文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、米国経済において個人消費の堅調等から景気の拡大が続くとともに、欧州においても底堅く推移しており、アジア地域の新興国においても堅調な内外需に支えられ好調な状況が続きました。わが国における経済状況においても、輸出や設備投資の緩やかな増加などに牽引され堅調に推移しております。
当社グループが属する製薬業界におきましては、分子標的薬の米国FDA(Food and Drug Administration)による新薬の承認数は2017年度において46件と前年度比で2倍以上となり、そのうち低分子の分子標的薬の承認数は60%を超える等、当社が研究開発を行っている低分子のキナーゼ阻害薬を含めた分子標的薬の研究開発は依然活況を呈しています。さらに、FDAにより承認された上記新薬のうちBreakthrough Therapy(画期的治療薬)の指定を受けたものが3分の1を超えており、非常に有効性の高い新薬の承認が相次いでおります。特に、がん領域において免疫チェックポイント阻害薬の相次ぐ承認、適応疾患領域の拡大、それらに加えて免疫チェックポイント阻害薬とキナーゼ阻害薬等との併用療法による治験が活発に行われており、がんを標的とした分子標的薬の研究開発は新たな段階に突入しております。
このような状況下、当社グループは、当社のキナーゼ阻害薬の創薬に係る創薬基盤技術を駆使して開発したがんを標的とするCDC7阻害剤をSierra Oncology社に導出しており、現在、同社においてSRA141としてIND申請に向けた準備が進められておりますが、このまま順調に開発が進みますと、プログラムの進捗に応じたマイルストーンが当社に支払われることになります。
さらに当社の2つのBTK阻害薬プログラムが前臨床研究段階にあり、IND申請に向けた研究開発を積極的に進めております。リウマチなどの免疫炎症疾患を標的としたBTK阻害剤(AS-871)については、GLP基準での前臨床試験に向けたプロセス検討及びキログラム単位の大量合成を実施しており、早期の臨床試験開始を目指して、外部機関と連携しながら前臨床試験を進めております。さらに、イブルチニブ耐性の血液がんを治療標的とする次世代BTK阻害剤CB-1763についても、動物モデルにおいて非常に高い効果を示していることから、独Evotec社のINDiGOプラットフォームを活用し開発を進めております。
加えて、本年3月には大日本住友製薬株式会社と、アンメット・メディカル・ニーズの高い精神神経疾患領域の革新的な治療薬に関する共同研究ならびに開発および事業化に関する契約を締結し、当第2四半期連結会計期間において契約一時金を売上計上しました。
また、当社のもう一つの事業の柱である創薬支援事業においては、欧州とアジア地域において売上が大きく拡大しました。特に中国における創薬関連のビジネス分野の伸張は目覚しいものがあり、中国での売上が急拡大しました。中国の現地代理店との連携を強化することにより、さらなる売上の拡大を目指してまいります。さらに日本、米国においては既存顧客への深耕や新規顧客の開拓を戦略的に行い、顧客特注案件に柔軟に対応することで売上の拡大に取り組んでまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は399,114千円(前年同四半期比22.1%増)、営業損失は436,694千円(前年同四半期は291,843千円)、経常損失は443,148千円(前年同四半期は297,318千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は489,682千円(前年同四半期は316,142千円)となりました。
セグメント別の業績は次の通りです。
①創薬事業
大日本住友製薬株式会社との共同研究ならびに開発および事業化に関する契約を締結し一時金を獲得するとともに、前臨床研究段階にある創薬プログラムを中心に研究開発に積極的に先行投資をおこなったこと等から、売上高は50,000千円(前年同四半期は売上の計上なし)、営業損失は515,363千円(前年同四半期は362,020千円)となりました。
②創薬支援事業
キナーゼタンパク質の販売、アッセイ開発、プロファイリング・スクリーニングサービス及びセルベース・アッセイサービスの提供等により、創薬支援事業の売上高は349,114千円(前年同四半期比6.8%増)、営業利益は78,668千円(前年同四半期比12.1%増)となりました。売上高の内訳は、国内売上は154,326千円(前年同四半期比15.3%減)、北米地域は105,609千円(前年同四半期比5.5%増)、欧州地域は56,949千円(前年同四半期比81.5%増)、その他地域は32,228千円(前年同四半期比145.8%増)であります。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は1,959,039千円となり、前連結会計年度末と比べて231,347千円減少しました。その内訳は、現金及び預金の減少336,656千円、売掛金の減少18,497千円、原材料及び貯蔵品の増加29,099千円等であります。
負債は974,728千円となり、前連結会計年度末と比べて162,250千円増加しました。その内訳は、1年内返済予定の長期借入金の増加94,430千円、未払金の減少38,205千円、長期借入金の増加127,199千円等であります。
純資産は984,310千円となり、前連結会計年度末と比べて393,597千円減少しました。その内訳は、親会社株主に帰属する四半期純損失489,682千円の計上、資本金の増加48,808千円、資本剰余金の増加48,808千円等であります。
また、自己資本比率は49.5%(前連結会計年度末は62.2%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により495,190千円減少し、投資活動により49,759千円減少し、財務活動により210,337千円増加した結果、当第2四半期連結会計期間末においては1,519,562千円(前連結会計年度末比336,656千円減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は495,190千円(前年同四半期は222,568千円の減少)となりました。これは主に税金等調整前四半期純損失487,764千円の計上、減損損失44,615千円の計上、売上債権の減少17,690千円、たな卸資産の増加27,723千円及び未払金の減少36,600千円の差し引きによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は49,759千円(前年同四半期は28,738千円の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出49,759千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は210,337千円(前年同四半期は15,582千円の減少)となりました。これは主に長期借入れによる収入350,000千円、長期借入金の返済による支出128,371千円及び社債の償還による支出14,014千円によるものであります。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は468,110千円であります。
また、当第2四半期連結累計期間におけるセグメント別の研究開発費は以下のとおりであります。
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創薬事業 |
449,141 |
千円 |
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創薬支援事業 |
18,968 |
千円 |