当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
なお、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のさらなる拡大は、当社の創薬支援事業の売上および外部に委託している前臨床試験および臨床試験等の実施に影響を与える可能性があります。
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当社は、創薬事業においては、アンメット・メディカル・ニーズの高い未だ有効な治療方法が確立されていない疾患を中心に、特にがん、免疫炎症疾患を重点領域として画期的な新薬の開発を目指して研究開発に取り組み、また、創薬支援事業においては、新たなキナーゼ阻害薬創製のための製品・サービスを製薬企業等へ提供するため、営業活動に取り組んでおります。
当社の2つのBTK阻害剤ポートフォリオのうち、炎症性免疫疾患を対象として開発を進めているBTK阻害剤AS-0871のオランダにおける第I相臨床試験は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大により投与開始が延期となっていましたが、8月25日に投与を開始いたしました。本試験は、健康成人男女を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検、用量漸増単回経口投与試験であり、最大で延べ64名の被験者を対象に安全性、忍容性、薬物動態および副次的に薬力学を評価します。現在、安全性に問題は見られず、被験者へ投与する用量を漸増して試験を行っております。
イブルチニブ耐性の血液がんを治療標的とした次世代BTK阻害剤AS-1763については、臨床試験開始に必要なGLP基準(医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準)での毒性試験が終了し、治験に用いるGMP基準(医薬品等の製造管理および品質管理の基準)での製剤の準備を進めています。2020年中のCTA(欧州における臨床試験許認可申請)を目指し、必要文書の作成を行っています。また、AS-1763の価値をより早期に最大化するため、中華圏(中華人民共和国および台湾)における開発・商業化の権利を中国バイオノバ・ファーマシューティカルズ(以下「バイオノバ社」という)に供与する契約を2020年3月に締結しております。今後、中国においてバイオノバ社が臨床試験を実施することになり、当社はバイオノバ社が実施したAS-1763に関するより多くの臨床試験データを収集・利用することで、AS-1763の治験を加速できると考えております。当社は、中華圏における今後のAS-1763の開発進捗に伴い、バイオノバ社から最大で約205 百万ドル(約215億円)を受け取ることになり、さらに、AS-1763 の中華圏における上市後の売上高に応じた最大2桁の料率の段階的ロイヤリティを受け取ります。
当社は、2020年6月に、当社が創製したCDC7阻害剤AS-0141に関するシエラ・オンコロジー社(以下「シエラ社」)との2016年5月26日付けライセンス契約を終了し、同剤の開発・販売・製造に関する全権利を当社が再取得いたしました。本件は、シエラ社が経営方針を変更し、臨床試験のフェーズ3段階にある同社の別のパイプラインに経営資源を集中的に投資すると決定したことを受けたものです。AS-0141はシエラ社によって米国におけるIND申請(新薬臨床試験開始届)が完了しており、当社はシエラ社が実施したすべての前臨床試験データ、原薬および治験薬等を譲り受けました。他社先行品の臨床試験成績の解析および科学的エビデンスに基づき、より成功確度の高い新たな開発戦略を策定しております。また米国での新型コロナウィルス感染状況を考慮し、日本での治験実施を準備中です。
創薬支援事業においては、当第3四半期連結累計期間の売上高は794,622千円(前年同四半期比8.2%増)となりました。2019年6月に締結した米国のギリアド・サイエンシズ社との新規がん免疫療法の創薬プログラムに関するライセンス契約に関連し、同社による当該プログラムの開発をサポートするため、当社の脂質キナーゼ阻害剤に関する創薬基盤技術を一定期間、独占的に同社に供与することになっており、これに関連した売上が当第3四半期連結累計期間の売上を押し上げました。新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、製薬企業等の研究所が一時的に閉鎖されていたことから、欧米の一部顧客からの受注および中国からの受注に影響がみられましたが、国内での影響は限定的でした。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は847,647千円(前年同四半期比70.4%減)、営業損失は615,684千円(前年同四半期は1,357,015千円の営業利益)、経常損失は625,604千円(前年同四半期は1,346,129千円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は649,138千円(前年同四半期は1,113,049千円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。なお、前年同四半期からの業績の大幅な変動は、ギリアド・サイエンシズ社との上記ライセンス契約締結に伴い、前年同四半期累計期間に契約一時金2,128,000千円を受領したことが要因です。
セグメント別の業績は次の通りです。
セグメント別の業績は次の通りです。
①創薬事業
当第3四半期連結累計期間において、バイオノバ社とAS-1763の中華圏におけるライセンス契約を締結したことにより、契約一時金を受領いたしました。また、前臨床試験や臨床試験開始に向けた積極的な投資により、研究開発費は867,442千円(前年同四半期比15.9%増)となりました。以上の結果、創薬事業の売上高は53,025千円(前年同四半期比97.5%減)、営業損失は963,376千円(前年同四半期は1,099,769千円の営業利益)となりました。
②創薬支援事業
キナーゼタンパク質の販売、アッセイ開発、プロファイリング・スクリーニングサービスおよびセルベースアッセイサービスの提供等により、創薬支援事業の売上高は794,622千円(前年同四半期比8.2%増)、営業利益は347,691千円(前年同四半期比35.2%増)となりました。売上高の内訳は、国内売上が191,183千円(前年同四半期比3.6%増)、北米地域は499,319千円(前年同四半期比23.6%増)、欧州地域は54,628千円(前年同四半期比15.3%減)、その他地域は49,491千円(前年同四半期比39.0%減)です。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は5,227,840千円となり、前連結会計年度末と比べて148,770千円減少しました。その内訳は、現金及び預金の減少165,640千円等であります。
負債は938,028千円となり、前連結会計年度末と比べて585,059千円減少しました。その内訳は、1年内返済予定の長期借入金の減少76,339千円、未払金の減少126,498千円、未払法人税等の減少120,822千円、長期借入金の減少126,890千円等であります。
純資産は4,289,811千円となり、前連結会計年度末と比べて436,289千円増加しました。その内訳は、株式の発行による資本金及び資本剰余金の増加1,097,658千円、親会社株主に帰属する四半期純損失649,138千円の計上等であります。
また、自己資本比率は82.0%(前連結会計年度末は71.5%)となりました。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は941,691千円であります。
また、当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の研究開発費は以下のとおりであります。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。