当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、企業理念として「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を遂行します。」を掲げています。その具現に向けて、新たな長期ビジョン「Vision 110(2023年度~2032年度)」を策定し、「医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開し、人々の健康に幅広く貢献する企業」を目指します。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題
当社グループは、中核会社である杏林製薬㈱の創業100周年に当たる2023年を見据えた長期ビジョン「HOPE100」を策定し、対象期間(2010年度~2023年度)を3つのステージに分け、2020年度より長期ビジョンの総仕上げとなる中期経営計画「HOPE100-ステージ3-(2020年度~2023年度)」を推進してきました。
しかしながら、この間、事業を取り巻く外部環境は、毎年の薬価改定(いわゆる中間年改定)等の医療費・薬剤費抑制策のさらなる推進、新型コロナウイルス感染症拡大による受診抑制の影響等、想定外の事象が発生し、当社グループの経営に多大な影響を及ぼしました。他方、内部環境としては、成長ドライバーとして期待する新薬が出揃ったことに加え、診断事業等の新規事業が軌道に乗りつつあり、成長期を迎えたものと捉えられます。
このような状況に鑑み、当社グループは当社が創業100周年を迎える2023年度、グループ体制の刷新を行うとともに、長期ビジョン「HOPE100」を1年前倒しで終了し、新長期ビジョン「Vision 110」及び新中期経営計画「Vision 110 -Stage1-」を策定し、開始することとしました。
①長期ビジョン「Vision 110」(2023年度~2032年度)について
当社グループは、10年後の創業110周年に向けた長期ビジョン「Vision 110」を策定しました。目指す姿は、「医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開し、人々の健康に幅広く貢献する企業」とし、その実現に向けて取り組みます。
②中期経営計画「Vision 110 -Stage1-」(2023年度~2025年度)について
長期ビジョン 「Vision 110」は、最終年度までの期間を3つのステージ(Stage1:2023年度~2025年度、Stage2:2026年度~2029年度、Stage3:2030年度~2032年度)に分け、その第1段階である、中期経営計画 「Vision 110 -Stage1-」では、Statementに「Vision 110の実現に向けた事業体制への変革」を掲げ、以下の5つの事業戦略を推進し、成果目標の達成とステークホルダーの皆様からの支持・評価の向上を目指します。
事業戦略
⒜ 医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出力強化
⒝ 導入による開発パイプラインの拡充
⒞ 新薬比率の最大化
⒟ 新医薬品事業と相乗効果のある健康関連事業の推進
⒠ 持続可能な企業基盤の構築
成果目標(2025年度)
(a)数値目標(連結ベース)
成長性:「売上高」年平均成長率+2%以上
収益性:「研究開発費控除前営業利益(営業利益+研究開発費)」対売上高16%以上
(b)資本政策と株主還元
資本政策においては、健全な財務基盤を維持しつつ、常に資本コスト・資本収益性を意識した上で、成長投資と株主還元を通じて、資本効率の向上を図ることを基本方針とします。株主還元については、DOE(株主資本配当率)を勘案して、安定した配当を継続します。
詳細は、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」をご覧ください。
当社は、時代とともに変化する社会の動き・課題を捉えながら、企業理念「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を遂行します。」のもと、企業行動憲章に基づく事業活動を通じてサステナビリティ課題(社会と企業の持続的発展)に積極的に対応することが、企業価値の中長期的な向上に結び付くものと考えています。この考え方に沿って、長期ビジョン、中期経営計画において、自社の強固な財務基盤や人的資源など様々なリソースを有効に活用し、コーポレート・ガバナンスを向上し事業を展開します。
(1)マテリアリティの抽出
当社グループは、サステナビリティを巡る様々な課題から、中長期的な事業活動において解決に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を「価値創造(事業活動に直結する課題)」、「価値創造を支える基盤(事業活動の基盤に関する課題)」の観点で10項目抽出し、長期ビジョン「Vision 110」及び中期経営計画「Vision 110 -Stage1-」のもと、重点的に取り組むこととしました。
詳細は、「
<「価値創造」マテリアリティ>
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マテリアリティ |
関連する事業戦略 |
主な指標 |
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1.医療ニーズに応える価値の高い製品の創出 |
⒜⒝⒟
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臨床開発マイルストン 導入件数 |
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2.製品価値の最大化 |
⒞⒟
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新薬比率 主力製品の売上 |
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3.高品質な医薬品の安定供給 |
⒞⒟ |
