第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当社グループの当第1四半期連結累計期間における連結売上高は、バイオCDMO事業、電子材料事業等で売上を伸ばしましたが、フォトイメージング事業、ドキュメント事業等の売上減少により456,270百万円(前年同期比14.8%減)となりました。営業利益は、20,390百万円(前年同期比45.1%減)となりました。税金等調整前四半期純利益は、持分証券評価益の計上等により、42,199百万円(前年同期比59.9%増)、当社株主帰属四半期純利益は27,501百万円(前年同期比87.6%増)となりました。

 当第1四半期連結会計期間末では、総資産は受取債権の減少等により39,527百万円減少し、3,282,165百万円(前年度末比1.2%減)となりました。負債は社債及び借入金の減少等により76,345百万円減少し、1,251,590百万円(前年度末比5.7%減)となりました。純資産は当社株主帰属四半期純利益等により36,818百万円増加し、2,030,575百万円(前年度末比1.8%増)となりました。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(事業セグメント別の連結売上高)

セグメント

前第1四半期

連結累計期間

(百万円)

当第1四半期

連結累計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

イメージング ソリューション

74,636

49,839

△24,797

△33.2

ヘルスケア&マテリアルズ

ソリューション

227,626

217,057

△10,569

△4.6

ドキュメント ソリューション

233,064

189,374

△43,690

△18.7

連結合計

535,326

456,270

△79,056

△14.8

 

(事業セグメント別の営業利益(△損失))

セグメント

前第1四半期

連結累計期間

(百万円)

当第1四半期

連結累計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

イメージング ソリューション

4,495

△2,972

△7,467

ヘルスケア&マテリアルズ

ソリューション

18,857

17,975

△882

△4.7

ドキュメント ソリューション

21,717

12,867

△8,850

△40.8

全社費用及び

セグメント間取引消去

△7,956

△7,480

476

連結合計

37,113

20,390

△16,723

△45.1

 

① イメージング ソリューション部門

イメージング ソリューション部門の連結売上高は、49,839百万円(前年同期比33.2%減)となりました。新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」と記載します。)の流行拡大によって、世界各国の多くの都市での外出規制や、店舗の休業、各種イベントの自粛・中止が生じたこと等の影響を受けて、製品・サービス全般にわたって販売が減少しました。営業損失は、2,972百万円となりました。

フォトイメージング事業では、カラーペーパーの需要減や、COVID-19の流行拡大影響により、売上は減少しました。撮影したその場で写真をプリントして楽しめるインスタントフォトシステムでは、世界中で特に人気の高いリニューアルしたエントリーモデルで、初めてオート露光機能を搭載した「instax mini 11」を2020年3月以降世界各地で販売開始しました。2020年5月には、スマートフォン用プリンター「instax mini Link」の専用アプリに、スマートフォンで撮影した画像の中からイラスト等を抜き出し別の画像と合成して“チェキプリント”できる新機能「Sketch,edit & print」を搭載。自宅での時間を充実させる“チェキ”の新たな楽しみ方を、SNSを通じて提案し、オンライン販売を強化しています。また、2020年4月には「Year Album」に、AI技術を活用しユーザーの趣味嗜好に合った画像選択とレイアウトを自動作成、提案するパーソナライズ機能等を新たに搭載しました。今後も多様化するお客様のニーズにお応えし、便利で付加価値の高い商品・サービスを提供するとともに、「撮る、残す、飾る、そして贈る」という写真本来の価値を世界中で伝え続けていきます。

光学・電子映像事業の電子映像分野では、COVID-19の流行拡大影響による店舗休業や撮影機会の減少を受け、売上は減少しました。デジタルカメラ市場全体が大変厳しい状況にある中で、2020年2月に発売した高級コンパクトデジタルカメラ「FUJIFILM X100V」と、2020年4月に発売し 高速AFや高い動画性能を評価されているミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-T4」の販売は好調に推移しています。今後も特長ある魅力的な製品を供給して市場の活性化を図ると共に、写真を撮影する素晴らしさを提供していきます。光学デバイス分野では、イベント自粛の影響が大きい放送・シネマ用レンズの販売減や世界的な自動車需要減による車載レンズの販売減等によって、売上は減少しました。同分野では、超短焦点プロジェクターや長焦点監視カメラを開発・発売する等、事業の領域拡大を進めており、多様な市場ニーズにこたえる画期的な製品を開発し続けることで、事業成長を図っていきます。

 

② ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション部門

 ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション部門の連結売上高は、217,057百万円(前年同期比4.6%減)となりました。COVID-19の流行拡大影響により、メディカルシステム事業では病院への営業活動自粛や商談遅延、ライフサイエンス事業では店頭イベントの中止や直営店の休止、グラフィックシステム事業ではイベントの自粛・中止による印刷需要減の影響を受けました。営業利益は、17,975百万円(前年同期比4.7%減)となりました。

