本項目における計画、戦略、見通し及び方針等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は創業以来、体外診断用医薬品の製造販売会社として「医療への貢献を目指し、医療現場へのサービス向上と充実を目指した経営」に取り組んでまいりました。
現代医療における臨床検査は、診断と治療だけでなく医療費適正化の観点からも早期確定が求められており、当社の役割は益々大きくなってまいります。臨床検査薬業界自体が新たな流れを生み出す中、医療現場のニーズに応えるべく独創的な製品開発と高品質な製品供給を継続してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は収益面での経営指数を重視しておりますので、売上高を伸ばしながら、かつ継続的な原価低減に努め、営業利益率、経常利益率を高めることで高収益企業として成長し続けてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略、会社の対処すべき課題
(中長期的な会社の経営戦略)
医療業界では、少子高齢化の進行や人口減少に伴う労働力の減少に加え、医療費抑制に向け医療制度等の改革が求められております。更に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大及び長期化に伴う企業活動の停滞による影響が懸念され、今後も各医療機関では厳しい経営環境が続くものと予想されます。臨床検査薬業界におきましても、国内各検査分野とも成熟・飽和に達し、市場全体ではほぼ横ばいで推移し低成長が続いていております。
当社は、体外診断用医薬品の製造販売会社として、臨床検査試薬・機器の開発から生産・販売を通じ、医療業務の中で臨床検査が占める役割と価値を認識し、医療現場のニーズと市場動向を分析し、独創的な製品開発を実施し世の中に提供し続けます。生活習慣病等の予防医学領域における早期診断や治療に役立つ臨床検査試薬が希求されるなか、当社は既存の臨床検査試薬・機器事業の拡充と共に、ユニークな診断薬の開発・製造販売を目指します。
(会社の対処すべき課題)
国内市場が飽和しつつある厳しい環境の下でシェアを獲得するには、生活習慣病の予防医学領域等早期診断や治療に役立つ優れた製品の拡充が必須であります。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防対策として、当社では4月3日から本社を対象とした在宅勤務体制を実施し、緊急事態宣言が解除された5月25日以降は通常勤務に戻しました。
新型コロナウイルス感染症拡大による当社経営成績への影響は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ①経営成績の状況」に記載のとおり、当事業年度では殆ど認められませんでした。緊急事態宣言下では、医療機関への訪問規制や通常検体検査数の減少等が認められましたが、その影響は軽微と予想しています。中長期的には治療薬やワクチン開発が進み段階的なウイルス感染の収束が期待されており、当社への影響も軽微なものと予想していますが、感染が終息していない現状において、今後も当社経営成績への影響については継続して慎重に見極め、あわせて時差出勤の導入を含む基本的な感染対策実施を継続すると共に、検査薬企業として感染症対策の一翼を担うべく、医療機関に貢献する製品の提供を継続してまいります。
研究開発活動面では、既存製品の性能・操作性等の改良を目指すとともに、遺伝子治療の事前検査になり得る検査試薬や、新型コロナウイルスに代表される感染症対策として独自の遺伝子増幅技術であるNASBA法と従来のクロマト技術を合わせた核酸クロマト法検出試薬の開発等に携わっております。
営業活動面におきましては、生化学検査に必須の多項目標準液を多種類取り揃え、創業以来の基幹分野である腎機能検査や肝機能検査に注力しており、特に当事業年度に上市した、業界初の冷蔵多項目標準血清『リキッドキャリブレーター「カイノス」』及びこれを活用したクレアチニン試薬『アクアオートカイノスCRE-Ⅳ試薬』の拡販に努めてまいります。また、輸血検査分野では、2020年度での輸血検査装置の国内累計設置400施設を目標として、中規模施設に適し国内の全病院が拡販対象となるErytra Eflexisを中心に、全自動輸血検査機器とその試薬を用いた輸血検査関連製品の一層のシェア拡大を目指した拡販を継続してまいります。
生産活動面におきましては、QSR(米国品質システム規制)に準拠したQMS(国内品質基準)の下で、高品質で安定した製造体制を維持向上すると共に、継続的な原価低減に努めてまいります。
