文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、企業理念「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を遂行します」を掲げています。その具現に向けて、長期ビジョン「HOPE100(Aim for Health Of People and our Enterprises)」のもと、中長期的な企業価値向上の視点をもち、健全かつ持続的に成長する「健康生活応援企業」への進化を目指しています。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題
当社グループは、中核子会社である杏林製薬㈱の創業100周年に当たる2023年を見据えた長期ビジョン「HOPE100」を策定し、対象期間(2010年度~2023年度)を3つのステージに分け、2020年度より長期ビジョンの総仕上げとして中期経営計画「HOPE100-ステージ3-(2020年度~2023年度)」を推進しています。
医療用医薬品事業を取り巻く外部環境は、医療費・薬剤費抑制策のさらなる強化、新薬の創出難易度の高まり、情報提供活動の変化とチャネルの多様化、新型コロナウイルス感染症拡大による受診抑制など、急速な変化により、一層厳しさを増しています。他方、当社グループの内部環境としましては、成長ドライバーとして期待する新薬群が予定通り上市されたことに加え、2022年度は主力製品の限定出荷(出荷調整)解除や新たな製品を上市する等、成長期を迎えたものと捉えています。また将来を見据え育成に取り組む診断事業等の新たな事業が芽吹きつつあります。このような状況下、中期経営計画「HOPE100-ステージ3-」では、ステートメントとして「オリジナリティーの追求による成長トレンドの実現」を掲げ、長期ビジョン達成に向けて、5つの事業戦略と組織化戦略を推進し、成果目標の達成に邁進しています。
①キョーリン製薬グループの目指す具体的な姿(Vision)
革新的新薬の創製で世界に認められる企業を目指すために、新薬事業、ジェネリック医薬品事業、感染関連事業(感染症の予防・診断・治療)を複合的に展開し、人々の健康を幅広く応援する企業を実現します。
②事業戦略(Strategy)
⒜ソリューション提供型への変貌と新薬群の成長加速
⒝中期的な成長を支える、パイプラインの拡充
⒞革新的新薬の創製を実現する、創薬力の強化
⒟コスト競争力の向上
⒠海外収益の拡大
③組織化戦略(Organization)
当社グループは、長期ビジョンにおいて、社員を大切にし人と組織を活力化することを、事業戦略として遂行し、また成果を具現するための最重要課題として位置付けています。「ステージ3」におきましても、社員にとって「働きがいNo.1企業」の実現を目指し、人材マネジメントの基本方針のもと、働き方改革を推進するとともに、次世代の人材育成・獲得の強化に取り組みます。
④目標とする経営指標(Performance)
⒜数値目標(連結ベース)
成長性:「売上高」年平均成長率+5%以上
収益性:「研究開発費控除前 営業利益(営業利益+研究開発費)」対売上高20%以上
⒝資本政策と株主還元
資本政策としましては、健全な財務基盤を維持しつつ成長投資と株主還元を通じて、資本効率の向上を図ることを基本方針とします。株主還元につきましては、DOE(株主資本配当率)を勘案して、安定した配当を目指します。詳細は、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」をご覧ください。
[中期経営計画「HOPE100-ステージ3-」の進捗と2022年度(2023年3月期)の取り組み]
中期経営計画「HOPE100-ステージ3-(2020~2023年度)」の2年目となる2021年度は、経営方針に「オリジナリティーの追求に向けた”見極め”」を掲げ、4つの重点項目として、①新薬群の成長加速、②開発パイプラインの拡充、③創薬スピード向上、④コスト競争力の向上に取り組み、成長トレンドへの転換を目指しました。
新薬群の成長加速では、主力製品である喘息治療配合剤「フルティフォーム」の普及の最大化とともに、持続性選択H1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」、ニューキノロン系抗菌剤「ラスビック」の早期の市場浸透に注力しました。当該年度は、薬価改定等の薬剤費抑制策及び新型コロナウイルス感染症拡大による受診抑制の影響により、当社グループが重点領域とする呼吸器科、耳鼻科等の医療用医薬品市場がマイナス成長で推移したものの、効率的な製品の普及促進に努めたことにより新薬群が伸長し新医薬品等(国内)は前年度に対して横ばいとなりました。2022年度は、コロナ禍でのMR活動について、従来の訪問による面談に加えてデジタルチャネルを活用した情報提供活動を複合的かつ積極的に行い、新薬群4製品の成長加速に最大限、注力いたします。
開発パイプラインの拡充では、間質性肺疾患治療薬「開発コード:KRP-R120」の第Ⅰ相臨床試験入り、間質性膀胱炎治療剤「ジムソ膀胱内注入液50%」の新発売など、開発パイプラインの確実な相移行を達成できました。さらに日本国内における独占的販売権を取得した選択的P2X3受容体拮抗薬/咳嗽治療薬「リフヌア錠45㎎(一般名:ゲーファピキサントクエン酸塩)」について、導入元であるMSD㈱が製造販売承認を取得し、杏林製薬㈱が2022年4月より販売を開始しました。他方、「FPR2作動薬プログラム」については、導出先であるブリストル・マイヤーズスクイブ社(本社:米国)が開発戦略上の視点から開発中止を決定したため、同社に付与していた開発権等の返還を受けることになりました。2022年度は、「FPR2作動薬プログラム」の新たな導出先の探索に向けた活動を検討するとともに、積極的なパートナリング活動を推進し、開発パイプラインの拡充に取り組みます。
