当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当社グループの当第2四半期連結累計期間における連結売上高は、メディカルシステム事業、バイオCDMO事業等のヘルスケア領域を中心に売上を伸ばし、1,205,134百万円(前年同期比20.8%増)となりました。営業利益は、107,862百万円(前年同期比91.0%増)となりました。税金等調整前四半期純利益は129,901百万円(前年同期比30.5%増)、当社株主帰属四半期純利益は96,258百万円(前年同期比42.4%増)となりました。
当第2四半期連結会計期間末では、総資産は前払費用及びその他の流動資産の増加等により110,101百万円増加し、3,659,304百万円(前年度末比3.1%増)となりました。負債は社債及び短期借入金の増加等により23,502百万円増加し、1,350,548百万円(前年度末比1.8%増)となりました。純資産は当社株主帰属四半期純利益の計上等により86,599百万円増加し、2,308,756百万円(前年度末比3.9%増)となりました。
事業セグメント別の業績は次のとおりであります。
(事業セグメント別の連結売上高)
|
セグメント |
前第2四半期 連結累計期間 (百万円) |
当第2四半期 連結累計期間 (百万円) |
増減額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
ヘルスケア |
248,057 |
375,592 |
127,535 |
51.4 |
|
マテリアルズ |
271,176 |
306,441 |
35,265 |
13.0 |
|
ビジネスイノベーション |
364,258 |
374,788 |
10,530 |
2.9 |
|
イメージング |
113,898 |
148,313 |
34,415 |
30.2 |
|
連結合計 |
997,389 |
1,205,134 |
207,745 |
20.8 |
(事業セグメント別の営業利益(△損失))
|
セグメント |
前第2四半期 連結累計期間 (百万円) |
当第2四半期 連結累計期間 (百万円) |
増減額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
ヘルスケア |
18,618 |
47,009 |
28,391 |
152.5 |
|
マテリアルズ |
26,706 |
39,168 |
12,462 |
46.7 |
|
ビジネスイノベーション |
28,747 |
25,493 |
△3,254 |
△11.3 |
|
イメージング |
△2,146 |
12,401 |
14,547 |
- |
|
全社費用及び セグメント間取引消去 |
△15,454 |
△16,209 |
△755 |
- |
|
連結合計 |
56,471 |
107,862 |
51,391 |
91.0 |
① ヘルスケア部門
本部門の連結売上高は、375,592百万円(前年同期比51.4%増)となりました。営業利益は、47,009百万円(前年同期比152.5%増)となりました。
メディカルシステム事業では、㈱日立製作所の画像診断関連事業の買収が2021年3月31日に完了し、当該事業を継承した「富士フイルムヘルスケア㈱」が新しいグループ会社としてスタートしました。売上は、新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」と記載します。)からの市場の回復と、COVID-19関連に有用な製品の需要拡大等により、大幅に増加しました。X線画像診断分野では、日本でのCOVID-19関連の需要増を取り込んだことに加え、アジア・欧州を中心に超軽量移動型デジタルX線撮影装置「FUJIFILM DR CALNEO AQRO」及び「FUJIFILM DR CALNEO Go PLUS」の旺盛な需要が継続し、売上が好調に推移しました。超音波診断分野では、POC(Point of Care)向け超音波診断装置「Sonosite PX」や据置型超音波診断装置「ARIETTA750」の販売が好調に推移しました。さらに、前年度にCOVID-19流行下で営業活動の制限を受けていた日米を中心とした市場の回復等により、売上が増加しました。医療IT分野では、医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」や3次元画像解析システム(3D)「SYNAPSE VINCENT」を中心としたシステム・サービス販売が日本や中国、欧州を中心に好調に推移しました。2021年4月にSYNAPSE VINCENT向けにAI技術を活用した新アプリケーションを発売して以来、医療画像診断支援や医療現場のワークフロー支援に活用できるAI技術の開発に、より一層力を入れて取り組んでいます。内視鏡分野では、特殊光観察が可能な「7000システム」等の販売が米国・欧州を中心に伸長しました。体外診断(IVD)分野では、血液生化学検査「富士ドライケム」機器・スライドや、富士フイルム和光純薬㈱の生化学試薬の販売が好調で、売上が大幅に増加しました。CT・MRI分野では、新たに製品ラインアップに加わった富士フイルムヘルスケア㈱の製品を富士フイルム㈱の販売チャネルにのせてインド等で拡販したことや、COVID-19関連の需要増に伴い、売上が増加しました。
バイオCDMO事業では、米国拠点でのCOVID-19ワクチン候補の原薬製造が寄与する等、売上が大幅に増加しました。事業成長を一段と加速させるため、総額約900億円を投じて欧米拠点に大型設備投資を行うことを2021年6月に決定しました。今後、需要が増加する最先端医療分野の遺伝子治療薬等の原薬製造能力を大幅に向上させます。なお、当増強設備の稼働は、2023年後半を予定しています。