今後も、総合的に投資効率を高め、各種法規を遵守するとともに、内部統制システムとコンプライアンス体制の強化に努め、収益力の安定と拡大を目標に市場の動向や顧客ニーズを的確に捉えた事業展開を行い、当社の企業活動に関するステークホルダーへの利益還元と継続的な信頼関係を構築し、企業の社会的責任を果たしてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、本項目における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づく当社の判断や予想によるものであります。
(1)事業に係る法的規制リスク
当社の事業は、国内外において各国の薬事関連規則等を遵守しております。特に体外診断用医薬品及び医療用分析機器につきましては、開発、製造、輸入及び使用の各段階において種々の承認や許可及び監視制度が設けられています。ロット間差のある原料等の受入検査実施等、厳格な品質管理体制を構築し、高品質の製品供給に努めておりますが、これらの薬事関連規則等の改訂により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)体外診断用医薬品の研究開発及び販売市場の変化に係るリスク等
研究開発が予定通りに進行しなかった場合、或いは治験段階において新製品の候補品が期待通りの安定した反応を示さなかった場合には、開発期間の延長や中断及び中止を行う場合があります。
また、主要な製品商品について他社から画期的なものが発売された場合、或いは診療報酬の改定の内容によっては当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替変動に係るリスク等
免疫や遺伝子関連における主要な原料、特に輸血検査関連製品は、為替相場の変動により業績に不利な影響を受ける可能性があります。これらの取引に対し、為替予約等によるヘッジ策を講じていますが、これにより完全に為替相場の変動によるリスクが回避される保証はありません。
(4)ライセンスに係るリスク等
当社の扱う製品の一部は、他社の開発した製品の開発、製造、販売等のライセンスを与えられているため、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)資産保有に係る価格変動のリスク
当社の営業活動に関連して不動産、有価証券等の資産を保有していることにより、時価の変動が事業に影響を及ぼす可能性があります。
(6)その他
金利の変動や戦争或いは政変等による各国の経済状況の悪化は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度における我が国の経済は、相次ぐ自然災害や消費税率の引き上げ等が有った一方、雇用情勢や所得環境の改善等から穏やかな回復基調で推移しています。しかしながらこの2月以降新型コロナウイルス感染症が世界的広がりを見せ、その更なる拡大と長期化に伴い企業活動の停滞による影響が懸念されています。
臨床検査薬業界におきましては、市場規模は横ばいから微増で推移するも、新型コロナウイルス感染拡大に伴う通常検体検査の減少等の影響が懸念されます。
このような環境の下、当社では新型コロナウイルス感染拡大の影響は軽微であり、当事業年度における売上高は、46億9百万円(前年同期比1.3%減)となりました。検査分野別では、生化学検査分野は、腎機能や糖尿病項目が堅調に推移し22億3千5百万円(前年同期比8.4%増)、免疫検査分野は、輸血検査試薬等が順調に推移した一方、インフルエンザ等の感染症項目の減収から22億1千1百万円(前年同期比9.3%減)となりました。また、その他の分野は、1億6千2百万円(前年同期比4.4%減)となりました。
営業利益は、6億8百万円(前年同期比4.7%増)、経常利益は、6億1千6百万円(前年同期比3.3%増)、当期純利益は、3億9千8百万円(前年同期比3.3%増)となりました。
②財政状態の状況
当事業年度末における総資産の額は、67億4千4百万円となり、前事業年度末と比べ8億8千6百万円の増加となりました。流動資産は38億6百万円となり、前事業年度末と比べ9億7千5百万円の増加となりました。その主な要因は、売掛金1億3千4百万円、たな卸資産2千7百万円等がそれぞれ減少したものの、現金及び預金が10億1千1百万円、受取手形1億2千1百万円等がそれぞれ増加したことによるものです。固定資産は29億3千8百万円となり、前事業年度末と比べ8千9百万円の減少となりました。その主な要因は、リース資産5千9百万円等が増加したものの、その一方で、減価償却費の進捗1億3千5百万円等が減少したことによるものです。
当事業年度末における負債の額は、23億6千3百万円となり、前事業年度末と比べ1億3千9百万円の増加となりました。その主な要因は、借入金5千万円等が減少したものの、その一方で、買掛金5千7百万円、リース債務6千4百万円、未払法人税等3千8百万円等がそれぞれ増加したことによるものです。