創薬プロジェクトの拡充では、わたらせ創薬センターとActivX社の連携による自社創薬に国内外の製薬企業、アカデミア、ベンチャー企業とのオープンイノベーションを加えることで、創薬プラットフォームの活性化を進めるとともに、核酸等の新技術の応用・育成に取り組みました。また、ルーメン社(本社:米国)とスピルリナ遺伝子組み換え技術に関する共同研究契約を締結しました。2022年度は、同社との共同研究により、重点領域において経口投与で安全性の高いバイオ医薬品の開発候補品の取得を目指します。今後も創薬テーマの選択と集中を進めるとともに、線維症研究及びキナーゼ研究における重層的なプログラム開発、外部創薬テーマの積極的な探索・導入を行い、ファースト・イン・クラス創薬に向けた活動を展開します。
コスト競争力の向上では、ジェネリック医薬品事業における新たな営業体制を構想するとともに、追補収載品の自社開発の強化に努めました。またキョーリン製薬グループ工場㈱は、新医薬品・後発医薬品の安定供給と低コストの実現に取り組むなか、医薬品の生産数量の増加に伴い、当社グループ全体として製品供給能力の強化が必要となったことから、高岡新工場の建設を決定しました。今後は、2024年4月(予定)の稼働に向け高岡新工場の建設を強力に推し進めるとともに、安定供給と低コスト生産を実現する製造体制の構築を目指します。
昨今、ジェネリック医薬品について品質や安定供給をめぐる問題が相次ぐ中、当社グループでは全ての子会社が一丸となって、GMP※などの法令遵守の徹底を図るとともに、品質管理体制のより一層の強化に努めました。今後とも、医療用医薬品に関わる製造・品質管理につきましては、信頼性の確保に最大限注力し、高品質で安心・安全な製品の提供を推進します。
※:医薬品等の製造管理及び品質管理の基準
売上高については、新型コロナウイルス感染症の拡大による受診抑制、MR活動の自粛等の影響はあったものの、主力製品「ラスビック」「デザレックス」等の伸長、長期収載品の売上増加、ジェネリック医薬品の続伸により、当該年度の当初予想を達成することができました。しかしながら、当中期経営計画における経営指標 「売上高」年平均成長率+5%については未達となっており、今後は、2023年3月期の数値目標達成に向けて積極的に取り組みます。
[杏林製薬株式会社の吸収合併及び商号の変更]
当社グループを取り巻く事業環境としましては、新薬創製の難易度が高まり膨大な研究開発投資が必要となるだけでなく、幅広い製品を対象とした薬価改定が毎年実施され、当社グループの経営に多大な影響を与えることが予想されます。
このような急激な環境変化と当社の置かれた状況に鑑み、事業推進機能及び経営効率の向上を図ることを目的として、当社グループが創業100周年を迎える2023年度にグループ体制の刷新を行うことにしました。当社は、2023年4月1日付で当社グループの主たる事業子会社である杏林製薬㈱を当社に吸収合併するグループ内再編により純粋持株会社体制から事業持株会社体制に移行するとともに、同日付で当社の商号を「杏林製薬株式会社」に変更します。当社グループは、新たに杏林製薬㈱を中心とする事業持株会社体制に刷新することで、新薬事業をグループ経営の中核に据えて強力に推進するとともに、ジェネリック医薬品事業、感染関連事業、医薬品製造受託事業を複合的に展開し、次の100年に向けて更なる飛躍を目指します。
[新型コロナウイルス感染症による影響]
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症による事業環境の変化に対応すべく、在宅勤務・時差出勤の実施、営業活動の自粛等の対策を講じました。また出社が必要な生産部門等の業務では、従業員の健康に配慮した対策を取りつつ業務を継続し、製品の安定供給に努めました。今後とも、従業員の安心・健康に留意しつつ事業を行います。
当社グループの事業活動は、新型コロナウイルス感染症拡大による受診抑制等の影響により、杏林製薬㈱の重点領域とする医療用医薬品市場(呼吸器科、耳鼻科、感染症等)がマイナス成長で推移したものの、各医療機関の意向に沿ってMRによる訪問面談の自粛等を行う一方、デジタルチャネルの活用等、効率的な製品普及の促進に努めたことにより新薬群が伸長し、主要な長期収載品の売り上げが増加したため、連結売上高予想を達成しました。研究開発活動においては、一部の創薬プロジェクトに影響を及ぼしたものの、開発スケジュールに大きな遅延はありませんでした。生産及び原材料等の調達では、安定供給するため原材料、資材の調達管理を強化し、影響が出るには至っておりません。
なお業績予想について、新型コロナウイルス感染症の影響は一定程度、織り込んでおりますが、不透明な事業環境の中、各部門での動向・影響を注視するとともに業績予想の修正が必要になった際には速やかに公表します。
[ロシア・ウクライナ情勢による影響等]
当社グループは、中核事業である医療用医薬品事業を主に日本で展開しており、ロシア・ウクライナ情勢による業績への影響は軽微と見込んでおります。しかしながら、医療用医薬品の原材料を輸入している当社グループにとって、ロシア・ウクライナ情勢の継続は、原油高・エネルギー価格の上昇及び輸送費(航空貨物・船舶貨物等)の高騰による原材料費のコスト上昇、サプライチェーンの混乱による供給の遅延等、事業に影響を及ぼす可能性があります。引き続きグローバルな政治的、経済的な先行きにつきましては注視していきます。
当社グループにおきましては、薬事行政の下、薬機法をはじめとする医薬品の開発、製造、流通等の諸規制及び海外における各国の各種規制を遵守して事業を推進しております。しかしながら、関係法令の大幅な改定や医療制度改革、市場環境の急激な変化、大規模な自然災害などの要因により、経営成績及び財務状態に重要な影響を与えるリスクがあると認識しております。
当該リスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。当社グループでは、これらのリスクに関し、組織的・体系的に対処することとしておりますが、影響を及ぼすリスクや不確実性はこれらに限定されるものではありません。
