当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループの当第1四半期連結累計期間における連結売上高は、メディカルシステム事業、バイオCDMO事業等のヘルスケア領域を中心に売上を伸ばし、582,653百万円(前年同期比27.7%増)となりました。営業利益は、56,318百万円(前年同期比176.2%増)となりました。税金等調整前四半期純利益は、持分証券に関する評価益の計上等により、77,784百万円(前年同期比84.3%増)、当社株主帰属四半期純利益は57,307百万円(前年同期比108.4%増)となりました。
当第1四半期連結会計期間末では、総資産は棚卸資産、現金及び現金同等物の増加等により71,821百万円増加し、3,621,024百万円(前年度末比2.0%増)となりました。負債は未払費用の増加等により7,082百万円増加し、1,334,128百万円(前年度末比0.5%増)となりました。純資産は当社株主帰属四半期純利益の計上等により64,739百万円増加し、2,286,896百万円(前年度末比2.9%増)となりました。
事業セグメント別の業績は次のとおりであります。
(事業セグメント別の連結売上高)
|
セグメント |
前第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
当第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
増減額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
ヘルスケア |
110,232 |
174,202 |
63,970 |
58.0 |
|
マテリアルズ |
127,296 |
149,801 |
22,505 |
17.7 |
|
ビジネスイノベーション |
168,903 |
186,063 |
17,160 |
10.2 |
|
イメージング |
49,839 |
72,587 |
22,748 |
45.6 |
|
連結合計 |
456,270 |
582,653 |
126,383 |
27.7 |
(事業セグメント別の営業利益(△損失))
|
セグメント |
前第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
当第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
増減額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
ヘルスケア |
4,352 |
20,669 |
16,317 |
374.9 |
|
マテリアルズ |
13,076 |
21,296 |
8,220 |
62.9 |
|
ビジネスイノベーション |
13,414 |
14,023 |
609 |
4.5 |
|
イメージング |
△2,972 |
7,998 |
10,970 |
- |
|
全社費用及び セグメント間取引消去 |
△7,480 |
△7,668 |
△188 |
- |
|
連結合計 |
20,390 |
56,318 |
35,928 |
176.2 |
① ヘルスケア部門
本部門の連結売上高は、174,202百万円(前年同期比58.0%増)となりました。営業利益は、20,669百万円(前年同期比374.9%増)となりました。
メディカルシステム事業では、㈱日立製作所の画像診断関連事業の買収が2021年3月31日に完了し、当該事業を継承した「富士フイルムヘルスケア㈱」が新しいグループ会社としてスタートしました。売上は、新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」と記載します。)関連に有用な製品の需要拡大等により、大幅に増加しました。X線画像診断分野では、欧米・アジアを中心に病室内の病床を移動しながら撮影可能な超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO」及び「FUJIFILM DR CALNEO Go PLUS」の旺盛な需要が継続したことに加え、日本でもCOVID-19関連の需要増を取り込み、売上が好調に推移しました。超音波診断分野では、北米を中心に超音波画像診断装置「Sonosite PX」の販売が好調に推移し、富士フイルムヘルスケア㈱の据置型超音波装置も、前年度にCOVID-19流行下で営業活動の制限を受けた欧米を中心に販売が回復基調にあり、売上が増加しました。医療IT分野では、医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」や3次元画像解析システム(3D)「SYNAPSE VINCENT」を中心としたシステム・サービス販売が日本や中国、欧州を中心に大幅に増加しました。2021年5月には、当社のAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」のアプリケーションをクラウドで提供する「医療クラウドサービス」を開始し、ユーザーは医療機関の予算や利用環境等に応じて、画像診断支援機能がより利用しやすくなりました。内視鏡分野では、特殊光観察が可能な「7000システム」等の販売が中国・欧州を中心に伸長しました。体外診断(IVD)分野では、血液生化学検査「富士ドライケム」機器・スライドや、富士フイルム和光純薬㈱の生化学試薬の販売が好調で、売上が増加しました。CT/MRI分野では、COVID-19関連の需要拡大や、富士フイルムヘルスケア㈱の製品を富士フイルム㈱の販路を活用したクロスセルを拡大したこと等により、売上が増加しました。
