当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間(2017年4月1日~6月30日)の世界経済を概観すると、全体として緩やかな回復基調が継続しました。欧州の景気は、英国のEU離脱問題に伴う不透明感の影響やドイツでの地政学リスクの影響を留意する必要はあるものの、全体として緩やかな回復基調が継続しました。米国の景気は、設備投資が緩やかに増加し、着実に回復が継続しました。中国の景気は各種政策効果もあり、持ち直しの傾向が見られ、他のアジア地域の景気も持ち直しの傾向が見られました。日本では、雇用・所得環境の改善が続きました。
当社グループは2014年11月に策定した中期経営計画「VISION2016」(2014年度~2016年度)に基づき、「ヘルスケア」「高機能材料」「ドキュメント」の3事業分野を成長ドライバーとし、拡販活動や新製品の市場投入により、売上、シェア及び利益の拡大を進めて参りました。その結果、最終年度となる2016年度の業績は、為替の円高によるマイナス影響を受けながらも、当社株主帰属当期純利益は過去最高となる131,506百万円、ROEは富士フイルムホールディングスとして過去最高の6.5%を達成することができました。2017年度は、これまでに蓄積した技術やノウハウ、人材等の資産を活用し、さらに戦略的な飛躍を遂げるために、「新規事業の利益貢献」「グローバル展開の加速」「効率的な経営」の三つを重点課題として取り組み、企業価値を向上して参ります。
当社グループの当第1四半期連結累計期間における連結売上高は、電子映像事業、電子材料事業、メディカルシステム事業等で売上を伸ばし、571,488百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
営業利益は、各事業において収益性の改善を進めたことにより、35,836百万円(前年同期比21.5%増)と大幅増となりました。これに加えて、和光純薬工業㈱の連結子会社化による評価益により、税金等調整前四半期純利益は57,624百万円(前年同期比144.1%増)、当社株主帰属四半期純利益は43,802百万円(前年同期比263.0%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① イメージング ソリューション部門
フォトイメージング事業では、インスタントカメラ“チェキ”シリーズやチェキ用フィルム等、撮影したその場で写真プリントが楽しめるインスタントフォトシステムの販売が欧米を中心に引き続き好調に推移し、売上が増加しました。2017年5月に販売を開始した「instax SQUARE SQ10」は、instaxシリーズで初めてデジタルイメージセンサーと画像処理技術を搭載したことで、画質が大幅に向上すると共に、プリント前の画像編集・加工が可能になりました。正方形のフォーマットにプリントできる点も、若い世代から写真愛好家まで幅広い層から支持されています。また、付加価値プリントビジネスでは、お気に入りの写真をパネル加工や額装し、部屋のインテリアとして楽しめる「WALL DECOR(ウォールデコ)プリントサービス」が成長を続け、プリント市場の裾野の拡大に貢献しています。
光学・電子映像事業の電子映像分野では、2017年2月に発売した大型サイズ(43.8mm×32.9mm)のイメージセンサーを搭載した中判ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX 50S」、独自の色再現技術で卓越した写真画質を実現した「Xシリーズ」の最新モデル「FUJIFILM X-T20」「FUJIFILM X100F」及び交換レンズの販売が好調に推移したことにより、売上が増加しました。
光学デバイス分野では、車載カメラ用レンズを始めとした産業用レンズの販売が堅調に推移しました。また、放送用レンズでは、2017年4月から新たに3機種の4K対応放送用ズームレンズの販売を開始。スタジオ用とポータブル用を合わせて7機種に増えた充実のラインアップで、先進の4K分野をリードしていきます。
本部門の連結売上高は、電子映像事業が大きく売り上げを伸ばし、84,960百万円(前年同期比9.2%増)となりました。営業利益は、収益性の改善等により、12,555百万円(前年同期比123.6%増)となりました。
② インフォメーション ソリューション部門
メディカルシステム事業では、体外診断(IVD)システム、内視鏡等の主要分野での販売が堅調に推移し、売上が増加しました。X線画像診断分野では、小型化と従来機比約1/5の軽量化を実現した超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO(カルネオ アクロ)」の販売が好調に推移しました。医療IT分野では、医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」を中心としたシステムの販売が好調に推移しました。内視鏡分野では、光源に二種類の異なるレーザーを用いた「LASEREO」シリーズの販売が好調に推移しました。2017年5月に、観察画像の明るさを向上させた「LASEREO 7000システム」をラインアップに加え、視認性を高めることで、より精細な病変の観察を支援します。超音波診断分野では、2015年度末から各国で順次販売を開始した携帯型超音波画像診断装置「SonoSite EdgeⅡ」、フルフラット型超音波画像診断装置「SonoSite SⅡ」、小型・軽量なタブレットタイプの超音波画像診断装置「SonoSite iViz」等一連の新製品の販売が、引き続き好調に推移しました。体外診断(IVD)分野は、海外での血液検査システム「ドライケムシリーズ」の販売が好調に推移。2017年4月に和光純薬工業㈱の臨床検査薬事業を連結対象に加えたことで、前年に対して売上が大きく伸長しました。