欠品、製品回収件数 |
<「価値創造を支える基盤」マテリアリティ>
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マテリアリティ |
関連する事業戦略 |
主な指標 |
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4.人的資本の充実 |
⒠ |
働きがいアンケート主要スコア |
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5.多様な価値観を尊重した働き方改革の推進 |
⒠ |
女性管理職比率 男性育休取得率 障がい者雇用比率 |
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6.健康経営の推進 |
⒠ |
健康診断/ストレスチェック受診率 |
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7.環境に配慮した事業活動 |
⒠ |
CO2排出量削減率 |
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8.コンプライアンスの徹底 |
⒠ |
重大な違反件数 |
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9.コーポレート ガバナンスの強化 |
⒠ |
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10.ステークホルダーとの関係強化 |
⒠ |
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(2)気候変動への対応
当社グループは、気候変動への対応を含む環境に配慮した事業活動をマテリアリティの一つとしています。サステナビリティを巡る取り組みの基本方針に基づき、地球環境・地域社会の環境への影響に常に配慮した事業活動を行います。
このような基本的な考え方のもと、事業活動のあらゆる場面で、省エネルギー・省資源・廃棄物の削減、化学物質の管理強化など環境負荷物質の削減と限りある資源の有効利用を推進し、目的・目標の設定と見直しを常に行うことによって、環境保全及び汚染予防に主体的、かつ積極的に取り組んでいます。
<ガバナンス>
気候変動対応を含む環境対策の実行・推進については、総務部の執行役員を委員長とする「環境委員会」を2023年4月に設置し、環境対策等を検討する体制の整備を行いました。総務部を統括部署とする同委員会には、地域社会の環境に関係する事業活動を行う工場、研究所及び経営戦略の担当役員/執行役員が参加し、環境問題に関する対応(ビジョン、目標、ロードマップ等)の検討・見直しを行います。環境対策の実行・推進等を役割とするEHS(環境、健康・衛生、安全)委員会とも連携し、気候変動におけるリスク、機会の特定、評価、更なる対応等を含めて総合的に取りまとめた上で、経営会議に上程、意思決定の後に、取締役会に報告されます。
<戦略>
環境保全については、「地球温暖化防止」「資源保護」「自然環境との調和」を重点テーマとして目標値を設定し、限りある資源の有効利用を推進します。また当社グループの全ての工場は環境マネジメントシテムの国際基準であるISO14001の認証を取得しており、今後も維持・継続します。
気候変動については、地球温暖化防止に向け、本社・事業所・研究所・工場のCO2排出量の削減を推進します。なお、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)のフレームワークを参考に、気候変動に関わるリスク及び収益機会を評価し対応するとともに、気候変動による事業への影響について、開示の拡充を進めています。
<リスクと収益機会の分析>
地球温暖化や気候変動そのものの影響、及び気候変動に関する長期的な政策動向による事業環境の変化が当社グループの事業や経営に及ぼしうる影響について、脱炭素社会への移行リスク・気候変動に起因する物理的リスク・収益機会に分け、シナリオ分析を行っています。
シナリオ分析にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書のRCP2.6(2℃シナリオ)、RCP8.5(4℃シナリオ)等を参考にしています。
■2℃シナリオ 移行リスク
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分類 |
事象 |
リスク |
対応方針 |
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政策・法規制 |
環境税(炭素税)の導入 |
・環境税(炭素税)が導入され、研究・生産・営業に関わる温室効果ガスの排出に課税された場合、環境税の導入により、コスト増加となる可能性がある。 |
・CO2排出量削減活動の更なる推進 ・再生可能エネルギー電力の移行 ・営業車両削減及びHV車・EV車へ切替 ・EHSマネジメントシステムの効率的運用 |
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設備・機器の導入 |
・新たな法規制により、既存の設備を再生可能エネルギーに対応した設備に更新する場合、新規設置によるコストが増加する可能性がある。 |
・省エネルギー設備・機器の計画的設備更新 |
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市場 |
調達・操業コストの変化 |
・電力の再生可能エネルギー比率を上げた場合、電力調達コストが増加する可能性がある。 ・調達先・物流委託先の移行リスクへの対応により、生産原価・物流コストが増加する可能性もある。 |
・再生可能エネルギー電力の確保 ・高効率機器の導入 ・調達先・物流委託先等との協働による物流コストの削減 |
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評判 |
投資家からの評価 |
当社の気候変動対策への遅れにより、投資家の信頼を失い株価へ影響する可能性がある。 ・情報開示不足により、株価が下落する可能性がある。 |
