第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第35期

第36期

第37期

第38期

第39期

決算年月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

売上高

(千円)

741,525

758,286

781,215

576,692

602,749

経常損失(△)

(千円)

1,170,355

49,013

155,747

678,762

310,511

親会社株主に帰属する
当期純損失(△)

(千円)

2,094,467

52,637

167,319

668,125

318,827

包括利益

(千円)

2,094,467

52,637

167,319

668,125

318,827

純資産額

(千円)

1,341,441

2,017,777

2,145,763

1,948,457

1,629,282

総資産額

(千円)

3,425,900

3,295,015

2,988,314

2,372,989

1,838,038

1株当たり純資産額

(円)

180.23

241.64

245.47

208.97

174.70

1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

287.52

7.01

19.82

76.00

34.23

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

39.0

61.1

71.7

82.0

88.5

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

55,886

73,847

243,935

608,746

194,145

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

458,490

6,278

593,279

10,818

17,233

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

2,145,528

138,300

126,320

81,195

216,000

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

2,522,102

2,450,875

1,491,808

974,456

552,022

従業員数
[ほか、平均臨時雇用
人員]

(名)

56

57

61

65

65

[11]

[11]

[9]

[11]

[9]

 

(注) 1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.第35期、第36期、第37期、第38期及び第39期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。

3.第35期、第36期、第37期、第38期及び第39期の自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失が計上されているため記載しておりません。

4.第35期、第36期、第37期、第38期及び第39期の株価収益率については、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第35期

第36期

第37期

第38期

第39期

決算年月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

売上高

(千円)

653,477

643,359

630,752

500,062

531,820

経常損失(△)

(千円)

1,131,250

48,258

159,794

503,432

196,675

当期純損失(△)

(千円)

2,109,157

63,920

179,050

547,128

219,107

資本金

(千円)

2,271,815

2,636,302

2,792,510

3,029,041

3,029,041

発行済株式総数

(株)

7,419,590

8,333,090

8,724,590

9,314,590

9,314,590

純資産額

(千円)

1,342,190

2,007,243

2,140,609

2,064,300

1,845,193

総資産額

(千円)

3,392,596

3,242,166

2,911,068

2,439,750

1,962,901

1株当たり純資産額

(円)

180.33

240.37

244.88

221.41

197.88

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

289.54

8.51

21.21

62.24

23.52

潜在株式調整後1株当
たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

39.4

61.8

73.4

84.5

93.9

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数
[ほか、平均臨時雇用人員]

(名)

47

48

52

56

58

[9]

[9]

[7]

[9]

[7]

株主総利回り
 (比較指標:JASDAQグロース)

(%)

(%)

78

140

68

51

53

[99]

[139]

[95]

[64]

[81]

最高株価

(円)

1,320

1,482

1,548

1,143

725

最低株価

(円)

730

716

517

409

470

 

(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.第35期については、売上高は順調に増加しましたが、前橋研究所の固定資産を一括で研究開発費に計上したことや、特別損失に減損損失を計上したこと等により経常損失及び当期純損失を計上しております。

  第36期については、売上高は前期より若干減少しておりますが、販売費及び一般管理費の圧縮等により経常損失及び当期純損失は大幅に改善しております。

  第37期については、売上高が若干減少したことに加え、有形固定資産及び無形固定資産の購入時全額費用処理の影響等により経常損失及び当期純損失を計上しております。

  第38期については、売上高が大幅に減少したことに加え、有形固定資産の購入時全額費用処理の影響等により経常損失及び当期純損失を計上しております。

  第39期については、売上高が微増したことに加え、前期と比較し販売費及び一般管理費が減少しましたことにより、経常損失及び当期純損失は大幅に改善しております。

3.第35期、第36期、第37期、第38期及び第39期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。

4.第35期、第36期、第37期、第38期及び第39期の自己資本利益率については、当期純損失が計上されているため記載しておりません。

5.第35期、第36期、第37期、第38期及び第39期の株価収益率については、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。

6.第35期、第36期、第37期、第38期及び第39期の配当性向については、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。

