当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2018年4月1日~9月30日)の世界経済を概観すると、全体として緩やかな回復基調が継続しました。米国の景気は、個人消費や設備投資が増加し、着実な回復が継続しました。欧州の景気は、消費や設備投資の増加により、緩やかな回復基調が継続しました。中国や他のアジア地域の景気は持ち直しの動きが続きました。日本では、雇用・所得環境の改善により個人消費が持ち直しており、緩やかな回復基調が続きました。
当社グループは、コア事業であった写真フィルムの需要が激減した2000年以降、事業構造の転換を積極的に進め、安定的に利益を創出できる経営基盤を構築し、新たな成長フェーズに入りました。2017年8月に2030年度を目標としたCSR計画「サステナブル バリュー プラン(Sustainable Value Plan)2030」(以下、「SVP2030」と記載します。)を策定。革新的技術・製品・サービスの提供等、事業活動を通じた社会課題の解決により一層取り組み、サステナブル社会の実現に貢献する企業であり続けます。また、SVP2030で示した目指す姿を実現するための具体的なアクションプランとして、中期経営計画「VISION2019」を策定。2年目となる2018年度は「ヘルスケア・高機能材料領域の事業成長の強化」と「ドキュメント事業の抜本的強化」の実現を推進しており、事業ポートフォリオをより強固なものとし、企業価値を向上していきます。
当社グループの当第2四半期連結累計期間における売上高は、メディカルシステム事業、バイオCDMO事業、ディスプレイ材料事業、電子材料事業等で売上を伸ばしましたが、ドキュメント事業の売上減少等により1,172,743百万円(前年同期比1.3%減)となりました。
営業利益は、ドキュメント事業における収益性の改善や構造改革効果等により、83,930百万円(前年同期比16.0%増)と大幅増となりました。これに加えて、投資有価証券評価益の計上等により、税金等調整前四半期純利益は98,831百万円(前年同期比1.3%減)、当社株主帰属四半期純利益は65,494百万円(前年同期比7.6%減)となりました。
当第2四半期連結会計期間末では、総資産は現金及び現金同等物の減少等により93,785百万円減少し、3,399,155百万円(前年度比2.7%減)となりました。負債は未払費用や営業債務の減少等により81,191百万円減少し、1,113,043百万円(前年度比6.8%減)となりました。純資産は自己株式の取得等により12,594百万円減少し、2,286,112百万円(前年度比0.5%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
① イメージング ソリューション部門
フォトイメージング事業では、インスタントカメラ“チェキ”シリーズやチェキ用フィルム等、撮影したその場で写真プリントが楽しめるインスタントフォトシステムの販売を中心に売上が増加しました。2018年5月に販売を開始したインスタントカメラ「instax SQUARE SQ6」は、スクエアフォーマットがSNSに慣れ親しんだ若い世代からの支持を集めています。また、instaxグローバルパートナーである「テイラー・スウィフト」さんを起用したグローバルプロモーションにより、売上拡大とinstaxブランドのさらなる認知度向上を図ります。付加価値プリントビジネスでは、2018年8月よりスマホアプリ「超簡単プリント」経由で注文した写真プリントを、日本全国のセブン-イレブン店舗に設置されたマルチコピー機で出力できるサービスを開始する等、プリント市場の裾野拡大を推進しています。
光学・電子映像事業の電子映像分野では、2018年9月に、Xシリーズ第4世代となる新センサー・高速画像処理エンジンを搭載した「FUJIFILM X-T3」の販売を開始。高速・高精度オートフォーカスや、高い動画性能が評価され、売上の増加に貢献しました。ハイエンドモデルの販売増により交換レンズの販売も好調に推移。交換レンズの需要増に対応するため、生産設備の増設を決定しました。
光学デバイス分野では、車載用等各種産業用レンズを中心に販売が堅調に推移しました。放送用ポータブルレンズとして、世界最高*46倍ズームの4Kレンズ「FUJINON UA46×9.5BERD」「FUJINON UA46×13.5BERD」の発売を発表する等、拡大する4K映像制作ニーズに対応する製品ラインアップを強化しています。また、レンズの回転だけでさまざまな方向へ投写できる高性能「FUJINON レンズ」を搭載したプロジェクターを開発。2019年に発売し、プロジェクター市場へ新規参入する事を発表しました。
本部門の連結売上高は、全ての事業の売上が堅調に推移し、175,912百万円(前年同期比0.6%増)となりました。営業利益は、販促・宣伝費や研究開発の先行投資等により、21,599百万円(前年同期比9.1%減)となりました。
*4K対応の放送用ポータブルレンズとして世界最高倍率。2018年8月20日現在。当社調べ。
② ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション部門