ライフサイエンス事業では、FUJIFILM Irvine Scientific, Inc.(米国)が展開するCOVID-19ワクチン・治療薬製造向けの培地等の販売が好調に推移し、売上が増加しました。2021年9月に再生医療ベンチャーCynata Therapeutics Limited(以下、「Cynata社」と記載します。)と、両社の強み・リソースを最大限に活用できる協業の枠組みで基本合意したことを発表しました。本合意に基づき、当社は、Cynata社が開発を進めるiPS細胞由来の再生医療製品のパイプラインを対象に、治験薬製造及び商業生産を受託する予定です。
医薬品事業では、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠」(一般名:ファビピラビル)の海外向け販売増等により、売上が増加しました。2021年9月には、ライフサイエンス領域の事業ポートフォリオ最適化の一環として、富士フイルム富山化学㈱の放射性医薬品事業をペプチドリーム㈱へ譲渡することを決定しました。今後は、現行パイプラインの開発を進めるとともに、ペニシリン等の抗菌剤の製造・販売、製造受託に加え、核酸医薬品や次世代の新型コロナワクチン候補も含むmRNAワクチンのプロセス開発・製造受託等の受託ビジネスに注力していきます。
コンシューマーヘルスケア事業では、「メタバリアEX」等サプリメントの販売が好調だったことに加え、化粧品も新製品が堅調に推移し、全体の売上が増加しました。2021年7月には、「ASTALIFT(アスタリフト)」ブランドから、シンプルなステップで効果的なスキンケアを実現するシリーズ「ASTALIFT Opme(アスタリフト オプミー)」を新たに展開することを発表しました。2021年9月1日にはシリーズ第一弾として、化粧水・美容液・乳液・クリームの4つの役割をもつオールインワンタイプの高保湿持続ジェル「アスタリフト オプミー」を発売しました。今後も顧客のニーズを捉えた独自性の高い製品を提供し、人々の美容と健康に貢献していきます。
② マテリアルズ部門
本部門の連結売上高は、306,441百万円(前年同期比13.0%増)となりました。営業利益は、39,168百万円(前年同期比46.7%増)となりました。
電子材料事業では、半導体需要の増加に伴い、フォトレジストやCMPスラリー、ポストCMPクリーナー、ポリイミド等幅広い製品群で販売が好調に推移し、地域別では、特に中国市場で売上が増加しました。今後も拡大が予想される半導体市場において、当社は先端プロセス用材料を軸としてさらなる事業成長を図るとともに、5G/IoT時代における社会価値創造に貢献していきます。
ディスプレイ材料事業では、モニター、タブレット、TV及びスマートフォンの堅調な需要を受けて、各種の高機能フィルム製品の販売が好調に推移し、全体の売上が増加しました。
産業機材事業では、スマートフォン等の需要増を取り込んだプレスケールの販売が好調に推移したことに加え、非破壊検査用機器・材料で、北米、中国の販売が回復基調にあり、売上が増加しました。
ファインケミカル事業では、COVID-19流行拡大の影響を受けていた大学や企業の研究活動が回復基調にあり、環境分析や核酸合成等のケミカル試薬が伸長するとともに、各産業の景気回復に合わせ化成品も販売を伸ばし、売上が増加しました。
記録メディア事業では、COVID-19流行下でデータアーカイブへの投資が抑制されたこと等を背景に落ち込んでいたテープ需要が徐々に回復傾向にあり、売上が増加しました。2021年9月7日には、大容量データのバックアップやアーカイブに最適な磁気テープストレージメディア規格「LTO Ultrium」の第9世代に対応した「FUJIFILM LTO Ultrium9 データカートリッジ」を発売しました。磁気テープは、大容量データを低コストで安全に長期保管できることに加え、ハードディスクドライブに比べてデータ保管における消費電力により発生するCO2の排出量を95%削減でき※1、環境負荷を大幅に低減する製品として注目されています。今後も顧客ニーズに対応する高性能・高品質のメディアやサービスの開発・提供を通じて、さらなる事業成長を図るとともに、社会課題の解決に取り組んでいきます。
※1:100PB(ペタバイト)のデータを10年間HDDに保管した場合と磁気テープに保管した場合を比較し、保管で発生するCO2の排出量を95%(約2,400トン)削減できます。(出典:Brad Johns Consulting, LLC “Improving Information Technology Sustainability with Modern Tape Storage”)
グラフィックコミュニケーション事業では、刷版材料分野において、東南アジア等でCOVID-19流行の影響を受けていますが、オンラインでの商談を積極的に活用する等して販売を伸ばし、売上が増加しました。2021年7月1日に富士フイルム㈱のグラフィックシステム事業部と富士フイルムビジネスイノベーション㈱のグラフィックコミュニケーションサービス事業本部を統合しました。これにより、双方の販売力や技術・製品力を組み合わせることで、アナログからデジタルまでのワンストップソリューションを展開しています。デジタル印刷分野では、B2枚葉型インクジェット印刷機で世界最速※2の毎時5,400枚の印刷スピードを実現した「Jet Press 750S High Speed Model」を発表しました。プロダクション関連商品の新たなブランド「Revoria」では、国内で2021年7月30日にハイエンドプロダクションカラープリンター「Revoria Press PC1120」を発売しました。今後もこのような独自の先進技術を用いた画期的な製品を開発・提供することで、事業成長を図るとともに、業界のデジタル化を牽引していきます。
※2:2021年9月時点。富士フイルム調べ。