当事業年度末における純資産の額は43億8千1百万円となり、前事業年度末と比べ7億4千6百万円の増加となりました。その主な要因は、配当金5千9百万円の支払い等をしたものの、その一方で、自己株式5億5百万円の処分、当期純利益3億9千8百万円を計上したこと等によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は16億2千4百万円となり、前事業年度末と比べ10億1千1百万円の増加となりました。各キャッシユ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動は6億7千8百万円の資金の増加(前年同期は4億2千5百万円の増加)となりました。その主な資金の増加要因は、法人税等の支払1億7千6百万円等により減少したものの、その一方で、税引前当期純利益5億9千9百万円、減価償却費1億3千5百万円、仕入債務の増加5千3百万円等により増加したものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動は5千2百万円の資金の支出(前年同期は1千9百万円の支出)となりました。その主な資金の支出要因は、製造設備やソフトウェアを中心とした固定資産の取得5千5百万円等の支出によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動は3億8千5百万円の資金の増加(前年同期は6億4千7百万円の支出)となりました。その主な資金の増加要因は、配当金の支払い5千9百万円、短期借入金の返済による支出5千万円等により減少したものの、その一方で、自己株式の売却による収入4億3千5百万円、セール・アンド・リースバックによる収入9千4百万円等により増加したものです。
④生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
臨床検査薬の製造及び販売事業 |
3,948,462 |
100.8 |
(注)当事業年度の生産実績を検査分野別に示すと、次のとおりであります。
|
検査分野別 |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
生化学検査試薬(千円) |
2,360,265 |
111.6 |
|
免疫検査試薬(千円) |
1,405,985 |
105.9 |
|
その他(千円) |
182,212 |
38.4 |
|
合計(千円) |
3,948,462 |
100.8 |
1.金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2.その他の検査分野に著しい変動がありました。これは、主に検査機器の生産数量の減少によるものであります。
(2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
臨床検査薬の製造及び販売事業 |
772,022 |
71.0 |
(注)当事業年度の商品仕入実績を検査分野別に示すと、次のとおりであります。
|
検査分野別 |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
生化学検査試薬(千円) |
50,641 |
125.8 |
|
免疫検査試薬(千円) |
706,735 |
70.2 |
|
その他(千円) |
14,645 |
36.6 |
|
合計(千円) |
772,022 |
71.0 |
1.金額は仕入価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2.その他の検査分野に著しい変動がありました。これは、主に検査機器の仕入数量の減少によるものであります。
(3)受注実績
当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
臨床検査薬の製造及び販売事業 |
4,609,421 |
98.7 |
(注)当事業年度の販売実績を検査分野別に示すと、次のとおりであります。
|
検査分野別 |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
生化学検査試薬(千円) |
2,235,278 |
108.4 |
|
免疫検査試薬(千円) |
2,211,650 |
90.7 |
|
その他(千円) |
162,492 |
95.6 |
|
合計(千円) |
4,609,421 |
98.7 |
1.金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2.最近2期の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
東邦薬品株式会社 |
757,210 |
16.2 |
690,292 |
15.0 |
|
アルフレッサ株式会社 |
411,460 |
8.8 |
349,882 |
