第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当社グループの当第1四半期連結累計期間における連結売上高は、メディカルシステム事業、電子材料事業等を中心に売上を伸ばし、625,860百万円(前年同期比7.4%増)となりました。営業利益は、前年の新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」と記載します。)関連需要の減少や、部材・エネルギーコストの高騰影響等により49,550百万円(前年同期比12.0%減)となりました。税金等調整前四半期純利益は、55,195百万円(前年同期比29.0%減)、当社株主帰属四半期純利益は41,364百万円(前年同期比27.8%減)となりました。

 当第1四半期連結会計期間末では、総資産は現金及び現金同等物、棚卸資産、有形固定資産等の増加により291,540百万円増加し、4,246,820百万円(前年度末比7.4%増)となりました。負債は社債及び長期借入金等の増加により135,985百万円増加し、1,566,325百万円(前年度末比9.5%増)となりました。純資産は為替換算調整額等の増加により155,555百万円増加し、2,680,495百万円(前年度末比6.2%増)となりました。

 事業セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

(事業セグメント別の連結売上高)

セグメント

前第1四半期

連結累計期間

(百万円)

当第1四半期

連結累計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

ヘルスケア

174,202

180,215

6,013

3.5

マテリアルズ

149,801

174,953

25,152

16.8

ビジネスイノベーション

186,063

188,233

2,170

1.2

イメージング

72,587

82,459

9,872

13.6

連結合計

582,653

625,860

43,207

7.4

 

(事業セグメント別の営業利益)

セグメント

前第1四半期

連結累計期間

(百万円)

当第1四半期

連結累計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

ヘルスケア

20,669

10,813

△9,856

△47.7

マテリアルズ

21,296

22,848

1,552

7.3

ビジネスイノベーション

14,023

14,200

177

1.3

イメージング

7,998

10,542

2,544

31.8

  全社費用及び

   セグメント間取引消去

△7,668

△8,853

△1,185

連結合計

56,318

49,550

△6,768

△12.0

 

① ヘルスケア部門

本部門の連結売上高は、180,215百万円(前年同期比3.5%増)となりました。営業利益は、10,813百万円(前年同期比47.7%減)となりました。

メディカルシステム事業では、医療IT、内視鏡等の分野を中心に販売が好調に推移し、売上が増加しました。X線画像診断分野では、新興国を中心にデジタルマンモグラフィシステム「AMULET Innovality」の販売が堅調に推移し、デジタルX線透視撮影システム「CUREVISTA Open」の販売も伸長しました。医療IT分野では、医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE」や3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」を中心としたシステム・サービス販売が日本を中心に大きく伸長し、売上が増加しました。超音波診断分野では、POC(Point of Care)向け超音波診断装置「Sonosite PX」や据置型超音波診断装置「ARIETTA 750」の販売が米国、欧州を中心に増加しました。内視鏡分野では、粘膜の僅かな色の違いを強調し、内視鏡観察をサポートするLCI(Linked Color Imaging)をはじめとする画像強調機能を搭載した「7000システム」等の販売が米国、欧州を中心に大幅に伸長しました。体外診断(IVD)分野では、血液生化学検査「富士ドライケム」機器・スライドが国内外とも大幅に増加し、富士フイルム和光純薬㈱の生化学試薬・免疫試薬の販売も好調で、売上が増加しました。CT・MRI分野では、半導体等部品不足の影響を受けましたが、全身用X線CT診断装置「Supria」の販売が好調に推移する等、売上が増加しました。

バイオCDMO事業では、バイオ医薬品のプロセス開発受託及び製造受託がデンマーク拠点で堅調に推移しましたが、前年同期に北米拠点でCOVID-19ワクチン候補原薬における需要増があり、対前年で売上が減少しました。2022年4月には、米国バイオベンチャーAtara Biotherapeutics, Inc.の細胞治療薬製造拠点の買収が完了しました。今後、遺伝子改変細胞治療薬をはじめとする細胞治療薬の受託ビジネスを本格的に展開し、バイオ医薬品の開発・製造受託事業のさらなる拡大を図っていきます。2022年6月には、抗体医薬品の旺盛な製造受託ニーズに対応するデンマーク拠点への設備増強、及び培養から精製まで原薬の一貫生産が可能な商業用連続生産システムによるGMP製造設備の米国テキサス拠点への導入を、総額2,000億円を投じて行うことを発表しました。当社は、幅広いバイオ医薬品を対象に生産プロセスの開発受託、小規模生産から大規模生産、原薬から製剤・包装までの製造受託ニーズに応えていきます。また、バッチ生産方式のみならず、連続生産方式による製造受託を通じて製薬企業等に新たな価値を提供し、医薬品業界におけるベストパートナーを目指します。