リスク管理体制につきましては、「第4提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 3.企業統治に関するその他の事項 1)内部統制システム及びリスク管理体制等の整備状況②」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①研究開発に関するリスク
医療用医薬品の開発には、多額の研究開発投資と長い期間が必要なうえ、開発候補品が医薬品として上市できる確率も決して高くはありません。当社子会社である杏林製薬㈱では、重点研究領域を明確化し、「わたらせ創薬センター」と「ActivX Biosciences,Inc.」の連携による自社創薬に、国内外の製薬企業・アカデミア・ベンチャー企業とのオープンイノベーションによる研究開発を加えて、パイプラインの拡大に努めております。しかしながら、開発候補品に予期せぬ副作用の発現や期待する臨床効果が確認できない等の理由で、開発遅延や開発中止となった場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
②医療制度改革に関するリスク
日本国内におきましては、医療用医薬品の薬価改定を含む医療制度改革が実施されております。当社グループでは、営業面におきましては新医薬品の普及の最大化による新医薬品比率の向上、また、生産面におきましては当社グループの生産機能を集約し全体最適化によるコスト構造の変革等に取り組んでおります。しかしながら、予測可能な範囲を超えた薬価改定や医療保険制度の改定が実施された場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
③安定供給に関するリスク
当社グループの製品及び原材料の一部は、特定の取引先にその供給を依存しております。製品の安定供給のため、一定量の製品及び原材料の確保をしており、また、重要原料については複数の供給元の確保に努めております。しかしながら、想定外の事象の発生により製造活動や仕入が遅延又は停止した場合、製品の安定供給に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、医薬品は各種法規制の下で製造しておりますが、品質等に問題が発生し製品の回収等を行うことになった場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
④他医薬品との競合に関するリスク
新医薬品事業では「呼吸器科」「耳鼻科」「泌尿器科」などの特定領域に経営資源を注力し、専門医への情報提供活動を重点的に実施することにより、上記領域におけるプレゼンスの向上を図っております。また、後発医薬品事業ではオーソライズドジェネリックの上市を積極的に推進し、当社グループの特色を活かした事業展開を図っております。しかしながら、同領域の他社製品との競合や先発医薬品の特許切れ後のジェネリック医薬品の参入が激化した場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑤ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク
当社グループでは、業務上ITシステムを多数利用していることから、セキュリティソフトの導入、定期的データバックアップの実施、ならびに各種情報管理規程を制定し従業員に周知徹底することでITセキュリティ対策、情報管理体制の構築を図っております。しかしながら、システムの不備やコンピューターウィルス、サイバー攻撃等の要因により、予期せぬ業務の妨害や情報等の外部流出により社会的信用を著しく毀損した場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります
⑥知的財産権に関するリスク
当社グループでは知的財産権を厳しく管理し、第三者からの侵害にも継続的に注意を払っております。しかしながら、第三者による当社知的財産権の侵害により被害を受けた場合、また、当社グループの事業活動が他社知的財産権を侵害した場合に、事業の中止・係争の可能性があります。その場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑦訴訟に関するリスク
当社グループが国内外で事業活動を行う過程における特許等の知的財産権、製造物責任(PL法)、環境保全、労務などに関連する訴訟リスクについては、専門家の助言を踏まえながら対応を行っております。しかしながら、これらに関連する訴訟が提起された場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑧アライアンスに関するリスク
当社グループでは、外部資源の有効活用を目的としてアライアンス戦略を推進し、国内外の製薬企業等と販売委託・共同販売・共同研究等の提携を行っております。また、提携先の販売戦略や研究開発動向をふまえた関係性の向上を図り、継続的提携関係の維持・発展に努めております。しかしながら、これらの提携関係を解消することになった場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑨副作用発現に関するリスク
医薬品の開発段階での臨床試験は、限られた被験者を対象に実施されております。市販後に予期せぬ副作用が発現した場合、使用方法が制限される可能性や場合によって販売を中止する可能性があり、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑩大規模災害等に関するリスク
当社グループでは、大規模災害等に備え、各種対応マニュアルを作成し、訓練を実施しております。しかしながら、想定している以上の地震、台風などの自然災害、火災などの事故及びインフルエンザ、新型コロナウイルス等のパンデミックが発生した場合、当社生産子会社であるキョーリン製薬グループ工場㈱や調達先等において工場の閉鎖・操業停止が考えられます。製品の安定供給の観点から一定量の製品在庫を確保しておりますが、工場の閉鎖・操業停止が長期間に及ぶ場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑪環境問題に関するリスク
