東和式直販体制」については、医療現場のニーズに沿ったきめ細やかな対応を可能とするために、医薬品卸との協業による「東和式販売体制」として確立を目指します。

 

(4) 会社の対処すべき課題

 「(3)中長期的な会社の経営戦略」に述べられている通り、業界環境が大きく変化しておりますが、これまで確立してきた当社の「品質」「安定供給」「付加価値製剤」「適正価格販売」などに対する信頼性が引き続き当社の強みであることにはなんら変わりありません。当社は、これまで継続してきた信頼性を高めるための取組みを進展させて、信頼されるジェネリック医薬品メーカーとしてさらに飛躍していきたいと考えております。そのために、当社は以下の3点に取り組んでまいります。

 

・1点目は、「安定供給体制の向上」です。当社の安定供給体制は、原薬確保から製品配送に至るまでの原薬・生産・物流・営業の全てにおいて当社独自の仕組みを有しており、当社製品を安定して供給できる体制を構築しております。原薬においては、複数購買化(ダブルソース化)と大地化成株式会社による製造などの当社独自の調達体制を強化しています。生産においては、ジェネリック医薬品の需要増加に対応するため、国内3工場で85億錠の生産能力を平成30年度中に110億錠まで高める計画です。なお、需要に応じて短期間で140億錠まで高めることも可能です。また、引き続き国内3工場生産体制により災害時等でもバックアップ可能な体制を構築します。物流においては、東西物流2拠点体制により、営業所や代理店へ安定的に供給できる体制の向上に努めます。営業においては、営業所と代理店による直販体制を向上させるとともに医薬品卸との協業を進めることで、医療現場のニーズに沿って当社製品を安定して供給できるように努めます。

 

・2点目は、販売体制の強化です。これまでの直販体制を確立させるために、代理店との関係強化・共存共栄を図るとともに、営業所の新設を進め、当連結会計年度末時点で合計70ヶ所の営業所を有しています。引き続き、ジェネリック医薬品の使用数量が急拡大する地域においては、取引軒数の増加、売上の増加などに対応し、当該地域の営業効率を高めるために営業所を新設・拡張・移転します。さらに、医薬品卸との協業を進め、流通チャネルを拡充し、医療現場のニーズに沿って当社製品をお届けできる「東和式販売体制」でシェア拡大に努めます。

 

・3点目は、「製品総合力No.1の製品づくり」です。当社は、品揃えだけではなく、製品総合力でトップのジェネリック医薬品メーカーをめざします。当社の考える製品総合力とは、顧客視点による1つ1つの製品構成要素の品質とコストの総合力のことです。全品目の原薬、製剤技術・付加価値製剤、包装・表示、提供情報などについて見直し、将来にわたって使い続けられると思われる製剤については、原薬変更、製剤改良などを繰り返し、より完成度の高い製品を揃えていきます。そして、それぞれの製品の価値に見合った適正価格で提供します。

 

 さらに、将来に向けた新たな取り組みとして、ジェネリック医薬品メーカーとしてのイノベーションに挑戦します。当社はこれまでの製品づくりに加えて、イノベーションにより付加価値のある製品づくりに取り組んでいきます。

 国内で受け入れられた製品を必要とされる海外市場へ提供していくことを目指し、海外市場への展開に向けた調査活動を行っています。海外諸国において当社の付加価値製剤に対する潜在的ニーズを探索し、日本のものづくりで実現する予定です。海外での販売に関しては、市場性やリスクを考慮しながら現地法人との提携や協力関係なども探索しています。

 また、バイオ後続品の調査や探索はこれまでも行ってきておりますが、中長期的な取り組みとして、バイオ後続品市場への参入に向けた事業展開の方向性について検討しています。

4【事業等のリスク】

 当社グループの取り扱う製品・商品は主として医療用医薬品であり、その中のジェネリック医薬品(後発品)が中心です。ジェネリック医薬品(後発品)は新薬(先発品)の有効性と安全性が一定期間にわたって確認された後に上市され、有効成分が同一でかつ効能・効果、用法・用量が同一の医薬品です。そのために当社グループには医薬品製造販売業としてのリスクに加えジェネリック医薬品メーカーとしての特有のリスクなどがあります。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び不測の事態に対する体制整備に最大限の努力をいたします。また、仮にこうしたリスクが顕在化したとしても、当社グループはその影響に十分に耐えていくだけの企業体力の充実・蓄積に努めております。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ① 医薬品医療機器等法等による規制

 当社グループは医薬品医療機器等法及び関連法規等により医薬品の製造・販売について規制を受けており、各種許認可、免許の取得を必要とします。その主な内容は以下のとおりです。

許可・免許

所管官庁等

許可・免許に関する内容

有効期限

医薬品製造販売業許可

都道府県知事

医薬品医療機器等法第12条

主たる事務所5年ごと更新

医薬品製造業許可

都道府県知事

医薬品医療機器等法第13条

各事業所5年ごと更新

向精神薬製造製剤業者免許

厚生労働大臣

麻薬及び向精神薬取締法第50条

各事業所5年ごと更新

医薬品卸売販売業許可

都道府県知事

医薬品医療機器等法第24条

各事業所6年ごと更新

 

 ② 特許期間及び再審査期間

 新薬(先発品)の有効成分は通常、特許権により保護されており、その特許期間は出願日から20年間(更に5年を限度とする期間延長が可能)となっています。ジェネリック医薬品(後発品)は特許期間の満了後に製造販売承認されるため、この期間が延長されることがあれば、当社グループの新製品(追補品)の発売に影響を及ぼします。