7.最高・最低株価は、東京証券取引所JASDAQ(グロース)におけるものであります。

 

2 【沿革】

年月

事項

1982年9月

医薬品及び医薬部外品の免疫学的研究、開発、製造及び販売を目的として、東京都千代田区に資本金5,000千円をもって株式会社免疫生物研究所を設立。
同時に、群馬県高崎市に研究所を設置。

1986年8月

研究設備拡充のため、群馬県藤岡市に藤岡研究所を新設し、研究所を移転。

1987年12月

藤岡研究所内に本社を移転。

1994年4月

生産能力向上のため、藤岡研究所内に工場を新設。

1999年10月

初の受託製造品となる関節炎発症カクテル抗体の大量生産に成功。

2001年4月

藤岡研究所内に遺伝子組換え実験施設を備えた新研究棟を建設。

2004年6月

群馬県高崎市に本社を移転。

2005年3月

北海道三笠市に医薬シーズの探索を目的とする実験動物飼育施設を備えた三笠研究所を新設。

2006年12月

当社創製の抗アミロイドβ抗体(82E1)に関して、米国Intellect Neuroscience, Inc.とライセンス契約を締結。

2007年3月

大阪証券取引所ヘラクレス(現東京証券取所JASDAQ(グロース))に株式を上場。

2009年1月

診断薬の品質管理及び品質保証を目的にISO13485認証を取得。

2010年6月

群馬県藤岡市に本社を移転。

2013年7月

生活習慣病領域での創薬・研究支援に加え、予防・診断支援などを強化する目的で、株式会社スカイライト・バイオテック(連結子会社)の株式取得及び簡易株式交換により完全子会社化。

2013年10月

「ネオシルク-ヒト型コラーゲンⅠ」含有化粧品の販路拡大を目的として、株式会社エムコスメティックスを子会社化。

2013年11月

「ネオシルク-ヒト型コラーゲンⅠ」含有化粧品の通信販売を目的として、当社の完全子会社、株式会社ネオシルク化粧品(連結子会社)を設立。

2016年7月

群馬県前橋市に遺伝子組換えカイコ事業におけるGMP対応のパイロットプラントである前橋研究所を新設。

2019年3月

株式会社CUREDの実施する第三者割当増資を引受け、持分法適用関連会社化。

2021年2月

Abcontek.Inc(韓国企業)との間で、合弁会社(持分法適用会社)を設立。

 

  (注) 用語解説については、「第4提出会社の状況  4コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。

 

3 【事業の内容】

1.当社グループの事業概要について

  (1) 当社グループの概要

  当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、株式会社免疫生物研究所(当社)及び連結子会社2社、関連会社2社(持分法適用会社)で構成されております。

    当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

      ① 診断・試薬事業

  主要な製品およびサービスは、研究用関連では、主に抗体を基盤とした研究用試薬販売及び試薬関連受託サービスを行っております。また、医薬用関連では、医薬シーズライセンス事業及び体外診断用医薬品原料の製造・販売を行っております。

       ・・・株式会社免疫生物研究所

    ・・・株式会社AI Bio(持分法適用会社)

      ② 遺伝子組換えカイコ事業

  カイコの繭中に目的タンパク質を効率よく大量生産できる技術による受託サービスや化粧品原料の販売、さらに診断薬、医薬品への実用化を目指し、製薬企業等との共同研究を推進しております。

・・・株式会社免疫生物研究所

・・・株式会社CURED(持分法適用会社)

 

      ③ 検査事業

  主にLipoSEARCHを中核事業とし、臨床研究、基礎研究、動物医療及び自由診療領域でのリポタンパク質プロファイリング詳細解析サービスを提供しております。

 藤岡研究所内に、登録衛生検査所「IBL解析センター」を開設し、IBL独自のELISA測定キットを用いた研究検査の受託測定を開始しております。さらに、大手検査会社と提携したことにより、検査受託を安定的に、かつ、拡大してまいります。

       ・・・株式会社免疫生物研究所

       ・・・株式会社スカイライト・バイオテック(連結子会社)