・気候変動対策の実施状況等の適時・適切な開示 ・外部調査への参加 |
■4℃シナリオ 物理的リスク
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分類 |
事象 |
リスク |
対応方針 |
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急性リスク |
異常気象(台風・大雨等)による直接的な被害 |
・局地的豪雨・台風の大型化等により、研究・生産・物流拠点が浸水し、操業停止及び修復費用が発生する可能性がある。 ・自社拠点だけではなく、サプライチェーン(原料調達・出荷物流)が寸断される可能性がある。 |
・水害対策等を想定した設備計画の検討・実施 ・緊急事態発生を想定した訓練の実施 ・適切な在庫管理 ・複数の原料調達先確保 |
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慢性リスク |
気象パターンの変化・気温上昇・海面上昇等による拠点・調達・操業の変化 |
・複数の研究・生産拠点が河川に近く、気温上昇による海面上昇、気象パターン変化による河川氾濫への対策、または拠点見直しによりコスト増加となる可能性がある。 ・調達先・物流委託先の物理的リスクへの対応により、市場価格が上昇し、生産原価・物流コストが増加する可能性がある。 ・気温上昇により、製造・保管・物流における空調の温度管理におけるコスト増加となる可能性がある。 |
・水害対策等を想定した設備計画の検討・実施 ・適切な在庫管理 ・BCP(事業継続計画)の観点から拠点の最適化の検討 ・複数の原料調達先確保 ・エネルギー効率の改善 |
収益機会
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分類 |
事象 |
リスク |
対応方針 |
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市場の変化 |
疾病動向の変化 |
・気温の上昇により感染症が増加し、当社のビジネスチャンスが拡大する可能性がある。 ・感染症に関わる診断・予防・治療における当社製品の需要や適応範囲が拡大する可能性がある。 |
・ソリューション提供型への変貌 ・FC(フランチャイズ・カスタマー)領域でのプレゼンス確立 ・パイプライン拡充への積極投資 |
<指標及び目標>
環境問題への取り組みは人類共通の課題であり、企業の活動と存続に必須の要件として主体的に行動し、「2050年カーボンニュートラル」の実現に挑戦します。具体的には、CO2排出量を2030年度に2015年度比46%削減することを目標値に掲げています。
(3)人的資本
当社グループは、事業は人にありという創業者の思いから、人材の成長こそ事業の強化を支える原動力と考え、人的資本の充実に取り組んでいます。また、全社員が全ての人々の人権を尊重し、高い倫理観を持って行動することが重要だと考えています。そのために社員一人ひとりの多様性・人格・個性を尊重し、健康への配慮や安全で働きやすい社内環境を整備します。
<戦略>
①人権尊重
当社グループは、コンプライアンス・ガイドラインに明記した「世界的に認められた人権に関する国際規範を理解するとともに、一人ひとりの価値観や人格を尊重し、あらゆる場面において差別的な行為を一切せず、立場や役割が異なっていても互いに一人の人として対等に接します」に沿って、全ての人々の人権を尊重する経営を行います。またセクシャルハラスメント、妊娠・出産・育児休暇・介護休暇に関するハラスメント、パワーハラスメント防止等の取り扱いを定め、社員の人格を尊重し、働きやすく快適な職場環境を整備していきます。
②人材マネジメント
人的資本の充実においては、社員を大切にし、人と組織を活性化することが、事業戦略を遂行し成果を具現するための重要課題であると認識しています。当社グループは、社員と会社は、双方から期待される責務を、長期にわたって継続的に果たすことを通じて、相互の利益(社員は会社の発展に、会社は社員の生活の充実・自己実現に貢献する)を実現するパートナーであるという、人材マネジメントシステムの基本的な考え方のもと、採用、配属、成長(育成)、評価、異動、報酬、福利厚生等の仕組み(制度・基準・規程など)の構築と適正な運用を推進します。
<指標及び目標>
①働き方改革
働き方改革関連法に基づく長時間労働是正への取り組みを進めるとともに、多様な働き方への対応を進めます。その一環として、子育て/介護にあたる社員の支援:育児や介護等のライフサイクルに応じた生活支援を行うことにより、仕事と家庭を両立しやすい環境づくりとともに、社員が健全な家庭生活を背景に充実した生活を送ることができる環境の整備を進めます。男性育児休暇取得率も50%以上(2025年度)を目指します。
②女性活躍の推進
女性活躍推進に関する取り組みを通じて、女性社員が自らの能力をいかんなく発揮し、活躍できる環境の整備を進めます。2030年までに管理職の女性比率15%の達成を目指します。
当該指標及び目標に対する実績は、「
当社グループにおきましては、薬事行政の下、薬機法をはじめとする医薬品の開発、製造、流通等の諸規制及び海外における各国の各種規制を遵守して事業を推進しております。しかしながら、関係法令の大幅な改定や医療制度改革、市場環境の急激な変化、大規模な自然災害などの要因により、経営成績及び財務状態に重要な影響を与えるリスクがあると認識しております。
当該リスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。当社グループでは、これらのリスクに関し、組織的・体系的に対処することとしておりますが、影響を及ぼすリスクや不確実性はこれらに限定されるものではありません。
リスク管理体制につきましては、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 3.企業統治に関するその他の事項 1)内部統制システム及びリスク管理体制等の整備状況②」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①研究開発に関するリスク
