第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

2【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、解約した契約は次のとおりであります。

外国からの技術導入

契約会社名

契約品目

相手方の名称

国名

対価

契約年

杏林製薬㈱

(連結子会社)

耳鳴治療薬

「Neramexane」

メルツ社

ドイツ

契約一時金

一定料率のロイヤルティー

2009

 

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当期における国内医薬品業界は、社会保障費の財源確保を背景とした医療費の効率化、薬剤費抑制策等が推進され、市場成長は低位に推移しました。更に当社グループにおきましては、主力製品の特許満了による売り上げへの影響が本格化し、これまでにない企業行動が必要な局面を迎えました。

また、平成30年4月より実施される薬価制度の抜本改革について活発に議論され、医療費適正化に向けた取り組みとして薬価制度に関わる新たな施策の実施が決定されました。

このような状況下、当社グループは長期ビジョン「HOPE100」の実現に向けて、平成28年度を初年度とする中期経営計画「HOPE100-ステージ2-(平成28年度~平成31年度)」のもと、平成29年度は経営方針に「多様な知の結集による変革の推進」を掲げ、医療用医薬品事業では持続成長を可能とする医薬事業モデルの進化に取り組み、ヘルスケア事業※1では核となる事業づくりを推進し、成果目標の達成とステークホルダーの皆様からの支持・評価の向上に努めました。

※1:環境衛生、一般用医薬品他

 

当第3四半期連結累計期間の売上高につきましては、医療用医薬品事業では、新医薬品(海外)及び後発医薬品は増収となりましたが、新医薬品(国内)の売り上げが減少したため前年を下回る実績となりました。ヘルスケア事業の売り上げは微増となり、全体では829億23百万円と前年同期比39億13百万円(前年同期比4.5%減)の減収となりました。

利益面では、新医薬品(海外)における一時金収入の増加はあったものの、新医薬品(国内)の売り上げ減少及び棚卸資産の除却損等の増加により売上総利益は前年同期に対して20億64百万円減少しました。他方、販売費及び一般管理費は、コスト削減に取り組んだ結果、前年同期に対して25億57百万円減少(内、研究開発費8億02百万円減)し、営業利益は78億05百万円と前年同期比4億92百万円(前年同期比6.7%増)の増益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、ドクタープログラム㈱の株式譲渡益約6億円を特別利益に計上し、導出品(ガチフロキサシン点眼液)に関する米国反トラスト法違反を理由とした集団訴訟に伴う和解関連費用約4億円を特別損失に計上したことから、61億19百万円(前年同期比29.6%増)となりました。

 

当第3四半期連結累計期間の業績

売上高       829億23百万円(前年同期比  4.5%減)

営業利益       78億05百万円(前年同期比  6.7%増)

経常利益       82億46百万円(前年同期比  6.9%増)

親会社株主に帰属する

四半期純利益     61億19百万円(前年同期比 29.6%増)

 

①医療用医薬品事業

〔新医薬品(国内)〕

国内医療用医薬品市場の構造変化が進む中、杏林製薬㈱は特定領域(呼吸器科・耳鼻科・泌尿器科)の医師、医療機関に営業活動を集中するFC(フランチャイズカスタマー)戦略の進化と共に、エリアマネジメントを軸とした営業戦略の実行を推進しています。当第3四半期連結累計期間におきましては、中期経営計画の重点戦略である「新薬群比率の向上」の達成に向けて、主力製品の普及の最大化及び新製品の早期普及に取り組みました。喘息治療配合剤「フルティフォーム」では処方患者数の増加に努め、平成29年12月に長期処方が可能(新医薬品の投薬期間制限解除)となったアレルギー性疾患治療剤「デザレックス」では市場浸透、処方の拡大に注力した結果、両製品はともに想定どおり伸長しました。他方、平成28年度に特許満了を迎えた気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」及び、長期収載品である気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」等の売り上げが減少し、売上高は547億98百万円(前年同期比14.5%減)となりました。

〔新医薬品(海外)〕

「FPR2作動薬プログラム(導出先:米国ブリストル・マイヤーズスクイブ社)」の開発進展に伴う一時金収入が計上され、広範囲抗菌点眼剤「ガチフロキサシン(導出先:米国アラガン社)」に関わる収入も前年を上回ったことから、売上高は31億04百万円(前年同期比969.3%増)となりました。

〔後発医薬品〕

杏林製薬㈱の主力製品である気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」の特許満了に対応し、平成28年9月にキョーリン リメディオ㈱より発売した「モンテルカスト錠10㎎・5㎎「KM」」(杏林製薬㈱とMSD㈱が販売している「キプレス」及び「シングレア」のオーソライズド・ジェネリック)の売り上げが大幅に増加し、売上高は205億82百万円(前年同期比13.7%増)となりました。

