(1)業績
当期における国内医薬品業界は、医療費・薬剤費の抑制策が継続的に実施される中、1桁台後半の市場成長を示しましたが、「医薬品産業強化総合戦略」が厚生労働省より公表されるとともに社会保障費の歳出抑制を強化する平成28年度薬価制度改革等が固まり、市場構造の大幅な変化を予感させる厳しい事業環境となりました。
ヘルスケア事業を取り巻く環境は、景気が横ばい圏内にとどまり、個人消費の動きは弱い状況で推移しました。
こうした環境の中で、当社グループは、中期経営計画「HOPE100-ステージ1-(平成22年度~平成27年度)」、(以下『当中計』と略す)の最終年度として、経営方針に「ファーマ・コンプレックス・モデル(PCモデル:新たな医薬事業モデル)への取り組み促進」「ヘルスケア事業の成長加速化」を掲げ、様々な環境変化に対応できる事業戦略の再構築と新たな核となる事業の成長に取り組み、持続成長とステークホルダーの皆様からの支持・評価の向上に努めました。
当連結会計年度における売上高は、当中計の成果目標を下回ったものの、新医薬品の売上が前年を大幅に上回
り、過去最高の1,194億83百万円と前年同期比63億62百万円(前年同期比5.6%増)の増収になりました。
利益面では、主力製品の増収と契約一時金収入の計上等により売上総利益が前年同期に対して55億99百万円増加しました。一方、販売費及び一般管理費は増加(7億00百万円増加、うち研究開発費は前年同期比4億95百万円減)しましたが、営業利益は、前年同期比48億98百万円の増益となり過去最高の196億36百万円(前年同期比33.2%増)を達成し、当中計の成果目標に近い利益額を獲得しました。経常利益は199億95百万円(前年同期比29.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、杏林製薬㈱の旧東京支店ビル(東京都新宿区)の土地・建物の譲渡益約18億円を含む約19億円を特別利益に計上し、同社の岡谷工場閉鎖に関わる損失約27億円を含む約31億円を特別損失に計上したことから136億39百万円(前年同期比13.1%増)となりました。
当連結会計年度の業績
売上高 1,194億83百万円(前年同期比 5.6%増)
営業利益 196億36百万円(前年同期比 33.2%増)
経常利益 199億95百万円(前年同期比 29.1%増)
親会社株主に帰属する
当期純利益 136億39百万円(前年同期比 13.1%増)
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
①医薬品事業
〔国内新医薬品〕
杏林製薬㈱では、特定領域(呼吸器科・耳鼻科・泌尿器科)の医師、医療機関に営業活動を集中するFC(フランチャイズカスタマー)戦略を推進しており、本年度は呼吸器領域において、喘息治療配合剤「フルティフォー
ム」や気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」等、主力製品の普及の最大化に努めるとともに、COPD(慢性閉塞性肺疾患)治療剤「エクリラ ジェヌエア」を平成27年5月に新発売し、同領域でのプレゼンス向上に努めました。また新しい剤型として「キプレスOD錠(口腔内崩壊錠)」及び潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ顆粒94%」を同12月に新発売し、医薬品事業の売上拡大を図りました。
主力製品では、「フルティフォーム」の売上が前年同期に対して36億円増加したほか、「キプレス」、過活動膀胱治療剤「ウリトス」も前年を上回る実績で推移しました。他方、長期収載品である「ペンタサ」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」は前年の売上を下回りました。これらの結果、売上高は926億95百万円(前年同期比1.8%増)となりました。
生産部門では、グループ新生産体制の構築(生産体制の全体最適化、ローコストオペレーション等)を推進しており、その一環として杏林製薬㈱岡谷工場の全ての生産機能を当社の子会社であるキョーリン製薬グループ工場㈱に移転し、平成28年9月(予定)に同工場を閉鎖することといたしました。
〔海外新医薬品〕
広範囲抗菌点眼剤「ガチフロキサシン(導出先:米国アラガン社)」に関わる収入が前年を上回り、また杏林製薬㈱が米国ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)社と「FPR2作動薬プログラム」に関するライセンス契約を締結し、契約一時金収入を売上に計上したことから、売上高は55億86百万円(前年同期比441.2%増)となりました。
〔後発医薬品〕
後発医薬品の使用促進策の浸透、オーソライズド・ジェネリック※1の発売等の影響により市場が拡大する中で、自社販売による売上は増加したものの、他社受託ビジネスの売上が減少し、売上高は154億65百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
〔一般用医薬品他〕
主要製品である環境除菌・洗浄剤「ルビスタ」、哺乳びん・乳首・器具等の消毒剤「ミルトン」の伸長により、環境衛生に関わる売上が増加し、売上高は44億90百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
この結果、当セグメントの売上高は1,182億38百万円(前年同期比5.8%増)となり、営業利益は194億99百万円(前年同期比33.8%増)となりました。
②ヘルスケア事業
〔スキンケア〕
個人消費の低迷、企業間競争の激化によりスキンケア製品を取り扱うドクタープログラム㈱の売上が前年を下回り、当セグメントの売上高は12億44百万円(前年同期比7.8%減)、営業損失は77百万円(前年同期は営業損失20百万円)となりました。