7.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、決算日現在における資産・負債並びに会計期間における収益・費用に影響を与える事象に対し、当社の確かな見込み及び合理的な一定の前提による判断によって見積り及び仮定を行っている部分があります。これらの見積り及び仮定については、継続して評価を行っており、また必要に応じて見直しを行っておりますが、見積り及び仮定には不確実性がともなうため、実際の結果は、これらとは異なる可能性があります。財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、当課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお,新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響は終息の見通しが依然困難な状況にあるものの、当社の事業活動及び業績への影響は軽微であることから、本財務諸表における重要な会計上の見積り及び仮定の変更は見込んでおりません。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の業績につきましては、売上高を検査分野別で見ると、生化学検査分野は、堅調に推移し22億3千5百万円(前年同期比8.4%増)、免疫検査分野は、22億1千1百万円(前年同期比9.3%減)となりました。また、その他の分野は、1億6千2百万円(前年同期比4.4%減)となりました。
なお、前事業年度及び当事業年度に係る製品・商品の売上構成は下記に示したとおりであります。
|
区分 |
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
|||
|
金額(千円) |
構成比 (%) |
金額(千円) |
構成比 (%) |
||
|
製品 |
生化学検査試薬 |
2,004,294 |
42.9 |
2,168,658 |
47.0 |
|
免疫検査試薬 |
1,221,516 |
26.2 |
1,332,490 |
28.9 |
|
|
その他 |
167,758 |
3.6 |
160,710 |
3.5 |
|
|
計 |
3,393,569 |
72.7 |
3,661,859 |
79.4 |
|
|
商品 |
生化学検査試薬 |
57,809 |
1.2 |
66,620 |
1.4 |
|
免疫検査試薬 |
1,217,231 |
26.1 |
879,160 |
19.1 |
|
|
その他 |
2,168 |
0.0 |
1,781 |
0.0 |
|
|
計 |
1,277,210 |
27.3 |
947,562 |
20.6 |
|
|
合計 |
生化学検査試薬 |
2,062,104 |
44.1 |
2,235,278 |
48.5 |
|
免疫検査試薬 |
2,438,747 |
52.2 |
2,211,650 |
48.0 |
|
|
その他 |
169,927 |
3.6 |
162,492 |
3.5 |
|
|
計 |
4,670,779 |
100.0 |
4,609,421 |
100.0 |
|
(注) 金額には消費税等は含まれておりません。
当社は、流動性資金を安定的に確保するための基本方針として、年次資金計画に基づき、事業運営のために必要な資金(主に銀行借入)を調達しております。また、一時的な余剰資金は安全性の高い金融資産で運用し、現金及び現金同等物の十分な流動性を確保しながら、事業継続と将来に向けた事業の拡大のため、効率的に資本を投下、運用していくことが経営課題であると認識しております。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、営業利益率と経常利益率としております。当事業年度の営業利益率は、前事業年度と比べ0.8%増の13.2%となりました。経常利益率につきましては、前事業年度と比べ0.6%増の13.4%となりました。なお、増加要因につきましては、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、診療報酬改定をはじめとした国の医療保険制度改革や医療機関の経営合理化による医療費引き下げ等の外的要因による収益の変動が考えられます。
④戦略的現状と見通し
医療業界では、少子高齢化の進行や人口減少に伴う労働力の減少に加え、医療費抑制に向け医療制度等の改革が求められており、今後も各医療機関では厳しい経営環境が続くものと予想されます。
当臨床検査薬業界におきましても、国内検査各分野とも成熟・飽和に達し、市場全体ではほぼ横ばいで推移し低成長が続いています。
当社におきましては、各種多項目標準血清を利用して腎機能・肝機能検査試薬を中心とした生化学検査試薬、並びに輸血検査関連製品の積極的な拡販といった既存の検査試薬・装置事業の拡充を目指します。更に、他社とのアライアンスを含む新規診断薬の開発や安定製造体制の構築に注力してまいります。
⑤経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の臨床検査薬業界における市場の動向や事業環境の変化及び資金調達環境等、日々変化する情報を可能な限り迅速に入手できる体制を整備し、最善の経営方針と意思決定を行えるように努めております。
