当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」からの重要な変更があった事項は以下のとおりです。
当社グループは、当第2四半期連結累計期間において、創薬事業におけるライセンス契約締結に伴う導出一時金を収益計上し、営業利益を計上いたしました。また、上記導出一時金収入により、先行投資として実施する研究開発のための当面の資金を調達できていることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象は現時点で存在しないと判断しております。したがって、前事業年度の有価証券報告書に記載した「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (9)継続企業の前提に関する重要事象等」は消滅しております。
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当社が属する製薬業界においては、米国FDA(Food and Drug Administration)による2018年の新薬承認数が59件と、前年の46件に比べて大幅に増加しており、そのうち低分子医薬品の承認数が60%を超えるなど、当社が研究開発を行っている低分子医薬品の研究開発は引き続き活況を呈しております。その成果としてFDAにより承認された新薬のうちBreakthrough Therapy(画期的治療薬)の指定を受けたものが20%を超える等、非常に有効性の高い新薬の承認が相次いでおります。特に、がん領域においては、免疫チェックポイント阻害薬の相次ぐ承認や適応疾患領域の拡大に加え、免疫チェックポイント阻害薬とキナーゼ阻害薬などとの併用療法による治験が活発に行われており、がんを標的とした分子標的薬の研究開発から画期的な新薬が生み出されることが期待されています。
このような状況下、当社は、本年6月に米国のギリアド・サイエンシズ社(以下、ギリアド社)と、当社が研究開発した新規がん免疫療法の創薬プログラムの開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与する契約を締結し、その対価である契約一時金20百万ドルを当第2四半期連結会計期間に売上計上いたしました。当社は今後、開発状況や上市などの進捗に応じて追加的に最大で450百万ドルを受け取ることになり、さらに、本プログラムにより開発された医薬品の上市後の売上高に応じたロイヤリティを受け取ります。また、当社は、上記ライセンス契約とは別に、ギリアド社による当該プログラムの開発をサポートするために、当社が開発した脂質キナーゼ阻害剤に関する創薬基盤技術を有償で、ギリアド社に一定期間、独占的に供与します。
当社が開発し、シエラ・オンコロジー社(以下、シエラ社)に導出した、がんを標的とするCDC7阻害剤AS-141 (シエラ社の開発コード:SRA141)につきましては、米国においてIND申請(新薬臨床試験開始届)が完了しており、シエラ社は大腸がんを対象とした治験開始(フェーズ1/2)に向けた準備を進めています。当該フェーズ1試験においてSRA141が最初の患者に投与されたときに、マイルストーンとして4百万ドルが当社に支払われる契約となっています。シエラ社は、SRA141の開発を引き続き前進させるため、様々な選択肢を戦略的に検討中と発表しており、当社はSRA141の治験が早期に開始されることを期待しております。
さらに、大型新薬(ブロックバスター)の可能性がある当社の2つのBTK阻害薬プログラムが前臨床試験段階にあり、欧米での治験申請に向けた研究開発を積極的に進めております。免疫炎症疾患を標的としたBTK阻害剤AS-0871については、欧州における臨床試験開始を目的として、GLP基準(医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準)での各種毒性および安全性試験がほぼ終了いたしました。引き続き、早期の臨床試験開始を目指して、外部機関と連携しながら前臨床試験を完了させるとともに、CTA申請(欧州における臨床試験許認可)の準備を進めております。イブルチニブ耐性の血液がんを治療標的とする次世代BTK阻害剤AS-1763については、GMP基準(医薬品等の製造管理及び品質管理の基準)での原薬合成が終了しており、引き続き臨床試験開始に必要な各種前臨床試験を進めております。
当社のもう一つの事業の柱である創薬支援事業においては、国内地域においては、顧客ニーズを掘り起こすべく積極的に顧客訪問を実施するとともに、北米地域においては新規顧客の開拓を目指して販促活動を展開してまいりました。また、製品別ではタンパク質製品の売上拡大を図るべく当社グループのオンリーワン製品であるビオチン化タンパク質の製品ラインナップの拡充に取り組んでまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は2,460,795千円(前年同四半期比516.6%増)、営業利益は1,451,407千円(前年同四半期は436,694千円の営業損失)、経常利益は1,446,350千円(前年同四半期は443,148千円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,195,813千円(前年同四半期は489,682千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメント別の業績は次の通りです。
①創薬事業
当社独自の研究開発から見出された化合物を含む新規がん免疫療法の創薬プログラムに関して、ギリアド社と、当該プログラムの開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与する契約を締結し、その対価として契約一時金20百万ドル(2,128,000千円)を当第2四半期連結会計期間に売上計上しました。前臨床研究段階にある創薬プログラムを中心に研究開発に積極的に先行投資をおこなったこと等から、売上高は2,128,000千円(前年同四半期は50,000千円)、営業利益は1,435,680千円(前年同四半期は515,363千円の営業損失)となりました。
②創薬支援事業
キナーゼタンパク質の販売、アッセイ開発、プロファイリング・スクリーニングサービス及びセルベース・アッセイサービスの提供等により、創薬支援事業の売上高は332,795千円(前年同四半期比4.7%減)、営業利益は15,726千円(前年同四半期比80.0%減)となりました。売上高の内訳は、国内売上は106,672千円(前年同四半期比30.9%減)、北米地域は144,397千円(前年同四半期比36.7%増)、欧州地域は38,418千円(前年同四半期比32.5%減)、その他地域は43,306千円(前年同四半期比34.4%増)であります。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は3,901,020千円となり、前連結会計年度末と比べて2,130,930千円増加しました。その内訳は、現金及び預金の減少30,435千円、売掛金の増加2,152,977千円、商品及び製品の減少4,713千円等であります。
負債は1,101,328千円となり、前連結会計年度末と比べて218,691千円増加しました。その内訳は、1年内返済予定の長期借入金の減少31,760千円、未払金の増加90,541千円、未払法人税等の増加240,620千円、長期借入金の減少85,488千円等であります。
純資産は2,799,692千円となり、前連結会計年度末と比べて1,912,238千円増加しました。その内訳は、親会社株主に帰属する四半期純利益1,195,813千円の計上、資本金の増加360,897千円、資本剰余金の増加360,897千円等であります。
また、自己資本比率は71.7%(前連結会計年度末は49.7%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により545,158千円減少し、投資活動により26,120千円減少し、財務活動により542,174千円増加した結果、当第2四半期連結会計期間末においては1,324,819千円(前連結会計年度末比30,435千円減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は545,158千円(前年同四半期は495,190千円の減少)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益1,421,201千円の計上、減損損失25,149千円の計上、株式報酬費用20,216千円の計上、売上債権の増加2,154,205千円及び未払金の増加94,684千円の差し引きによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は26,120千円(前年同四半期は49,759千円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出27,211千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は542,174千円(前年同四半期は210,337千円の増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出117,248千円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入673,472千円によるものであります。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は504,005千円であります。
また、当第2四半期連結累計期間におけるセグメント別の研究開発費は以下のとおりであります。
当第2四半期連結会計期間において、当社が新たに締結した重要な契約は、次のとおりであります。