※1 : 製造販売承認を保有する企業より特許権等を許諾されたジェネリック医薬品
(2)キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、111億37百万円の収入であり、これは主に税金等調整前当期純利益
188億15百万円、減価償却費37億30百万円、工場閉鎖損失26億95百万円、固定資産除売却損益14億
67百万円、売上債権の増加12億88百万円、たな卸資産の増加17億36百万円、未払消費税等の減少14億
46百万円、法人税等の支払額45億04百万円によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、6億50百万円の収入で、これは主に有価証券の売却及び償還による収
入51億00百万円、有形固定資産の取得による支出68億12百万円、有形固定資産の売却による収入20億
66百万円、投資有価証券の取得による支出80億08百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入83億
01百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、22億45百万円の支出で、これは主に長期借入れによる収入28億
53百万円、長期借入金の返済による支出7億64百万円、配当金の支払額38億76百万円によるものです。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して93億15百万円増加し、450億43百万円となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
||
|
|
|
新薬 |
89,257 |
92.0 |
|
|
|
後発品 |
14,846 |
100.6 |
|
医薬品事業 |
医療用医薬品 |
|
104,103 |
93.1 |
|
|
一般用医薬品他 |
|
2,809 |
104.1 |
|
|
医薬品事業計 |
|
106,912 |
93.4 |
|
ヘルスケア事業 |
- |
- |
||
|
合計 |
106,912 |
93.4 |
||
(注) 上記金額は、消費税等抜きの売価換算によっております。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
||
|
|
|
新薬 |
3,164 |
132.5 |
|
|
|
後発品 |
3,229 |
99.5 |
|
医薬品事業 |
医療用医薬品 |
|
6,393 |
113.5 |
|
|
一般用医薬品他 |
|
1,050 |
107.8 |
|
|
医薬品事業計 |
|
7,443 |
112.7 |
|
ヘルスケア事業 |
254 |
67.3 |
||
|
合計 |
7,698 |
110.2 |
||
(注) 上記金額は、消費税等抜きの実際仕入れ額によっております。
(3)受注状況
当社グループ(当社及び当社の連結子会社)は販売計画に基づいた生産を行っておりますので、該当事項はありません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
||
|
|
|
新薬 |
98,282 |
106.7 |
|
|
|
後発品 |
15,465 |
99.9 |
|
医薬品事業 |
医療用医薬品 |
|
113,748 |
105.7 |
|
|
一般用医薬品他 |
|
4,490 |
107.3 |
|
|
医薬品事業計 |
|
118,238 |
105.8 |
|
ヘルスケア事業 |
1,244 |
92.2 |
||
|
合計 |
119,483 |
105.6 |
||
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のと
おりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
|
金額 (百万円) |
割合(%) |
金額 (百万円) |
割合(%) |
|
|
アルフレッサ株式会社 |
19,641 |
17.4 |
20,583 |
17.2 |
|
株式会社スズケン |
17,768 |
15.7 |
18,334 |
15.3 |
|
株式会社メディパルホールディングス |
16,523 |
14.6 |
17,363 |
14.5 |
|
東邦薬品株式会社 |
15,161 |
13.4 |
15,828 |
13.3 |
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、中核子会社である杏林製薬㈱の創業100周年に当たる2023年を見据えた長期ビジョン「HOPE100」を平成22年に策定し、最終年度である平成35年度までの期間を3つのステージ(ステージ1;平成22年度~平成27年度、ステージ2;平成28年度~平成31年度、ステージ3;平成32年度~平成35年度)に分け、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めています。今般、長期ビジョン実現に向けたセカンドステップと位置付ける4ヵ年の新中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」を策定し、平成28年度にスタートいたしました。「ステージ1」で種を蒔き、芽吹いたものを育成するとともに今後の環境変化をいち早く捉え、意識を変え、業務の変革を成し遂げます。
