当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況
当社グループは、日本から世界にイノベーションを届け、日本発の世界をリードするバイオファーマになることを目指すバイオ企業です。創薬(研究)~前期臨床開発を英国の100%子会社が実施し、日本と韓国における後期臨床開発~販売は日本と韓国の100%子会社が担っています。またそれ以外のAPAC(中国除く)での後期臨床開発は、パートナーとの協業により実施しています。
英国で行われる創薬では、最先端の創薬ターゲット構造解析、IT及びAI技術を最大限活用し、精密にデザインされた薬を生み出す「NxWave™」プラットフォーム技術により、主にGタンパク質共役受容体(以下「GPCR」)をターゲットとする創薬の世界的リーダーの地位を確立しており、自社及び世界の大手製薬企業と共同で開発中の、30品目を超える幅広いパイプラインを有しています。
後期臨床開発~販売では、日本において、ピヴラッツ®(一般名:クラゾセンタンナトリウム、脳血管攣縮治療薬)とクービビック®(一般名:ダリドレキサント、不眠症治療薬)の販売を行っており、韓国及びAPACにおいて、不眠症を対象としたダリドレキサントの後期臨床開発を進めています。
また上記に加えて、Novartis International AG(以下「ノバルティス社」)の呼吸器疾患製品シーブリ® ブリーズヘラー®、ウルティブロ® ブリーズヘラー®及びエナジア® ブリーズヘラー®のグローバルでの販売からのロイヤリティ収入を受領しています。
当社グループは、「NxWave™」プラットフォーム技術、保有するパイプライン及び創薬・開発・商業化の能力を活用し、他社よりもさらに踏み込んだ戦略的成長を目指しており、以下の2つを戦略的な柱としています。
① 日本及びAPACの患者さまに革新的な医薬品をお届けする
日本における幅広い臨床開発・商業化事業をテコに、日本及びAPACの患者さまに、自社開発あるいは他社から導入した新薬をお届けする。
② 「NxWave™」プラットフォーム技術で精密にデザインされた幅広い新薬プログラムを推進する
自社で、あるいは提携先と共に、グローバルでニーズが高く、規模が大きく急成長している治療領域をターゲットとしたプログラムの研究開発を推進する。
これら2つの柱における当中間連結会計期間の進捗状況は以下のとおりです。
① 日本及びAPACの患者さまに革新的な医薬品をお届けする
2025年に当社グループは日本及びAPACにおいて以下の2つを優先して取り組んでいます。
a) 上市品であるピヴラッツ®とクービビック®の販売の最大化
b) 日本及びAPACにおける開発品の取得もしくは導入と後期臨床開発~販売の実施
2025年はピヴラッツ®の売上高は130億円から140億円、クービビック®の売上高は40億円から50億円を見込み、日本及びAPAC向けの後期臨床開発段階にある開発品の導入を目標に掲げています。
2025年2月28日、当社グループは、グローバル・ヘルスケア企業のViatris Inc.(以下「ヴィアトリス社」)及びIdorsia Pharmaceuticals Ltd.(以下「イドルシア社」)との間で、自己免疫疾患治療薬候補cenerimodの日本、韓国及びAPAC(中国を除く)の特定の国における開発及び商業化の権利に関する譲渡契約を締結したことを発表しました。当社グループは、本契約の締結と同時に、2023年7月のイドルシアファーマシューティカルズジャパン株式会社及びIdorsia Pharmaceuticals Korea Co., Ltd.の株式取得契約によりイドルシア社から取得した、本権利に対するオプション権をヴィアトリス社に譲渡しました。当社グループは、契約一時金として10百万米ドルをヴィアトリス社から受領しています。さらに日本におけるcenerimodの承認取得時にマイルストンを受領する権利に加えて、ライセンス対象地域における純売上高に応じたロイヤリティを受領する権利を有します。なお、オプション行使料を含め、当社からイドルシア社への支払いはありません。
2025年2月28日、当社グループは、ダリドレキサントについて、Holling Bio-Pharma Corp.(以下「Holling 社」)と、台湾でのライセンス、製剤供給及び販売に関する契約を締結したことを発表しました。本契約に基づき、当社は製剤を供給し、Holling社は、申請・承認、流通及び販売を行い、取得するすべての承認を保有します。Holling社は2025年下半期に台湾食品薬物管理署(TFDA)に新化学物質(NCE)製品登録を申請する予定であり、承認取得を前提に2026年半ばに発売される見込みです。当社は、契約締結時に一時金を受領しており、それに加えてHolling社による承認及び販売に関する初期マイルストンや、純売上高に対するロイヤリティ及び製品供給による収益を受領する権利を有しています。
② 「NxWave™」プラットフォーム技術で精密にデザインされた幅広い新薬プログラムを推進する
当社グループは、以下の3つを優先して取り組んでいます。
a) 大手製薬企業等との新規提携・ライセンス契約の締結
b) 自社開発品の臨床開発進展
c) 「NxWave™」プラットフォーム技術をさらに深化させるための提携や投資
2025年は1つ以上の価値の高い提携契約の締結、自社による1つ以上のフェーズ2試験の開始を目標に掲げています。
2025年1月14日、当社グループは、提携先であるNeurocrine Biosciences Inc.(以下「ニューロクライン社」)が、第43回J.P.モルガン・ヘルスケア・カンファレンスにおいて、ムスカリン受容体作動薬ポートフォリオの臨床開発の進捗を発表したことを開示しました。発表では以下の言及がありました。
