第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)業績の状況

 当第1四半期連結累計期間の世界経済を概観すると、アジア新興国等において弱さがみられたものの、全体として緩やかな回復基調が継続しました。米国の景気は、個人消費を中心に回復が続きました。欧州の景気も緩やかな回復が続きましたが、英国のEU離脱問題等、先行きは不透明な状況です。中国の景気は緩やかに減速、アジア全体でも弱い動きとなりました。日本では、雇用・所得環境の改善が続きました。

 当社グループは平成26年11月に策定した中期経営計画「VISION2016」(平成26年度~平成28年度)に基づき、「ヘルスケア」「高機能材料」「ドキュメント」の3事業分野を成長ドライバーとし、拡販活動や新製品の市場投入により、売上、シェア及び利益の拡大を進めています。また、その他の事業においてもビジネス規模と市場での優位性を維持するとともに、あらゆる企業活動において生産性向上と効率化を進め、全事業における収益性向上に向けた取り組みを加速しています。新興国経済の減速や、英国のEU離脱問題にともなう経営環境の急激な変化等、不安定な状況が続くことが予想されますが、将来の成長に向けた重要な節目である「VISION2016」最終年度の目標達成に向け、全社一丸となり邁進しています。

 当社グループの当第1四半期連結累計期間における連結売上高は、フラットパネルディスプレイ材料事業、電子材料事業等で売上を伸ばしたものの、為替の円高によるマイナス影響等により、

545,845百万円(前年同期比7.0%減)となりました。国内売上高は218,918百万円(前年同期比2.1%減)、海外売上高は326,927百万円(前年同期比10.0%減)となりました。

 営業利益は、各事業において収益性の改善を進めたものの、為替の円高によるマイナス影響等により、29,500百万円(前年同期比13.0%減)となりました。これに加えて、対前年で為替差損益のマイナス影響があったことや、前年度に投資有価証券売却益を計上したこと等により、税金等調整前四半期純利益は23,604百万円(前年同期比44.2%減)、当社株主帰属四半期純利益は12,068百万円(前年同期比47.0%減)となりました。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 

① イメージング ソリューション部門

フォトイメージング事業では、インスタントカメラ“チェキ”シリーズやチェキ用フィルム等、撮影したその場で写真プリントが楽しめるインスタントフォトシステムの販売が欧米を中心に堅調に推移しました。また、フォトブックやシャッフルプリント等の付加価値プリントビジネスも拡大しましたが、為替の円高影響等により、売上は減少しました。平成28年7月にスマートフォンで撮影した画像をチェキ用フィルムに出力できるプリンター“スマホdeチェキ”「instax SHARE SP-2」の販売を開始し、スマートフォンで写真を楽しむユーザーのプリント需要獲得を図っていきます。

光学・電子映像事業の電子映像分野では、平成28年3月に販売を開始した「Xシリーズ」史上最高の画質と機動性を実現したフラッグシップモデル「FUJIFILM X-Pro2」等の高級機へのシフトや、アジア地域での拡販が進んだものの、為替の円高影響等により、売上は減少しました。光学デバイス分野では、スマートフォン用カメラモジュールの販売縮小等により、売上が減少しました。他社に先駆けて発売した4Kカメラ対応の放送用ズームレンズは、画質面で高い評価を受けており、ワールドワイドでのシェア拡大を図ります。

本部門の連結売上高は、為替の円高によるマイナス影響等により、77,802百万円(前年同期比9.1%減)となりました。営業利益は、為替の円高によるマイナス影響を受けたものの、収益性の改善等により、5,615百万円(前年同期比2.6%増)となりました。

 