近年、医療用医薬品事業を取り巻く外部環境は、ジェネリック80%時代の到来、薬価制度改革等により市場構造の変化が予想され、一層厳しさを増しています。さらにその中で、当社グループは、主力品の特許切れを迎えるなど、これまでに経験したことのない大きな経営環境の変化に直面しています。
このように変動が大きい環境の下では、既存の考え方だけで課題に対応することは困難であり、これまでの業務遂行の仕組みをダイナミックに創り変え、過去の延長線上にはない新たな取り組みを創造・実行していくべく、新中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」においては、ステートメントを「長期ビジョン実現に向けて、変革(変化と革新)を行い、持続成長を図る」とし、以下の事業戦略と組織化戦略に取り組み、目標とする経営指標の達成に向け邁進いたします。
①事業戦略(Strategy)
医療用医薬品事業では持続成長を可能とする医薬事業モデルの進化を図り、ヘルスケア事業※1では核となる事業作りに向け、4つの重点戦略、2つの育成戦略を推進いたします。
(a)重点戦略
・創薬力の強化:ファースト・イン・クラス創薬への取り組み
・新薬群比率の向上:新薬群の普及の最大化による新薬群比率の大幅な向上
・特色を活かしたジェネリック事業の推進
・ローコスト強化:グループ内最適化によるコスト構造の変革
(b)育成戦略
・海外進出:自社で創出した革新的な新薬の展開(欧米への早期導出)、アジアを中心に将来の直接的進出(医
療用医薬品およびヘルスケア事業※1)の礎を築く
・ヘルスケア事業※1:環境衛生の事業成長と既存事業との連携強化により核となる事業を作る
②組織化戦略(Organization)
当社グループは長期ビジョンにおいて、社員を大切にし、人と組織を活力化することが事業戦略を遂行し、成果を具現するための最重要課題と位置付けています。「ステージ2」においても、社員にとって「働きがいNo.1企業」の実現を目指し、人材マネジメントの基本方針の下、グループ各社ごとの人材マネジメントシステム(採用、配属、育成、評価、異動、報酬、福利厚生等)の再構築と人材育成の強化に取り組みます。
③目標とする経営指標(Performance)
新中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」では、平成28年度から最終年度である平成31年度までの、連結売上高 年平均成長率3%以上、連結営業利益率15%以上を数値目標としています。
株主還元につきましては、現状の配当水準をベースに「安定的な配当」を目指してまいります。
※1:スキンケア、環境衛生、一般用医薬品他のヘルスケア事業
現在、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。当社グループでは、これら事業等のリスクに関し、組織的・体系的に対処することとしておりますが、影響を及ぼすリスクや不確実性はこれらに限定されるものではありません。
①当社グループの事業に係わる法的規制
当社グループの事業は、日本国内における薬事法、医療保険制度、薬価制度などの規制および海外における各国の各種関連規制の影響を受けます。また、医薬品の開発、製造、輸入、流通等の各段階において様々な承認・許可制度等が設けられています。今後、予測できない大規模な医療行政の方針転換が行われました場合、当社グループの営業成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②医薬品の研究開発に係わる活動
医療用医薬品の開発には、多額の研究開発投資と長い期間が必要なうえ、新規性の高い化合物を発見し医薬品として上市できる確率は決して高くありません。現在、杏林製薬㈱では、数品目の医療用医薬品の臨床試験を実施中ですが、期待する臨床効果が確認できない場合や予測できない副作用の発現等により研究開発を中止する可能性があります。
③他社との競合激化
医薬品業界は、技術革新など進歩が急速に進む環境下にあり、より有用性の高い医薬品の開発や同種の効能を有する医薬品の上市が当社グループの主要製品の売上動向に影響を及ぼす可能性があります。
④医療制度改革の影響
日本国内におきましては、医療用医薬品の薬価改定を含む医療制度改革が実施されております。当社グループで
は、予測可能な範囲でその影響を業績予想に織り込んでおりますが、予想可能な範囲を超えた薬価改定や医療保険制度の改定が実施された場合、営業成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤副作用の発現
新医薬品の安全性に関する情報は、限られた被験者を対象に実施した臨床試験から得られたものであり、必ずしも副作用の全てを把握することは出来ません。市販後、汎用された中でそれまでに報告されなかった未知の副作用によりその医薬品の使用方法が制限されることや、場合によっては発売中止になる可能性があります。
⑥製造の停滞・遅延
技術的・規制上の問題もしくは自然災害・火災などの要因により生産活動の停滞・遅滞もしくは操業停止などが起こった場合、当社の営業成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦製品回収等
異物の混入等により当社グループの製品に欠陥が認められ製品の回収などの事態が発生した場合、営業成績等に悪影響を及ぼします。
⑧知的財産の保護
当社グループが国内外において知的財産を適切に保護できない場合、第三者が当社の技術を利用して当社グループ製品の市場ないしは関連する市場において悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業活動が他社製品の特許等、知的財産に抵触した場合、事業の中止・係争の可能性があります。