• NBI-1117568(M4受容体選択的作動薬)について、米国食品医薬品局(FDA)とのフェーズ2試験終了後相談が完了し、2025年上半期に統合失調症を対象としたフェーズ3試験を開始する予定であること(以降の進捗について後述)
• NBI-1117568(M4受容体選択的作動薬)について、極端な感情の変化を引き起こす精神疾患である双極性障害を対象としたフェーズ2試験を、2025年下半期に開始する予定であること
• NBI-1117570(M1/M4デュアル作動薬)について、2025年下半期に統合失調症を対象としたフェーズ2試験を開始する予定であること
• 当社独自の「NxWave™」プラットフォームから生まれ、フェーズ1試験を実施中の以下3つのムスカリン受容体作動薬全てについて、2025年中に現試験のデータが得られる見込みであること
o NBI-1117570(M1/M4デュアル作動薬)
o NBI-1117567(M1受容体作動薬(M1-preferring agonist))
o NBI-1117569(M4受容体作動薬(M4-preferring agonist))
2025年2月、Centessa Pharmaceuticals Limited(以下「Centessa社」)から当社グループに対して、新規オレキシン2受容体(OX2R)作動薬ORX750のフェーズ2試験で最初の被験者への投与を実施したと通知がありました。これにより、当社グループは2.7百万ポンドの開発マイルストンを受領しました。
2025年3月25日、当社グループは、提携先であるTempero Bio Inc.(以下「Tempero Bio社」)がアルコール依存症を対象としたTMP-301のフェーズ2試験を開始したことを発表しました。TMP-301は、強力かつ経口投与可能な選択的mGluR5ネガティブ・アロステリック・モジュレーター(NAM)です。本フェーズ2試験では、アルコール依存症患者を対象に、TMP-301の安全性、忍容性及びアルコール使用への効果を、プラセボと比較して評価します。
2025年5月1日、当社グループは、ニューロクライン社が統合失調症治療薬として開発中のNBI-1117568の有効性、安全性、忍容性を評価するフェーズ3試験を開始したことを発表しました。本フェーズ3試験は、症状の急性増悪または再発が認められる成人の統合失調症患者を対象に、NBI-1117568の有効性を評価するグローバルな二重盲検プラセボ対照試験です。本試験では、約280名の患者を登録する予定です。本試験の主要評価項目は、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)合計スコアのベースラインからの変化量であり、主要な副次評価項目は、臨床全般印象評価尺度-重症度(CGI-S)のベースラインからの変化量です。
2025年6月2日、当社グループは、Eli Lilly and Company(以下「イーライリリー社」)との糖尿病および代謝性疾患における複数のターゲットを対象にした研究開発・商業化に関する提携において開発マイルストンを達成したことを発表しました。この成果により、当社はマイルストンを受領することになり、全額、当中間連結会計期間の売上として計上しています(金額は非開示)。
2025年6月3日、当社グループは、ニューロクライン社が、NBI-1117568のフェーズ3試験で、最初の被験者への投与を行ったことを発表しました。この成果により、当社は15百万米ドルのマイルストンを受領し、全額、当中間連結会計期間の売上として計上しています。
2025年7月4日、当社グループは、Centessa社との研究開発提携に基づき、Centessa社から4.8百万米ドルのマイルストンを受領することを発表しました。本マイルストンは、当社技術を用いて見出された2番目の新規OX2R作動薬ORX142について、新薬臨床試験開始申請(IND)がFDAに受理され、健常人を対象としたフェーズ1試験が開始されたことに伴うものです。本マイルストン4.8百万米ドルは全額、当中間連結会計期間の売上として計上しています。
2025年6月30日現在、当社グループの従業員数は389人(2024年12月31日時点比15名増)です。
2025年7月1日以降の当社グループのビジネスハイライト
執行役副社長CMO(チーフ・メディカル・オフィサー)杉田 真は、2025年7月30日付で退任しました。なお、同氏が兼任していたネクセラファーマジャパン株式会社 代表取締役社長には、執行役副社長COO(チーフ・オペレーティング・オフィサー)前田 敏宏が就任いたしました。
2025年8月6日、当社は、既に実施しているPfizer Inc.(以下「ファイザー社」)やイーライリリー社との研究開発提携とは別に、肥満症および長期的体重管理を標的とした自社開発パイプライン群を立ち上げたことを発表しました。これらの疾患に関わる複数のGPCRを対象としており、パイプラインの強化、および創薬の加速を進めていきます。
なお、ファイザー社は、当社との戦略的研究開発提携で発見され、フェーズ1試験を実施中であった低分子GLP-1作動薬候補であるPF-06954522の開発を中止しました。この開発中止は、同社のポートフォリオに関する決定に基づくもので、安全性によるものではありません。当社は今後、PF-06954522も含め、ファイザー社が発見・保有するGLP-1作動薬の開発方針について、ファイザー社との協議を開始する考えです。
パイプライン群の中心となる、当社完全所有の新規経口低分子GLP-1作動薬プログラムは、ファイザー社のPF-06954522とは別の化合物で、差別化された化学的性質を特徴としており、当社はこの化合物の開発を進めるための全ての権利を保有しています。このGLP-1作動薬を補完する形で、当社は肥満症および長期的体重管理を対象に、既知のGPCRを標的としたその他6品目のパイプライン群の開発を並行して加速しています。