当社は、体外診断用医薬品の製造販売会社として、臨床検査試薬・機器の開発から生産・販売を通じ、「医療への貢献を目指し、医療現場へのサービス向上と充実を目指した経営」に取り組んでまいりました。現代医療における臨床検査は、診断と医療だけでなく医療費適正化の観点からも早期確定が求められており、当社の役割は益々大きくなってまいります。臨床検査業界自体が新たな流れを生み出すなか、医療現場のニーズに応えるべく独創的な製品開発と高品質な製品供給に努めてまいります。
臨床検査薬業界における市場環境は、今後も診療報酬改定等の医療費抑制政策や価格競争等の影響により厳しさを増していくものと予想しております。当社におきましては、市場の動向や顧客ニーズに対応した魅力ある製品の開発に努めるとともに、経営効率の改善による財務体質の強化に引き続き注力し、収益性の高い開発型企業を目指してまいります。
(1)技術の提携
|
相手先 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
日本化薬株式会社 |
「診断薬」の研究開発に関する業務提携契約 |
1987年6月1日から 1990年5月31日まで 以降1年ごとの自動更新 |
|
有限会社山口ティー・エル・オー |
肺炎球菌遺伝子検出技術の独占的通常実施権許諾契約 |
2010年5月31日から特許が消滅するまで継続 |
|
シスメックス株式会社 |
化学発光酵素免疫装置専用試薬の共同開発 |
2017年8月1日から 2020年3月31日まで(注) |
(注)契約期間満了により、2020年3月31日にて終了しました。
(2)仕入・販売の提携
|
相手先 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
日本化薬株式会社 |
「ラナ1,5AGオート」の売買に関する契約 |
1993年9月21日から 1994年11月30日まで 以降1年ごとの自動更新 |
|
積水メディカル株式会社 |
「アクアオートカイノスTBA試薬」の継続的売買に関する契約 |
1999年4月21日から 2000年4月20日まで 以降1年ごとの自動更新 |
|
旭化成ファーマ株式会社 |
「胆汁酸液状試液」の売買取引に関する契約 |
1999年12月1日から 2004年11月30日まで 以降1年ごとの自動更新 |
|
株式会社ニチレイバイオサイエンス |
「商品」の売買に関する基本契約書 |
2002年8月1日から 2005年7月31日まで 以降1年ごとの自動更新 |
|
日立化成ダイアグノスティックス・システムズ株式会社 |
「FGF-23測定用試薬(研究用)」の開発・製造・販売に関わるライセンス契約 |
2003年9月26日から 2006年9月25日まで 以降1年ごとの自動更新 |
|
東和薬品株式会社 |
「POCTに関する製品」の販売に関する契約 |
2005年6月7日から 2007年6月6日まで 以降1年ごとの自動更新 |
|
シスメックス株式会社 |
HISCL試薬商品取引基本契約 |
2008年12月1日から |
|
DIAGNOSTIC GRIFOLS,S.A. MEDION GRIFOLS DIAGNOSTICS AG GRIFOLS INTERNATIONAL,S.A. |
「輸血検査関連製品」の国内販売に関する契約 |
2017年4月1日から 2022年3月31日まで 以降1年ごとに自動更新 |
|
富士フイルム和光純薬株式会社 |
「輸血検査関連製品」の販売に関する契約 |
2011年9月30日から 2014年9月29日まで 以降1年ごとに自動更新 |
|
デンカ生研株式会社 (現 デンカ株式会社) |
「商品」の売買に関する契約 |
2019年7月1日から 2024年6月30日まで 以降1年ごとの自動更新 |
当社は、医療現場の各種ニーズに応えるべく、体外診断用医薬品及び研究用試薬の早期製品化の実現に向けて設計開発部門である開発部と研究所が主体となり研究開発を推進しております。
当事業年度における研究開発活動としましては、生化学検査分野では、業界初の冷蔵タイプの多項目(9項目)標準血清『リキッドキャリブレーター「カイノス」』を上市しました。腎機能・肝機能項目の拡販に寄与することが期待されます。また主力製品であるクレアチニン試薬の性能をさらに向上させた『アクアオートカイノスCRE-Ⅳ試薬』を上市し医療機関の測定精度の向上に寄与しております。今後も収益に貢献する製品開発を継続してまいります。
輸血検査分野では、試験管法用輸血検査試薬を上市しました。今後も全自動輸血検査装置及び専用試薬と合わせ輸血製品の充実に取り組んでまいります。
また、遺伝子検査分野では新型コロナウイルス感染の対策につきましても、当社独自技術であるNASBA-核酸クロマト法を利用したウイルス遺伝子検出試薬の早期実現に取り組んでまいります。
なお、当事業年度における研究開発費の総額は