⑨訴訟リスク
当社グループの事業活動において、特許、製造物責任(PL法)、独占禁止法、環境保全、労務関連などの事柄において訴訟を提起される可能性があります。
⑩為替レートの変動
当社グループは、海外との輸出入を行っており、為替レートの変動は当社の売上高等に影響を与えます。
⑪他社との提携解消
当社グループでは、外部資源の有効活用を目的としてアライアンス戦略を推進し、国内外の製薬企業等と販売委
託・共同販売・共同研究等の提携を行っております。今後、何らかの事情によりこれらの提携関係を解消することになった場合、予定している営業成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ITセキュリティ及び情報管理
当社グループでは、業務上、ITシステムを多数利用していることから、システムの不備やコンピューターウイルス等の外部要因により、業務が阻害される可能性があります。また情報等の外部への流出により信用を失うことで業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1)外国会社からの技術導入
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
国名 |
対価 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
レボブノロール |
アラガン社 |
アメリカ |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
1990 |
発売日から10年 (自動更新) |
|
〃 |
ブリモニジン |
アラガン社 |
アメリカ |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2004 |
対象特許満了または発売日から10年のいずれか長い方 |
|
〃 |
フルチフォーム |
スカイファーマ社 |
イギリス |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2008 |
発売日から10年 |
|
〃 |
耳鳴治療薬 「Neramexane」 |
メルツ社 |
ドイツ |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2009 |
契約締結日からメルツ社に対するロイヤルティーの支払義務が終了するまで |
|
〃 |
COPD治療薬 (単剤) |
アストラゼネカ社 |
イギリス |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2011 |
契約締結日から対象製品の最終販売日まで |
|
〃 |
OAB治療薬 |
メルク社 |
アメリカ |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2014 |
契約締結日からメルク社に対するロイヤルティーの支払義務が終了するまで |
|
キョーリン リメディオ㈱ (連結子会社) |
モンテルカスト AG |
MSDインターナショナル社 |
スイス |
供給価格 |
2016 |
上市日から10年間 |
(2)外国会社への技術導出
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
国名 |
対価 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
ガチフロキサシン点眼液 |
アラガン社 |
アメリカ |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2000 |
対象特許満了または契約日から15年のいずれか長い方 |
|
〃 |
イブジラスト |
メディシ・ノバ社 |
アメリカ |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2004 |
対象特許満了または市場独占権有効期間のいずれか長い方 |
|
〃 |
イミダフェナシン |
エルジー・ライフサイエンス社 |
韓国 |
契約一時金 |
2005 |
契約締結日からエルジー・ライフサイエンス社の支払義務が終了するまで |
|
〃 |
KRP-203(IBD以外) |
ノバルティス社 |
スイス |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2006 |
対象特許満了または発売日から11年のいずれか長い方 |
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
国名 |
対価 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
イミダフェナシン |
スピマコ社 |
サウジアラビア |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2009 |
発売日から10年 |
|
〃 |
イミダフェナシン |
アールファーム社 |
ロシア |
契約一時金 販売マイルストーン |
2014 |
契約締結日から10年 |
|
〃 |
イミダフェナシン |
シンモサ社 |
台湾 |
契約一時金 販売マイルストーン 一定料率のロイヤルティー
|
2015 |
対象特許満了または契約日から15年のいずれか長い方 |
|
〃 |
FPR2 作動薬プログラム |
ブリストル・マイヤーズスクイブ社 |
アメリカ |
契約一時金 販売マイルストーン 一定料率のロイヤルティー |
2015 |
契約締結日からロイヤルティーの支払義務が終了するまで |
