当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
なお、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のさらなる拡大は、当社の創薬支援事業の売上および外部に委託している前臨床試験および臨床試験等の実施に影響を与える可能性があります。
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当社は、創薬事業においては、アンメット・メディカル・ニーズの高い未だ有効な治療方法が確立されていない疾患を中心に、特にがん、免疫炎症疾患を重点領域として画期的な新薬の開発を目指して研究開発に取り組み、また、創薬支援事業においては、新たなキナーゼ阻害薬創製のための製品・サービスを製薬企業等へ提供するため、営業活動に取り組んでおります。
当第2四半期連結会計期間におきまして、当社が創製したCDC7阻害剤AS-0141に関するシエラ・オンコロジー社(以下「シエラ社」)との2016年5月26日付けライセンス契約を終了し、同剤の開発・販売・製造に関する全権利を当社が再取得いたしました。本件は、シエラ社が経営方針を変更し、臨床試験のフェーズ3段階にある同社の別のパイプラインに経営資源を集中的に投資すると決定したことを受けたものです。AS-0141はシエラ社によって米国におけるIND申請(新薬臨床試験開始届)が完了しており、当社はシエラ社が実施したすべての前臨床試験データ、原薬及び治験薬等を譲り受け、新たな開発計画を策定中です。
当社の2つのBTK阻害剤ポートフォリオのうち、炎症性免疫疾患を対象として開発を進めているBTK阻害剤AS-0871の第I相臨床試験について、欧州における新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、医療機関の負担軽減のため、また被験者の安全確保のための対策を講じる必要が生じたため、投与開始が当初予定より延期となっておりました。現在、最初の被験者への投与を8月中に予定しており、関係各所と協力し準備を進めています。AS-0871の第I相臨床試験は健康成人男女を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検、用量漸増単回経口投与試験です。本試験はオランダにて実施され、最大で延べ64名の被験者を対象に安全性、忍容性、薬物動態および副次的に薬力学を評価します。
イブルチニブ耐性の血液がんを治療標的とした次世代BTK阻害剤AS-1763については、臨床試験開始に向けて前臨床試験を実施中であり、ほぼすべての試験が終了し、治験に用いる製剤の準備を進めています。すべてのデータがそろい次第、2020年中に欧州でCTA(Clinical Trial Application、臨床試験許認可申請)を提出する計画です。また、AS-1763の価値をより早期に最大化するため、中華圏(中華人民共和国及び台湾)における開発・商業化の権利を中国バイオノバ・ファーマシューティカルズ(以下「バイオノバ社」という)に供与する契約を2020年3月に締結しております。今後、中国においてバイオノバ社が臨床試験を実施することになり、当社はバイオノバ社が実施したAS-1763に関するより多くの臨床試験データを収集・利用することで、AS-1763の治験を加速できると考えております。当社は、中華圏における今後のAS-1763の開発進捗に伴い、バイオノバ社から最大で約205百万ドル(約215億円)を受け取ることになり、さらに、AS-1763 の中華圏における上市後の売上高に応じた最大2桁の料率の段階的ロイヤリティを受け取ります。
創薬支援事業においては、当第2四半期連結累計期間の売上高は526,678千円(前年同四半期比58.3%増)となりました。2019年6月に締結した米国のギリアド・サイエンシズ社との新規がん免疫療法の創薬プログラムに関するライセンス契約に関連し、同社による当該プログラムの開発をサポートするため、当社の脂質キナーゼ阻害剤に関する創薬基盤技術を一定期間、独占的に同社に供与することになっており、これに関連した売上が当第2四半期連結累計期間の売上を押し上げました。一方、当第2四半期連結会計期間においては、新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、製薬企業等が研究所を閉鎖するなどの対策をとっていたため、一部顧客からの受注に影響がみられました。また、中国を含むその他地域の売上は、1月、2月に前年同期比で減少し、3月に一旦回復したものの、第2四半期連結会計期間には再び減少に転じました。当社製品のユーザーである中国のCRO(開発業務受託機関)は欧米の製薬企業から委託を受けて研究を行っていると思われ、欧米製薬企業が研究活動を低下させている影響を受けているとみられます。国内では、新型コロナウィルス感染症の売上への影響は限定的でした。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は579,703千円(前年同四半期比76.4%減)、営業損失は375,271千円(前年同四半期は1,451,407千円の営業利益)、経常損失は380,975千円(前年同四半期は1,446,350千円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は397,514千円(前年同四半期は1,195,813千円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。なお、前年同四半期からの業績の大幅な変動は、ギリアド・サイエンシズ社との上記ライセンス契約締結に伴い、前年同四半期に契約一時金2,128,000千円を受領したことが要因です。
セグメント別の業績は次の通りです。
①創薬事業
当第2四半期連結累計期間において、バイオノバ社とAS-1763の中華圏におけるライセンス契約を締結したことにより、契約一時金を受領いたしました。また、前臨床試験や臨床試験開始に向けた積極的な投資により、研究開発費は561,720千円(前年同四半期比21.4%増)となりました。以上の結果、創薬事業の売上高は53,025千円(前年同四半期比97.5%減)、営業損失は613,150千円(前年同四半期は1,435,680千円の営業利益)となりました。
②創薬支援事業
キナーゼタンパク質の販売、アッセイ開発、プロファイリング・スクリーニングサービス及びセルベースアッセイサービスの提供等により、創薬支援事業の売上高は526,678千円(前年同四半期比58.3%増)、営業利益は237,879千円(前年同四半期比1412.6%増)となりました。売上高の内訳は、国内売上が124,387千円(前年同四半期比16.6%増)、北米地域は333,010千円(前年同四半期比130.6%増)、欧州地域は37,093千円(前年同四半期比3.5%減)、その他地域は32,187千円(前年同四半期比25.7%減)であります。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は5,349,010千円となり、前連結会計年度末と比べて27,599千円減少しました。その内訳は、売掛金の減少26,510千円等であります。
負債は805,571千円となり、前連結会計年度末と比べて717,516千円減少しました。その内訳は、1年内返済予定の長期借入金の減少47,213千円、未払金の減少187,759千円、未払法人税等の減少106,870千円、長期借入金の減少88,273千円等であります。
純資産は4,543,439千円となり、前連結会計年度末と比べて689,916千円増加しました。その内訳は、株式の発行による資本金及び資本剰余金の増加1,097,658千円、親会社株主に帰属する四半期純損失397,514千円の計上等であります。
また、自己資本比率は84.9%(前連結会計年度末は71.5%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により822,976千円減少し、投資活動により42,864千円減少し、財務活動により873,923千円増加した結果、当第2四半期連結会計期間末においては4,920,579千円(前連結会計年度末比5,523千円増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は822,976千円(前年同四半期は545,158千円の減少)となりました。これは主に税金等調整前四半期純損失396,346千円の計上、前受収益の減少240,631千円、未払金の減少169,917千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は42,864千円(前年同四半期は26,120千円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出38,747千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は873,923千円(前年同四半期は542,174千円の増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出135,486千円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入1,023,423千円によるものであります。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は615,596千円であります。
また、当第2四半期連結累計期間におけるセグメント別の研究開発費は以下のとおりであります。
当第2四半期連結会計期間において、当社とシエラ・オンコロジー社(英名:Sierra Oncology, Inc.)との間で締結していた、当社キナーゼ阻害薬プログラムから創出された化合物に関するライセンス契約が終了しました。