第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間(2018年4月1日~6月30日)の世界経済を概観すると、全体として緩やかな回復基調が継続しました。米国の景気は、個人消費や設備投資が増加し、着実な回復が継続しました。欧州の景気は、消費や設備投資の増加により、緩やかな回復基調が継続しました。中国や他のアジア地域の景気は持ち直しの動きが続きました。日本では、雇用・所得環境の改善により個人消費が持ち直しており、緩やかな回復基調が続きました。

 当社グループは、コア事業であった写真フィルムの需要が激減した2000年以降、事業構造の転換を積極的に進め、安定的に利益を創出できる経営基盤を構築し、新たな成長フェーズに入りました。2017年8月に2030年度を目標としたCSR計画「サステナブル バリュー プラン(Sustainable Value Plan)2030」(以下、「SVP2030」と記載します。)を策定。革新的技術・製品・サービスの提供等、事業活動を通じた社会課題の解決により一層取り組み、サステナブル社会の実現に貢献する企業であり続けます。また、SVP2030で示した目指す姿を実現するための具体的なアクションプランとして、中期経営計画「VISION2019」を策定。2年目となる2018年度は「ヘルスケア・高機能材料領域の事業成長の強化」と「ドキュメント事業の抜本的強化」を実現することで、事業ポートフォリオをより強固なものとし、企業価値を向上していきます。

 当社グループの当第1四半期連結累計期間における連結売上高は、フォトイメージング事業、メディカルシステム事業、電子材料事業等で売上を伸ばしましたが、ドキュメント事業の売上減少等により564,892百万円(前年同期比1.2%減)となりました。

 営業利益は、各事業において収益性の改善をすすめたことにより、36,855百万円(前年同期比8.2%増)となりました。これに加えて、投資有価証券評価益の計上等により、税金等調整前四半期純利益は45,797百万円(前年同期比20.5%減)、当社株主帰属四半期純利益は28,324百万円(前年同期比35.3%減)となりました。

 当第1四半期連結会計期間末では、総資産は営業権の増加等により15,061百万円増加し、3,508,001百万円(前年度比0.4%増)となりました。負債は営業債務の減少等により23,489百万円減少し、1,170,745百万円(前年度比2.0%減)となりました。純資産は為替相場の変動や当期純利益で増加したこと等により38,550百万円増加し、2,337,256百万円(前年度比1.7%増)となりました。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 

① イメージング ソリューション部門

フォトイメージング事業では、インスタントカメラ“チェキ”シリーズやチェキ用フィルム等、撮影したその場で写真をプリントして楽しめるインスタントフォトシステムを中心に売上が増加しました。2018年5月に発売したインスタントカメラ「instax SQUARE SQ6」は、シンプル・スタイリッシュなデザインやスクエアフォーマットが人気となり販売が好調です。付加価値プリントビジネスでは、写真をパネル加工や額装し、部屋のインテリアとして楽しめる「WALL DECOR(ウォールデコ)」等の各種プリントサービスが成長を続けており、売上の拡大に貢献しています。また、2017年12月より提供を開始したスマートフォン向けプリント注文アプリ「超簡単プリントアプリケーション」経由の販売も好調に推移しており、スマートフォンユーザーからの新たなプリント需要を開拓しています。

光学・電子映像事業の電子映像分野では、2018年3月に発売した、新開発の高剛性・高耐久ボディ、究極の高画質、快適な操作性を実現したミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-H1」に加え、2018年6月には幅広いシーンで簡単・快適に高画質撮影が楽しめるエントリーモデル「FUJIFILM X-T100」を発売しラインアップを拡充。各種交換レンズの販売も堅調に推移したことにより、売上が増加しました。光学デバイス分野では、車載用等各種産業用レンズの販売が堅調に推移し、売上が増加しました。また、世界に先駆けて発売した4K対応放送用レンズは高い描写力が評価されており、8機種の充実したラインアップでシェア拡大を図ります。

本部門の連結売上高は、全事業で売上を伸ばし、87,916百万円(前年同期比3.5%増)となりました。当部門の営業利益は、研究開発の先行投資等により、12,206百万円(前年同期比2.2%減)となりました。

 

② ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション部門

 メディカルシステム事業では、X線画像診断、内視鏡、体外診断(IVD)システム等の分野で販売が好調に推移し、売上が増加しました。X線画像診断分野では、超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO(カルネオアクロ)」の販売が好調に推移。また、2018年6月より、手術中に3D画像を確認でき、より正確な手技をサポートする外科用Cアーム型デジタル透視システム「COREVISION(コアビジョン) 3D」を発売しました。医療IT分野では、米国における医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」を主軸としたシステムの販売が好調に推移しました。内視鏡分野では、当社独自の特殊光観察が可能な「LASEREOシリーズ」の販売が好調に推移しました。また、2018年5月より画像強調機能で微小な病変の発見をサポートする「6000システム(国内)」をラインアップに追加しました。超音波診断分野では、プレミアム機種「SonoSite X-Porte」、携帯型超音波画像診断装置「SonoSite EdgeⅡ」、フルフラット型超音波画像診断装置「SonoSite SⅡ」等一連の製品が、臨床現場における操作性・堅牢性に加え、充実した製品トレーニング等が評価され、欧米とアジアを中心に堅調に推移しました。体外診断(IVD)分野は、血液検査システム「ドライケムシリーズ」の海外での販売や、国内動物向け受託検査が好調に推移しました。また、臨床検査薬の販売も売上の増加に寄与しました。

 医薬品事業では、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」の国家備蓄(日本)への供給が寄与し、売上が増加しました。また、低分子医薬品の研究・開発・製造・販売を行う富山化学工業㈱と、放射性医薬品の研究・開発・製造・販売を行う富士フイルムRIファーマ㈱の2018年10月1日付での統合を決定。社名を富士フイルム富山化学㈱として、診断薬・治療薬の新薬開発を加速いたします。

 バイオCDMO事業では、動物細胞培養、微生物培養の製造受託が好調に推移し、売上が大幅に増加しました。また、昨年度に稼働開始した米国テキサスの生産棟や、英国の生産プロセス開発拠点の設備増強も、製造及び開発受託の売上増加に寄与しています。今後も生産能力の増強を継続するとともに、高効率・高生産技術の開発により、バイオ医薬品のプロセス開発・製造受託事業を拡大していきます。

 再生医療事業では、2018年6月に培地のリーディングカンパニー「Irvine Scientific Sales Company, Inc.」「㈱アイエスジャパン」を連結子会社化し、売上が増加しました。また、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング㈱は、名古屋大学・信州大学とCAR-T細胞の低コスト製造技術の特許ライセンス契約を締結し、本技術を用いてCD19陽性ALLを対象とした自家細胞由来の治療薬を国内で開発・製造・販売する独占的実施権を取得。再生医療製品のパイプライン拡充を進めます。

 ライフサイエンス事業では、2018年3月に発売した美白クリーム「アスタリフト ホワイト クリーム」及びベースメイクシリーズの新たなラインアップとして発売した「アスタリフト BB クリーム」に加え、「メタバリアシリーズ」を中心としたサプリメントの販売が好調に推移し、売上は増加しました。

 ディスプレイ材料事業では、WVフィルムの需要減等の影響を受け、全体の売上は減少しましたが、タッチパネル分野の製品販売は好調に推移しました。

 産業機材事業では、タッチパネル用センサーフィルム「エクスクリア」の販売好調に加えて、非破壊検査用機材や圧力測定フィルム「プレスケール」の販売も堅調に推移しました。

 電子材料事業では、先端フォトレジストやフォトリソ周辺材料、CMPスラリー、イメージセンサー用カラーモザイク等の販売が好調を維持し、売上が増加しました。

 ファインケミカル事業では、各主要製品の販売が前年並みに推移しました。また、2018年4月1日付で和光純薬工業㈱と富士フイルムファインケミカルズ㈱の統合及び富士フイルム和光純薬㈱への社名変更を完了いたしました。研究開発から営業まで全ての機能を一体化することでシナジー創出を最大化し、ビジネス拡大を図っていきます。

 記録メディア事業では、高容量データストレージ用磁気テープ製品の在庫調整等の影響で売上が減少しました。「BaFe(バリウムフェライト)磁性体」等の独自技術を使用したデータストレージ用磁気テープの拡販を進めるとともに、「dternity(ディターニティ)」等のアーカイブサービスを提供することで、ビッグデータ時代の顧客ニーズに確実に対応していきます。