(3)販売契約(輸出)
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
国名 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ |
ノルフロキサシン |
鍾根堂社 |
韓国 |
1983 |
自動更新 |
|
〃 |
〃 |
杏林新生製薬股份有限公司 |
台湾 |
1985 |
〃 |
|
〃 |
トロキシピド |
永進社 |
韓国 |
1987 |
〃 |
|
キョーリンメディカルサプライ㈱ (連結子会社) |
ルビスタ |
メイジ・インドネシア・ファーマシューティカル社 |
インドネシア |
2016 |
契約締結日から2019年12月31日まで |
(4)販売契約(輸入)
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
国名 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ |
マクサルト |
メルク社 |
アメリカ |
2003 |
特許満了日 |
|
〃 |
デスロラタジン |
シェリングプラウ社 |
アイルランド |
2014 |
再審査期間の満了または製造販売承認取得日から10年のいずれか長い方 |
(5)内国会社との販売契約(導入)
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ |
クリノリル |
日医工株式会社 |
1981 |
自動更新 |
|
〃 |
ロカルトロール |
中外製薬株式会社 |
1986 |
〃 |
|
〃 |
ベストロン耳鼻科用 |
千寿製薬株式会社 |
1999 |
〃 |
|
〃 |
メサラジン |
日清ファルマ株式会社 |
2008 |
2016年まで |
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ |
クルクミン |
株式会社セラバリューズ |
2011 |
自動更新 |
|
キョーリンメディカルサプライ㈱ |
キョーリン感染症防護対策キット |
アゼアス株式会社 |
2013 |
自動更新 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
ナノトラップFlu A・B |
ロート製薬株式会社 |
2014 |
契約締結日から5年間 |
(6)内国会社との販売契約(導出)
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ |
ケタス点眼液 |
千寿製薬株式会社 |
1999 |
自動更新 |
|
〃 |
バクシダール点眼液 |
〃 |
1999 |
〃 |
|
〃 |
ミロル点眼液0.5% |
科研製薬株式会社 |
2000 |
〃 |
|
〃 |
マクサルト |
エーザイ株式会社 |
2002 |
特許満了日まで |
|
〃 |
シンセロン錠 |
株式会社ヤクルト本社 |
2008 |
2020年3月末日(予定)まで |
|
〃 |
ガチフロキサシン 点眼液 |
千寿製薬株式会社 |
2009 |
販売終了までの期間 |
|
〃 |
ウリトス |
エーザイ株式会社 |
2009 |
契約締結日から15年間 |
|
〃 |
ルビスタ |
吉田製薬株式会社 |
2015 |
契約締結日から2018年3月31日まで |
|
キョーリンメディカルサプライ㈱ (連結子会社) |
ルビスタ |
帝人フロンティア株式会社 |
2016 |
契約締結日から1年間 (自動更新) |
(7)内国会社との共同開発
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
契約年 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
インジセトロン |
株式会社日清製粉グループ本社 |
1995 |
|
〃 |
モンテルカスト |
萬有製薬株式会社 |
1999 |
|
〃 |
イミダフェナシン |
小野薬品工業株式会社 |
2000 |
|
〃 |
Ad-SGE-REIC製剤 |
桃太郎源株式会社 |
2014 |
|
〃 |
Ad-SGE-REIC製剤 |
国立研究開発法人科学技術振興機構 |
2015 |
|
〃 |
特殊環状ペプチド |
ペプチドリーム株式会社 |
2015 |
|
〃 |
KRP-114V |
キッセイ薬品工業株式会社 |
2016 |
(8)内国会社への技術導出
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
対価 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
ガチフロキサシン |
千寿製薬株式会社 |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
1997 |
発売日から10年 |
|
〃 |
ブリモニジン |
〃 |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2004 |
対象特許満了または発売日から10年のいずれか長い方 |
(9)その他
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契約会社名 |
契約内容 |
相手方の名称 |
契約年 |
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杏林製薬㈱ (連結子会社) |
新規化合物創製 |
メルク社 |
2004 |