メディカルシステム事業では、X線画像診断、内視鏡等を中心に販売が好調に推移し、全体で売上が増加しました。X線画像診断分野では、超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO」の販売が海外市場を中心に好調に推移しました。また、2018年6月に販売を開始した、手術中に対象部位を3D画像で確認でき、より正確な手技をサポートする外科用Cアーム型デジタル透視システム「COREVISION(コアビジョン)3D」の販売強化に取り組んでいます。医療IT分野では、医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」を中心としたシステムの販売が日本・米国を中心に好調に推移しました。内視鏡分野では、当社独自の特殊光観察が可能な「LASEREOシリーズ」の販売が好調に推移しました。超音波診断分野では、フルフラット型超音波画像診断装置「SonoSite SⅡ」や携帯型超音波画像診断装置「SonoSite EdgeⅡ」等一連の製品の販売が、米国に加えて、欧州やアジアでも好調に推移しました。体外診断(IVD)分野は、血液検査システム「ドライケムシリーズ」の販売が、国内外ともに好調に推移しました。
医薬品事業では、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」の国家備蓄(日本)への供給が寄与し、売上が増加しました。また、関連会社である協和キリン富士フイルムバイオロジクス㈱にて、2018年9月に、ヒト型TNF-αモノクローナル抗体製剤「アダリムマブ」のバイオシミラー医薬品「Hulio®」に関し欧州委員会から医薬品販売承認を取得いたしました。引き続き、高信頼性・高品質でコスト競争力にも優れたバイオシミラー医薬品の開発・製造を推進します。また、低分子医薬品の研究・開発・製造・販売を行う富山化学工業㈱と、放射性医薬品の研究・開発・製造・販売を行う富士フイルムRIファーマ㈱を2018年10月1日付で統合。社名を富士フイルム富山化学㈱として、治療薬・診断薬の新薬開発を加速します。
バイオCDMO事業では、バイオ医薬品のプロセス開発受託、及び製造受託が好調に推移しました。昨年度に稼働開始した米国テキサス州の生産設備や、英国の生産プロセス開発拠点の設備増強が、売上増加に寄与しています。今後も生産能力の増強を継続するとともに、高効率・高生産性技術の開発により、バイオ医薬品のプロセス開発・製造受託事業を拡大していきます。
再生医療事業では、2018年6月に培地のリーディングカンパニーであるIrvine Scientific Sales Company, Inc.及び㈱アイエスジャパンを連結子会社化しました。両社が展開するバイオ医薬品向けの培地販売が好調に推移し、売上が増加しました。また、名古屋市立大学との共同研究により、薬物の吸収性評価に最適なヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞の開発に成功しました。今後のiPS細胞を用いた創薬支援の普及に貢献します。
ライフサイエンス事業では、2018年9月に、しなやかなハリに満ちた肌へと導く美容液「アスタリフト エッセンス デスティニー」をリニューアル販売し、売上の増加に貢献しました。また、「メタバリアシリーズ」を中心としたサプリメントの販売も好調に推移しました。
ディスプレイ材料事業では、TAC製品の販売が堅調だったことに加えて、タッチパネル分野、有機EL分野の製品販売も好調に推移し、売上が増加しました。
産業機材事業では、タッチパネル用センサーフィルム「エクスクリア」の販売好調に加えて、工業用X線フィルムや圧力測定フィルム「プレスケール」の販売も堅調に推移しました。
電子材料事業では、先端フォトレジストやフォトリソ周辺材料、CMPスラリー、イメージセンサー用カラーモザイク等の販売が引き続き好調に推移し、売上が増加しました。
ファインケミカル事業の売上は前年並となりました。研究機関向け試薬や、紙おむつ等日用品に使用される高吸水性樹脂の原料となる重合開始剤等の化成品の売上が堅調に推移しました。
記録メディア事業では、高容量データストレージ用磁気テープの在庫調整等の影響で売上が減少しました。「BaFe(バリウムフェライト)磁性体」等の独自技術を使用したデータストレージ用磁気テープの拡販を進めるとともに、「dternity(ディターニティ)」等のアーカイブサービスを提供することで、ビッグデータ時代の顧客ニーズに確実に対応していきます。
グラフィックシステム事業では、製版・刷版材料の総需要減による販売減等により、売上が減少しました。刷版材料分野では、新聞印刷用無処理版の新製品販売を開始し、環境対応品の拡販を推進します。デジタルプリンティング分野では大判プリンター「Acuity Ultra」を販売開始し、サインディスプレー分野での拡販を進めていくとともに、商業・パッケージ印刷分野にはデジタルプレスを引き続き拡販してまいります。
インクジェット事業では、産業用インクジェットヘッドの販売が堅調に推移し、売上が増加しました。これまで注力してきた商業印刷分野、サインディスプレー分野やパッケージ分野に加え、テキスタイル等、新たな領域へ独自の製品を展開し、事業を拡大していきます。
本部門の連結売上高は、メディカルシステム事業、バイオCDMO事業、ディスプレイ材料事業、電子材料事業等で売上を伸ばし、499,061百万円(前年同期比3.8%増)となりました。営業利益は、収益性の改善等により、37,511百万円(前年同期比1.0%増)となりました。
③ ドキュメント ソリューション部門
オフィスプロダクト&プリンター事業のオフィスプロダクト分野では、全体の販売台数は対前年で減少しましたが、中国市場向けに開発した複合機の販売は堅調に推移しました。オフィスプリンター分野では低採算のローエンドプリンタービジネスの縮小により、販売台数が減少しました。