② インフォメーション ソリューション部門

 メディカルシステム事業では、医療IT等成長分野での販売が堅調に推移したものの、為替の円高影響等により、売上は減少しました。X線画像診断分野では、DR方式・カセッテ型デジタルX線画像診断装置「CALNEO(海外名称:D-EVO)」シリーズ等の販売が好調に推移しました。医療IT分野では、病院内の各診療科のシステムや異なるメーカーの医用画像情報システム(PACS)に保管されている診断画像、各種動画等の多様な診療情報を一元的に管理・保管できる統合アーカイブシステム「SYNAPSE VNA」の国内での販売を平成28年4月に開始。さらに5月に、従来と比べて画像処理・表示スピードを2倍に高速化し、医師の診断効率の向上に貢献するPACS「SYNAPSE 5」の販売を開始する等、今まで以上に効率的で、診断に寄与するソリューションの提案を強化しています。内視鏡分野では、高解像度CMOSセンサー搭載のレーザー光源内視鏡システム「LASEREO」や新超音波内視鏡システム等の販売が堅調に推移しました。超音波診断分野では、平成28年5月に、小型・軽量なタブレットタイプの超音波画像診断装置「SonoSite iViz」の国内での販売を開始し、ラインアップを強化しました。

 医薬品事業では、低分子医薬品において後発医薬品の影響等を受けたものの、バイオ医薬品受託製造が好調に推移したこと等により、売上は前年同期並みとなりました。研究開発においては、抗がん剤やアルツハイマー型認知症治療薬等のパイプラインの開発を着実に推進しています。

 再生医療事業では、前年度に連結子会社化したiPS細胞の開発・製造の世界的なリーディングカンパニーである米国Cellular Dynamics International, Inc.が、米国国立眼科研究所(National Eye Institute)と、他家iPS細胞を用いた加齢黄斑変性の治療に関する共同研究開発契約を締結しました。今後も、アカデミアや研究機関等とも連携した研究開発を行い、さらなる事業拡大を図っていきます。

 ライフサイエンス事業では、UVクリア美容液兼化粧下地「アスタリフト ホワイト パーフェクトUV クリアソリューション」及び、平成28年3月にリニューアルした美白美容液「アスタリフト ホワイト エッセンスインフィルト」の販売が好調に推移し、売上が増加しました。

 フラットパネルディスプレイ材料事業では、「WVフィルム」や「IPS用フィルム」の販売が堅調に推移し、売上が増加しました。液晶テレビ向けの販売を維持しつつ、中小型ハイエンド品向けの拡販を推し進めるとともに、タッチパネル及びバックライト関連等新規分野への展開を積極的に行っていきます。なお、熊本地震により当事業の主力生産拠点の一つである富士フイルム九州㈱が被災しましたが、全社を挙げた復旧活動により4月23日に運転を開始、5月22日までに全ての製造ラインでの生産を再開しました。

 産業機材事業では、新規事業であるタッチパネル用センサーフィルム「エクスクリア」の販売が好調に推移したものの、工業用X線フィルムや圧力測定フィルム「プレスケール」等既存事業の販売減少や為替の円高影響等により、売上は減少しました。

 電子材料事業では、現像液・処理剤等フォトリソ周辺材料の先端製品の販売が堅調に推移し、売上が増加しました。前年度に連結子会社化した米国溶剤製造販売会社 Ultra Pure Solutions, Inc.の幅広い製品ラインアップ、製造設備及び有力顧客基盤も活用し、電子材料事業をさらに拡大していきます。

 記録メディア事業では、「BaFe(バリウムフェライト)磁性体」等の独自技術を使用したデータストレージ用磁気テープの販売が堅調に推移したものの、業務用ビデオテープの総需要減少や為替の円高影響等により、売上は減少しました。デジタルデータの増大に伴いデータアーカイブ分野へのBaFe製品の拡販を進めるとともに、アーカイブサービス「d:ternity(ディターニティ)」のさらなる普及によって、ビッグデータ時代の顧客ニーズに確実に対応していきます。

 グラフィックシステム事業では、デジタルプリンティング機器やパッケージ印刷用機材、産業用インクジェットヘッドの販売が堅調に推移したものの、為替の円高影響等により、売上は減少しました。平成28年5月31日~6月10日にドイツで開催された世界最大規模の国際印刷・メディア産業展「drupa2016」に、当社が持つ「インク」「ヘッド」「画像処理」等の革新的なコア技術を「FUJIFILM Inkjet Technology」として出展。インクジェットデジタル印刷機「Jet Press 720S」等の実機とともにその技術に多くの関心が寄せられました。デジタル印刷への移行期において、今後も製品・サービスを通じて様々な付加価値を提供し、事業拡大を図っていきます。