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〃 |
新規化合物創製 |
メルク社 |
2007 |
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キョーリン製薬グループ工場㈱ (連結子会社) |
製造受託 |
MSD株式会社 |
2012 |
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キョーリン製薬ホールディングス㈱ (当社) |
株式給付信託 (従業員持株会処分型) |
みずほ信託銀行 |
2015 |
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杏林製薬㈱ (連結子会社) |
株式給付信託 |
みずほ信託銀行 |
2016 |
中核子会社である杏林製薬㈱では、世界の人々の健康に貢献する新薬を創製することが新薬メーカーとしての存在意義を高め持続成長に結びつくとの認識に基づき、自社創薬、導入品の開発、既存品のライフサイクルマネジメント(新効能・効果取得、剤型追加)を推進し、特定領域(呼吸器科・耳鼻科・泌尿器科)における研究開発パイプラインの構築と拡充に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は130億19百万円(前年同期比3.7%減)となっております。
(1)医薬品事業
遺伝子治療薬「Ad-SGE-REIC製剤」の悪性胸膜中皮腫を対象疾患とするPhⅠ/Ⅱ臨床試験を平成27年
7月より、耳鳴治療剤「KRP-209」のPhⅡ再試験を同8月より、キノロン系合成抗菌剤「KRP-AM
1977Y」のPhⅢ臨床試験を平成28年3月より開始しました。また、ライフサイクルマネジメント(新剤型の開発)として、気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレスOD錠(口腔内崩壊錠)」及び潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ顆粒94%」の製造販売承認を平成27年8月に取得し、同12月に新発売しました。アレルギー性疾患治療薬「一般名:デスロラタジン」につきましては、共同販売契約先であるMSD㈱が平成27年10月に製造販売承認申請を厚生労働省に提出いたしました。
なお、「デスロラタジン」におきまして、MSD㈱との共同販売に関する契約を平成28年5月に変更し、杏林製薬㈱が独占販売権を取得いたしました。
自社創薬におきましては、これまで創薬研究所及び開発研究所の2箇所に分散していた国内の研究所を集約し、新研究開発拠点「わたらせ創薬センター」として平成27年7月に本格稼動いたしました。研究機器・設備の充実に加えて、研究者にとって集中力の発揮、独創的な発想力の向上、コミュニケーションの活性化ができる研究環境を整備するとともに、製品と技術、それぞれを軸とするマトリックス組織に再編し創薬研究体制を変革いたしました。一方で同11月にはペプチドリーム㈱との共同研究開発契約を締結いたしました。自社創薬にオープンイノベーションを重ねることで、これまでにも増して、特定の疾患領域にフォーカスした新薬の創製、成長戦略に資する創薬イノベーションの推進に取り組みます。
導出品及び導出展開では、「KRP-203」について、導出先であるノバルティス(スイス)が、GvHD(移植片対宿主病)での開発に集中することを決定し、開発を本格化いたしました。また、自社創製品である「FPR2作動薬プログラム」について、平成27年12月に米国BMS社との間でライセンス契約を締結しました。主に好中球の遊走を抑制し抗炎症作用を示す新薬候補化合物であり、今後米国BMS社が本プログラムの対象となる適応症(非開示)において、全世界での開発を進めます。さらに杏林製薬㈱が国内でPhⅢ臨床試験を実施中の過活動膀胱治療薬「KRP-114V」について、キッセイ薬品工業㈱と共同開発および共同販売に関する契約を締結しました。両社で効果的かつ効率的な開発を推進し、製造販売承認取得後、両社で共同販売を行い、製品普及の最大化を目指します。
当セグメントの当連結会計年度の研究開発費は130億19百万円(前年同期比3.7%減)であります。
(2)ヘルスケア事業
当セグメントの当連結会計年度の研究開発費はございません(前年同期は1百万円)。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針及び見積りによる判断をおこなっております報告数値があり、実際の結果は見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。
当社グループにおいては、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成において重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。
①その他有価証券で時価のあるものの評価基準及び評価方法
その他有価証券の評価差額は全部純資産直入法により処理しており、損益認識を行う場合とは親会社株主に帰属する当期純利益が異なってまいります。
②貸倒引当金
貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収不能見込み額を計上しておりますが、一般債権について
は、過去の貸倒実績率による見積額を計上しております。従いまして、厳しい経済情勢下においては各取引先の財政状態の変化により追加引当が必要となる可能性があります。
③退職給付に係る負債