医薬品事業では、低分子医薬品において後発医薬品の影響等を受け、売上は減少しました。2017年5月に当社持分法適用会社である協和キリン富士フイルムバイオロジクスにて、間接リウマチの痛みの改善や、関節破壊進行を抑えるヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体製剤のバイオシミラー「FKB327」の欧州での販売承認申請が欧州医薬品庁に受理される等、パイプラインの開発を着実に推進しています。2017年5月にヒトパピローマウイルスに対する抗ウイルス薬の共同研究契約を㈱ファンペップと締結。また、2017年6月にペプチドを用いたがん免疫治療薬の共同研究契約を㈱キャンバスと締結する等、中分子医薬品の創出を加速します。
バイオCDMO事業では、医薬品のプロセス開発・製造受託が堅調に推移しました。顧客からの増産要請や今後のさらなる需要拡大に迅速に応えるため、米国拠点のバイオ医薬品の生産能力増強や英国の生産プロセス開発拠点の増設を進めています。生産能力の増強を行うとともに、高効率・高生産の技術開発により、バイオ医薬品のプロセス開発・製造受託事業をさらに拡大して行きます。
再生医療事業では、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(以下、「J-TEC」と記載します。)の自家培養表皮「ジェイス」や自家培養軟骨「ジャック」の受注が好調に推移し、売上に貢献しました。また、再生医療で重要な役割を果たす「培地・サイトカイン」に高い技術を持つ和光純薬工業㈱を連結子会社化したことで、iPS細胞の開発・製造の世界的なリーディングカンパニーである米国Cellular Dynamics International, Inc.やJ-TEC、そして「足場材(リコンビナントペプチド)」で強みを持つ富士フイルムとあわせ、再生医療に重要な三要素である「細胞」「培地・サイトカイン」「足場材」をグループ内で一体として開発できる体制が整いました。
ライフサイエンス事業では、2017年3月に販売を開始した美白化粧水「アスタリフト ホワイトブライトローション」等の美白シリーズや「糖の吸収を抑える」と「腸内環境を整える」の2つの機能を持つ機能性表示食品「メタバリアS」等の販売が好調に推移し、売上が増加しました。
ディスプレイ材料事業では、VA用フィルムやIPS用フィルムに加え、タッチパネル、有機EL関連等の新規分野での販売が堅調に推移し、売上が増加しました。
産業機材事業では、タッチパネル用センサーフィルム「エクスクリア」の販売が引き続き好調に推移し、工業用X線フィルムも中国での需要回復により堅調に推移しました。
電子材料事業では、先端フォトレジストやフォトリソ周辺材料、CMPスラリー、イメージセンサー用カラーモザイク等の販売が引き続き好調に推移し、売上が増加しました。
ファインケミカル事業では、2017年4月に和光純薬工業㈱を連結子会社化し、強固な事業基盤を有する試薬・化成品事業を構築しました。当第1四半期連結累計期間の業績は、試薬や化成品の販売が堅調に推移し、売上に貢献しました。和光純薬工業㈱とのシナジーを早期に実現すべくグループ全体で統合を強化し、事業成長を加速させていきます。
記録メディア事業では、「BaFe(バリウムフェライト)磁性体」等の独自技術を使用したデータストレージ用磁気テープの販売が堅調に推移しました。デジタルデータの増大に伴いデータアーカイブ分野へのBaFe製品の拡販を進めるとともに、「d:ternity(ディターニティ)」等のアーカイブサービスを提供することで、ビッグデータ時代の顧客ニーズに確実に対応していきます。
グラフィックシステム事業では、製版・刷版材料の総需要減による販売減等により、売上は減少しました。
インクジェット事業では、インク及び産業用インクジェットヘッドの販売が堅調に推移しました。グラフィックシステム事業とインクジェット事業が連携して、これまで注力してきた商業印刷分野、サインディスプレー分野やセラミック分野に加え、テキスタイルや出版・書籍等のデジタル化が徐々に進みつつある新たな領域へ先進的な製品を投入し、事業を拡大していきます。
本部門の連結売上高は、電子材料事業、メディカルシステム事業等で売上を伸ばし、229,987百万円(前年同期比12.2%増)となりました。営業利益は、収益性の改善等により、18,919百万円(前年同期比25.9%増)となりました。
③ ドキュメント ソリューション部門
オフィスプロダクト事業では、欧米向け輸出が新商品への切り替え時期と重なったことから販売台数が減少しました。国内においては、主力カラー複合機「ApeosPort- VI C/DocuCentre- VI C」シリーズの販売が好調に推移しました。アジア・オセアニア地域においては、オセアニア地区で販売台数が減少したものの、アジア・中国では、モノクロ複合機、主力カラー複合機の販売が好調に推移しました。