医療用医薬品の開発には、多額の研究開発投資と長い期間が必要なうえ、開発候補品が医薬品として上市できる確率も決して高くはありません。当社は、重点研究領域を明確化し、「わたらせ創薬センター」の自社創薬に、国内外の製薬企業・アカデミア・ベンチャー企業とのオープンイノベーションによる研究開発を加えて、パイプラインの拡大に努めております。しかしながら、開発候補品に予期せぬ副作用の発現や期待する臨床効果が確認できない等の理由で、開発遅延や開発中止となった場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
②医療制度改革に関するリスク
日本国内におきましては、医療用医薬品の薬価改定を含む医療制度改革が実施されております。当社グループでは、営業面におきましては新医薬品の普及の最大化による新医薬品比率の向上、また、生産面におきましては当社グループの生産機能を集約し全体最適化によるコスト構造の変革等に取り組んでおります。しかしながら、予測可能な範囲を超えた薬価改定や医療保険制度の改定が実施された場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
③安定供給に関するリスク
当社グループの製品及び原材料の一部は、特定の取引先にその供給を依存しております。製品の安定供給のため、一定量の製品及び原材料の確保をしており、また、重要原料については複数の供給元の確保に努めております。しかしながら、想定外の事象の発生により製造活動や仕入が遅延又は停止した場合、製品の安定供給に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、医薬品は各種法規制の下で製造しておりますが、品質等に問題が発生し製品の回収等を行うことになった場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
④アライアンスに関するリスク
当社グループでは、外部資源の有効活用を目的としてアライアンス戦略を推進し、国内外の製薬企業等と販売委託・共同販売・共同研究等の提携を行っております。また、提携先の販売戦略や研究開発動向をふまえた関係性の向上を図り、継続的提携関係の維持・発展に努めております。しかしながら、これらの提携関係を解消することになった場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑤ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク
当社グループでは、業務上ITシステムを多数利用していることから、セキュリティソフトの導入、定期的データバックアップの実施、ならびに各種情報管理規程を制定し従業員に周知徹底することでITセキュリティ対策、情報管理体制の構築を図っております。しかしながら、システムの不備やコンピューターウィルス、サイバー攻撃等の要因により、予期せぬ業務の妨害や情報等の外部流出により社会的信用を著しく毀損した場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑥他医薬品との競合に関するリスク
新医薬品事業では「呼吸器科」「耳鼻科」「泌尿器科」などの特定領域に経営資源を注力し、専門医への情報提供活動を重点的に実施することにより、上記領域におけるプレゼンスの向上を図っております。また、後発医薬品事業ではオーソライズドジェネリックの上市を積極的に推進し、当社グループの特色を活かした事業展開を図っております。しかしながら、同領域の他社製品との競合や先発医薬品の特許切れ後のジェネリック医薬品の参入が激化した場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑦知的財産権に関するリスク
当社グループでは知的財産権を厳しく管理し、第三者からの侵害にも継続的に注意を払っております。しかしながら、第三者による当社知的財産権の侵害により被害を受けた場合、また、当社グループの事業活動が他社知的財産権を侵害した場合に、事業の中止・係争の可能性があります。その場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑧訴訟に関するリスク
当社グループが国内外で事業活動を行う過程における特許等の知的財産権、製造物責任(PL法)、環境保全、労務などに関連する訴訟リスクについては、専門家の助言を踏まえながら対応を行っております。しかしながら、これらに関連する訴訟が提起された場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑨副作用発現に関するリスク
医薬品の開発段階での臨床試験は、限られた被験者を対象に実施されております。市販後に予期せぬ副作用が発現した場合、使用方法が制限される可能性や場合によって販売を中止する可能性があり、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑩環境問題に関するリスク
当社グループでは、環境・安全衛生に関して、関係法令等の遵守はもとより、さらに高い自主基準を設定してその達成に努めております。また環境マネジメントシステムと労働安全衛生マネジメントシステムを統合し、当社グループ全体でEHS活動を推進しております。特に気候変動対策については重大な課題の一つとして捉えており、環境委員会を設置し、グループ一体で環境への影響に配慮した事業活動を行っております。しかしながら、事業活動を行う過程において万が一の事故等により関係法令等の違反が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑪大規模災害等に関するリスク
当社グループでは、大規模災害等に備え、各種対応マニュアルを作成し、訓練を実施しております。しかしながら、想定している以上の地震、台風などの自然災害、火災などの事故及びインフルエンザ、新型コロナウイルス等のパンデミックが発生した場合、当社生産子会社であるキョーリン製薬グループ工場㈱や調達先等において工場の閉鎖・操業停止が考えられます。製品の安定供給の観点から一定量の製品在庫を確保しておりますが、工場の閉鎖・操業停止が長期間に及ぶ場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