プロダクションサービス事業は、全体の販売台数は対前年で減少しましたが、カラー・オンデマンド・パブリッシング機(IridesseTM Production Press)の販売が欧米を中心に好調に推移しました。2018年5月に印刷技術を活用したコミュニケーションの変革にお客様とともに取り組むオープンイノベーション拠点「Future Edge」を開設。印刷業務における生産性向上や働き方変革を実証することで、売上拡大を目指します。
ソリューション&サービス事業は、BPO(Business Process Outsourcing)契約の売上や業種業務別ソリューションの販売が堅調に推移しましたが、仕入れ商品に対する売上の計上方法を変更した影響により、全体の売上は対前年で減少しました。新しい価値提供戦略「Smart Work Innovation」のもと、7月には独自のAI(人工知能)技術の活用により煩雑な手書き処理業務を効率化する「Smart Work Entry」の販売を開始する等、お客様の業務効率化や生産性向上を支援するサービスを順次提供し、サービス領域での更なる成長を目指します。
本部門の連結売上高は、低採算のローエンドプリンタービジネスの縮小や仕入れ商品に対する売上の計上方法を変更したこと等により、497,770百万円(前年同期比6.5%減)となりました。営業利益は、構造改革効果や収益性の改善等により、43,287百万円(前年同期比63.0%増)となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」と記述します。)は、前連結会計年度末より167,675百万円減少し、当第2四半期連結会計期間末においては600,571百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は85,271百万円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して25,701百万円(23.2%)減少しておりますが、これは未払法人税等及びその他負債の支払額が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は131,097百万円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して47,882百万円(26.8%)減少しておりますが、これは当第2四半期連結累計期間においてIrvine Scientific Sales Company, Inc及び㈱アイエスジャパンを買収した一方、前第2四半期連結累計期間において和光純薬工業㈱を買収したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は128,637百万円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して7,049百万円(5.2%)減少しておりますが、これは非支配持分との資本取引による支出があったものの、長期債務の返済額が減少したこと等によるものです。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間においては、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに発生した課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
株主の皆様から経営を負託された当社取締役会は、その負託にお応えすべく、平素から当社グループの財務及び事業の方針を決定するにあたり、中長期的な視点に基づく持続的な成長を通じて、企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図ることがその責務であると考えております。この考え方に基づき、当社グループの企業理念のもと、「先進・独自の多様な技術力」と「グローバルネットワーク」、これらを下支えする「人材」と「企業風土」という当社グループの企業価値の源泉を伸張させること等により、企業価値の向上に努めてまいりました。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、中長期的な視点から当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社は、当社の支配権の獲得を目的とした買収提案がなされた場合、それを受け入れるか否かは最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものと考えております。
株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を検討するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社に買収者との十分な交渉機会を提供しないもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものがあります。
当社は、当社株式の大量買付を行おうとする者が現れた場合は、株主の皆様のご判断に資するべく積極的な情報収集と適時開示に努めるとともに、当社の企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図るために、会社法及び金融商品取引法等の関係諸法令の範囲内で可能な措置を適切に講じてまいります。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、79,488百万円(前年同期比0.4%増)であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。