バイオCDMO事業では、バイオ医薬品のプロセス開発受託及び製造受託が好調に推移し、米国拠点でのCOVID-19のワクチン候補の原薬製造が寄与する等、売上が増加しました。2021年6月には、事業成長を一段と加速させるため、欧米拠点に総額約900億円の大型設備投資を行うことを決定しました。今後、製造設備を増強し、需要が増加するCOVID-19のワクチンや最先端医療分野の遺伝子治療薬等のバイオ医薬品の原薬生産能力を大幅に向上させます。なお、当増強設備の稼働は、2023年後半を予定しています。
ライフサイエンス事業では、FUJIFILM Irvine Scientific, Inc.(米国)が展開するCOVID-19のワクチン・治療薬製造向けの培地等の販売が好調に推移し、売上が増加しました。FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.(米国)(以下、「FCDI」と記載します。)及びその子会社Opsis Therapeutics, LLC(米国)(以下、「オプシス社」と記載します。)と、大手製薬企業Bayer AGの子会社であるBlueRock Therapeutics LPは、iPS細胞を用いた眼疾患治療法の研究開発における戦略的提携に合意しました。今回の戦略的提携にあたって締結した契約の条件に基づき、FCDIとオプシス社は、3件の網膜疾患治療プログラムの開発に関して、契約一時金と研究開発及び治験薬製造の一部に係る資金を受領します。また、開発及び販売の進捗に応じたマイルストーンと、10%前後を料率とする販売ロイヤリティを治療プログラム毎に受け取る権利を有しています。
医薬品事業では、抗菌剤市場の需要減等により、売上は減少しました。2021年6月には、放射性医薬品「ルタテラ®静注」について神経内分泌腫瘍を適応症とする製造販売承認を国内で取得しました。神経内分泌腫瘍は、選択できる薬物療法が限られていることから、アンメットメディカルニーズの高い疾患と言われています。当社グループは、高付加価値な医薬品の提供を通じて、医療のさらなる発展に貢献していきます。
コンシューマーヘルスケア事業では、サプリメント「メタバリアEX」等の販売が好調だったことに加え、化粧品も新製品が堅調に推移し、全体の売上が増加しました。2021年3月には、2010年9月の発売以来、ロングセラー商品となっているジェリー状先行美容液「アスタリフト ジェリー アクアリスタ」に美白有効成分と独自の美容成分を配合した「アスタリフト ホワイト ジェリー アクアリスタ」を発売しました。今後も顧客のニーズを捉えた独自性の高い製品を提供し、人々の美容と健康に貢献していきます。
② マテリアルズ部門
本部門の連結売上高は、149,801百万円(前年同期比17.7%増)となりました。営業利益は、21,296百万円(前年同期比62.9%増)となりました。
電子材料事業では、前年度に続き、半導体需要の増加に伴い、CMPスラリーやポリイミド等幅広い製品群で販売が好調に推移し、売上が増加しました。今後も拡大が予想される半導体市場において、当社は先端プロセス用材料を軸としてさらなる事業成長を図るとともに、5G/IoT時代における社会価値創造に貢献していきます。
ディスプレイ材料事業では、前年度に続き、COVID-19の流行下でのモニター、タブレット及びTV需要の増加や、スマートフォンの堅調な需要を受けて、各種の高機能フィルム製品の販売が好調に推移し、全体の売上が増加しました。
産業機材事業では、スマートフォン等の需要増を取り込んだプレスケールの販売が好調に推移したことに加え、非破壊検査用機器・材料も主に中国での販売が伸長し、売上が増加しました。
ファインケミカル事業では、COVID-19流行拡大の影響を受けていた大学や企業の研究活動が回復基調にあり、環境分析試薬等の販売を伸ばし、売上が増加しました。
記録メディア事業では、COVID-19流行下で在宅勤務等に対応する通信インフラの能力増強が優先され、データアーカイブへの投資が抑制されたこと等を背景に落ち込んでいたテープ需要が徐々に回復傾向にあり、売上が増加しました。今後も、ビッグデータ時代の顧客ニーズに対応する製品やサービスの拡充によって、事業成長を図っていきます。
グラフィックコミュニケーション事業では、刷版材料分野において、前年度に続き、COVID-19流行の影響を受けていますが、オンラインでの商談を積極的に活用する等販売を伸ばし、売上が増加しました。2021年7月1日に富士フイルム㈱のグラフィックシステム事業部と富士フイルムビジネスイノベーション㈱のグラフィックコミュニケーションサービス事業本部を統合し、双方の販売力や技術・製品力を組み合わせることで、アナログからデジタルまでのワンストップソリューションを展開していきます。アナログ印刷分野では、印刷現場での「使いやすさ」を追求し、印刷基本性能を大幅に向上させた無処理CTPプレート「ZX」を発表しました。デジタル印刷分野では、B2枚葉型インクジェット印刷機で世界最速※の最大5,400回転の印刷スピードを実現した「Jet Press 750S High Speed Model」や、プロダクション関連商品の新たなブランド「Revoria」より国内で2021年7月30日に発売した基幹業務用モノクロ高速連帳プリンター「Revoria Press CF191/CF168」のような画期的な製品を今後も開発・提供することで、事業成長を図るとともに、業界のデジタル化を牽引していきます。
