(1)業績
当連結会計年度(以下、当期)における経済情勢を振り返りますと、前半には英国のEU離脱を問う国民投票、後半には米国の大統領選挙といった政治的イベントの結果が為替市場などを大きく左右する一年となりました。米国は堅調な個人消費を背景に、欧州ではドイツを中心として、概ね景気の緩やかな成長が続いた一方、中国、新興国経済の減速が続きました。我が国経済は安定した政権運営が続き、雇用情勢も改善していますが、個人消費は一向に上向かず低調に推移しました。
こうした経営環境の下、当期における当社グループの事業セグメント別の収益状況につきましては、情報機器事業では、オフィスサービス分野、商業・産業印刷分野とも主力のカラー製品、特に上位機種の販売台数を伸ばしましたが、前期比円高の影響を吸収し切れず、減収減益となりました。ヘルスケア事業はデジタル製品の販売増に加え、買収効果も寄与して前期並みの売上高を確保しましたが、販売強化のための費用増や円高影響により減益となりました。産業用材料・機器事業は、主力製品の販売数量の減少が響き減収となりましたが、知財権価値の最大化を図る経営施策実行に伴う特許関連収入を計上して増益を確保しました。
これらの結果、当期の連結売上高は9,625億円(前期比6.7%減)、営業利益は501億円(同16.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は315億円(同1.3%減)となりました。
なお、当期における為替変動は期初は円高が進み、2016年秋以降は円安に転じたものの、通期ベースでは米ドル、ユーロとも前期比大幅な円高となり、当社グループの業績は大きな影響を受けました。売上高では前期比918億円の減収要因、営業利益では同196億円の減益要因となり、この影響を除けば売上高は前期比2.2%増収、営業利益は同16.1%増益となります。
当社は、中期経営計画「TRANSFORM 2016」の最終年度となる当期においては、全事業領域で「課題提起型デジタルカンパニー」への業容転換の取組みを加速しました。ドイツの監視カメラメーカーMOBOTIX社の連結子会社化、商業・産業印刷分野ではフランスのデジタル加飾印刷機メーカーMGI社の連結子会社化などにより、新たな事業を推進するための技術や知見の獲得を進めました。またバイオヘルスケア分野では、フランスのパスツール研究所やバイオアキシャル社と共同でがんなどの疾患の病態を定量的に解析できる創薬支援システムの開発を進めています。
2017年3月には、あらゆるモノがインターネットに繋がるIoT時代における新たなビジネスのプラットフォームとなる「Workplace Hub(ワークプレイス ハブ)」を発表しました。「Workplace Hub」は、一般オフィスのみならず生産現場や医療、教育機関などさまざまな業種、規模の職場における顧客企業の業務のデジタル化を将来も見据えた形でサポートします。時々刻々と変化するリアルタイムデータを分析し、ITインフラ(ツール、サービス、装置など)の使用パターンを可視化することで、お客様のITインフラ管理コストの削減、ビジネスプロセスの効率化に役立つソリューションを提供します。さらに、人工知能やエッジコンピューティング、ディープラーニング技術を用いて人とデータを結び付け、オフィスでの意思決定や問題解決の支援をよりスマートに実現します。2017年秋よりグローバルに順次発売予定です。
セグメント別の状況は以下のとおりであります。
①情報機器事業
<オフィスサービス分野>
主力のA3カラー複合機「bizhub(ビズハブ)」シリーズが当期も堅調を持続、販売台数は全ての地域で前期を上回りました。製品セグメントでは上位クラス、販売地域では欧州と中国市場で高い伸長率を示しました。複合機市場における競争環境の厳しさは継続していますが、当社独自の複合機を中心とするドキュメントソリューションとマネージドITサービス(IT機器・システムの導入、運用、管理、保守などを一体として提供するサービス)を組み合せて提供するハイブリッド型販売が北米及び西欧市場を中心に浸透しており、顧客当たりの売上高増、収益率向上に寄与しています。
<商業・産業印刷分野>
プロダクションプリントでは、カラーデジタル印刷システムの最上位機種「bizhub PRESS(ビズハブプレス)C1100」が好調な販売を持続しました。特に、北米、中国及びアジア市場での販売が伸長しました。当社が得意としてきたライトプロダクション領域では競争環境の激化もあり販売が伸び悩みましたが、当期後半に投入した新製品「AccurioPress(アキュリオ プレス)C2070」シリーズはお客様からの評価も高く、商談件数を順調に増やしています。