当社グループでは、環境・安全衛生に関して、関係法令等の遵守はもとより、さらに高い自主基準を設定してその達成に努めております。また環境マネジメントシステムと労働安全衛生マネジメントシステムを統合し、当社グループ全体でEHS活動を推進しております。特に気候変動対策については重大な課題の一つとして捉えており、環境負荷物質の削減等、環境への影響に配慮した事業活動を行っております。しかしながら、事業活動を行う過程において万が一の事故等により関係法令等の違反が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑫金融市場の変動に関するリスク
為替相場の変動により、輸出入取引において当社グループの経営成績及び財務状態に重大な影響が生じる可能性があります。また、為替相場、金利水準や株式市況の変動により、年金資産額、退職給付債務額、保有する株式の評価額等が変動した場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
(新型コロナウイルス感染症による影響)
新型コロナウイルス感染症の更なる拡大に伴う医療機関への受診抑制や情報提供活動の制限等様々な影響により、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、従業員の健康に配慮した対策を取りつつ、在宅勤務や時差出勤等の働き方改革を推進しており、営業活動においては医療機関へのMR活動を自粛する一方で、デジタルチャネルを多面的に活用した情報提供活動を積極的におこなっております。しかしながら、当社の想定を超えて新型コロナウイルス感染症が拡大した場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の流行が終息した場合であっても、一定期間影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループは、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しました。このため、比較対象となる前連結会計年度の収益認識基準が異なることから、当連結会計年度の経営成績については、前連結会計年度と比較しての増減額及び前期比(%)は記載せず説明しております。なお「収益認識に関する会計基準」等の適用による営業利益及び経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益への影響はありません。詳細は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 [注記事項](会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)」をご参照ください。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期における国内医薬品業界は、薬価制度改革の基本方針に沿って実施された薬価改定等の薬剤費抑制策及び新型コロナウイルス感染症拡大による受診抑制等の影響を受け、国内医療用医薬品市場は1桁台前半の成長率で推移しました。
このような環境のなか、当社グループは長期ビジョン「HOPE100」の実現に向けて、中期経営計画「HOPE 100 -ステージ3-(2020年度~2023年度)」のもと、2022年3月期は経営方針に「オリジナリティーの追求に向けた”見極め”」を掲げ、新薬群の成長加速、開発パイプラインの拡充、創薬のスピード向上、コスト競争力の向上に積極的に取り組み、成長トレンドへの転換に邁進しました。
また、当社連結子会社であるキョーリン製薬グループ工場㈱は新工場として、高岡工場(富山県高岡市)の建設を決定しました。同社は中期経営計画の重点戦略にコスト競争力の向上を掲げ、新医薬品・後発医薬品の安定供給と低コストを実現する製造体制の構築に取り組んでいます。この度、医薬品の生産数量の拡大に伴い、キョーリン製薬グループ工場㈱全体として製品供給能力の強化が必要となったことから、高岡新工場の建設に至りました。今後は、2024年4月(予定)の稼働に向け、工場建設を着実に推し進めます。
なお、2021年11月29日に発生した杏林製薬㈱西日本配送センター(㈱日立物流西日本 舞洲営業所)における火災による影響については、杏林製薬㈱及びキョーリン リメディオ㈱による製品保管体制が機能し、製品供給に大きな影響は生じておりません。また当連結会計年度の業績への影響につきましても軽微でした。
当連結会計年度における売上高は、薬価改定(杏林製薬㈱6%台)及び新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループが重点領域とする呼吸器科・耳鼻科等の医療用医薬品市場がマイナス成長となりました。そのようななか、効率的な製品普及に努めたことにより新薬群が伸長するとともに、一部の後発医薬品企業の品質問題に端を発した製品の供給不安の影響によって主要な長期収載品の売り上げが増加したものの、導出品の売り上げ及び導出品に関わる一時金の減少等により、新医薬品等(国内)は前期に対して横ばいとなりました。他方、後発医薬品の売り上げは増加し、全体の売り上げは1,055億34百万円(前期は1,029億04百万円)となり、前期を上回る実績となりました。
利益面では、売り上げは前期を上回ったものの、薬価改定等の影響による原価率上昇により、売上総利益は494億41百万円(前期は516億27百万円)と前期に対して減少しました。他方、販売費及び一般管理費は、咳嗽治療薬「リフヌア錠45㎎(一般名:ゲーファピキサントクエン酸塩)」の導入に関わる契約一時金を計上したものの、コスト削減等により、444億33百万円(前期は458億41百万円)と前期に対して減少しました(内、研究開発費:88億97百万円、前期は97億03百万円)。これらの結果、営業利益は50億07百万円(前期は57億86百万円)、経常利益は55億69百万円(前期は64億47百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は39億32百万円(前期は61億30百万円)となりました。