⑫金融市場の変動に関するリスク
為替相場の変動により、輸出入取引において当社グループの経営成績及び財務状態に重大な影響が生じる可能性があります。また、為替相場、金利水準や株式市況の変動により、年金資産額、退職給付債務額、保有する株式の評価額等が変動した場合、当社グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当期における国内医療用医薬品業界は、薬価制度改革の基本方針に沿って2022年4月に薬価改定が実施されるなど、継続的な薬剤費抑制策が推進される一方で、新型コロナウイルス感染症による影響を受けていた患者さんの受診行動の平常化も認められ、市場は一桁台前半の成長率で推移しました。
このような環境のなか、当社グループは長期ビジョン「HOPE100」の実現に向けて、中期経営計画「HOPE100 -ステージ3-(2020年度~2023年度)」のもと、2023年3月期の経営方針に「オリジナリティーの追求による成長トレンドの実現」を掲げました。事業戦略においては事業の「スピード」の向上を重点ポイントとして、①新薬群の成長加速②開発パイプラインの拡充③創薬のスピード向上の3つに積極的に取り組みました。
当連結会計年度における売上高は、薬価改定(杏林製薬㈱8%台)や新型コロナウイルス感染症による影響はあったものの、積極的な製品普及の促進に努めたことにより新薬が伸長し、新医薬品等(国内)の売り上げは前期を上回る実績となりました。また後発医薬品の売り上げも増加し、全体の売り上げは1,132億70百万円と前期比77億35百万円(前期比7.3%増)の増収となり、連結業績予想を達成いたしました。
利益面では、薬価改定等の影響により売上原価率は上昇したものの、売上拡大により売上総利益は前期に対して7億26百万円増加しました。また前年に計上した導入品に関わる契約一時金の反動減、コスト削減の取り組み等により研究開発費を除く販売費及び一般管理費が前期に対して13億95百万円減少(研究開発費は20億05百万円増)し、営業利益は51億23百万円と前期比1億15百万円(前期比2.3%増)の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、西日本配送センターにおける火災により被災した委託保管製品に関わる保険差益8億81百万円、及び受取損害賠償金4億01百万円、投資有価証券売却益6億85百万円を特別利益として計上し、他方、杏林製薬㈱の子会社であるActivX Biosciences,Inc.の解散費用7億16百万円を特別損失として計上した結果、47億23百万円と前期比7億91百万円(前期比20.1%増)の増益となりました。
当連結会計年度の業績
売上高 1,132億70百万円(前期比 7.3%増)
営業利益 51億23百万円(前期比 2.3%増)
経常利益 58億27百万円(前期比 4.6%増)
親会社株主に帰属する
当期純利益 47億23百万円(前期比 20.1%増)
売上高の状況につきましては、以下のとおりです。
〔新医薬品等(国内)〕
薬剤費抑制を目的として継続的に実施される薬価改定等の施策により、国内医療用医薬品事業を取り巻く環境は一層厳しさを増しています。この急速な環境変化に対応すべく、杏林製薬㈱はFC(フランチャイズカスタマー)戦略を推進するとともに、ソリューション提供型営業活動(課題解決策の提案)への変貌を中期経営計画の重点戦略に掲げ、事業を展開しました。当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症による患者さんの受診行動も平常化するなか、各医療機関の意向に沿ってMR(医薬情報担当者)の訪問面談を再開する一方、従来の訪問面談に加えてデジタルチャネルを活用した情報提供を複合的に行うことで営業力の補完・強化を図り、新薬群の成長加速に取り組みました。その結果、主力製品である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」、ニューキノロン系抗菌剤「ラスビック」が伸長しました。他方、薬価改定等の影響により、長期収載品である気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ」等の売り上げは減少しました。
2022年4月に新発売した選択的P2X3受容体拮抗薬/咳嗽治療薬「リフヌア」については、難治性の慢性咳嗽に適応を有する唯一の薬剤としてのポジショニング確立に向け、呼吸器専門医を中心に情報提供を行い製品特性の理解促進に取り組みました。なお杏林製薬㈱がMSD㈱と日本国内におけるコ・プロモーション契約を締結していた抗ウイルス剤「ラゲブリオ」については、2022年1月より両社でプロモーションを実施してきましたが、当初の目的を達成したことから、同年12月末をもって契約を終了しました。
診断事業に関わる取り組みとしては、体外診断用医薬品である新型コロナウイルス核酸検出キット「GeneSoC SARS-CoV-2 N2検出キット」を2022年4月に、インフルエンザウイルス核酸キット「GeneSoCインフルエンザウイルスA/B検出キット」を同年11月に発売しました。またライフサイエンス・理化学市場向けに開発した研究用機器「超高速リアルタイムPCR装置GeneSoC miniR」を2023年3月に発売しました。杏林製薬㈱は、呼吸器感染症・性感染症領域等におけるGeneSoC専用の研究用試薬及び体外診断用医薬品の開発・販売を通してこれらの感染症の診断・予防・治療への貢献を目指します。
以上の結果、新医薬品等(国内)の売上高は747億70百万円(前期比7.2%増)となりました。
〔新医薬品(海外)〕
前期に計上した製品の導出に関わる契約一時金収入の反動減等により、売上高は3億08百万円(前期比70.1%減)となりました。
〔後発医薬品〕
一部の後発医薬品企業の品質問題に端を発した安定供給不安への対応に最大限注力するとともに、新規追補収載品及び重点品目の売上拡大に努めました。その結果、キプレスのオーソライズド・ジェネリック等の実績が前期を上回ったことにより、売上高は381億90百万円(前期比9.8%増)となりました。
