第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

(1) 当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

(2) 継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、アンメット・メディカル・ニーズが高く、これまでにない画期的な新薬の創製を目的とした創薬ベンチャーであります。当社単独もしくは大学等との共同研究において創出した医薬品候補化合物の価値を高めるため、積極的に研究開発への先行投資を行っています。この研究開発への投資により創薬パイプラインの価値を高めたうえで、製薬企業等に対し日米欧の三極を含むグローバルなライセンスアウトをすることを通じて、企業価値の最大化を図るべく事業に取り組んでいます。

現在、当社グループは2つの創薬パイプラインで前臨床試験を実施するとともに、当期以降において臨床試験を開始する計画としており、引き続き研究開発への先行投資を行ってまいりますが、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しているとともに、現時点で先行投資として実施する研究開発のための十分な資金が必ずしも手許に準備できていないことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在していると判断しております。しかしながら、第16回及び第17回新株予約権が全数行使されたことにより必要な資金の一部について資金調達が完了するとともに、後記「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 2  事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策」に記載のとおり、当社グループの創薬事業におけるマイルストーン収入および導出一時金等の獲得、ならびに創薬支援事業における更なる売上高の上積みを通じた資金確保、さらに必要に応じて新たな資金調達を実施してまいります。先行投資として実施する研究開発はこれらの資金調達の状況をみながら実施することから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

1  経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容

(1) 業績の状況

当社が属する製薬業界においては、米国FDA(Food and Drug Administration)による2018年の新薬承認数が59件と、前年の46件に比べて大幅に増加しており、そのうち低分子医薬品の承認数が60%を超えるなど、当社が研究開発を行っている低分子医薬品の研究開発は引き続き活況を呈しております。その成果としてFDAにより承認された新薬のうちBreakthrough Therapy(画期的治療薬)の指定を受けたものが20%を超える等、非常に有効性の高い新薬の承認が相次いでおります。特に、がん領域においては、免疫チェックポイント阻害薬の相次ぐ承認や適応疾患領域の拡大に加え、免疫チェックポイント阻害薬とキナーゼ阻害薬などとの併用療法による治験が活発に行われており、がんを標的とした分子標的薬の研究開発から画期的な新薬が生み出されることが期待されています。

このような状況下、当社グループは、当社のキナーゼ阻害薬の創薬に係る創薬基盤技術を駆使して開発したがんを標的とするCDC7阻害剤AS-141 (Sierra Oncology, Inc. の開発コード:SRA141)の導出に成功しております。導出先であるSierra Oncology社は、SRA141の米国におけるIND申請(新薬臨床試験開始届)に関係する一連のプロセスを成功裏に完了しており、大腸がんを対象とした治験開始(フェーズ1/2)に向けた準備を進めています。当該フェーズⅠ試験においてSRA141が最初の患者に投与されたときに、マイルストーンとして4百万ドルが当社に支払われます。その後も、本プログラムの進捗に応じたマイルストーンが当社に支払われます(マイルストーン総額で最大270百万ドル)。また上市後は、売上高に応じた一桁の段階的ロイヤリティが当社に支払われます。
 さらに、大型新薬(ブロックバスター)の可能性がある当社の2つのBTK阻害薬プログラムが前臨床試験段階にあり、欧米での治験申請に向けた研究開発を積極的に進めております。リウマチなどの免疫炎症疾患を標的としたBTK阻害剤AS-0871については、GLP基準(医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準)での安全性試験を実施しており、早期の臨床試験開始を目指して、外部機関と連携しながら前臨床試験を進めております。さらに、イブルチニブ耐性の血液がんを治療標的とする次世代BTK阻害剤AS-1763については、最優先テーマとして開発を進めるため、臨床試験開始までのプロセスを加速させることが可能な独エボテック社のINDiGOプラットフォームを活用して前臨床試験を進めております。

当社のもう一つの事業の柱である創薬支援事業においては、国内地域においては、顧客ニーズを掘り起こすべく積極的に顧客訪問を実施するとともに、北米地域においては新規顧客の開拓を目指して販促活動を展開してまいりました。また、製品別ではタンパク質製品の売上拡大を図るべく当社グループのオンリーワン製品であるビオチン化タンパク質の製品ラインナップの拡充に取り組んでまいりました。

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は169,964千円(前年同四半期比19.5%減)、営業損失は233,119千円(前年同四半期は188,874千円の営業損失)、経常損失は235,883千円(前年同四半期は191,334千円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は236,814千円(前年同四半期は194,481千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

 

セグメント別の業績は次の通りです。

①創薬事業

当第1四半期連結累計期間の創薬事業において、売上高の計上はなく(前年同四半期は売上高の計上なし)、前臨床試験等の研究開発への積極的な投資等により営業損失は263,614千円(前年同四半期は253,452千円の損失)となりました。

②創薬支援事業

  キナーゼタンパク質の販売、アッセイ開発、プロファイリング・スクリーニングサービス及びセルベースアッセイサービスの提供等により、創薬支援事業の売上高は169,964千円(前年同四半期比19.5%減)、営業利益は30,494千円(前年同四半期比52.8%減)となりました。売上高の内訳は、国内売上が71,252千円(前年同四半期比36.8%減)、北米地域は66,711千円(前年同四半期比34.0%増)、欧州地域は16,070千円(前年同四半期比47.2%減)、その他地域は15,930千円(前年同四半期比12.8%減)であります。

 

(2) 財政状態の分析

当第1四半期連結会計期間末における総資産は1,600,967千円となり、前連結会計年度末と比べて169,122千円減少しました。その内訳は、現金及び預金の減少174,646千円等であります。
  負債は753,633千円となり、前連結会計年度末と比べて129,002千円減少しました。その内訳は、1年内返済予定の長期借入金の減少18,666千円、未払金の減少42,205千円、長期借入金の減少42,744千円等であります。
  純資産は847,333千円となり、前連結会計年度末と比べて40,120千円減少しました。その内訳は、新株予約権の行使に伴う株式の発行による資本金及び資本剰余金の増加199,011千円、親会社株主に帰属する四半期純損失236,814千円の計上等であります。
  また、自己資本比率は52.7%(前連結会計年度末は49.7%)となりました。

 

(3) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は228,838千円であります。

また、当第1四半期連結累計期間におけるセグメント別の研究開発費は以下のとおりであります。

創薬事業

209,399

千円

創薬支援事業

19,439

千円

 

 

2  事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策

当社グループは、前記「1 事業等のリスク (2) 継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、現在2つの創薬パイプラインで前臨床試験を実施するとともに、当期以降において臨床試験を開始する計画としており、引き続き研究開発への先行投資を行ってまいりますが、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しているとともに、現時点で先行投資として実施する研究開発のための十分な資金が必ずしも手許に準備できていないことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在していると判断しております。しかしながら、第16回及び第17回新株予約権が全数行使されたことにより必要な資金の一部について資金調達が完了するとともに、当社グループの創薬事業におけるマイルストーン収入および導出一時金等の獲得、ならびに創薬支援事業における更なる売上高の上積みを通じた資金確保、さらに必要に応じて新たな資金調達を実施してまいります。そのうえで、先行投資として実施する研究開発はこれらの資金調達の状況をみながら実施することから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

当社はこれら対応策を着実に実行することにより、早期に当該事象を解消するとともに、当社の企業価値を高め、飛躍的な成長につなげてまいります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。