なお前期は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)から借入れておりました長期借入金に対する返済義務の一部免除による債務免除益10億73百万円などを特別利益に計上しています。
当連結会計年度の業績
売上高 1,055億34百万円(前期は1,029億04百万円)
営業利益 50億07百万円(前期は 57億86百万円)
経常利益 55億69百万円(前期は 64億47百万円)
親会社株主に帰属する
当期純利益 39億32百万円(前期は 61億30百万円)
売上高の状況につきましては、以下のとおりです。
〔新医薬品等(国内)〕
継続的に実施される薬剤費抑制策により、国内医療用医薬品事業を取り巻く環境は一層厳しさを増しています。この急速な環境変化に対応すべく、杏林製薬㈱はFC(フランチャイズカスタマー)戦略を推進するとともに、ソリューション提供型営業活動(課題解決策の提案)への変貌を現中期経営計画の重点戦略に掲げ、事業を展開しています。当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の流行が継続するなか、各医療機関の意向に沿ってMRによる訪問面談の自粛等を行う一方、従来の訪問による面談に加えてデジタルチャネルを活用した情報提供を複合的に行うことで営業力の補完・強化を図り、新薬群の成長加速に取り組みました。その結果、主力製品である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」、ニューキノロン系抗菌剤「ラスビック」が伸長しました。2021年4月に新発売した間質性膀胱炎治療剤「ジムソ膀胱内注入液50%」については、泌尿器科専門医を中心に情報提供活動を行い市場への浸透を図りました。
また一部の後発医薬品企業の品質問題に端を発した製品の供給不安の影響によって、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」等の売り上げが増加しました。
なお杏林製薬㈱は、MSD㈱と日本国内におけるコ・プロモーション契約を締結した新型コロナウイルス感染症に対する経口の抗ウイルス剤「ラゲブリオカプセル200㎎(一般名:モルヌピラビル)」について、2022年1月31日より両社でコ・プロモーションを開始しました(詳細は2022年1月17日公表のプレスリリースをご覧ください)。
診断事業に関わる取り組みとしては、研究用試薬「GeneSoC PCR前処理キット」を2021年7月に、遺伝子解析装置「GeneSoC mini」を同年11月に発売しました。また、新型コロナウイルス核酸検出キット「GeneSoC SARS-CoV-2 N2検出キット」の製造販売承認を2022年3月に取得し、同年4月に発売しました。今後とも新型コロナウイルス感染症の診断におけるPCR検査の時間短縮等、検査体制の充実に向け、より一層の貢献を目指します。
以上の結果、新医薬品等(国内)の売上高は697億25百万円(前期は697億35百万円)となりました。
〔新医薬品(海外)〕
製品の導出に係わる一時金の受領等により売上高は10億33百万円(前期は9億96百万円)となりました。
〔後発医薬品〕
キプレスのオーソライズド・ジェネリック等の実績が前期を上回るとともに、2021年6月、12月に発売した追補収載品の売り上げが寄与し、売上高は347億75百万円(前期は321億72百万円)となりました。
昨今、後発医薬品について品質や安定供給をめぐる問題が相次ぐなか、当社グループでは杏林製薬㈱、キョーリン リメディオ㈱、キョーリン製薬グループ工場㈱の全ての子会社が一丸となって、GMP※などの法令遵守の徹底を図るとともに、品質管理体制のより一層の強化に努めました。新医薬品、後発医薬品ともに医療用医薬品に関わる製造・品質管理につきましては、今後とも信頼性の確保に最大限注力し、高品質で安心・安全な製品の提供を推進します。
※医薬品等の製造管理及び品質管理の基準
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、63億46百万円の収入であり、これは主に税金等調整前当期純利益52億16百万円、減価償却費37億14百万円、売上債権の増加12億26百万円、棚卸資産の増加36億33百万円、仕入債務の増加39億10百万円、法人税等の支払額12億48百万円によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、25億60百万円の支出で、これは主に有形固定資産の取得による支出24億44百万円、投資有価証券の取得による支出34億07百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入34億00百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、41億12百万円の支出で、これは主に配当金の支払額37億67百万円によるものです。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して1億86百万円減少し、262億89百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
医薬品事業 |
94,191 |
102.1 |
|
合計 |
94,191 |
102.1 |
(注)上記金額は、消費税等抜きの売価換算によっております。
(b)商品仕入実績
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
医薬品事業 |
7,370 |
97.0 |
|
合計 |
7,370 |
97.0 |
(注)上記金額は、消費税等抜きの実際仕入れ額によっております。
