第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当期における国内医薬品業界は、消費税増税に伴う薬価改定(業界平均:2.4%)が10月に実施されるとともに、薬剤費抑制を推進する次期薬価制度改革(2020年4月実施)についてもその骨子が固まり、厳しい市場環境が継続しました。

こうした環境の下、長期ビジョン「HOPE100(~2023年度)」の実現に向けて策定した中期経営計画「HOPE100-ステージ2-(2016年度~2019年度)」の最終年となる今年度、当社グループは経営方針に「やり抜く力の発揮による変革の実行」を掲げ、最後まであきらめないマインドを持ち、目標達成に最大限注力するとともに持続成長に向けた成長軌道の獲得に邁進しています。中核事業である医療用医薬品事業においては、グローバルな競争力があるオリジナル新薬の創製、切れ目のない新薬の創出、新薬による市場の創造を最重要課題として捉え、重点的に取り組んでいます。また周辺事業の成長加速及びローコストオペレーションの全社的な推進により収益力の向上を図ることにより、成果目標の達成とステークホルダーの皆様からの支持、評価の向上に努めています。

当第3四半期連結累計期間における売上高は、医療用医薬品事業において新医薬品(国内)では主力製品の伸長、及び昨年度発売した新製品の売上寄与があったものの、長期収載品の売り上げ減少、並びに主力製品の供給再開時期及び新製品の上市時期が当初予想から遅れた影響により前年を下回る実績で推移しました。他方、後発医薬品では新たなオーソライズド・ジェネリックの発売により売り上げは増加しましたが、医療用医薬品事業合計としては減収となりました。ヘルスケア事業の実績は横ばいで推移し、全体として売り上げは前年同期比34億02百万円減(前年同期比4.1%減)の786億14百万円となりました。

利益面では、売り上げの減少等により売上総利益が前年同期に対して17億37百万円減少しました。販売費及び一般管理費は、前年同期に対して2億15百万円減少(内、研究開発費1億50百万円減)し、営業利益は52億71百万円と前年同期比15億22百万円の減益(前年同期比22.4%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、43億74百万円(前年同期比14.4%減)となりました。

 

当第3四半期連結累計期間の業績

売上高        786億14百万円(前年同期比  4.1%減)

営業利益        52億71百万円(前年同期比 22.4%減)

経常利益        58億36百万円(前年同期比 18.1%減)

親会社株主に帰属する

四半期純利益      43億74百万円(前年同期比 14.4%減)

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

①医療用医薬品事業

〔新医薬品(国内)〕

薬価制度改革により国内医療用医薬品の市場構造が急速に変化する中、杏林製薬㈱は特定領域(呼吸器科・耳鼻科・泌尿器科)の医師、医療機関に営業活動を集中するFC(フランチャイズカスタマー)戦略をベースとした独自のエリアマネジメントによる営業活動を展開しています。当第3四半期連結累計期間におきましては、中期経営計画の重点戦略に掲げる「新薬群比率の向上」の実現に向けて、主力製品の普及の最大化に取り組みました。喘息治療配合剤「フルティフォーム」は順調に伸長し、2019年12月より長期処方が可能(新医薬品の投薬期間の制限解除)となった選択的βアドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤「ベオーバ」の売り上げも前年同期を大幅に上回りました。一方で、同年11月より供給を再開しました持続性選択H1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」の供給停止の影響、及び消費税増税に伴う薬価改定(杏林製薬㈱ 改定率3%台)、長期収載品である気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」等の売り上げ減少により、売上高は509億60百万円(前年同期比8.2%減)となりました。

 

〔新医薬品(海外)〕

杏林製薬㈱において、広範囲抗菌点眼剤「ガチフロキサシン(導出先:米国アラガン社)」に関わる収入が前年を上回るとともに、韓国Jeil(ジェイル)社と締結した過活動膀胱治療剤「ビベグロン」に関わるライセンス契約の一時金収入等を売り上げに計上したことから、売上高は12億24百万円(前年同期比94.5%増)となりました。

 

    〔後発医薬品〕

2019年8月に販売を開始したモメタゾン(ナゾネックスのオーソライズド・ジェネリック)の売り上げが寄与し、売上高は220億38百万円(前年同期比2.8%増)となりました。

 

以上の結果、当セグメントの売上高は742億23百万円(前年同期比4.4%減)となり、セグメント利益は47億02百万円(前年同期比25.5%減)となりました。

 

②ヘルスケア事業

中期経営計画に掲げる育成戦略「環境衛生の事業成長と既存事業との連携強化により核となる事業を作る」を推進し、主要製品である環境除菌・洗浄剤「ルビスタ」は前年を上回る実績で推移しましたが、哺乳びん・乳首・器具等の消毒剤「ミルトン」の売り上げが減少し、当セグメントの売上高は43億90百万円(前年同期比0.6%減)となり、セグメント利益は4億65百万円(前年同期比172.1%増)となりました。

 