当社グループの当中間連結会計期間の経営成績
当中間連結会計期間の業績は、売上収益15,094百万円(前年同期比2,374百万円増加)、コア営業利益364百万円(前年同期は1,176百万円の利益)、営業損失2,756百万円(前年同期は3,654百万円の損失)、税引前中間損失3,722百万円(前年同期は3,158百万円の損失)、中間損失3,137百万円(前年同期は4,703百万円の損失)となりました。
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(単位:百万円) |
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当中間連結会計期間 (自 2025年1月1日 至 2025年6月30日) |
前中間連結会計期間 (自 2024年1月1日 至 2024年6月30日) |
増減 |
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売上収益 |
15,094 |
12,720 |
2,374 |
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売上原価 |
△3,473 |
△3,492 |
19 |
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研究開発費 |
△7,474 |
△5,487 |
△1,987 |
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販売費及び一般管理費 |
△7,566 |
△8,022 |
456 |
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営業費用合計 |
△18,513 |
△17,001 |
△1,512 |
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その他の収益及びその他の費用 |
663 |
627 |
36 |
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営業損失(△) |
△2,756 |
△3,654 |
898 |
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金融収益及び金融費用 |
△966 |
496 |
△1,462 |
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税引前中間損失(△) |
△3,722 |
△3,158 |
△564 |
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法人所得税費用 |
585 |
△1,545 |
2,130 |
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中間損失(△) |
△3,137 |
△4,703 |
1,566 |
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代替業績評価指標 |
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(コア営業損益)(注)1 |
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営業損失(△) |
△2,756 |
△3,654 |
898 |
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調整額 |
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有形固定資産の減価償却費 |
791 |
804 |
△13 |
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無形資産の償却費 |
1,386 |
1,183 |
203 |
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株式報酬費用 (注)2 |
845 |
633 |
212 |
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統合関連費用 (注)3 |
98 |
563 |
△465 |
|
構造改革費用 (注)2 |
- |
28 |
△28 |
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売上原価調整額 (注)4 |
- |
1,619 |
△1,619 |
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コア営業利益 |
364 |
1,176 |
△812 |
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USD:JPY(期中平均為替レート) |
148.56 |
152.12 |
△3.56 |
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GBP:JPY(期中平均為替レート) |
192.52 |
192.42 |
0.10 |
(注)1 コア営業損益は営業損益(IFRS)+重要な非現金支出費用+重要な一時的支出費用で定義され、事業の潜在的な経常キャッシュ創出能力を表しております。
2 構造改革に係る株式報酬費用の加速償却による影響額は構造改革費用に含まれております。