(c)受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は販売計画に基づいた生産を行っておりますので、該当事項はありません。
(d)販売実績
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
医薬品事業 |
105,534 |
- |
|
合計 |
105,534 |
- |
(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり
であります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
|
金額 (百万円) |
割合(%) |
金額 (百万円) |
割合(%) |
|
|
アルフレッサ ホールディングス株式会社 |
18,280 |
17.8 |
18,603 |
17.6 |
|
株式会社メディパルホールディングス |
16,405 |
15.9 |
17,464 |
16.5 |
|
株式会社スズケン |
15,046 |
14.6 |
16,523 |
15.7 |
|
東邦薬品株式会社 |
11,454 |
11.1 |
11,863 |
11.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して47億97百万円増加し、1,719億
24百万円となりました。このうち、流動資産は1,163億76百万円と前連結会計年度末と比較して23億
49百万円の増加となりました。主な増減要因は、売掛金の増加11億48百万円、有価証券の減少28億99
百万円、原材料及び貯蔵品の増加37億06百万円等によるものです。また、固定資産は555億47百万円と
前連結会計年度末と比較して24億47百万円の増加となりました。主な増減要因は、有形固定資産の増加4億
37百万円、無形固定資産の減少4億96百万円、投資有価証券の増加20億58百万円等によるものです。
負債総額は、前連結会計年度末と比較して49億51百万円増加し、474億16百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金の増加39億10百万円、流動負債のその他の増加7億33百万円等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比較して1億54百万円減少し、1,245億07百万円となりました。主な増減要因は、利益剰余金の増加1億52百万円、その他有価証券評価差額金の減少3億71百万円等によるものです。
(b)経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(c)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画「HOPE100-ステージ3-」において、連結ベースでの売上高年平均成長率5%以上、研究開発費控除前 営業利益対売上高20%以上を数値目標としております。当連結会計年度における連結売上高は前期比3.5%増、研究開発費控除前 営業利益対売上高は13.1%でした。これらの指標を達成するための取り組みにつきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題」に記載しております。
(注)数値目標に関わる実績は、収益認識に関する会計基準等の適用による減収影響を除いております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原料・材料の購入、商品仕入のほか、製造費用、研究開発費、人件費の支払いであります。
また、継続的に設備投資を行っておりますが、当連結会計年度において36億24百万円の設備投資を実施いたしました。
(財務政策)
当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び借入金等により賄っております。
2023年3月期においては、工場設備の拡充等、固定資産取得による支出約50億円を予定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針及び見積りによる判断をおこなっております報告数値があり、実際の結果は見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
(1)外国会社からの技術導入
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
国名 |
対価 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
ブリモニジン ブリモニジンAG |
アラガン社 |
アメリカ |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2004 |
契約締結日からアラガン社に対するロイヤルティーの支払義務が終了するまで |
|
〃 |
フルティフォーム |
ベクチュラ社 |
イギリス |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2008 |
対象特許満了または発売日から10年のいずれか長い方 |
|
〃 |
COPD治療薬 (単剤) |
アストラゼネカ社 |
イギリス |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2011 |
契約締結日から対象製品の最終販売日まで |
|
〃 |
OAB治療薬 |
メルク社 |
アメリカ |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2014 |
契約締結日からメルク社に対するロイヤルティーの支払義務が終了するまで |
|
キョーリン リメディオ㈱ (連結子会社) |
モンテルカスト AG |
オルガノンインターナショナル社 |
スイス |
供給価格 |
2016 |