 グラフィックシステム事業では、製版・刷版材料の総需要減による販売減等により、売上が減少しました。無処理刷版等の環境対応製品の拡販を図るとともに、商業印刷・パッケージ印刷分野ではデジタルプレスを、サインディスプレー及び産業印刷分野では大判プリンターの拡販を図ります。

 インクジェット事業では、産業用インクジェットヘッドの販売がセラミック分野を中心に好調を維持、売上が増加しました。これまで注力してきた商業印刷分野、サインディスプレー分野やセラミック分野に加え、テキスタイル等、新たな領域へ独自の製品を展開し、事業を拡大していきます。

 本部門の連結売上高は、メディカルシステム事業や電子材料事業等で売上を伸ばし、235,905百万円(前年同期比2.6%増)となりました。当部門の営業利益は、原材料価格影響等により、18,105百万円(前年同期比2.2%減)となりました。

 

③ ドキュメント ソリューション部門

 オフィスプロダクト&プリンター事業のオフィスプロダクト分野では、中国市場向けに開発した小型複合機の販売が好調だったことや、欧米向けの新商品の販売が堅調に推移し、全体の販売台数は対前年で増加しました。オフィスプリンター分野では低採算のローエンドプリンタービジネスの縮小により、販売台数が減少しました。

 プロダクションサービス事業は、全体の販売台数は減少しましたが、カラー・オンデマンド・パブリッシング機(IridesseTM Production Press)の販売が日本、アジアに加えて欧米向けでも開始され、販売が好調に推移しました。2018年5月に印刷技術を活用したコミュニケーションの変革にお客様とともに取り組むオープンイノベーション拠点「Future Edge」を開設。印刷業務における生産性向上や働き方変革を実証することで、売上拡大を目指します。

 ソリューション&サービス事業は、業種業務別ソリューションの販売や既存のBPO(Business Process Outsourcing)契約の売上が堅調に推移しましたが、仕入れ商品に対する売上の計上方法を変更した影響により、全体の売上は対前年で減少しました。今後は、新しい価値提供戦略「Smart Work Innovation」のもと、AI(人工知能)及びIoT(Internet of Things)・IoH(Internet of Humans)技術を活用した新たなソリューション・サービスの提供により、創造的な働き方への変革及び企業競争力の強化を支援することで、事業を拡大していきます。

 本部門の連結売上高は、低採算のローエンドプリンタービジネスの縮小や仕入商品に対する売上の計上方法を変更したこと等により、241,071百万円(前年同期比6.0%減)となりました。当部門の営業利益は、構造改革の効果や収益性の改善等により、14,923百万円(前年同期比43.4%増)となりました。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当第1四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」と記述します。)は、前連結会計年度末より44,335百万円減少し、当第1四半期連結会計期間末においては723,911百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動により得られた資金は86,997百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して6,388百万円(6.8%)減少しておりますが、これは受取債権の回収額が減少したこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動に使用した資金は106,416百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して41,843百万円(28.2%)減少しておりますが、これは当第1四半期連結累計期間においてIrvine Scientific Sales Company, Inc及び㈱アイエスジャパンを買収した一方、前第1四半期連結累計期間において和光純薬工業㈱を買収したこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動に使用した資金は25,258百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して4,268百万円(14.5%)減少しておりますが、これは短期債務の返済額が減少したこと等によるものです。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間においては、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに発生した課題はありません。

 

 なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 株主の皆様から経営を負託された当社取締役会は、その負託にお応えすべく、平素から当社グループの財務及び事業の方針を決定するにあたり、中長期的な視点に基づく持続的な成長を通じて、企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図ることがその責務であると考えております。この考え方に基づき、当社グループの企業理念のもと、「先進・独自の多様な技術力」と「グローバルネットワーク」、これらを下支えする「人材」と「企業風土」という当社グループの企業価値の源泉を伸張させること等により、企業価値の向上に努めてまいりました。

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、中長期的な視点から当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社は、当社の支配権の獲得を目的とした買収提案がなされた場合、それを受け入れるか否かは最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものと考えております。

 株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を検討するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社に買収者との十分な交渉機会を提供しないもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものがあります。

 当社は、当社株式の大量買付を行おうとする者が現れた場合は、株主の皆様のご判断に資するべく積極的な情報収集と適時開示に努めるとともに、当社の企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図るために、会社法及び金融商品取引法等の関係諸法令の範囲内で可能な措置を適切に講じてまいります。

 

(5) 研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、40,143百万円(前年同期比6.7%増)であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。