      ④ 化粧品関連事業

  化粧品原料「ネオシルク-ヒト型コラーゲンⅠ」を配合した化粧品の製品開発、販売が主な事業となっております。

・・・株式会社ネオシルク化粧品(連結子会社)

 

当社グループの事業内容を図示すると以下のようになります。


 

 

2.当社グループの事業セグメントについて

  (1) 診断・試薬事業

  診断・試薬事業は、研究用関連と医薬用関連から構成されております。その各々の事業内容は次のとおりであります。

 

① 研究用関連

  研究用関連は、研究用試薬販売及び試薬関連受託サービスから構成されております。研究用試薬販売は、抗体関連試薬販売及びその他の試薬販売に分類されます。抗体関連試薬販売では、EIA測定キット及び抗体を販売しております。また、その他の試薬販売では、合成ペプチドその他を販売しております。

     ・ 抗体関連試薬販売

  主に抗体を基盤にした研究用試薬を販売しており、当事業の主力製品であります。抗体関連試薬は、抗原の定性及び定量、単離・精製など幅広く利用されており、現在では生命科学の研究に欠かせないツールとなっております。当事業は様々な研究に使用する抗体試薬を供給できる体制を整えております。一方で、免疫反応を利用した診断用に抗体試薬は大量に使用されますが、このような需要に対しても、バルク及びOEM供給できる体制を整えております。さらに、診断薬を含む医療機器に関する品質マネジメントシステムISO13485を取得しております。

        イ  EIA測定キット

  抗原を定性あるいは定量するための研究用キットであります。抗体、酵素、反応液、反応をさせるためのプレートなど測定に必要な試薬が全てセットになっており、血液や尿中等に存在する目的の抗原物質の濃度を簡便に測定することができます。

        ロ  抗体

  生化学、分子生物学及び病理学等の基礎研究に広く使用されております。例えば免疫組織染色用の抗体は、薄切された組織を染色することで、病因となる抗原の有無や組織中での局在状態など、多くの情報を得ることができます。その他、抗原抗体反応を利用した多くの技術が広く研究を行う現場で使用されております。

 

     ・ その他の試薬販売

        イ  細胞培養関連試薬

  細胞の栄養源となる細胞培養液など、細胞を培養するために必要な試薬であります。

        ロ  合成ペプチド

  抗体を作製するために、抗原として使用するペプチドであり、有機化学の手法によって合成されるものであります。

        ハ  その他

  細胞の分離に必要な試薬や研究用キットの部品などです。

     ・ 試薬関連受託サービス

  製薬企業の多くは、経営の効率化から研究開発をアウトソーシングする方針を打ち出しております。一方、公的研究機関や国立大学においても、法人化への移行に伴い研究の効率化が求められております。このような環境の下、研究開発に対する支援事業の需要は高まっております。一方、確実に成果の得られる支援先企業の選択が行われております。当社グループは「抗体作製に関する技術力の高さ」を強みとして、公的研究機関、大学、製薬企業などに対して、以下に掲げるサービスを主に提供しております。

        イ  抗体の作製、精製、標識

        ロ  細胞培養によるタンパク質製造

        ハ  抗体による測定系の開発

        ニ  受託試験

 

② 医薬用関連

  医薬用関連は、医薬シーズライセンス及び体外診断用医薬品販売から構成されております。医薬シーズライセンスでは、当社独自あるいは公的研究機関や大学との共同研究から創製された抗体を、治療用医薬品あるいは診断用医薬品のシーズとして製薬企業に権利譲渡又は権利許諾を行い、その対価として、契約一時金、開発の進捗に応じたマイルストーン契約金、製品発売後にはロイヤリティーを受領するという収益構造を想定しております。また、診断用医薬品及びその候補品に対する原料供給による収益構造も想定しております。

  他方、体外診断用医薬品販売では、牛海綿状脳症に対する動物用体外診断用医薬品を受託製造しております。さらに今後、自社製品のうち有望な製品を診断薬として申請登録して販売していく方針であります。

 