上市日から10年間 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
新規免疫調整薬 |
エイタイヤー社 |
アメリカ |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 一定料率のロイヤルティー |
2020 |
契約締結日からエイタイヤー社に対するロイヤルティーの支払義務が終了するまで |
|
〃 |
メサラジン |
フェリング・プライベート社 |
シンガポール |
一定料率のロイヤルティー/供給価格 |
2021 |
契約締結日から2031年12月31日まで |
(2)外国会社への技術導出
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
国名 |
対価 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
イブジラスト |
メディシ・ノバ社 |
アメリカ |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2004 |
対象特許満了または市場独占権有効期間のいずれか長い方 |
|
〃 |
イミダフェナシン |
エルジー・ライフサイエンス社 |
韓国 |
契約一時金 |
2005 |
契約締結日からエルジー・ライフサイエンス社の支払義務が終了するまで |
|
〃 |
イミダフェナシン |
スピマコ社 |
サウジアラビア |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2009 |
発売日から10年 |
|
〃 |
イミダフェナシン |
アールファーム社 |
ロシア |
契約一時金 販売マイルストーン |
2014 |
契約締結日から10年 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
イミダフェナシン |
シンモサ社 |
台湾 |
契約一時金 販売マイルストーン 一定料率のロイヤルティー |
2015 |
対象特許満了または契約日から15年のいずれか長い方 |
|
〃 |
イミダフェナシン |
ファエス・ファルマ社 |
スペイン |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン |
2018 |
発売日から10年間 (自動更新) |
|
〃 |
ビベグロン |
ジェイル社 |
韓国 |
契約一時金 販売マイルストーン 一定料率のロイヤルティー |
2019 |
契約締結日から対象特許満了、または発売日から10年経過のいずれか遅い日 (自動更新) |
|
〃 |
感音難聴を対象とした化合物 |
オトノミー社 |
アメリカ |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 一定料率のロイヤルティー |
2020 |
契約締結日からロイヤルティーの支払義務が終了するまで |
|
〃 |
KRP-203 |
プリオセラ社 |
アイルランド |
株式(プリオセラ社)等 |
2020 |
- |
|
〃 |
ラスクフロキサシン |
南京Neiwa Faith社 |
中国 |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 一定料率のロイヤルティー |
2022 |
発売日から15年間 (自動更新) |
(3)販売契約(輸出)
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
国名 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ |
ノルフロキサシン |
杏林新生製薬股份有限公司 |
台湾 |
1985 |
自動更新 |
|
キョーリン製薬グループ工場㈱ (連結子会社) |
ルビスタ |
メイジ・インドネシア・ファーマシューティカル社 |
インドネシア |
2016 |
契約締結日から2023年12月31日まで |
(4)販売契約(輸入)
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
国名 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ |
マクサルト |
オルガノンインターナショナル社 |
スイス |
2003 |
2022年1月31日まで (自動更新) |
|
〃 |
デスロラタジン |
オルガノンインターナショナル社 |
スイス |
2014 |
再審査期間の満了または製造販売承認取得日から10年のいずれか長い方 |
|
〃 |
ゲーファピキサントクエン酸塩 |
メルク社 |
アメリカ |
2021 |
対象特許満了まで |
(5)内国会社との販売契約(導入)
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ |
ベストロン耳鼻科用 |
千寿製薬株式会社 |
1999 |
自動更新 |
|
〃 |
ノンアルコール手指消毒剤 (医薬部外品) |
吉田製薬株式会社 |
2019 |
2022年2月27日まで (自動更新) |
|
〃 |
AKP-009 |
あすか製薬株式会社 |
2020 |
対象製品の後発医薬品が初めて薬価収載された日から2年が経過する日または対象製品の上市10年後のいずれか遅く到来する日まで (自動更新) |
|
〃 |
ラゲブリオ |
MSD株式会社 |
2022 |
* |
*契約期間については、契約上の守秘義務により開示を控えさせていただきます。
(6)内国会社との販売契約(導出)
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ |
ケタス点眼液 |
千寿製薬株式会社 |
1999 |
自動更新 |
|
〃 |
バクシダール点眼液 |
千寿製薬株式会社 |
1999 |
〃 |
|
〃 |
マクサルト |
エーザイ株式会社 |
2003 |