品質確保の取り組みについては、杏林製薬㈱、キョーリン リメディオ㈱、キョーリン製薬グループ工場㈱が品質方針を掲げ、一丸となってGMP(医薬品等の製造管理及び品質管理の基準)などの法令遵守の徹底を図るとともに、品質管理体制のより一層の強化に努めました。今後とも信頼性の確保に最大限注力し、高品質で安心・安全な製品を提供していきます。
2021年11月29日に発生した旧㈱日立物流西日本 舞州営業所における火災への対応としては、2022年6月9日、旧㈱日立物流西日本 久御山営業所内に開設した杏林製薬㈱ 西日本配送センターより出荷を開始し、これまでの東西2拠点による物流体制を再構築しました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、20億08百万円の収入であり、これは主に税金等調整前当期純利益69億06百万円、減価償却費38億40百万円、売上債権の増加56億21百万円、棚卸資産の増加58億09百万円、仕入債務の増加28億66百万円、保険金の受取額30億50百万円、法人税等の支払額20億65百万円によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、62億75百万円の支出で、これは主に有形固定資産の取得による支出63億30百万円、無形固定資産の取得による支出30億75百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入31億93百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、33億63百万円の支出で、これは主に配当金の支払額30億15百万円によるものです。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して74億72百万円減少し、188億16百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
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(単位:百万円) |
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
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医薬品事業 |
98,111 |
104.2 |
|
合計 |
98,111 |
104.2 |
(注)上記金額は、消費税等抜きの売価換算によっております。
(b)商品仕入実績
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。
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(単位:百万円) |
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
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医薬品事業 |
10,462 |
142.0 |
|
合計 |
10,462 |
142.0 |
(注)上記金額は、消費税等抜きの実際仕入れ額によっております。
(c)受注実績
当社グループは販売計画に基づいた生産を行っておりますので、該当事項はありません。
(d)販売実績
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
医薬品事業 |
113,270 |
107.3 |
|
合計 |
113,270 |
107.3 |
(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額 (百万円) |
割合(%) |
金額 (百万円) |
割合(%) |
|
|
アルフレッサ ホールディングス株式会社 |
18,603 |
17.6 |
19,517 |
17.2 |
|
株式会社メディパルホールディングス |
17,464 |
16.5 |
18,194 |
16.1 |
|
株式会社スズケン |
16,523 |
15.7 |
16,801 |
14.8 |
|
東邦薬品株式会社 |
11,863 |
11.2 |
13,089 |
11.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して41億21百万円増加し、1,760億45百万円となりました。このうち、流動資産は1,190億30百万円と前連結会計年度末と比較して26億54百万円の増加となりました。主な増減要因は、現金及び預金の減少75億99百万円、売掛金の増加53億20百万円、原材料及び貯蔵品の増加44億35百万円等によるものです。また、固定資産は570億14百万円と前連結会計年度末と比較して14億67百万円の増加となりました。主な増減要因は、有形固定資産の増加15億00百万円、無形固定資産の増加21億04百万円、投資有価証券の減少27億24百万円等によるものです。
負債総額は、前連結会計年度末と比較して31億67百万円増加し、505億84百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金の増加28億66百万円、未払法人税等の増加14億97百万円、流動負債のその他の減少14億34百万円、退職給付に係る負債の増加8億36百万円等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比較して9億53百万円増加し、1,254億61百万円となりました。主な増減要因は、利益剰余金の増加16億86百万円、その他有価証券評価差額金の減少5億72百万円等によるものです。
