第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当社グループは、2022年3月期 第1四半期連結会計期間の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しました。このため、比較対象となる前第2四半期連結累計期間の収益認識基準が異なることから、当第2四半期連結累計期間の経営成績については、前第2四半期連結累計期間と比較しての増減額及び前年同期比(%)は記載せず説明しております。なお「収益認識に関する会計基準」等の適用による営業損失及び経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益への影響はありません。詳細は「第4 経理の状況 1.四半期連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)」をご参照ください。

 

当第2四半期連結累計期間における医薬品業界は、薬価制度改革の基本方針に沿って2021年4月に実施された薬価改定及び新型コロナウイルス感染症による受診抑制等の影響を受けたものの、医療用医薬品市場は1桁台前半の成長で推移しました。

このような環境の中、当社グループは長期ビジョン「HOPE100」の実現に向けて、2021年3月期にスタートした中期経営計画「HOPE100 -ステージ3-(2020年度~2023年度)」のもと、2022年3月期の経営方針に「オリジナリティーの追求に向けた“見極め”」を掲げ、新薬群の成長加速、開発パイプラインの拡充、創薬のスピード向上、コスト競争力の向上に積極的に取り組みました。

 

当第2四半期連結累計期間における売上高は、薬価改定(杏林製薬㈱6%台)及び新型コロナウイルス感染症の影響等により、当社グループが重点領域とする呼吸器科・耳鼻科等の医療用医薬品市場はマイナス成長となったものの、積極的な普及促進によって新薬群が伸長するとともに、一部の後発医薬品企業の品質問題に端を発した製品の供給不安の影響によって主要な長期収載品の売り上げが増加し、新医薬品等(国内)は前年同期を上回る実績となりました。また後発医薬品の売り上げも増加し、全体の売り上げは491億02百万円(前年同期は477億35百万円)となり、予想を上回る実績で推移しました。

利益面では、原価率が上昇したことにより売上総利益は223億69百万円(前年同期は248億22百万円)と前年同期に対して減少しました。他方、販売費及び一般管理費は、慢性咳嗽治療薬の導入に関わる契約一時金を計上したもののコスト削減等により、224億38百万円(前年同期は233億20百万円)と前年同期に対して減少しました(内、研究開発費:43億64百万円、前年同期は52億00百万円)。これらの結果、営業損失は68百万円(前年同期は営業利益15億02百万円)、経常利益は2億85百万円(前年同期は18億13百万円)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億21百万円(前年同期は21億18百万円)となりました。

 

当第2四半期連結累計期間の業績

売上高      491億02百万円(前年同期は477億35百万円)

営業損失         68百万円(前年同期は営業利益15億02百万円)

経常利益       2億85百万円(前年同期は 18億13百万円)

親会社株主に帰属する

四半期純利益     1億21百万円(前年同期は 21億18百万円)

 

売上高の状況につきましては、以下のとおりです。

〔新医薬品等(国内)〕

継続的に実施される薬剤費抑制策により、国内医療用医薬品事業を取り巻く環境は一層厳しさを増しています。この急速な環境変化に対応すべく、杏林製薬㈱はFC(フランチャイズカスタマー)戦略を推進するとともに、ソリューション提供型営業活動(課題解決策の提案)への変貌を現中期経営計画の重点戦略に掲げ、事業を展開しています。当第2四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染症の流行が継続する中、各医療機関の意向に沿ってMRの訪問面談の自粛等を行う一方、従来の面談に加え、デジタルチャネルを多面的に活用した情報提供を積極的に行うことで営業力の補完・強化を図り、新薬群の成長加速に取り組みました。その結果、主力製品である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」、ニューキノロン系抗菌剤「ラスビック」は伸長しました。また一部の後発医薬品企業のGQP※1・GMP※2違反と行政処分、その結果として発生した製品の供給不安が影響し、長期収載品である潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」等の売り上げが増加したため、売上高は332億79百万円(前年同期は328億57百万円)となりました。

※1:医薬品等の品質管理の基準、※2:医薬品等の製造管理および品質管理の基準

診断事業に関わる取り組みとしては、マイクロ流路型遺伝子定量装置「GeneSoC®」の普及と試薬の安定供給に努めるとともに、新型コロナウイルス検出用のPCR前処理キットを2021年7月に発売し、新型コロナウイルス感染症の診断におけるPCR検査の時間短縮等、検査体制の充実に向け、より一層の貢献を目指しました。

 

〔新医薬品(海外)〕

ガチフロキサシンの売上が増加したものの、前年度に計上した免疫調節薬「開発コード:KRP-203」に関わる知的財産等の譲渡(譲渡先:プリオセラ社、本社:アイルランド)による売り上げの反動減により、売上高は3億42百万円(前年同期は5億27百万円)となりました。