2022年1月31日まで(自動更新) |
|
〃 |
ガチフロキサシン 点眼液 |
千寿製薬株式会社 |
2009 |
販売終了までの期間 |
|
〃 |
ウリトス |
エーザイ株式会社 |
2009 |
2022年1月31日まで(自動更新) |
|
〃 |
ルビスタ |
吉田製薬株式会社 |
2015 |
自動更新 |
|
〃 |
KRP-114V |
キッセイ薬品工業株式会社 |
2018 |
対象特許満了または発売日から15年のいずれか長い方 (自動更新) |
|
〃 |
GeneSoC |
アズワン株式会社 |
2019 |
契約締結日から3年間 (自動更新) |
|
〃 |
ベオーバ |
エーザイ株式会社 |
2021 |
対象特許満了または発売日から10年のいずれか長い方(自動更新) |
(7)外国会社との共同開発
|
契約会社名 |
内容 |
相手方の名称 |
契約年 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
ルーメン社のスピルリナ遺伝子組み換え技術を活用した、杏林製薬の重点領域における開発候補品の開発 |
ルーメン社 |
2022 |
(8)内国会社との共同開発
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
契約年 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
モンテルカスト |
萬有製薬株式会社 |
1999 |
|
〃 |
イミダフェナシン |
小野薬品工業株式会社 |
2000 |
|
〃 |
Ad-SGE-REIC製剤 |
桃太郎源株式会社 |
2014 |
|
〃 |
特殊環状ペプチド |
ペプチドリーム株式会社 |
2015 |
|
〃 |
KRP-114V |
キッセイ薬品工業株式会社 |
2016 |
|
〃 |
ノンアルコール手指消毒剤 (医薬部外品) |
吉田製薬株式会社 |
2018 |
|
〃 |
GeneSoC |
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 |
2020 |
(9)内国会社への技術導出
|
契約会社名 |
契約品目 |
相手方の名称 |
対価 |
契約年 |
契約期間 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
ガチフロキサシン |
千寿製薬株式会社 |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
1997 |
販売終了までの期間 |
|
〃 |
ブリモニジン ブリモニジンAG |
千寿製薬株式会社 |
契約一時金 一定料率のロイヤルティー |
2004 |
契約締結日からロイヤルティーの支払義務が終了するまで |
(10)その他
|
契約会社名 |
契約内容 |
相手方の名称 |
契約年 |
|
キョーリン製薬グループ工場㈱ (連結子会社) |
製造受託 |
MSD株式会社 |
2012 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
株式給付信託 |
みずほ信託銀行 |
2016 |
|
キョーリン製薬ホールディングス㈱ (当社) |
株式給付信託 |
みずほ信託銀行 |
2016 |
|
杏林製薬㈱ (連結子会社) |
デザレックス錠5mgのコ・プロモーションに関する基本契約書 |
科研製薬株式会社 |
2017 |
|
〃 |
MSD株式会社が開発中の難治性慢性咳嗽治療剤の販売協業に係る交渉権に関する覚書 |
MSD株式会社 |
2019 |
未だ数多く存在するアンメット・メディカル・ニーズに応え、世界の人々の健康に貢献する新薬を継続的に創出し、普及させることが新薬メーカーの使命だと考えています。杏林製薬㈱は、自社創薬に国内外の製薬企業、アカデミア、ベンチャー企業とのオープンイノベーションを加えることで、創薬プラットフォームの活性化を進めるとともに、核酸等の新技術の応用・育成に取り組みました。また外部創薬テーマの積極的な探索・導入の検討を行い、ファースト・イン・クラス創薬に向けた活動を展開しました。
当連結会計年度における国内外開発の状況としては、2021年1月に製造販売承認を取得した間質性膀胱炎治療剤「ジムソ膀胱内注入液50%」について、同年4月に新発売いたしました。また重症化リスクを有するライノウイルス感染症治療薬「開発コード:KRP-A218」について、同年4月より健康成人を対象とする第Ⅰ相臨床試験を英国で開始しました。前立腺肥大症治療薬「開発コード:AKP-009」につきましては、導入元のあすか製薬㈱が前期第Ⅱ相臨床試験の結果を踏まえ、本剤の最大効果を確認するために、より高用量での検討が必要と考え、同年9月に追加の第Ⅰ相臨床試験を開始しました。さらに、杏林製薬㈱が日本国内における独占的販売権を取得していた選択的P2X3受容体拮抗薬/咳嗽治療薬「リフヌア錠45㎎(一般名:ゲーファピキサントクエン酸塩)」について、導入元であるMSD㈱が2022年1月に製造販売承認を取得し、杏林製薬㈱が4月に販売を開始しました。
創薬研究としましては、杏林製薬㈱がLumen社(ルーメン、本社:米国)とスピルリナ遺伝子組み換え技術に関する共同研究契約を2022年3月に締結しました。杏林製薬㈱は同社との共同研究により、重点研究領域において経口投与で安全性の高いバイオ医薬品の開発候補品の取得を目指します。
導出品の状況としては、「FPR2作動薬プログラム」について、導出先であるブリストル・マイヤーズスクイブ社(本社:米国)が開発戦略上の視点を踏まえ開発中止を決定したため、2022年2月に同社に付与している開発権等について返還を受けることになりました。
以上の結果、研究開発費は
なお2020年8月にOtonomy社(オトノミー、本社:米国)とライセンス契約を締結していた感音難聴を対象とする新規開発候補化合物について、この度、同社が開発中止を決定したため、供与していた開発、製造及び販売権の返還を受けることになりました。