産業用インクジェットでは、インクジェットヘッドなどコンポーネント領域は市況の悪化に伴い販売が減速しましたが、テキスタイルプリント領域ではシングルパス方式で高い生産性を実現する「ナッセンジャー SP-1」をフランス及びトルコで受注、売上拡大に貢献しました。また、産業印刷領域では、販売活動が各地で本格的にスタートした、インクジェットデジタル印刷機の新製品「AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1」とMGI社製のデジタル加飾印刷機により、ハイエンド市場攻略の準備が整いました。
これらの結果、当事業の売上高は7,717億円(前期比7.3%減)、営業利益は529億円(同24.6%減)となりました。為替影響を除けば、売上高は前期比2.7%増収、営業利益は同1.0%増益となります。
②ヘルスケア事業
当期は、地域別の売上では、米国は好調に推移し、日本は堅調を維持しました。製品面では、米国では、DR(デジタルラジオグラフィー)の大幅伸長に加え、プライマリーケア市場におけるソリューション製品販売が事業拡大に貢献しました。日本ではデジタル製品全般に販売が堅調でした。カセッテ型デジタルⅩ線撮影装置の「AeroDR(エアロディーアール)」が国内外で好調を持続、超音波画像診断装置の「SONIMAGE(ソニマージュ)HS1」は日本、米国に加えて中国での販売が貢献しました。一方、デジタルⅩ線撮影装置CR(コンピューテッドラジオグラフィー)は、米国の診療報酬制度改正の影響を受け、販売数量が減少しました。
これらの結果、当事業の売上高は899億円(前期比0.1%増)、営業利益は28億円(同26.7%減)となりました。為替影響を除けば、売上高は前期比5.7%増収、営業利益は同18.8%増益となります。
③産業用材料・機器事業
機能材料分野は、価格圧力が厳しくなる中、VAパネル用及びIPSパネル用位相差フィルム、超薄膜TACフィルムなど高付加価値製品へのシフトを進めましたが、販売数量、金額とも前期を下回りました。
産業用光学システム分野では、計測機器は大口契約に伴う出荷が当期終盤に開始したことも寄与して増収となりました。産業・プロ用レンズは最終製品市場の販売減の影響を受け、減収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は894億円(前期比15.6%減)となりました。営業利益は、特許関連収入77億円を計上し185億円(同9.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー686億円の収入と、有形固定資産の取得を中心とした投資活動によるキャッシュ・フロー705億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは19億円のマイナスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは23億円のマイナスとなりました。
その他に、現金及び現金同等物に係る為替変動の影響があり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比73億円減少の926億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前利益493億円、減価償却費及び償却費518億円、営業債権及びその他の債権の減少による増加18億円等によるキャッシュ・フローの増加と、棚卸資産の増加による減少124億円、法人所得税の支払い83億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは686億円のプラス(前年同期は592億円のプラス)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出327億円、無形資産の取得による支出87億円、子会社株式の取得による支出254億円等があり、投資活動によるキャッシュ・フローは705億円のマイナス(前年同期は1,107億円のマイナス)となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは19億円のマイナス(前年同期は515億円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の純増加額31億円、社債の発行及び長期借入れ368億円等の収入、社債の償還及び長期借入金の返済278億円、配当金の支払い148億円等の支出により、財務活動によるキャッシュ・フローは23億円のマイナス(前年同期は205億円のマイナス)となりました。
(3)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(のれんの償却)
日本基準では、のれんの償却については償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降の償却を停止しております。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、当連結会計年度において販売費及び一般管理費が16,882百万円減少しております。