(2)財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して3億03百万円減少し、

1,727億31百万円となりました。このうち、流動資産は1,160億37百万円と前連結会計年度末と比較して11億33百万円の増加となりました。主な増減要因は、現金及び預金の増加20億77百万円、受取手形及び売掛金の減少84億05百万円、商品及び製品の増加46億50百万円、仕掛品の増加21億31百万円、原材料及び貯蔵品の増加13億96百万円、流動資産のその他の減少7億25百万円等によるものです。また、固定資産は566億94百万円と前連結会計年度末と比較して14億36百万円の減少となりました。主な増減要因は、投資有価証券の減少11億18百万円等によるものです。

負債総額は、前連結会計年度末と比較して2億93百万円増加し、499億32百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金の増加7億65百万円、短期借入金の減少103億99百万円、未払法人税等の減少4億55百万円、賞与引当金の減少10億02百万円、流動負債のその他の増加14億29百万円、長期借入金の増加99億51百万円等によるものです。

純資産は、前連結会計年度末と比較して5億96百万円減少し、1,227億99百万円となりました。主な増減要因は、その他有価証券評価差額金の減少7億77百万円等によるものです。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費は75億84百万円(前年同期比1.9%減)となりました

新薬メーカーにとって、未だ数多く存在するアンメットメディカルニーズに応え、世界の人々の健康に貢献する革新的な新薬を継続的に創出し、届けることが使命です。杏林製薬㈱は、オリジナル新薬の創製こそが真の成長の原動力であるとの認識に基づき、自社創薬に国内外の製薬企業、アカデミア、ベンチャー企業とのオープンイノベーションを加えることで、既存の創薬プラットフォームの活性化を進めるとともに新技術(核酸、ペプチド、遺伝子治療など)の応用・育成に努めています。更に外部創薬テーマの積極的な探索・導入を行うことにより、ファースト・イン・クラス創薬に向けた活動を展開しています。

当第3四半期連結累計期間における国内開発の状況としては、2019年9月に厚生労働省より製造販売承認を取得していたキノロン系経口抗菌剤「KRP-AM1977X(製品名:ラスビック錠75mg)」を2020年1月に新発売いたしました。また申請準備中の段階にある開発パイプライン(キノロン系注射用抗菌剤「KRP-AM1977Y」、間質性膀胱炎治療剤「KRP-116D」)のうち、「KRP-AM1977Y」については、同年10月に製造販売承認申請を行いました。

なお杏林製薬㈱は、2020年1月にaTyr(エイタイヤー)社と新規免疫調節薬「ATYR1923」に関するライセンス契約を締結し、間質性肺疾患を対象とする本剤の日本における開発、販売に関する独占的権利を取得しました。当社グループは、ライセンシング活動により、今後とも開発パイプラインの拡充に努めてまいります。

また杏林製薬㈱は、2018年3月に株式会社三和化学研究所と夜間多尿による夜間頻尿治療薬「KRP-N118/SK-1404」に関するライセンス契約を締結し、同化合物の開発(開発ステージ:後期第Ⅱ相臨床試験)を実施してまいりましたが、この度、当初設定していた製品プロファイルの実現が難しいとの判断に至り、同化合物の開発を中止するとともに、同化合物に関する同社との契約関係の解消を決定いたしました。

 

3【経営上の重要な契約等】

(1)当第3四半期連結会計期間において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。

外国会社への技術導出

契約会社名

契約品目

相手方の名称

国名

対価

契約年

契約期間

杏林製薬㈱

(連結子会社)

ビベグロン

ジェイル社

韓国

契約一時金

販売マイルストーン

一定料率のロイヤルティー

2019

契約締結日から対象特許満了、または発売日から10年経過のいずれか遅い日

(自動更新)

 

(2)当第3四半期連結会計期間末後四半期報告書提出日現在までにおいて、新たに締結した重要な契約は

次のとおりであります。

外国会社からの技術導入

契約会社名

契約品目

相手方の名称

国名

対価

契約年

契約期間

杏林製薬㈱

(連結子会社)

新規免疫調整薬

エイタイヤー社

アメリカ

契約一時金

開発マイルストーン

販売マイルストーン

一定料率のロイヤルティー

2020

契約締結日からエイタイヤー社に対するロイヤルティーの支払義務が終了するまで

 

(3)当第3四半期連結会計期間末後四半期報告書提出日現在までにおいて、重要な変更のあった契約は

次のとおりであります。

内国会社との販売契約(導入)

契約会社名

契約品目

相手方の名称

契約年

契約期間

杏林製薬㈱

(連結子会社)

手指衛生製品群

日本エア・リキード合同会社

2017

2020年3月31日まで

(注)契約期間を「2019年12月31日まで(自動更新)」から「2020年3月31日まで」に変更しております。

 

(4)当第3四半期連結会計期間末後四半期報告書提出日現在までにおいて、解約した契約は次のとおりであります。

内国会社との販売契約(導入)

契約会社名

契約品目

相手方の名称

契約年

契約期間

杏林製薬㈱

(連結子会社)

KRP-N118

株式会社三和化学研究所

2018

契約締結日から対象特許満了または発売日から10年のいずれか長い方

(自動更新)