 

〔後発医薬品〕

キプレスのオーソライズド・ジェネリック(以下、AG)等、AG3製品の実績が前年を上回るとともに、2021年6月に発売した追補収載品の売り上げが寄与し、売上高は154億81百万円(前年同期は143億51百万円)となりました。

昨今、後発医薬品について品質や安定供給をめぐる問題が相次ぐなか、当社グループでは杏林製薬㈱、キョーリン リメディオ㈱、キョーリン製薬グループ工場㈱の全ての子会社が一丸となって、GMPなどの法令遵守の徹底及び品質管理体制のより一層の強化に努めています。今後とも、医療用医薬品に関わる製造・品質管理につきましては、信頼性の確保に最大限注力し、高品質で安心・安全な製品の提供を推進します。

 

(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況

①財政状態の状況

当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して27億17百万円減少し、

1,644億08百万円となりました。このうち、流動資産は1,128億11百万円と前連結会計年度末と比較して12億15百万円の減少となりました。主な増減要因は、現金及び預金の増加45億42百万円、受取手形及び売掛金の減少57億29百万円、商品及び製品の減少20億60百万円、原材料及び貯蔵品の増加24億76百万円等によるものです。また、固定資産は515億97百万円と前連結会計年度末と比較して15億02百万円の減少となりました。主な増減要因は、有形固定資産の減少6億97百万円、投資有価証券の減少6億08百万円等によるものです。

負債総額は、前連結会計年度末と比較して16百万円増加し、424億80百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金の増加19億28百万円、流動負債のその他の減少12億82百万円等によるものです。

純資産は、前連結会計年度末と比較して27億34百万円減少し、1,219億27百万円となりました。主な増減要因は、利益剰余金の減少24億94百万円、その他有価証券評価差額金の減少4億93百万円等によるものです。

 

②キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、94億32百万円の収入(前年同期比18億68百万円収入の減少)であり、これは主に減価償却費18億31百万円、売上債権の減少57億30百万円、仕入債務の増加19億28百万円、法人税等の支払額8億30百万円によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、19億07百万円の支出(前年同期比12億66百万円支出の減少)であり、これは主に有形固定資産の取得による支出17億31百万円、投資有価証券の取得による支出6億07百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入3億00百万円によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、27億76百万円の支出(前年同期比53百万円支出の減少)であり、これは主に配当金の支払額26億06百万円によるものです。

この結果、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して48億22百万円増加し、312億98百万円となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はあ
りません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

当第2四半期連結累計期間の研究開発費は43億64百万円(前年同期は52億00百万円)となりました。

未だ数多く存在するアンメット・メディカル・ニーズに応え、世界の人々の健康に貢献する新薬を継続的に創出し、普及させることが新薬メーカーの使命だと考えています。杏林製薬㈱は、自社創薬に国内外の製薬企業、アカデミア、ベンチャー企業とのオープンイノベーションを加えることで、創薬プラットフォームの活性化を進めるとともに、新技術(核酸、ペプチド等)の応用・育成に取り組みました。また外部創薬テーマの積極的な探索・導入の検討を行い、ファースト・イン・クラス創薬に向けた活動を展開しました。

当第2四半期連結累計期間における国内外開発の状況としては、2021年1月に製造販売承認を取得した間質性膀胱炎治療剤「ジムソ膀胱内注入液50%」について、同年4月に新発売いたしました。また重症化リスクを有するライノウイルス感染症治療薬「開発コード:KRP-A218」について、同年4月より健康成人を対象とする第Ⅰ相臨床試験を英国で開始しました。開発パイプライン拡充の取り組みとしては、MSD㈱が製造販売承認を申請している慢性咳嗽治療薬「ゲーファピキサントクエン酸塩」について、杏林製薬㈱が日本国内における独占的販売権を取得する契約を同年4月に締結いたしました。

また前立腺肥大症治療薬「開発コード:AKP-009」(あすか製薬㈱と共同開発及び販売等に関する契約を2020年9月に締結)につきましては、導入元のあすか製薬㈱が前期第Ⅱ相臨床試験の結果を踏まえ、本剤の最大効果を確認するために、より高用量での検討が必要と考え、2021年9月に追加の第Ⅰ相臨床試験を開始しました。

 

3【経営上の重要な契約等】

  当第2四半期連結会計期間において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。

外国会社からの技術導入

契約会社名

契約品目

相手方の名称

国名

対価

契約年

契約期間

杏林製薬㈱

(連結子会社)

メサラジン

フェリング・プライベート社

シンガポール

一定料率のロイヤルティー/供給価格

2021

契約締結日から2031年12月31日まで