 メディカルシステム事業では、COVID-19の流行拡大影響により売上は減少しましたが、X線画像診断分野では、病室内の病床を移動しながら撮影可能な回診用デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO」及び「FUJIFILM DR CALNEO Go PLUS」の需要が急増し、欧米に加え、アジア・中南米・中東アフリカでも販売が伸長しました。超音波診断分野においても、肺炎検査や処置への需要が急増し、病床への持ち運びが容易な携帯型超音波画像診断装置「SonoSite EdgeⅡ」等の販売が伸長しました。医療IT分野では、医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」を中心としたシステムの販売が日本を中心に堅調に推移しました。2020年6月にAI技術を活用して肺がん診断における胸部CT画像の肺結節検出を支援する「SYNAPSE SAI viewer」向けアプリケーションを発売しました。内視鏡分野では、特殊光観察が可能な7000システム等の販売が中国において堅調に推移しました。2020年6月に炎症の診断や微小な病変の発見をサポートする4色のLED光源を搭載した内視鏡システム「ELUXEO(エルクセオ)」を発売しました。体外診断(IVD)分野では、国内の血液検査システム「ドライケムシリーズ」の販売が堅調に推移しました。2020年5月には、全自動遺伝子解析装置「ミュータスワコーg1」用に、新型コロナウイルス遺伝子を全自動で簡便・迅速に検出する研究用試薬「ミュータスワコー COVID-19」を日本で発売しました。

 医薬品事業では、2020年6月に、COVID-19治療薬として期待されている抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠」(一般名:ファビピラビル)の海外展開に向けて、インド大手製薬企業Dr. Reddy's Laboratories Ltd.、及び世界的な医療物資・医薬品提供会社Global Response Aidとの提携を行い、当提携によるライセンス収入等により、売上は増加しました。COVID-19の世界的な感染拡大が継続する中、「アビガン®錠」の迅速な開発・供給体制をグローバルに構築することで、一日も早く世界のCOVID-19患者に治療薬をお届けし、COVID-19の感染拡大の抑止や流行の終息に貢献していきます。また、2020年5月に、薬剤を患部に届けるドラッグ・デリバリー・システム(以下、「DDS」と記載します。)技術を応用したリポソーム製剤の臨床開発を加速させるため、米国Merck&Co.,Inc.(以下、「米メルク社」と記載します。)との提携を発表しました。当社が開発中の進行性固形がんを対象としたリポソーム製剤「FF-10832」と、米メルク社の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」の併用療法を評価する臨床試験を今年度中に米国で開始する計画です。当社グループは、アンメットメディカルニーズに応える新薬開発を進めるとともに、これまで培ってきたDDS技術等を活用して医薬品を創出することで、医薬品産業のさらなる発展に貢献していきます。

 バイオCDMO事業では、バイオ医薬品のプロセス開発受託及び製造受託が好調に推移し、売上が増加しました。2020年6月に、バイオ医薬品のさらなる生産能力増強を目的に、デンマーク拠点に約1,000億円を投じて製造設備を大幅に増強することを発表しました。2022年から2023年に順次稼働させ、デンマーク拠点におけるバイオ医薬品の原薬生産能力を倍増させるとともに、同拠点にて原薬から製剤・包装までワンサイト・ワンストップで製造受託ができる体制を構築します。また、米国拠点において、米国バイオテクノロジー企業Novavax, Inc.(以下、「ノババックス社」と記載します。)より、同社が開発しているCOVID-19のワクチン候補の原薬製造を受託しました。さらに、米国政府がCOVID-19のワクチンの開発を目的として立上げた官民連携プロジェクト「Operation Warp Speed」(以下、「OWS」と記載します。)の一環として、製造設備拡張等を使途とする約270億円の拠出を受け、ノババックス社を含む、OWSが支援するCOVID-19ワクチン候補の原薬製造を行っていく計画です。今後も、高品質な医薬品の安定供給を通じて顧客の新薬創出をサポートし、アンメットメディカルニーズへの対応等社会課題の解決、及びヘルスケア産業の発展に貢献していきます。

 再生医療事業では、COVID-19の流行拡大により創薬支援事業等が影響を受け、全体の売上は減少しました。米国FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.が展開する、次世代がん免疫治療薬に使用する他家iPS細胞の開発受託事業は好調に推移しました。今後も、当社グループ各社の技術・ノウハウを活用し、再生医療の早期産業化に貢献していきます。