オフィスプリンター事業では、国内及び欧米向け輸出において、OEM向けを中心に販売台数が減少しました。アジア・オセアニア地域においては、アジアにおいて小型モノクロ機の販売台数が減少しましたが、中国でモノクロ機、カラー機の販売が好調に推移しました。
プロダクションサービス事業では、主にモノクロの低中速機を中心に販売台数が減少しましたが、国内においては、2016年10月に販売を開始したプロダクションカラー機「Versant 3100 Press」及び「Versant 180 Press」の販売が好調に推移しました。
グローバルサービス事業では、オセアニアでの売上が減少しました。国内においては、マネージド・プリント・サービス(MPS)ビジネスが堅調に推移し、売上が増加しました。
本部門の連結売上高は、主にオセアニア地域での販売減少等により、256,541百万円(前年同期比2.5%減)となりました。営業利益は、為替のマイナス影響等により、11,664百万円(前年同期比28.1%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」と記述します。)は、前連結会計年度末より80,604百万円減少し、当第1四半期連結会計期間末においては795,354百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は93,385百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して11,271百万円(10.8%)減少しておりますが、これは営業債務の支払額が増加したことや棚卸資産が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は148,259百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して123,844百万円(507.2%)増加しておりますが、これは当第1四半期連結累計期間において和光純薬工業㈱を買収したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は29,526百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して14,458百万円(32.9%)減少しておりますが、これは短期債務の返済額が減少したこと等によるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間においては、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに発生した課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
株主の皆様から経営を負託された当社取締役会は、その負託にお応えすべく、平素から当社グループの財務及び事業の方針を決定するにあたり、中長期的な視点に基づく持続的な成長を通じて、企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図ることがその責務であると考えております。この考え方に基づき、当社グループの企業理念のもと、「先進・独自の多様な技術力」と「グローバルネットワーク」、これらを下支えする「人材」と「企業風土」という当社グループの企業価値の源泉を伸張させること等により、企業価値の向上に努めてまいりました。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、中長期的な視点から当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社は、当社の支配権の獲得を目的とした買収提案がなされた場合、それを受け入れるか否かは最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものと考えております。
株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を検討するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社に買収者との十分な交渉機会を提供しないもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものがあります。
当社は、当社株式の大量買付を行おうとする者が現れた場合は、株主の皆様のご判断に資するべく積極的な情報収集と適時開示に努めるとともに、当社の企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図るために、会社法及び金融商品取引法等の関係諸法令の範囲内で可能な措置を適切に講じてまいります。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、37,258百万円(前年同期比6.3%減)であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。