 また、新薬(先発品)については、一定期間後にその医薬品の有効性・安全性等を再確認する再審査制度があり、その再審査期間は原則として新薬(先発品)の製造販売承認日から8年間となっています。ジェネリック医薬品(後発品)はこの期間の経過後に製造販売承認申請しますが、新薬(先発品)の効能追加等により再審査期間が再度設定された場合には、新薬(先発品)と効能が異なることがあるため、当社グループの新製品(追補品)の発売に影響を及ぼします。

 

 ③ 医薬品医療機器等法に基づく再評価

 医薬品の再評価とは、すでに承認された医薬品について、現時点における学問的水準から品質、有効性及び安全性を見直す制度です。薬効再評価で有用性が認められないと製品の回収を行い、当該製品の廃棄を行います。また、品質再評価で新薬(先発品)と同等でないと評価された場合は、その後の製造販売を中止します。

 こうした事態が生じれば当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④ 副作用

 ジェネリック医薬品(後発品)については新薬(先発品)で長年の使用実績があり、安全性が確認され、再審査の後に発売されるため、重篤な副作用が発生するリスクは小さいですが、もしこうしたことが生じれば当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑤ 薬価制度及び医療費抑制政策

 当社グループの主要製品、商品であります医療用医薬品を販売するためには、厚生労働大臣が定める薬価基準への収載が必要です。現在は原則として2年に1回、市場価格の調査を行い、ほとんどの品目の薬価が引き下げられています。増大する医療費の抑制を目的として医療保険制度の見直しも行われており、将来、薬価制度の大幅な変更や医療費抑制政策の強化が行われると、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

 ⑥ 特許訴訟

 当社グループが発売するジェネリック医薬品(後発品)には、発売後も原薬の結晶形、製剤、用途等に関する特許権が存続していることがあり、新薬(先発品)メーカーから特許訴訟を提起される場合があります。そうした場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑦ デリバティブの時価評価

 当社グループは血管拡張剤などの半製品や原材料の一部を海外メーカーから外貨建てで輸入しております。円安でコストが上昇してもわが国の薬価制度のもとではそれを販売価格に転嫁することは極めて困難です。

 こうした円安によるコストアップのリスクを回避し、長期的に安定供給していくために、当社は長期のデリバティブ取引を行っています。決算時にはこれを時価評価しますが、定性的には前期末に比べて円高、また日米の長期金利差が拡大すれば評価損が出る構造になっていますので、為替レート、日米の金利動向によっては評価損が生じる可能性があります。また、逆の場合には評価益が生じる可能性があります。

 

 ⑧ 退職給付債務

 当社は退職年金資産運用の結果が前提条件と異なった場合、その影響額(数理計算上の差異)はその発生の翌年度に1年間で全額処理することとしております。従って、年金資産の運用利回りの悪化等が翌年度の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。
 

 

6【研究開発活動】

 当社グループは付加価値を加えた良質で経済的なジェネリック医薬品を医療の場に提供し、人々の健康と医療費の軽減に貢献するべく研究開発の努力を続けております。

 当連結会計年度においては、平成28年6月に初収載品目として、統合失調症治療薬、アゾール系抗真菌剤、パーキンソン病治療薬を、また、その他規格揃え品目を含むARB・利尿剤配合剤/高血圧治療薬、SSRI/うつ病治療薬など6成分15品目を、平成28年12月に初収載品目としてパーキンソン病治療薬を、また、その他規格揃え品目を含むARB・利尿剤配合剤/高血圧治療薬等8成分15品目を上市しております。

 また、平成29年6月には初収載品目としてARB/高血圧治療薬、統合失調症治療薬、αグルコシダーゼ阻害薬/糖尿病治療薬、B型肝炎治療薬、子宮内膜症治療薬、偏頭痛治療薬を、またその他ロイコトリエン受容体拮抗薬/気管支喘息治療薬等12成分35品目を上市しました。

 引き続き次の上市予定品目の製造販売承認申請に向けて、医療機関や患者様のニーズに応える付加価値製品の開発を目指した研究開発活動を行っております。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、9,352百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高84,949百万円(前連結会計年度比3.5%増)、営業利益は6,869百万円(同38.3%減)、経常利益は7,417百万円(同27.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,576百万円(同27.4%減)となりました。

 詳細につきましては「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載しております

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは、主として医療用医薬品事業を営んでおりますが、その製品のほとんどはジェネリック医薬品(後発品)であります。

 ジェネリック医薬品業界では、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針2015)で示されたジェネリック医薬品の数量シェアを「2017年央に70%以上、2018年度から2020年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上とする」という目標に向け、平成28年4月の診療報酬改定において保険薬局・DPC病院におけるジェネリック医薬品の使用促進策の基準引き上げ、DPC病院以外の病院における後発医薬品使用体制加算の施設基準見直しや診療所における外来後発医薬品使用体制加算の新設など、広くジェネリック医薬品の使用促進策が打ち出されました。第3四半期におけるジェネリック医薬品の数量シェアは66.4%(日本ジェネリック製薬協会調べ)であり、平成29年央の数量シェア目標70%に向け、着実に数量シェアが伸びてきております。そのような中、高額薬剤による社会保険財政への影響が社会的な問題となったことから、12月20日に「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」が決定されました。基本方針には、現在2年に1回行われている薬価改定に加えて、その間の年(中間年)においても、価格乖離の大きな品目について薬価改定を行うことなどが盛り込まれており、今後、中間年改定の対象やジェネリック医薬品の薬価の在り方など、ジェネリック医薬品業界にも影響のある議論が進められる予定です。

 このような政府のジェネリック医薬品に対する数量シェア目標や診療報酬および薬価制度の変更が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える主たる要因であります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて11,414百万円減少し、7,112百万円となりました。

 詳細につきましては「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。