 ライフサイエンス事業では、店舗販売はCOVID-19の流行拡大影響を受けましたが、通信販売でサプリメント「メタバリアEX」等が好調に推移し、全体の売上が増加しました。2020年4月には、「紫外線刺激から肌を保護するのを助ける」機能を持つ、機能性表示食品「アスタリフト サプリメント ホワイトシールド」と「アスタリフト ドリンク ホワイトシールド」を発売しました。今後もお客様のニーズを捉えた独自性の高い製品を提供し、人々の美容と健康に貢献していきます。

 ディスプレイ材料事業では、在宅学習向けに需要が高まっているタブレット用ドライフィルムが好調を維持したものの、TAC製品や波長板は減販基調となり、全体の売上は微減となりました。

 産業機材事業では、COVID-19の流行拡大影響を受けて非破壊検査用機器等が販売減となりましたが、テレワーク向け需要が増加したことにより、タッチパネル用センサーフィルム「エクスクリア」の販売が好調で、全体の売上は増加しました。

 電子材料事業では、COVID-19の流行下でのテレワーク需要もあり、ロジック向けを中心にCMPスラリー等の販売が好調に推移しました。

 ファインケミカル事業では、COVID-19の流行拡大影響により大学や企業の研究活動が停滞し、試薬の需要減等の影響を受けましたが、COVID-19用遺伝子検出キットや、消毒用エタノール等の販売が堅調に推移し、売上は増加しました。

 記録メディア事業では、COVID-19の流行拡大影響による企業活動の停滞に加え、IT企業において在宅勤務等に対応する通信インフラの能力増強が優先され、データアーカイブへの投資が延期されたこと等を背景に、テープ需要が減少したことにより売上は減少しました。中長期的なデータ量の増加傾向及びテープの優位性に変化はなく、今後はデータアーカイブへの投資が回復に向かうと見込んでいます。

 グラフィックシステム事業では、刷版材料分野において、COVID-19の流行拡大影響による需要の減少を受けて売上が減少しました。今後、無処理CTPプレートを中心とした環境対応品の拡販を推進します。デジタル印刷分野では、商業印刷向けインクジェットデジタルプレス「Jet Press 750S」を中心に、デジタル化が進む商業印刷及びパッケージ印刷市場に対して、引き続き画期的な製品を開発・提供し、事業成長を図っていきます。

 インクジェット事業では、産業用インクジェットヘッドの販売は中国での顧客の稼働が再開し復調傾向にありますが、インクの販売は中国・欧州でのワイドフォーマット市場の需要落込みが激しく、全体の売上が減少しました。用途が拡大する産業用インクジェット市場に対して今後も画期的な製品を開発・提供し、さまざまな産業の発展に貢献していきます。

 

③ ドキュメント ソリューション部門

 ドキュメント ソリューション部門の連結売上高は、COVID-19流行拡大の影響を受けたこと、アジア通貨安が進んだことによる為替のマイナス影響等により、189,374百万円(前年同期比18.7%減)となりました。営業利益は、12,867百万円(前年同期比40.8%減)となりました。

 オフィスプロダクト&プリンター事業のオフィスプロダクト分野では、欧米向け輸出の減少、COVID-19流行拡大によるオフィスの閉鎖等の影響を受けて全体の販売台数は前年を下回りましたが、国内では大型商談もあって販売台数が前年を上回りました。また、国内では感染対策としてテレワークが広がったことで、全国のセブン-イレブン店頭に設置された複合機を利用した「ネットプリント®サービス」の需要が拡大しました。オフィスプリンター分野は、全地域で販売台数が減少しました。

 プロダクションサービス事業では、COVID-19流行拡大による先行不透明感からお客様が投資を抑制したことで、販売台数は前年から減少しました。

 ソリューション&サービス事業では、COVID-19流行拡大影響を受けて、オフィスの閉鎖やテレワークの増加によって営業活動が制限されたことで、全体の売上が減少しました。一方で、テレワークが拡大したことにより、強固なセキュリティと簡単・便利なネットワーク環境を実現するサービス「beat」や、オフィスに届くファクス文書を自宅で確認が出来るペーパーレスファクスソリューション等の販売が増加しました。今後も新しいソリューション&サービスメニューを順次提供し、お客様の多様化する働き方を支援していくとともに、当領域でのさらなる成長を目指します。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当第1四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」と記述します。)は、前連結会計年度末より9,827百万円減少し、当第1四半期連結会計期間末においては386,264百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動により得られた資金は100,430百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して7,985百万円△7.4%減少しておりますが、これは棚卸資産が増加したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動に使用した資金は33,524百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して4,457百万円15.3%増加しておりますが、これは固定資産の購入等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動に使用した資金は79,579百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して58,351百万円274.9%増加しておりますが、これは短期債務の返済等によるものです。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間においては、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに発生した課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、36,399百万円(前年同期比6.6%減)であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 重要な会計上の見積り

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「④重要な会計上の見積り」の記載について重要な変更はありません

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結累計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。