     ・ 医薬シーズライセンス

  当社では、抗体作製技術を基盤として、治療用医薬品あるいは診断用医薬品に適した抗体の創製に取り組んでおります。治療用医薬品開発においては、製薬企業各社がパイプラインを充実させるために医薬シーズに係る権利の譲渡又は許諾を受ける活動を積極的に展開していることを受けて、当社の人的資源と効率を鑑み、創薬ターゲットの探索及びそのターゲットに対する各種抗体の作製とそれらの抗体の薬効評価に特化しております。

イ  Abcontek社(韓国)と合弁会社「株式会社AI Bio」を設立し、ダニ媒介性感染症であるSFTSを治療するための抗体医薬品候補「ACT101」を共同開発し、現在、外部ソースを活用し製造に適する生産細胞株の構築を実施しております。今後については、導出を視野に入れた研究開発ならびに導出活動を進めてまいります。なお、このSFTSの治療には、現在、対症療法しかなく、死亡例も出ておりますが、有効な薬剤やワクチンは開発されていません。

ロ  国立大学法人徳島大学と胃や腸の消化管壁の粘膜下にある未熟な間葉系細胞に由来する「肉腫」の一種とされるGIST(消化管間質腫瘍)を診断、治療するための抗体医薬品を研究開発し、製薬企業等への導出等を目指して参ります。

 

     ・ 体外診断用医薬品販売

  当事業では、今までに研究用試薬として販売していたEIA測定キットのうち、診断に向け測定価値の認められるものを体外診断用医薬品登録に向けて開発を行ってまいります。既に国内外での登録を視野に入れ、海外他社との連携も開始しており、今後、キットの生産量に応じた収益を見込んでまいります。

イ  学校法人埼玉医科大学が所有する、難聴・めまいの原因を生化学的に診断できる世界初のバイオマーカー「CTP(cochlintomo-protein)」に関する発明に関して、株式会社コスミックコーポレーションに日本国内での薬事申請・販売の権利を譲渡しております。現在、株式会社コスミックコーポレーションは、体外診断用医薬品製造販売承認を取得し、現在、保険適用の申請を行っております。さらに、当社は、学校法人埼玉医科大学と簡便性・迅速性に優れたイムノクロマト法によるCTP測定試薬の開発を共同で行っております。

ロ  クロウ・深瀬(POEMS)症候群は、骨髄の中にある形質細胞という細胞の異常増殖によっておこる疾患で、国の難病に指定されています(指定難病16)。この疾患においては、血清中VEGF(血管内皮増殖因子)値が異常に高値となることが示されており、血清中VEGF値の測定が疾患の診断補助及び治療、経過モニタリングとして有用であることが報告されています。当社は、製薬企業と共同で、血清中VEGF値を測定する体外診断用医薬品の開発を行い、終了しております。現在、藤本製薬株式会社は、製造販売承認の取得し、保険適用の申請が完了しております。なお、本製品の安定的な製造、供給は、当社が担当してまいります。

ハ  グルカゴンは、膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌されるホルモンで、血糖調節因子として知られていますが、ELISA法による測定は類似ペプチドの交叉による影響を受けやすく、正確な測定が難しいとされてきました。両断端に特異的な2抗体を用いた膵グルカゴン特異的測定系の開発により、血中グルカゴン濃度の正確な評価が可能となり、今後、糖尿病の病態や病気を診断するための独立した新しい指標となる可能性が示唆されています。当社は、群馬大学と共同で、血清中グルカゴン値を測定する体外診断用医薬品の開発を行っております。

二  筋ジストロフィー患者の尿中に存在するタイチンというタンパク質に対する、筋ジストロフィーの病気診断・病態のモニタリングマーカーとして測定系を開発し、研究用試薬として販売を開始しておりますが、2022年3月期中に体外診断用医薬品製造販売承認申請を予定しており、現在、申請準備中であります。