(b)経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(c)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画「HOPE100-ステージ3-(2020年度~2023年度)」を推進してきましたが、事業を取り巻く外部環境及び内部環境の変化を鑑み、当社グループは当社が創業100周年を迎える2023年度、グループ体制の刷新を行うとともに、長期ビジョン「HOPE100」を1年前倒しで終了し、新長期ビジョン「Vision 110」及び新中期経営計画「Vision 110-Stage1-」を策定し、開始することとしました。中期経営計画「HOPE100-ステージ3-(2020年度~2023年度)」の数値目標、連結ベースでの売上高年平均成長率5%以上、研究開発費控除前 営業利益対売上高20%以上に対する実績は連結ベースでの売上高年平均成長率1.0%、研究開発費控除前 営業利益対売上高14.2%でした
創業110周年に向けた新長期ビジョン「Vision 110」における経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標及びその達成に向けた取り組みにつきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原料・材料の購入、商品仕入のほか、製造費用、研究開発費、人件費の支払いであります。
また、継続的に設備投資を行っておりますが、当連結会計年度において52億52百万円の設備投資を実施いたしました。
(財務政策)
当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び借入金等により賄っております。
2023年3月期においては、工場設備の拡充等、固定資産取得による支出約59億円を予定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針及び見積りによる判断をおこなっております報告数値があり、実際の結果は見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
(1)技術導入
|
契約品目 |
契約先 |
対価 |
契約年 |
契約期間 |
|
|
相手方 |
国名 |
||||
|
マクサルト |
オルガノン社 |
アメリカ |
供給価格 |
2003 |
自動更新 |
|
アイファガン |
アッヴィ社 |
アメリカ |
契約一時金 開発マイルストーン 一定料率のロイヤリティ 供給価格 |
2004 |
契約締結日からロイヤリティの支払義務が終了するまで |
|
フルティフォーム |
ベクチュラ社 |
イギリス |
契約一時金 開発マイルストーン 一定料率のロイヤリティ 供給価格 |
2008 |
対象特許満了または発売日から10年のいずれか長い方 +自動更新 |
|
エクリラ |
コヴィス社 |
スイス |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 一定料率のロイヤリティ 供給価格 |
2011 |
契約締結日から対象製品の最終販売日まで |
|
ベオーバ |
メルク社 |
アメリカ |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 一定料率のロイヤリティ |
2014 |
契約締結日からロイヤリティの支払義務が終了するまで |
|
モンテルカストAG※ |
オルガノン社 |
アメリカ |
供給価格 |
2016 |
発売日から10年間 |
|
KRP-R120 |
エイタイヤー社 |
アメリカ |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 一定料率のロイヤリティ 供給価格 |
2020 |
契約締結日からロイヤリティの支払義務が終了するまで |
|
AKP-009 |
あすか製薬㈱ |
日本 |
契約一時金 開発マイルストーン 一定料率のロイヤリティ 供給価格 |
2020 |
対象製品の後発医薬品が初めて薬価収載された日から2年が経過する日または対象製品の上市10年後のいずれか遅く到来する日まで +自動更新 |
|
キプレス |
オルガノン社 |
アメリカ |
供給価格 |
2021 |
契約締結日から2024年3月31日まで +自動更新 |
|
ペンタサ |
フェリング社 |
スイス |
一定料率のロイヤリティ 供給価格 |
2021 |
契約締結日から2031年12月31日まで |
※契約当事者は、キョーリンリメディオ㈱(連結子会社)
(2)技術導出
|
契約品目 |
契約先 |
対価 |
契約年 |
契約期間 |
|
|
相手方 |
国名 |
||||
|
ガチフロ点眼液 |
千寿製薬㈱ |
日本 |
契約一時金 開発マイルストーン 一定料率のロイヤリティ 供給価格 |
1997 |
販売終了まで |
|
ステーブラ |
小野薬品工業㈱ |
日本 |
契約一時金 開発マイルストーン 供給価格 |
2000 |
対象特許満了または発売日から10年のいずれか長い方 +自動更新 |
|
アイファガン |
千寿製薬㈱ |
日本 |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 一定料率のロイヤリティ |
2004 |
契約締結日からロイヤリティの支払義務が終了するまで |
|
イブジラスト |
メディシノバ社 |
アメリカ |
契約一時金 開発マイルストーン 一定料率のロイヤリティ |
2004 |
対象特許満了または市場独占権有効期間のいずれか長い方 |
|
イミダフェナシン |
エルジーケム社 |
韓国 |
契約一時金 開発マイルストーン 供給価格 |
2005 |
契約締結日から支払義務が終了するまで |
|
イミダフェナシン |
スピマコ社 |
サウジアラビア |
契約一時金 開発マイルストーン 供給価格 |
2009 |
発売日から10年 +自動更新 |
|
イミダフェナシン |
エーザイ㈱ |
日本 |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 供給価格 |
2009 |
自動更新 |
|
イミダフェナシン |
アールファーム社 |
ロシア |
契約一時金 販売マイルストーン 供給価格 |
2014 |
契約締結日から10年 +自動更新 |
|
イミダフェナシン |
シンモサ社 |
台湾 |
契約一時金 開発マイルストーン 一定料率のロイヤリティ 供給価格 |