ライフサイエンス事業では、試薬と細胞は前年から売上が伸長しましたが、バイオ医薬品製造用の培地が、COVID-19用ワクチン・治療薬向け需要の一巡等により、事業全体で売上は前年同期並みとなりました。2022年3月には、細胞の増殖・分化・機能発現を促進するサイトカインの開発・製造・販売を行う米国バイオテック企業Shenandoah Biotechnology, Inc.を買収しました。この買収により、当社は、培地とサイトカイン等を組み合わせた細胞培養関連製品の研究開発と顧客提案力をさらに強化し、市場が急伸する細胞治療薬の研究開発・製造支援ビジネスを拡大していきます。

医薬品事業では、抗菌剤の需要減や、2022年3月に富士フイルム富山化学㈱の放射性医薬品事業をペプチドリーム㈱へ譲渡したこと等により、売上が減少しました。2022年6月には、米国において、当社が開発中のリポソーム製剤「FF-10832」とMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))の併用療法を評価する臨床第Ⅱa相試験を開始しました。

コンシューマーヘルスケア事業では、主にサプリメントで在宅需要の増加が継続した前年同期に対し、販売が減少したこと等により、対前年で売上が減少しました。2022年3月には、乾燥肌や敏感肌をケアする若年層向けのスキンケアブランド「cresc. by ASTALIFT」を新たに展開し、販売を開始しました。2022年6月には、歩行や階段昇降等移動時のひざ関節の違和感を軽減する機能性関与成分を配合した機能性表示食品「アユメイト」の販売を開始しました。今後も顧客のニーズを捉えた独自性の高い製品を提供し、人々の美容と健康に貢献していきます。

 

② マテリアルズ部門

 本部門の連結売上高は、174,953百万円(前年同期比16.8%増)となりました。営業利益は、22,848百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

電子材料事業では、前年度に続き、CMPスラリーやフォトリソ周辺材料等の販売が好調に推移し、売上が大幅に増加しました。今後も5Gや自動運転等に使用される最先端半導体向けをはじめとして、半導体の微細化・高集積化に対応した幅広い製品を提供することで、成長を加速させていきます。

 ディスプレイ材料事業では、TV向けの製品は順調に販売を伸ばしましたが、WVフィルムの需要減の影響を受け、​全体の売上が減少しました。

産業機材事業では、非破壊検査用機器・材料で、COVID-19流行拡大の影響を受けていた欧米の航空業界向けの販売が前年度に続き、回復したこと等により、売上が増加しました。

ファインケミカル事業では、重合材料等の化成品の販売が伸長したことにより、売上が増加しました。

記録メディア事業では、半導体逼迫の影響等により、データセンター建設への投資が抑制され、データアーカイブ用のテープ需要が一時的に減少し、売上が減少しました。磁気テープは、大容量データを低コストで安全に長期保管できることに加え、ハードディスクドライブに比べてデータ保管における消費電力により発生するCO2の排出量を95%削減でき、環境負荷を大幅に低減する製品として注目されています。今後も顧客ニーズに対応する高性能・高品質のメディアやサービスの開発・提供を通じて、さらなる事業成長を図るとともに、社会課題の解決に取り組んでいきます。

※ 100PB(ペタバイト)のデータを10年間HDDに保管した場合と磁気テープに保管した場合を比較し、保管で発生するCO2の排出量を95%(約2,400トン)削減できます。(出典:Brad Johns Consulting, LLC “Improving Information Technology Sustainability with Modern Tape Storage”)

グラフィックコミュニケーション事業では、刷版材料分野において、原材料価格高騰の影響を受けましたが、各地域で段階的に販売価格の見直しを実施したことや、COVID-19流行拡大の影響から市場の回復が進んだことにより、売上が増加しました。デジタル印刷分野においても、市場の回復傾向が継続し、売上が増加しました。

インクジェット事業では、産業用インクジェットヘッドの販売が、主に欧州の建材印刷市場での需要増により好調に推移し、インクの販売は、ホーム&オフィス市場向け染料インクを中心に販売を伸ばし、全体で売上が増加しました。2022年7月には、欧州におけるインクジェットビジネスをさらに拡大するため、インクジェットシステムのカスタマイズ提供を強みとする、欧州の有力システムインテグレーターUNIGRAPHICA AGを買収しました。今後も、高度なインクジェット技術や高品質な製品・サービスの提供を通じて、さらなる事業拡大を進めるとともに、産業用インクジェット市場の拡大、インクジェット技術応用による新産業の創出に貢献していきます。