(表示組替)
日本基準では、営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失に表示していた項目を、IFRSではその他の収益、その他の費用、金融収益及び金融費用に表示しております。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
前年同期比 |
|
情報機器事業 |
百万円 328,177 |
% 92.6 |
|
ヘルスケア事業 |
20,524 |
120.8 |
|
産業用材料・機器事業 |
83,924 |
84.3 |
|
報告セグメント計 |
432,625 |
91.9 |
|
その他(注3) |
9,756 |
1,635.7 |
|
合計 |
442,381 |
93.9 |
(注1)金額は、売価換算値で表示しております。
(注2)上記金額には、消費税等は含んでおりません。
(注3)その他の生産実績は、当連結会計年度より連結の範囲にMOBOTIX AGを含めたことにより、増加して
おります。
(2)受注実績
当社グループは見込み生産を主としておりますので、記載を省略しております。
(3)販売実績
販売状況については、「1 業績等の概要」において各セグメントの業績に関連付けて示しております。
当社は、デジタル複合機、医療用画像診断装置及び計測機器の販売やサービスを通じて全世界約150か国で、約200万企業のお客様との「つながり」を持っています。お客様企業の業種・業態は、製造、流通・小売、印刷、医療・介護などの多岐にわたっており、そのいずれにおいても近年、最新のデジタル関連技術を取り入れることによる、業務の生産性向上や最適化、意思決定支援に関する課題解決への要望がますます強まっています。
当社では、前中期経営計画期間(2014年度~2016年度)に戦略的企業買収を実行し、次の3つの観点で強みに磨きをかけてきました。
・当社が培ってきた光学、画像、材料、微細加工分野のコア技術に加えて、動画高速処理技術や医療画像プラットフォーム等の先端技術を獲得
・機器販売、サポートを得意とする販売部隊に加えて、世界の主要国でIT系業務改革提案ができる豊富な人財とそのノウハウを獲得
・世界5極の市場に近いところで、お客様の課題解決のための新規サービス事業開発を協働して生み出す専任部隊を強化
このようにして磨いた強みをベースとして、2017年4月から始動した新しい中期経営計画「SHINKA 2019」では、特に次の3領域での事業育成に積極的に取り組むことで高収益企業へのトランスフォームを加速させていきます。
1.モノとモノがつながるIoTの時代にふさわしい高付加価値サービス
当社のお客様企業の業務革新、働き方改革、意思決定支援に関する課題解決をお客様の現場で実現するサービスであり、具体的には2017年3月に発表した「Workplace Hub(ワークプレイス ハブ)」の活用分野となります。オフィス領域においては、世界の最大手IT企業群との提携で提供価値の範囲を広げます。また、ヘルスケア領域、製造業のデジタル化支援領域、セキュリティ・状態監視サービス領域へとそのIoT活用サービスを広げてまいります。
2.本格的な商業・産業印刷のデジタル化推進
商業・産業印刷業界では、世界的にデジタル化比率が5%未満と低い水準にあります。このデジタル化比率の向上を目指し、インクジェット技術による新商品投入、企業買収効果を発揮してのパッケージ、ラベル、テキスタイル印刷分野での事業強化を図ります。
3.個別化医療分野への本格参入
がん患者様への投薬の奏効率を高めると共に、創薬の成功率を高めるという社会課題の解決に、当社の分子イメージング技術やAIを活用した画像解析技術などの強み技術を活用して本格参入いたします。そして、がん患者の方の生存率や生活の質の向上と医療費負担軽減の両立に取り組んでまいります。
加えて、既存の主力事業に関しては、その収益力を抜本的に高めるために、グローバルでのコスト構造改革に以下を柱として取組み、完遂させていきます。
・当社マレーシア工場で展開中のデジタルマニュファクチャリングによる製造原価大幅低減の促進とグループ内の他の生産拠点への水平展開
・故障予知・リモートサポートの拡大によるサービス原価の低減
・ITやAIも活用した、働き方変革・生産性向上による管理・間接費用の削減
なお、新しい中期経営計画の完遂にはグローバルで勝ち抜く人財の育成、獲得が鍵であるとの認識のもと、コニカミノルタフィロソフィーの6つのバリュー(私たちが立ち返るべき判断基準)をベースに変革の先頭に立ちリーダーシップを発揮する人財の育成を推し進めます。