インクジェット事業では、産業用インクジェットヘッドの販売が欧州・中国のセラミック市場での需要増により好調に推移しました。インクの販売は、COVID-19流行拡大の影響による需要の減少から回復し、ホーム&オフィス市場向け染料を中心に販売を伸ばし、全体で売上が増加しました。今後もインクジェット市場のニーズにあわせたグローバルな生産体制を構築し、事業成長を一段と加速させていきます。
※2021年6月時点。富士フイルム㈱調べ。
③ ビジネスイノベーション部門
本部門の連結売上高は、186,063百万円(前年同期比10.2%増)となりました。営業利益は、14,023百万円(前年同期比4.5%増)となりました。
オフィスソリューション事業では、オフィスプロダクト分野で、日本・中国及びアジアパシフィック地域・欧米向け輸出のそれぞれで販売台数が前年度を上回るとともに、COVID-19流行拡大影響からの回復に伴い、アフター売上も大きく伸長しました。オフィスプリンター分野の販売台数も前年度から増加しました。「FUJIFILM」ブランドによるグローバル展開にあたって、2021年4月にはデザインを一新し、セキュリティ機能を強化したデジタルカラー複合機及びプリンター「Apeos」の新製品を発売しました。今後、新規のOEM供給も含め、グローバル展開を加速していきます。
ビジネスソリューション事業は、国内で自治体向けのビジネスが増加したことや、海外を中心にBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業が好調に推移し、前年度を上回る売上となりました。今後も新しいソリューション・サービスメニューを順次提供し、顧客の多様化する働き方やDXを通じた経営課題の解決を支援していくとともに、当領域でのさらなる成長を目指します。
④ イメージング部門
本部門の連結売上高は、72,587百万円(前年同期比45.6%増)となりました。営業利益は、7,998百万円となりました。
コンシューマーイメージング分野では、インスタントフォトシステムや、米国リテーラー向けのドライプリント機器及び材料の販売が好調に推移し、売上が増加しました。撮影したその場で写真をプリントして楽しめるインスタントフォトシステムでは、2021年4月にミニフォーマットフィルムに対応した新エントリーモデル「instax mini 40」を発売し、トレンドに左右されないクラシックなカメラデザインを採用したことが市場に高く評価され、国内外で売上が好調に推移しました。今後も多様化する顧客のニーズに応え、便利で付加価値の高い製品・サービスを提供するとともに、「撮る、残す、飾る、そして贈る」という写真本来の価値を世界中で伝え続けていきます。
プロフェッショナルイメージング分野では、ラージフォーマットによる最高画質を小型ボディで楽しめるミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX100S」が世界各地で高い評価を受け、新規ユーザーを取り込み、販売好調が継続しました。今後も特長ある魅力的な製品を供給して市場の活性化を図るとともに、写真を撮る悦びを提供していきます。また、COVID-19流行拡大により需要の減少影響を受けていた放送・シネマ用レンズの販売が回復基調にあり、売上が増加しました。遠望監視やマシンビジョン等監視計測領域も好調で、前年度を大きく上回る売上となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」と記載します。)は、前連結会計年度末より36,596百万円増加し、当第1四半期連結会計期間末においては431,391百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は95,441百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して4,989百万円(5.0%)減少しておりますが、これは受取債権の減少額が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は36,860百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して3,336百万円(10.0%)増加しておりますが、これは固定資産の購入額の増加等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は23,501百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して56,078百万円(70.5%)減少しておりますが、これは前第1四半期連結累計期間において満期日が3ヶ月超の短期債務の返済があったこと等によるものです。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間においては、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに発生した課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、37,159百万円(前年同期比2.1%増)であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 重要な会計上の見積り
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容④重要な会計上の見積り」の記載について重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。