当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループにおいては、「人々の健康に貢献し、こころの笑顔を大切にする」ことを企業理念として、2024年6月に発表した「第6期 中期経営計画2024-2026 PROACTIVEⅢ」に基づき、国内でのジェネリック医薬品事業をコア事業としつつ、新規市場及び新規事業における基盤の確立と各子会社とのグループシナジーの実現を目指し、各種課題に取り組んでまいりました。
その結果、当中間連結会計期間の業績は、以下のとおりです。
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連結業績 |
(単位:百万円) |
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2025年3月期 中間期 |
2026年3月期 中間期 |
増減額 |
増減率 |
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売上高 |
123,404 |
130,476 |
7,072 |
5.7% |
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売上原価 |
78,490 |
83,270 |
4,779 |
6.1% |
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売上総利益 |
44,914 |
47,206 |
2,292 |
5.1% |
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販売費及び一般管理費 |
34,400 |
36,762 |
2,362 |
6.9% |
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営業利益 |
10,513 |
10,443 |
△70 |
△0.7% |
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経常利益 |
10,338 |
11,979 |
1,640 |
15.9% |
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親会社株主に帰属する 中間純利益 |
6,555 |
8,214 |
1,658 |
25.3% |
売上高は、当社において生産数量の増加に伴い、市場への供給数量が増加したことで増収となりました。一方で営業利益は、三生医薬株式会社とTowa Pharma International Holdings, S.L.(以下、「Towa INT」という)が不調だったことにより、減益となりました。
業績につきましては、売上高130,476百万円(前年同期比5.7%増)、営業利益10,443百万円(同0.7%減)、経常利益はデリバティブ評価益1,555百万円が発生したことで11,979百万円(同15.9%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は8,214百万円(同25.3%増)となりました。
セグメント別の業績は、以下のとおりです。報告セグメントのセグメント利益又は損失につきましては、のれん償却前の数値となっております。
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セグメント別業績 |
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(単位:百万円) |
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国内セグメント |
海外セグメント |
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2025年 3月期 中間期 |
2026年 3月期 中間期 |
増減額 |
増減率 |
2025年 3月期 中間期 |
2026年 3月期 中間期 |
増減額 |
増減率 |
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売上高 |
97,338 |
104,915 |
7,576 |
7.8% |
26,180 |
25,851 |
△329 |
△1.3% |
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セグメント利益又は損失(△) |
13,124 |
13,257 |
132 |
1.0% |
△391 |
△590 |
△199 |
- |
(注) セグメント利益又は損失(△)は、営業利益ベースの数値です。
(国内セグメント)
国内ジェネリック医薬品業界では、2024年3月の社会保障審議会医療保険部会において、「医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までにすべての都道府県で80%以上」とする主目標とともに、新たに「後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上」とするという副次目標が掲げられました。さらに、2024年10月からは後発医薬品のある先発医薬品の一部において追加で自己負担が発生する「長期収載品の選定療養」の導入が開始されました。その結果、2025年4-6月期の数量シェアは89.2%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となりました。
一方、2021年度以降は薬価改定が毎年行われており、医薬品業界にとって極めて厳しい状況となっております。さらに、2020年に発覚した複数のジェネリック医薬品企業における品質問題を起因とした一連の供給不安によりジェネリック医薬品に対する信頼感は低下し、ジェネリック医薬品業界の置かれた環境は厳しさを増しております。
このような状況の中、2024年5月に厚生労働省から公表された「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会 報告書」において、「5年程度の集中改革期間を設定して、製造管理・品質管理体制の確保および安定供給能力の確保、持続可能な産業構造の実現を目指す」ことが示されました。2025年度薬価改定では、企業の安定供給体制を評価する企業指標において、検討されていたすべての評価指標で企業評価が実施され、2026年度薬価改定以降に各企業の評価が公表される予定となっております。また、2025年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太方針2025)」では、「少量多品目構造解消に向けた後発医薬品業界の再編を推進する」という記載がなされました。