以上の重点取り組みにより、新しい中期経営計画の最終年度となる3年後の2019年度には、「営業利益750億円以上、当期利益500億円、ROE9.5%」を目指してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経済、市場、競合環境
当社グループは、複合機やデジタル印刷システム、ヘルスケア用機器製品、産業用光学システム製品・部材やディスプレイ材料及び関連サービス等を世界中のお客様に向けて提供しております。これらの事業の売上及び損益は各国市場の景気動向や事業環境に大きく影響を受けます。
世界経済においては、欧州における反グローバル主義の連鎖リスクは後退したものの、中東を中心とした地政学的要因や中国・新興国経済成長の停滞、広域経済圏の枠組や主要国での金融政策の見直し等が引き続きリスク要因として懸念されます。各国市場の景気後退は顧客の投資抑制や経費削減、消費低迷を引き起こし、結果として当社の予想を超えた在庫増加や競争激化に伴う販売価格下落、販売数量の減少に伴う新規設置減少等、将来にわたり当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
複合機やプリンター、デジタル印刷システム等の情報機器、ヘルスケア用機器の領域においては、ネットワーク化、多機能化等に対応した高付加価値製品への需要が拡大し、あわせてソリューションやサービスへのニーズも高まっています。特に情報機器業界においては、チャネル再編や業容拡大のための買収・提携が進んでおり、このようなメーカーや流通を巻き込んだ業界内の競争が想定以上に激化した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
産業用材料・機器事業が部材や機器を提供する液晶テレビ・DVD・デジタルカメラ等のデジタル家電市場では、各メーカー間の熾烈な競争に伴い市場価格は低下傾向を続け、その影響は当社を含む部材・機器メーカーへも及んでおります。同時に、短命化した製品のライフサイクルの中で各社とも大量に生産した製品を短期間に販売しようとする傾向が強く、市場競争の結果、生産調整に伴う急激な需給変化が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要事業分野や今後当社グループが展開すべき新たな事業分野においては、他社に先んじた技術革新が重要な競争優位の源泉となっており、常に革新的技術開発に挑戦し、そのための研究開発投資及び設備投資も積極的に行っておりますが、競合他社が先行して類似技術や代替技術を出してくる可能性があります。また、IoT、AIに代表される技術革新に伴いデータの活用領域が拡大することで、様々な産業分野、ビジネスモデルに変化がもたらされることが想定されます。これらの変化に充分に対応できない場合、将来にわたり市場でのポジションを喪失する等当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、これらの当社グループの成長を支える有能な人財の確保が一層重要になってきております。人財に対する企業間の獲得競争が激化し、これらの有能な人財の確保及び雇用の維持ができない場合、当社グループの成長戦略の遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替レートの変動
当連結会計年度の海外売上高比率(80.0%)が示すように、当社グループはグローバルに事業活動を展開しており、為替レート変動の影響を大きく受ける状況にあります。
この影響を軽減するため、米ドル、ユーロ等の主要通貨では為替予約を中心としたヘッジを行っております。また米ドルにつきましては、米ドル建て調達と米ドル建ての販売地域での売上を相殺することにより影響を軽減しております。しかしながらユーロにつきましては、為替レートの変動が直接損益に影響を与える状況となっております。米ドル、ユーロともに円高の状況は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響を与えることになります。
(3)各国、各地域の規制
当社グループの事業活動の多くの部分は、北米、欧州及びアジア諸国といった日本の国外で行われており、その国や地域固有の法制、規制や承認手続きの影響を受けております。それらの動向には常に充分な注意を払っておりますが、将来、各国の政府や国際的枠組による規制、例えば税制、輸出入規制、通貨規制、個人情報保護規制、その他各種規則等が新規に導入されたり、変更されたりした場合には、これらに対応するための費用が発生したり、事業活動に支障をきたす可能性があります。また、このような予期しない事態に対応できない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