ホ  赤痢アメーバ症は赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)という寄生性の原虫が原因となって引き起こされる病気で、日本国内において、2012年以降、感染症法に基づく報告数は900例を超えてきており、増加傾向にあります。そこで当社は、簡便な血液検査で赤痢アメーバ感染の有無をチェックできる体外診断用医薬品の開発を行っております。なお、2022年3月期第4四半期に体外診断用医薬品製造販売承認申請を予定しております。

       その他、新規製品の体外診断薬としての研究開発を進めてまいります。

 

  (2) 遺伝子組換えカイコ事業

  当事業では、目的とするタンパク質を遺伝子組換え手法によりカイコの繭に生産させる技術を有しております。この生産技術は、下記の図に示しますように、目的とするタンパク質の元になる遺伝子を用意することから始まります。用意した遺伝子を、ベクターと呼ばれる遺伝子の運び屋に組み込み、次にそのベクターをカイコの卵に注入することで、目的タンパク質の遺伝子が組み込まれた遺伝子組換えカイコを作出します。この遺伝子組換えカイコは、目的タンパク質を繭の中に吐き出すように工夫されており、そのため繭から簡便にタンパク質を回収することが可能です。

 


 

 遺伝子組換えカイコ事業では、この技術により生産したタンパク質の実用化を進めています。遺伝子組換えカイコで生産したモノクローナル抗体は、安価であるうえに、安定性やバックグラウンドの低さ等に優位性を有しており、当社のELISAキットの原料として利用しているほか、大手診断用医薬品メーカーへも供給されております。

さらに、株式会社ニッピとの共同研究により、iPS細胞等の培養足場材として有効であるラミニン511-E8の生産にも成功し、研究用試薬としての販売も実現しています。遺伝子組換えカイコで生産したラミニン511-E8(iMatrix-511 silk)は、機能および価格的優位性から、多くの研究者の皆様に利用いただいております。

  また、本技術を利用してヒト型コラーゲンを大量生産させることに成功し、将来全世界に販売活動を行うことが可能なように、新規化粧品原料として「INCI名」を取得いたしました。このような戦略的な活動を通じて、世界の化粧品業界において、カイコ由来のヒト型コラーゲンが広く活用されるよう事業を推進します。

  これら研究用試薬や化粧品分野での製品を製造販売する事業に加えて、当社は、遺伝子組換えカイコによるバイオ医薬品製造の実現へ向けた挑戦を続けております。遺伝子組換えカイコは、動物細胞では生産が困難な高分子量のタンパク質等を生産することが可能です。また、特に抗体においては、糖鎖にフコースを持たないため、高いADCC活性を発揮させることが可能です。さらに、カイコの飼育においては養蚕業で培われた優れた飼育技術を利用することができるため、医薬品に適した安定した品質のタンパク質を生産できる利点もあります。

遺伝子組換えカイコによる医薬品製造を実現させるには、GMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準)などの規制への対応も必要です。当社は、2016年に遺伝子組換えカイコによる医薬品製造のパイロットプラントである前橋研究所を建設しました。この設備にて、安定した品質の医薬品原薬を製造するために、遺伝子組換えカイコの系統管理や製造管理技術の開発を進めています。これらの試みにより、遺伝子組換えカイコによる世界初のバイオ医薬品製造の実現を目指してまいります。

 

  (3) 検査事業

  当事業は、株式会社スカイライト・バイオテックによる「LipoSEARCH」を主とした研究検査と登録衛生検査所「IBL解析センター」による検査で構成されております。

株式会社スカイライト・バイオテックでは生活習慣病領域での創薬・研究支援に加え予防・診断支援などに特化した事業を行っております。特に、世界で唯一の高感度ゲルろ過高速液体クロマトグラフィーを用いた血中リポタンパク質詳細プロファイリングサービス「LipoSEARCH」は、最先端のリポタンパク質解析技術として、当領域の専門研究機関・製薬企業・食品企業における研究・開発及び創薬支援として広く利用されております。

  本「LipoSEARCH」は、血中の各リポタンパク質の粒子サイズにより分画した波形データ(クロマトグラム)と、各分画におけるコレステロール量と中性脂肪量を提供する事により、病態や薬剤投与の影響によるリポタンパク質プロファイルの全体的かつ詳細な変化をとらえることができます。