以上のような環境のもと、国内ジェネリック医薬品事業においては、当社としての安定供給責任を果たすため、増産に向けた新規設備の導入と増員に取り組んでおります。2023年11月に山形工場 第三固形製剤棟及び第二無菌製剤棟の建設工事が完了し、2024年4月から第三固形製剤棟で製造した製品の出荷を開始いたしました。また、2025年10月から第三固形製剤棟に導入した全ての設備の立上げが完成し、本格稼働を開始しております。3工場の年間生産能力について、2024年3月末の140億錠から2026年度に175億錠への増加を実現すべく取り組んでおります。
製造管理及び品質管理面では、医薬品の製造管理及び品質管理の基準であるGMP省令やその他関連する法令遵守はもちろんのこと、国際的基準であるPIC/S GMPやICHガイドラインも積極的に取り入れ、独自の制度・教育訓練により、医薬品の適切な品質と安全性の確保に取り組んでおります。また、品質管理のさらなる強化を目指し、従前より導入しているMES(製造実行管理システム)及びLIMS(医薬品の品質試験を統括管理するシステム)に加え、新たにQMS(品質マネジメントシステム)を導入しました。人為的な誤りを未然に防止することを目指し、今後も製造管理・品質管理の向上に取り組んでまいります。さらに、安定供給体制の維持・強化のため、原薬の複数購買化や製造所の監査等を推進し、グループ全体として原薬製造から製剤製造、物流、販売に至るまで、ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に向けた取り組みを継続して行っております。
販売面では、2025年5月に日本初の持続放出性リバスチグミン経皮吸収型製剤-週2回製剤-「リバルエン®LA パッチ25.92mg/51.84mg」が薬価基準に収載され、販売を開始いたしました。また、2025年6月に新製品1成分2品目が薬価基準追補収載され、当社のジェネリック医薬品の製品数は314成分732品目(2025年6月時点)となりました。なお、2025年12月追補収載予定の新製品は4成分6品目となります。
健康関連事業の展開においては、地域包括ケアシステム等の新しい医療体制に対応するため、「ヘルスケアパスポート」を中心に位置付け、治療・予防・介護支援の観点から各子会社間及び既存事業とのシナジーを形成し、健康維持・増進のための製品やサービスを増加させることで、健康関連事業の多角的な展開を実現してまいります。
当中間連結会計期間の国内セグメントの業績につきましては、当社において生産数量の増加に伴い、市場への供給数量が増加したことで、売上高104,915百万円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益13,257百万円(同1.0%増)となりました。
(海外セグメント)
当社グループの海外セグメントでは、海外医薬品事業の強化と拡大に向け、Towa INTを通じて欧州及び米国市場でのジェネリック医薬品事業を展開しております。将来の成長に向けて必要な研究開発・設備への投資を強化しつつ、既存ビジネスの維持・強化及び市場・地域の更なる拡大によって売上高とセグメント利益の確保を目指してまいります。また、生産シナジーの成果としてTowa INTのマルトレージャス工場にて日本国内向けエソメプラゾールカプセルの製造を行っているほか、研究開発シナジー創出の一環として共同開発も開始いたしました。今後も、開発・製造技術においてグループシナジーを形成できるよう、各部門との交流・情報共有を行ってまいります。Towa INTが持つ欧州複数国及び米国での販売網と、欧州にある欧米等の基準に準拠した製造拠点を活用し、日米欧の3極から世界中の患者に高品質で付加価値のあるジェネリック医薬品を提供できるグローバル事業基盤の確立に向けて取り組んでまいります。
当中間連結会計期間の海外セグメントの業績につきましては、米国において一部製品の売上が悪化したこと、欧州において販売費及び一般管理費が増加したことにより、売上高25,851百万円(前年同期比1.3%減)、セグメント損失590百万円となりました。
当中間連結会計期間末の財政状態は、次のとおりであります。
当中間連結会計期間末における総資産は、480,530百万円となり、前連結会計年度末比9,707百万円の増加となりました。その主な要因は、受取手形及び売掛金の減少4,515百万円があったものの、棚卸資産の増加10,218百万円、現金及び預金の増加4,105百万円などがあったことによるものであります。
負債につきましては、300,667百万円となり、前連結会計年度末比1,469百万円の増加となりました。その主な要因は、未払法人税等の減少791百万円があったものの、1年内返済予定を含む長期借入金の増加2,782百万円などがあったことによるものであります。
純資産につきましては、179,863百万円となり、前連結会計年度末比8,237百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加6,244百万円、為替換算調整勘定の増加1,937百万円などであります。
その結果、自己資本比率は37.4%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に対して3,863百万円増加し、49,323百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは14,092百万円の収入(前年同期比5,437百万円増)となりました。主な内訳は、棚卸資産の増加9,561百万円(同4,758百万円増)などがあったものの、税金等調整前中間純利益11,955百万円(同1,655百万円増)や減価償却費8,682百万円(同1,298百万円増)、売上債権の減少5,036百万円(同3,232百万円減)などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、14,970百万円の支出(前年同期比2,525百万円増)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出12,803百万円(同1,235百万円増)などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,260百万円の収入(前年同期比9,942百万円減)となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出6,968百万円(同265百万円減)などがあったものの、長期借入れによる収入9,508百万円(同7,391百万円減)やセール・アンド・リースバックによる収入3,553百万円(同1,359百万円減)などによるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は8,558百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、重要な契約等の決定又は締結等はありません。