グループ会社間の国際的な取引価格につきましては、当社グループ税務方針に基づき、適用される日本及び相手国の移転価格税制を遵守しておりますが、税務当局から取引価格が不適切であるとの指摘を受ける可能性や、協議が不調となった場合に二重課税や追徴課税を受ける可能性があります。
当社グループのヘルスケア事業では、事業活動を行っている各国の様々な医療制度や許認可手続きの影響を受けております。医療制度改革等によって、予測できない大規模な医療行政の方針変更が行われ、当事業がその環境変化に速やかに対応できない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)環境規制
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質の除去、廃棄物処理、製品リサイクル、土壌・地下水汚染等に関する様々な環境法及び規制の適用を受けており、それらの遵守のために必要な経営資源を投入しておりますが、現在及び過去の生産活動に関わる環境責任に伴う費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。加えて、環境関連の法規制が将来さらに厳格化した場合には、遵法のための追加的義務及び費用が発生する恐れがあり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)他社との提携、協力関係について
当社グループは、事業競争力の強化あるいは効率化の観点から、技術提携や業務提携、合弁等、他社との協業を進めております。
お客様のニーズに対応した新しい製品やサービスをタイムリーに提供するためには、他社との提携によって相互に技術やノウハウを補完し合うことは極めて有用な手段ではありますが、経営上あるいは財務等の要因によってこのような協業関係を継続できない場合や、期待した成果が得られない場合には、当社グループの成長戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)調達・生産等
当社グループは、特定の製品、部品や材料、及びエネルギーを外部のサプライヤーから調達しております。これらの資材につきましては適切なバックアップ体制を整えておりますが、それらのサプライヤーに不測の事態が発生した場合、当社グループの生産及び供給能力に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの生産活動において使用する鉄やアルミニウム等の金属製品、原油を原料とする石油化学製品、レアアース等の希少天然資源等の原材料価格、及びエネルギー価格の高騰が業績に影響を及ぼす可能性があります。このような原材料価格の上昇分につきましてはコストダウンと製品価格への転嫁に努めておりますが、すべてをカバーできる保証はなく、また販売価格の値上げは販売数量の減少をまねく恐れもあります。
当社グループの主力事業である情報機器事業及び産業用材料・機器事業では、コスト競争力強化と市場への迅速な製品供給のために海外での生産活動の拡充に注力しておりますが、主な活動拠点は中国にあります。中国におきましては経済発展とともに法制面改革やインフラ整備等も進んでおりますが、法的な変化、労務政策の難しさ、人件費の上昇、人民元の切上げ、輸出入規制や税制の変更等予測困難な事態が発生する可能性があります。主力事業の生産活動の多くを中国で行っている当社グループにとって、これらのリスクに対処できない場合は、当社グループの業績及び成長戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)情報セキュリティ
当社グループは、様々な事業活動を通じてお客様やお取引先の個人情報あるいは機密情報を入手することがあります。これらの情報管理につきましては、サイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん、データの破壊、紛失、漏洩等を防ぐために適切な技術的対策や社内管理体制の整備、従業員教育等の対策を講じておりますが、不測の事情により外部へ流出する可能性があります。万が一、情報漏洩が発生した場合には、被害を受けた関係者に対する賠償責任が発生する恐れがあり、当社グループの信用やイメージにも悪影響が及ぶ可能性があります。
また、技術、契約、人事等に関する当社グループの機密情報が第三者に漏洩、不正使用された場合も、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産権等
当社グループは、事業競争力の優位性を確保するため、製品開発の中で多くの差別化技術あるいはノウハウを蓄積し、それら知的財産権の保護に努めております。しかしながら、一部の地域では法的な制約のために知的財産として充分に保護されない場合があり、第三者が当社グループの知的財産を使って類似製品を製造、販売することを防止できない可能性があります。