2015 |
対象特許満了または契約日から15年のいずれか長い方 +自動更新 |
|
イミダフェナシン |
ファエス社 |
スペイン |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 供給価格 |
2018 |
発売日から10年間 +自動更新 |
|
ベオーバ |
キッセイ薬品工業㈱ |
日本 |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 一定料率のロイヤリティ 供給価格 |
2018 |
対象特許満了または発売日から15年のいずれか長い方 +自動更新 |
|
ビベグロン |
ジェイル社 |
韓国 |
契約一時金 販売マイルストーン 一定料率のロイヤリティ 供給価格 |
2019 |
対象特許満了または発売日から10年のいずれか長い方 +自動更新 |
|
ビベグロン |
エーザイ㈱ |
日本 |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 一定料率のロイヤリティ 供給価格 |
2021 |
対象特許満了または発売日から10年のいずれか長い方 +自動更新 |
|
ビベグロン |
住友ファーマ㈱ |
日本 |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 一定料率のロイヤリティ |
2023 |
契約締結日からロイヤリティの支払義務が終了するまで |
|
KRP-203 |
プリオセラ社 |
アイルランド |
株式(プリオセラ社) 一定料率のロイヤリティ |
2020 |
契約締結日からロイヤリティの支払義務が終了するまで |
|
ラスクフロキサシン |
南京寧和社 |
中国 |
契約一時金 開発マイルストーン 販売マイルストーン 一定料率のロイヤリティ 供給価格 |
2022 |
発売日から15年間 +自動更新 |
(3)販売契約(導入)
|
契約品目 |
契約先 |
契約年 |
契約期間 |
|
|
相手方 |
国名 |
|||
|
ベストロン耳鼻科用 |
千寿製薬㈱ |
日本 |
1999 |
自動更新 |
|
デザレックス |
オルガノン社 |
アメリカ |
2014 |
再審査期間の満了または製造販売承認取得日から10年のいずれか長い方 +自動更新 |
|
リフヌア |
メルク社 |
アメリカ |
2021 |
対象特許満了まで |
(4)販売契約(導出)
|
契約品目 |
契約先 |
契約年 |
契約期間 |
|
|
相手方 |
国名 |
|||
|
マクサルト |
エーザイ㈱ |
日本 |
2003 |
自動更新 |
|
デザレックス※ |
科研製薬㈱ |
日本 |
2017 |
再審査期間の満了または製造販売承認取得日から10年のいずれか長い方 +自動更新 |
※コ・プロモーション権の許諾
(5)共同研究・開発
|
内容 |
契約先 |
契約年 |
|
|
相手方 |
国名 |
||
|
Peptide Discovery Platform System技術を用いた特殊環状ペプチドの創製に関する共同研究開発 |
ペプチドリーム㈱ |
日本 |
2015 |
|
スピルリナ遺伝子組み換え技術を活用した開発候補品の開発 |
ルーメン社 |
アメリカ |
2022 |
|
耳鼻科領域における治療用アプリの共同開発(KRP-DT123) |
サスメド㈱ |
日本 |
2022 |
|
ファブリー病治療を目的とした遺伝子導入ヒト脂肪細胞を用いた再生医療等製品に関する共同開発 |
セルジェンテック㈱ |
日本 |
2022 |
(6)その他
|
契約内容 |
相手方 |
契約年 |
|
製造受託※ |
MSD㈱ |
2012 |
|
株式給付信託(J-ESOP) |
みずほ信託銀行 |
2016 |
|
株式給付信託(BBT) |
みずほ信託銀行 |
2016 |
※契約当事者は、キョーリン製薬グループ工場㈱(連結子会社)
未だ数多く存在するアンメット・メディカル・ニーズに応え、世界の人々の健康に貢献する新薬を継続的に創出し、普及させることが新薬メーカーの使命だと考えています。杏林製薬㈱は、自社創薬に国内外の製薬企業、アカデミア、ベンチャー企業とのオープンイノベーションを加えることで、創薬プラットフォームの活性化を進めるとともに、核酸等の新技術の応用・育成に取り組みました。また外部創薬テーマの積極的な探索・導入の検討を行い、ファースト・イン・クラス創薬に向けた活動を展開しました。
国内外の開発状況としては、前立腺肥大症治療薬「開発コード:AKP-009」について、導入元のあすか製薬㈱が2021年9月に開始した追加の第Ⅰ相臨床試験を2023年3月期 第1四半期連結会計期間に終了しました。なおその評価結果を受けて今後、あすか製薬㈱が再度、第Ⅰ相臨床試験を予定しております。また過活動膀胱治療薬「KRP-114VP」について、小児過活動膀胱患者を対象とした第Ⅰ相臨床試験を2022年8月より開始しました。同試験は過活動膀胱治療剤「ベオーバ」の小児への適応拡大を目的としたものです。さらに間質性肺疾患(肺サルコイドーシス)治療薬「KRP-R120」について、杏林製薬㈱はaTyr社(エイタイヤー、本社:米国)と国際共同治験を実施することを決定し、同年9月より、日本国内において第Ⅲ相臨床試験を開始しました。
開発パイプラインの拡充としては、杏林製薬㈱がセルジェンテック㈱(本社:千葉県千葉市)とファブリー病治療を目的とした遺伝子導入ヒト脂肪細胞を用いた再生医療等製品に関する共同開発及び実施権許諾契約を2022年5月に締結し、事業戦略に掲げる希少・難治性疾患の開発品を獲得しました。また同年11月に杏林製薬㈱がサスメド㈱(本社:東京都中央区)と耳鼻科領域における治療用アプリの共同研究開発及び販売に関する契約を締結しました。当社グループは、耳鼻科領域を重点領域としており、特定の耳鼻科疾患(耳鳴)に対する新たな治療選択肢の提供を目指し、治療用アプリの開発に着手しました。
なお杏林製薬㈱が2022年8月2日開催の取締役会において決議していたとおり、研究拠点の一つである子会社ActivX Biosciences,Inc.は2023年3月に解散いたしました。
以上の結果、研究開発費は