 また診断・試薬事業部門で開発製品化した、生活習慣病関連に係わる各種バイオマーカー測定の受託サービスも提供しており、本領域での新たな疾患マーカーの探索や、食品素材の機能性に関する研究等に対する総合的な支援を推進しております。

 さらに、伴侶動物(ペット)向けの脂質代謝関連疾患検査サービス「LipoTEST」を動物病院の獣医師様を経由して飼い主様に提供しております。IBL解析センターでは、診断・試薬事業部門で開発された独自のELISA測定キットを用いた研究検査の受託測定を実施しております。さらに、大手検査会社と提携したことにより、検査受託を安定的に、かつ、拡大させてまいります。

 このように、当社グループはヒトから伴侶動物に至るまで、豊富な研究ネットワークを有して、総合的な支援を通じた医療貢献を目指しております。

 

  (4) 化粧品関連事業

  当事業は、当社グループの遺伝子組換えカイコ事業において開発した化粧品原料「ネオシルク-ヒト型コラーゲンI」及びネオシルク-ヒト型コラーゲンⅠ配合化粧品「フレヴァン」を化粧品業界や消費者の皆様に広く販売するため、連結完全子会社の株式会社ネオシルク化粧品が事業を展開しております。「ネオシルク-ヒト型コラーゲンI」は、遺伝子組換えカイコの繭に生産させたもので、現在使用されている魚や豚等の異種動物から生産されるコラーゲンとは異なる、今までにない全く新しい化粧品原料です。また、この繭はもちろんのこと、繭から生成したネオシルク-ヒト型コラーゲンIには、組換え遺伝子は含まれておらず、純粋にヒトのコラーゲンと同等なアミノ酸骨格を有するものであることから、安全性が高く、消費者の皆様に安心してお使いいただける化粧品原料であると考えております。また、化粧品原料「ネオシルク-ヒト型コラーゲンⅢ」の販売が開始され、今後は、「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅢ」を使用した高級化粧品の開発に取り組み、幅広いユーザーに提供できる製品を開発してまいります。

 

  (注) 用語解説については、「第4提出会社の状況  4コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金又は
出資金
(千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
(被所有)割合
(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

㈱スカイライト・バイオテック

秋田県秋田市

58,777

検査事業

100%

役員の兼任 3名

製品の売上、仕入

㈱ネオシルク化粧品

群馬県藤岡市

50,000

化粧品関連事業

100%

役員の兼任 1名

資金の貸付

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

㈱CURED

神奈川県横浜市中区

100,000

遺伝子組換えカイコ事業

22.48%

医薬品原料導出に関する共同研究を行っております。

役員の兼任 1名

 

㈱AI Bio

東京都中央区

10,000

診断・試薬事業

49%

役員の兼任 1名

 

(注)1. 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。

        2. 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

3. ㈱スカイライト・バイオテックについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

 

主要な損益情報等

① 売上高

75,920千円

 

② 経常利益

△8,392 〃

 

③ 当期純利益

△8,775 〃

 

④ 純資産額

45,435 〃

 

⑤ 総資産額

96,914 〃

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2021年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

診断・試薬事業

65

遺伝子組換えカイコ事業

検査事業

[9]

化粧品関連事業

合計

65

[9]

 

(注)1.従業員数は就業人員であります。

2.従業員数欄の[  ]外書きは、臨時従業員(準社員及びパートタイマー)の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

   3. 当社グループは従業員数が少ないため、同一の従業員が複数の事業に従事しております。

 

  (2) 提出会社の状況

   2021年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

58

43.0

12.9

3,991

[7]

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

診断・試薬事業

 

遺伝子組換えカイコ事業

58

検査事業

[7]

合計

58

[7]

 

(注)1.従業員数は就業人員であります。

2.従業員数欄の[  ]外書きは、臨時従業員(準社員及びパートタイマー)の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

3.当社は従業員数が少ないため、同一の従業員が複数の事業に従事しております。

4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

  (3) 労働組合の状況

      労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。