以上の結果、当セグメントの売上高は784億84百万円(前年同期比4.9%減)となり、セグメント利益は73億08百万円(前年同期比3.3%増)となりました。

 

生産部門の取り組みとして、平成29年10月に新生産子会社としてキョーリン製薬グループ工場㈱(東京都千代田区)を設立したことに続き、同12月に開催した当社取締役会において、平成30年4月1日(予定)に、当社連結子会社である杏林製薬㈱の能代工場及び、キョーリン リメディオ㈱の生産本部、キョーリン製薬グループ工場㈱※2(滋賀県甲賀市)を新生産子会社に統合し、グループの生産機能を集約することを決議しました。中期経営計画の重点戦略の1つである「ローコスト強化:グループ内最適化によるコスト構造の変革」のもと、グループ内生産の協業による全体最適化を推進します。

※2:キョーリン製薬グループ工場㈱(滋賀県甲賀市)は、吸収合併により消滅会社となる予定です。

 

②ヘルスケア事業

中期経営計画に掲げる育成戦略「環境衛生の事業成長と既存事業との連携強化により核となる事業を作る」の達成に向けて、環境衛生における製品ラインアップ拡充と売り上げ拡大に努めました。主要製品である環境除菌・洗浄剤「ルビスタ」、哺乳びん・乳首・器具等の消毒剤「ミルトン」の伸長に加えて、日本エア・リキード㈱との販売業務提携によって平成29年3月から取り扱いを開始した手指衛生製品群が寄与し、環境衛生・一般用医薬品他の売り上げは前年を上回る実績で推移しました。他方、ドクタープログラム㈱の全株式を大正製薬㈱に平成29年4月1日付けで譲渡したことから、スキンケア製品の売り上げは減少しました。

以上の結果、当セグメントの売上高は44億38百万円(前年同期比2.6%増)となり、セグメント利益は2億32百万円(前年同期比583.2%増)となりました。

 

 

(2)財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して26億55百万円増加し、

1,953億23百万円となりました。このうち、流動資産は1,198億92百万円と前連結会計年度末と比較して63億74百万円の減少となりました。主な増減要因は、現金及び預金の減少18億37百万円、受取手形及び売掛金の増加13億12百万円、有価証券の減少46億07百万円、原材料及び貯蔵品の増加7億13百万円、流動資産のその他の減少10億64百万円等によるものです。また、固定資産は754億31百万円と前連結会計年度末と比較して90億30百万円の増加となりました。主な増減要因は、無形固定資産の増加6億03百万円、投資有価証券の増加88億90百万円等によるものです。

負債総額は、前連結会計年度末と比較して16億37百万円減少し、331億93百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金の減少8億65百万円、短期借入金の減少3億63百万円、賞与引当金の減少14億58百万円、流動負債のその他の増加8億14百万円、長期借入金の増加6億64百万円、繰延税金負債の増加7億81百万円、固定負債のその他の減少10億45百万円等によるものです。

純資産は、前連結会計年度末と比較して42億92百万円増加し、1,621億29百万円となりました。主な増減要因は、利益剰余金の増加17億86百万円、その他有価証券評価差額金の増加15億09百万円等によるものです。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費は100億51百万円(前年同期比7.4%減)となりました。

新薬メーカーにとっては、未だ数多く存在するアンメットメディカルニーズに応え、世界の人々の健康に貢献する革新的な新薬を継続的に創出し、届けることが使命です。杏林製薬㈱では、オリジナル新薬の創製こそが真の成長の原動力であり、新薬事業の強化が当社グループの存在意義を高め、持続成長に結びつくとの認識に基づき、自社創薬及び導入品の開発等を進め、特定領域(呼吸器科・耳鼻科・泌尿器科)における開発パイプラインの拡充、新薬の早期開発に最大限注力しています。

医療用医薬品事業における国内開発の進捗状況としましては、喘息治療配合剤「KRP-108P」のPhⅢ臨床試験(小児適応拡大)を平成29年6月より開始しました。また、過活動膀胱治療剤「KRP-114V」について平成29年9月に厚生労働省へ製造販売承認申請を提出しました。

導出品の進捗状況としましては、当第3四半期連結会計期間に、導出先であるブリストル・マイヤーズスクイブ社が「FPR2作動薬プログラム」のPhⅠ臨床試験を開始しました。免疫調節剤「KRP-203」については、導出先であるノバルティスが開発戦略上の視点から開発中止を決定したため、同社に付与している開発権等の返還を受けることになりました。