従業員退職給付費用および退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合には認識される費用及び債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得見込額等により回収可能性が高いと判断した金額を計上しておりますが、将来の予測に基づくため不可避の不確実性を内包していると認識しております。
(2)経営成績の分析
①売上高
新医薬品については、「フルティフォーム」の売上が前年同期に対して36億円増加したほか、「キプレ
ス」、過活動膀胱治療剤「ウリトス」も前年を上回る実績で推移する一方、長期収載品である「ペンタサ」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」は前年の売上を下回り、売上高は926億95百万円(前年同期比1.8%増)となりました。後発医薬品については、後発医薬品の使用促進策の浸透、オーソライズド・ジェネリックの発売等の影響により市場が拡大する中で、自社販売による売上は増加したものの、他社受託ビジネスの売上が減少し、売上高は154億65百万円(前年同期比0.1%減)となりました。この結果、前連結会計年度に比較して63億62百万円増加(前年同期比5.6%増)し、1,194億83百万円となりました。
②売上原価
売上原価は、国内における売上高増加等により、前連結会計年度に比較して7億62百万円増加(前年同期比1.6%増)し、473億60百万円となりました。また、原価率は、薬価改定の影響、医薬品事業における製品の売上構成の変化等により1.6ポイント低下しました。
③販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)治療剤「エクリラ ジェヌエア」、「キプレスOD
錠(口腔内崩壊錠)」、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ顆粒94%」の上市に伴う販売費の増加等により前連結会計年度に比較して7億00百万円増加(前年同期比1.4%増)し、524億86百万円となりました。
④営業損益
営業利益は、上記売上高、売上原価、販売費及び一般管理費の状況から前連結会計年度に比較して48億98百万円増加(前年同期比33.2%増)し、196億36百万円となりました。
⑤営業外損益
営業外損益は、営業外収益が前連結会計年度に比較して2億36百万円減少し5億31百万円に、営業外費用が前連結会計年度に比較して1億56百万円増加し1億72百万円となりました。営業外損益の主な内容は、営業外収益が受取配当金2億90百万円、補助金収入1億15百万円、受取利息22百万円、営業外費用が為替差損1億26百万円、持分法による投資損失24百万円、支払利息17百万円であります。
⑥特別損益
特別損益は、特別利益が前連結会計年度に比較して25億64百万円減少し19億40百万円に、特別損失が前連結会計年度に比較して6億86百万円増加し31億20百万円となりました。特別損益の主な内容は、特別利益が固定資産売却益18億81百万円、特別損失が工場閉鎖損失26億95百万円であります。
⑦税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比較して12億53百万円増加し、188億15百万円となりました。
⑧法人税等
法人税等は、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計額が前連結会計年度に比較して3億21百万円減少し、51億75百万円となりました。
⑨親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比較して15億75百万円増加し、136億39百万円となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、固定資産除売却損益14億67百万円、売上債権の増加12億88百万円、たな卸資産の増加17億36百万円、未払消費税等の減少14億46百万円、法人税等の支払45億04百万円等がありましたが、税金等調整前当期純利益188億15百万円、減価償却費37億
30百万円、工場閉鎖損失26億95百万円等により、111億37百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出68億12百万円、投資有価証券の取得による支出80億08百万円等がありましたが、有価証券の売却及び償還による収入51億00百万円、有形固定資産の売却による収入20億66百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入83億01百万円等により、6億50百万円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入28億53百万円がありましたが、配当金の支払38億76百万円等により、22億45百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して93億15百万円増加し、450億43百万円となりました。
②資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原料・材料の購入、商品購入のほか、製造費用、研究開発費、人件費の支払いであります。
また、継続的に設備投資を行っておりますが、当連結会計年度において72億18百万円の設備投資を実施いたしました。
③財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び借入金等により賄っております。
平成29年3月期においては、新製剤開発センターの建設等、固定資産取得による支出約48億円を予定しております。