3 統合関連費用は、ITシステムの統合及び企業ブランド再構築を含む一時的支出費用です。
4 売上原価調整額は、2023年7月の企業結合により取得した棚卸資産の販売時に、売上原価に計上される非現金支出費用です。前連結会計期間中に当該棚卸資産は払い出しが完了しました。
当社グループは、医薬品事業の単一セグメントであるため、報告セグメント別の記載は省略しています。
(売上収益)
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(単位:百万円) |
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当中間連結会計期間 (自 2025年1月1日 至 2025年6月30日) |
前中間連結会計期間 (自 2024年1月1日 至 2024年6月30日) |
増減額 |
増減率 (%) |
|
上市済製品 |
8,509 |
6,424 |
2,085 |
32.5 |
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ピヴラッツⓇ |
5,805 |
5,393 |
412 |
7.6 |
|
クービビックⓇ |
1,586 |
- |
1,586 |
- |
|
呼吸器疾患 |
1,053 |
1,031 |
22 |
2.1 |
|
その他 |
65 |
- |
65 |
- |
|
研究・開発 |
6,585 |
6,296 |
289 |
4.6 |
|
契約一時金収入(契約開始時認識額) |
1,571 |
1,392 |
179 |
12.9 |
|
マイルストン収入(条件達成時認識額) |
3,941 |
3,438 |
503 |
14.6 |
|
前受収益取崩額(注) |
1,073 |
1,434 |
△361 |
△25.2 |
|
その他 |
0 |
32 |
△32 |
△100.0 |
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合計 |
15,094 |
12,720 |
2,374 |
18.7 |
(注) 第4 経理の状況 10.売上収益(4) 契約残高 ②契約負債に含まれている前受収益より振り替えたものになります。
当中間連結会計期間の上市済製品に関する収益は、前年同期に比べ2,085百万円増加し、8,509百万円となりました。
ピヴラッツ®
日本において自社で販売する脳血管攣縮治療薬ピヴラッツ®の製品販売による収益を指します。当中間連結会計期間は前年同期に比べ7.6%増加しました。これはピヴラッツ®の販売が好調に推移したことによるものです。
クービビック®
提携先の塩野義製薬株式会社から得ている、販売に応じたロイヤリティ及び製品供給による収益を指します。クービビック®の販売は前連結会計年度の下期より開始されたため、前年同期の売上は発生しておりません。
呼吸器疾患
提携先のノバルティス社から、シーブリ®、ウルティブロ®及びエナジア®(注)の売上に関連して得ている、ロイヤリティによる収益を指します。当中間連結会計期間は前年同期と比較して2.1%増加しました。
(注) シーブリ®、ウルティブロ®及びエナジア®はノバルティス社の登録商標です。
当中間連結会計期間の研究・開発に関する収益は、前年同期に比べ289百万円増加し、6,585百万円となりました。内訳は以下のとおりです。
契約一時金収入
新規の提携先と研究・開発段階における契約開始時に受領し、かつ認識される収益を指します。当中間連結会計期間は前年同期と比較して179百万円増加しました。前中間連結会計期間は1件であったのに対し、当中間連結会計期間は2件の新規契約を締結しております。
マイルストン収入
既存の提携先が研究・開発段階における一定の進捗を達成した時に受領し、かつ認識される収益を指します。当中間連結会計期間は前年同期と比較して503百万円増加しました。これは前中間連結会計期間は4件のマイルストンの達成に対し、当中間連結会計期間は5件のマイルストンの達成があったことによるものです。
前受収益取崩額
一部の研究開発提携では、契約一時金及びマイルストンを、前受収益として計上し、研究開発計画の開始時から完了予定時までの総見積時間または費用に対する期末日までの実際発生時間または費用の割合に応じて、収益計上額を測定し同額の前受収益を取り崩して売上収益に振り替えた額を指します。当中間連結会計期間は前年同期と比較して361百万円減少しました。これは対象の研究開発の進捗によるものです。当中間連結会計期間末のこれらの前受収益の残高は5,840百万円であり、今後の研究開発の進捗に応じて前受収益取崩額として売上に計上される予定です。
(営業費用)
売上原価
当中間連結会計期間の売上原価は、前年同期比19百万円減少し、3,473百万円となりました。これは主に、前連結会計年度の下期よりクービビック®の販売が開始されたことに伴い原価が計上された一方で、ピヴラッツ®の原価が減少したこと及び研究開発受託サービスに係る原価が減少したことによるものです。ピヴラッツ®の原価の減少は、前中間連結会計期間では売上原価調整額の計上がありましたが、当中間連結会計期間での計上がなかったことによるものです。
研究開発費
当中間連結会計期間の研究開発費は、前年同期比1,987百万円増加し、7,474百万円となりました。これは主に、研究開発への投資の増加及び円安の影響によるものです。
当中間連結会計期間においては、研究開発費全体の89%は英国における活動によるものです。
販売費及び一般管理費
当中間連結会計期間の販売費及び一般管理費は、前年同期比456百万円減少し、7,566百万円となりました。これは主に、組織力強化のための人件費が増加した一方で、経費削減に取り組んだことにより販売関連費が減少したことによるものです。