 本部門の連結売上高は、フラットパネルディスプレイ材料事業や電子材料事業等で売上を伸ばしたものの、為替の円高によるマイナス影響等により、204,984百万円(前年同期比4.2%減)となりました。営業利益は、為替の円高によるマイナス影響を受けたものの、収益性の改善等により、15,030百万円(前年同期比11.3%増)となりました。

 

③ ドキュメント ソリューション部門

 オフィスプロダクト事業では、販売台数が前年並みとなりました。国内においては、モノクロ複合機の販売が好調に推移したものの、カラー複合機は前年度のコンビニエンスストア代替に対する反動等から販売台数が減少しました。アジア・オセアニア地域においては、中国での堅調な成長が牽引しモノクロ複合機、カラー複合機共に販売台数が増加しました。米国ゼロックス社向け輸出においては、販売台数が減少しました。

 オフィスプリンター事業では、販売台数が減少しました。国内においては、主にOEM向けの出荷が減少し、販売台数が減少しました。アジア・オセアニア地域においては、モノクロ機の販売が好調に推移し、販売台数が増加しました。米国ゼロックス社向け輸出においては、販売台数が減少しました。

 プロダクションサービス事業では、カラー・オンデマンド・パブリッシング・システムの中高速機や連帳機の販売が堅調に推移し、販売台数が増加しました。

 グローバルサービス事業では、マネージド・プリント・サービス(MPS)ビジネスが好調に推移し、売上が増加しました。

 本部門の連結売上高は、米国ゼロックス社向け輸出の売上がオフィスプリンター事業を中心に減少したことに加え、為替の円高によるマイナス影響等により、263,059百万円(前年同期比8.3%減)となりました。営業利益は、売上高の減少に伴う利益の減少に加え、アジアローカル通貨安によるマイナス影響等により、16,230百万円(前年同期比26.9%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

  当第1四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」と記述します。)は、前連結会計年度末より9,483百万円増加し、当第1四半期連結会計期間末においては610,380百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動により得られた資金は104,656百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して36,073百万円52.6%)増加しておりますが、これは受取債権の回収額が増加したことや営業債務の支払額が減少したこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動に使用した資金は24,415百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して30,310百万円55.4%)減少しておりますが、これは前第1四半期連結累計期間においてCellular Dynamics International, Inc.の事業買収があったこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動に使用した資金は43,984百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して960百万円(2.1%)減少しておりますが、これは短期債務の返済があったものの、自己株式の取得による支出が減少したこと等によるものです。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間においては、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに発生した課題はありません。

 

 当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 株主の皆様から経営を負託された当社取締役会は、その負託にお応えすべく、平素から当社グループの財務及び事業の方針を決定するにあたり、中長期的な視点に基づく持続的な成長を通じて、企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図ることがその責務であると考えております。この考え方に基づき、当社グループの企業理念のもと、「先進・独自の多様な技術力」と「グローバルネットワーク」、これらを下支えする「人材」と「企業風土」という当社グループの企業価値の源泉を伸張させること等により、企業価値の向上に努めてまいりました。

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、中長期的な視点から当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社は、当社の支配権の獲得を目的とした買収提案がなされた場合、それを受け入れるか否かは最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものと考えております。

 株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を検討するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社に買収者との十分な交渉機会を提供しないもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものがあります。

 当社は、当社株式の大量買付を行おうとする者が現れた場合は、株主の皆様のご判断に資するべく積極的な情報収集と適時開示に努めるとともに、当社の企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図るために、会社法及び金融商品取引法等の関係諸法令の範囲内で可能な措置を適切に講じてまいります。

 

(4) 研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、39,770百万円(前年同期比3.3%減)であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。