インクジェット事業では、産業用インクジェットヘッドの販売が欧州、中国の建材印刷市場での需要増により好調に推移しました。インクの販売は、ホーム&オフィス市場向け染料を中心に販売を伸ばし、全体で売上が増加しました。今後もインクジェット市場のニーズにあわせたグローバルな生産体制を構築し、事業成長を一段と加速させていきます。
③ ビジネスイノベーション部門
本部門の連結売上高は、374,788百万円(前年同期比2.9%増)となりました。営業利益は、25,493百万円(前年同期比11.3%減)となりました。
オフィスソリューション事業では、オフィスプロダクト分野で、足元ではアジアパシフィック地域でのロックダウンや半導体等の部品供給の逼迫を背景とした機器の供給・設置遅延等の影響を受けましたが、上期全体ではCOVID-19流行拡大影響からの経済回復に伴うノンハードの売上回復等により、売上が増加しました。「FUJIFILM」ブランドによるグローバル展開においては、2021年4月にはデザインを一新し、セキュリティ機能を強化したデジタルカラー複合機及びプリンター「Apeos」の新製品を発売しました。また、富士フイルム㈱の海外拠点や有望な代理店を活用して、欧州や中東、中南米等での販売を目指しており、今後、新規のOEM供給も含め、グローバル展開を加速していきます。
ビジネスソリューション事業は、国内で自治体向けのビジネスが増加したことや、海外を中心にBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業が好調に推移し、前年度を上回る売上となりました。今後も新しいソリューション・サービスメニューを順次提供し、顧客の多様化する働き方やDXを通じた経営課題の解決を支援していくとともに、当領域でのさらなる成長を目指します。
④ イメージング部門
本部門の連結売上高は、148,313百万円(前年同期比30.2%増)となりました。営業利益は、12,401百万円となりました。
コンシューマーイメージング分野では、インスタントフォトシステムや、米国リテーラー向けのドライプリント機器及び材料の販売が好調に推移し、売上が増加しました。撮影したその場で写真をプリントして楽しめるインスタントフォトシステムは、デバイス・フィルムともに販売が好調、2021年4月に発売したミニフォーマットフィルムに対応した新エントリーモデル「instax mini 40」は、トレンドに左右されないクラシックなカメラデザインが市場に高く評価されました。今後も多様化する顧客のニーズに応え、便利で付加価値の高い製品・サービスを提供するとともに、「撮る、残す、飾る、そして贈る」という写真本来の価値を世界中で伝え続けていきます。
プロフェッショナルイメージング分野では、ラージフォーマットによる最高画質を小型ボディで楽しめるミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX100S」が世界各地で高い評価を受け、新規ユーザーを取り込み、販売好調が継続しました。また、2021年9月29日にミラーレスデジタルカメラ「GFXシリーズ」の最新モデルとして、「FUJIFILM GFX50S II」を発売しました。今後も特長ある魅力的な製品を供給して市場の活性化を図るとともに、写真を撮る悦びを提供していきます。放送・シネマ用レンズの販売は、COVID-19流行拡大による需要の減少影響から回復基調にあり、売上が増加しました。遠望監視やマシンビジョン等監視計測領域も好調で、前年度を上回る売上となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」と記載します。)は、前連結会計年度末より38,680百万円増加し、当第2四半期連結会計期間末においては433,475百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は147,817百万円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して46,741百万円(24.0%)減少しておりますが、これは前払費用及びその他の流動資産が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は83,325百万円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して21,155百万円(34.0%)増加しておりますが、これは固定資産の購入額の増加等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は27,972百万円となり、前第2四半期連結累計期間と比較して46,571百万円(62.5%)減少しておりますが、これは短期債務の返済額の減少等によるものです。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに発生した課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、75,777百万円(前年同期比1.8%増)であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 重要な会計上の見積り
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④重要な会計上の見積り」の記載について重要な変更はありません。
当社の完全子会社である富士フイルム㈱は、連結子会社である富士フイルム富山化学㈱の放射性医薬品事業をペプチドリーム㈱に譲渡することを決定しました。本譲渡にあたり、当社が新たに設立した当社完全子会社(以下、「放射性医薬品新会社」と記載します。)に対して富士フイルム富山化学㈱の放射性医薬品事業を承継させた上で、放射性医薬品新会社の全株式をペプチドリーム㈱に売却する株式譲渡契約を、2021年9月2日に締結しました。