 

③ ビジネスイノベーション部門

 本部門の連結売上高は、188,233百万円(前年同期比1.2%増)となりました。営業利益は、14,200百万円(前年同期比1.3%増)となりました。

オフィスソリューション事業では、COVID-19による中国ロックダウンの影響を受けましたが、消耗品の輸出売上の増加や為替影響等により、売上が増加しました。2022年7月1日には、研究開発を含む複合機及びプリンターの全体戦略立案・推進機能に加え、事業横断による海外マーケティング機能を担う新たな組織を設立しました。今後は、新体制のもと、複合機及びプリンターのマーケティングをさらに強化し、お客様の要求に迅速に対応することで収益性をさらに高めていきます。また、新たな市場に関しては、競争優位となる商品戦略を地域別に構築した上で、OEM供給を含むビジネスの拡大を積極的に進めていきます。

ビジネスソリューション事業では、国内における前年度の法改正対応に伴う自治体向け特需の反動がありましたが、海外でのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業の売上増加や為替影響等により、売上が増加しました。2022年5月には、業種別・業務別にお客様のDX課題解決を強力に支援し、中堅・中小企業のDXを加速する新ソリューション「Bridge DX Library」の提供を開始し、2022年7月には、合計103種類のソリューションにラインアップを拡大しました。今後も、お客様のDXに資するソリューション・サービスメニューを提供し、さらに、海外展開を加速させ、当部門における中核事業として、ビジネスソリューション事業の成長を目指していきます。

 

④ イメージング部門

 本部門の連結売上高は、82,459百万円(前年同期比13.6%増)となりました。営業利益は、10,542百万円(前年同期比31.8%増)となりました。

 コンシューマーイメージング分野では、インスタントフォトシステム、カラーペーパー、ドライプリント機器及び材料の販売が好調に推移し、売上が増加しました。インスタントフォトシステムは、デバイス新製品やフィルムを中心に販売が好調に推移し、前年同期を上回る売上となりました。2021年12月に発売したinstaxシリーズ最上位機種のハイブリッドインスタントカメラ
“チェキ”「instax mini Evo」が、クラシックなカメラデザインと100通りの撮影エフェクトが好評で、販売台数を伸ばしました。2022年6月にはスマートフォン用プリンター「instax mini Link2」を発表しました。専用アプリを使用してスマートフォンで撮影する際にAR(拡張現実)エフェクトを重ね合わせて空間に絵や文字を描く空間描画機能「instaxAiR」等、新たな機能を搭載し市場から高い評価を受けています。instax“チェキ”は今後もアナログとデジタルの技術を掛け合わせ、世界中の人々に「新たな価値」を提供していきます。

 プロフェッショナルイメージング分野では、主にデジタルカメラがCOVID-19による中国ロックダウンの影響を受けましたが、物流体制を最適化し、最大限供給を確保することで、売上は前年並みを維持しました。デジタルカメラでは、2022年5月に、高画質と小型軽量を両立する「Xシリーズ」史上最高の高速連写、AF・動画性能を実現したミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-H2S」を発表しました。今後も「Xシリーズ」では画質とサイズのベストバランスを、「GFXシリーズ」では高画質を実現し、魅力的な製品を提供していきます。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当第1四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」と記載します。)は、前連結会計年度末より51,724百万円増加し、当第1四半期連結会計期間末においては538,052百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動により得られた資金は14,727百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して80,714百万円減少(△84.6%)しておりますが、これは受取債権の減少額が減少したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動に使用した資金は82,031百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して45,171百万円増加(122.5%)しておりますが、これは固定資産の購入額の増加等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動により得られた資金は97,231百万円となり、前第1四半期連結累計期間と比較して120,732百万円増加(前第1四半期連結累計期間は23,501百万円の支出)しておりますが、これは長期債務による調達額が増加したこと等によるものです。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間においては、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに発生した課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、37,573百万円(前年同期比1.1%増)であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 主要な設備

 前連結会計年度末における、当連結会計年度1年間の当社グループの設備投資(新規・拡充)の計画は3,000億円でありましたが、ヘルスケア セグメントの計画金額を2,150億円から2,600億円に変更したこと等により、当第1四半期連結会計期間末において3,500億円に変更しております。

 

(7) 重要な会計上の見積り

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容④重要な会計上の見積り」の記載について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結累計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。