その他の収益及びその他の費用
当中間連結会計期間のその他の収益及びその他の費用の純額は、663百万円の収益(前年同期は627百万円の収益)となりました。これは主に、英国における研究開発税額控除等の税金の還付金増加によるものです。
(営業損益)
上記の結果、当中間連結会計期間の営業損益は、2,756百万円の損失(前年同期は3,654百万円の損失)となりました。
金融収益及び金融費用
当中間連結会計期間の金融収益及び金融費用の純額は、966百万円の費用(前年同期は496百万円の収益)となりました。これは主に、当中間連結会計期間に、Nxera Pharma UK Limited(以下「NPU」)の研究開発が進捗したことに伴い、企業結合による条件付対価債務の公正価値が増加し、条件付対価評価損を計上したことによるものです。
(税引前中間損益)
上記の結果、当中間連結会計期間の税引前中間損益は、3,722百万円の損失(前年同期は3,158百万円の損失)となりました。
法人所得税費用
当中間連結会計期間の法人所得税費用は△585百万円(前年同期は1,545百万円)となりました。法人所得税費用に関しましては、グループ会社各社ごとに見積年次実効税率を適用しております。
(中間損益)
上記の結果、当中間連結会計期間の中間損益は、3,137百万円の損失(前年同期は4,703百万円の損失)となりました。
(代替業績評価指標:コア営業損益)
コア営業損益は、中核事業の潜在的な経常キャッシュ創出能力を示すために、重要な非現金支出費用及び一時的な費用を調整した代替的な業績評価指標です。
当中間連結会計期間のコア営業損益は、364百万円の利益(前年同期は1,176百万円の利益)となりました。
コア営業損益はIFRSの営業損益に対して以下の調整を行い算出しております。
・ 有形固定資産の減価償却費791百万円(前年同期比13百万円減少)
・ 無形資産の償却費1,386百万円(前年同期比203百万円増加)
・ 株式報酬費用845百万円(前年同期比212百万円増加)
・ 統合関連費用98百万円(前年同期比465百万円減少)
統合関連費用は、グループ統合推進のための一時的支出費用であり、システム統合費用や「ネクセラファーマ」ブランドのもとでのブランド再構築費用を含んでいます。システムの統合は当中間連結会計期間中に完了しております。
・ 構造改革費用 当中間連結会計期間発生なし(前年同期28百万円)
構造改革費用は組織再編に伴う費用となります。
・ 売上原価調整額 当中間連結会計期間発生なし(前年同期1,619百万円)
売上原価調整額は2023年7月の企業結合により取得した棚卸資産の販売時に、売上原価に計上されるものです。前連結会計年度中に当該棚卸資産は払い出しが完了しました。以後の調整は発生しません。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ6,809百万円減少し、144,689百万円となりました。これは主に、負債の決済による現金及び現金同等物が減少したことによるものです。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ4,152百万円減少し、78,828百万円となりました。これは主に、NPUの研究開発が進捗したことに伴い、企業結合による条件付対価債務が増加した一方で、借入金の返済、その他の流動負債の決済、及び繰延税金負債の減少があったことによるものです。
(資本)
当中間連結会計期間末における資本は、前連結会計年度末に比べ2,657百万円減少し、65,861百万円となりました。これは主に、中間損失3,137百万円を計上したことによるものです。
なお、現金及び現金同等物並びに有利子負債の総資産に占める比率及び親会社所有者帰属持分比率は、それぞれ22.8%、44.7%及び45.5%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ729百万円増加し、32,997百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは433百万円の収入となりました。これは主に、法人税の還付額を含む現金収入が営業に関する現金支出を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは3,515百万円の収入となりました。これは主に、定期預金(3か月超6か月以内)が当中間連結会計期間に満期を迎えたことにより、現金及び現金同等物に振り替えられたことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは3,350百万円の支出となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出によるものです。
(現金及び現金同等物の為替変動による影響)
当中間連結会計期間の現金及び現金同等物の為替変動による影響は131百万円の増加となりました。これは主に、前連結会計年度末に比べポンドに対し円安になったことによるものです。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。なお、当社グループは財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針は定めておりません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費は、前中間連結会計期間に比べ1,987百万円増加し、7,474百万円となりました。なお、詳細につきましては、(1)経営成績の状況に記載しております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。