また、当社グループでは、他社の権利を侵害しないように製品の開発を進めておりますが、見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされ、当社グループが事業上重要な技術を使用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性があります。
さらには、現在当社グループがライセンスを受けている第三者の知的財産権の使用が将来差し止められる、あるいは不当な条件に変更されるという可能性があります。
(9)製造物・品質責任
当社グループは、国内外のグループ会社や生産委託先にて厳格な品質保証体制を構築し、お客様に対して高い性能と信頼性を備えた製品並びにサービスを提供しております。万が一、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が発生した場合、その欠陥に起因した損害に対して当社グループは賠償責任を負う可能性があり、またその欠陥に対して多大な対策費用が発生する可能性があります。さらに当該問題に関する報道により、当社グループの事業やイメージに悪影響が及ぶ可能性があります。
(10)自然災害・戦争・テロ・事故等
当社グループは研究開発・調達・生産・販売等の拠点を世界各国に置き、グローバルに事業活動を展開しております。地震、火災、台風、洪水等の災害や新型インフルエンザのような大規模な疫病の発生、また戦争、テロ行為、サイバー攻撃等が起こった場合、当社グループの設備等が被害を受け、一時的に操業が停止し生産及び出荷が遅れる可能性があります。また、電気・ガス・水道等ライフラインの寸断又は使用制限、サプライヤー被災による部品や原材料の供給不足、物流の停滞、及び市場の混乱が発生する可能性があります。そのような状況においては、売上が当初計画から減少し、さらには損害を被った設備の修復のため多額の費用が発生する等、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、経営理念である「新しい価値の創造」及び「Giving Shape to Ideas」というお客様への約束を掲げ、材料・光学・微細加工・画像の4分野のコア技術に関わる研究開発はもとより、コア技術を高度化し更に複合化・融合化することによるお客様本位の新製品・新技術の開発を進めております。また、持続可能な地球・社会の実現をめざし、「環境」をメインテーマとして、省エネルギー、リサイクル可能な環境配慮型製品の開発も進めております。その結果、持続可能な経済を実現させる活動を行う国際NGOのCDP(注)により最高評価の「気候変動Aリスト」企業として認定されました。2050年を見据えた長期環境ビジョンのもと、自社内に留まらずバリューチェーンを通じた環境負荷低減にも積極的に取り組む環境経営が高く評価されました。製品ライフサイクルにおけるCO2排出量の2016年度実績は約104万トンで、2050年に2005年度比で80%削減するという長期環境ビジョン「エコビジョン2050」に対して、49%削減まで到達しています。
当社グループの研究開発活動は、中期経営計画「TRANSFORM 2016」に基づいた中期経営戦略基本方針(持続的な利益成長の実現、顧客密着型企業への変革、強靭な企業体質の確立)に対応して、「持続的成長に向けたインキュベーションの加速」、「顧客価値につながる差別化技術の仕込み」、「一流を目指す技術人財、開発組織力の強化」の3つの技術戦略の基本方針を定め推進してまいりました。
既存事業の商業・産業印刷分野では、出力枚数が多く、特に多彩な用紙への対応力と高い生産性が求められるヘビープロダクションプリント領域へ、コニカミノルタ独自のサービス展開と合わせて業容を広げてまいります。さらに、デジタル加飾印刷機メーカーでは業界トップのフランスのMGI社を連結子会社化し、最先端の産業印刷業者が集い、多様な関連機器メーカーも集結しているフランスに産業印刷ビジネスの戦略拠点を設けました。これにより、ラベル・パッケージ業界のデジタル化を加速させる製品ラインアップの拡充を図り、産業印刷分野の強化を推進してまいります。産業光学分野では、ドイツの分散型・録画(DVR)機能内蔵IPネットワークカメラシステム技術を誇るMOBOTIX社を連結子会社化し、当社独自の光学技術である広範囲を高精細に誤報や失報なく検知する3Dレーザーレーダーと、MOBOTIX社の分散処理型IPカメラやビデオマネジメントソフトウェア(VMS)を組み合わせて、次世代分散型ネットワークセキュリティソリューションを提供します。また、バイオヘルスケア分野では、フランスのパスツール研究所及びバイオアキシャル社と共同研究を開始しました。この研究は、マウス体内での薬剤の動きや分布を直接観察すること、さらには臓器や細胞に到達した薬剤が細胞の働きに与える影響を観察する(ライブセルイメージング)ことで、薬剤の効果や作用機序の観察を実現し、これにより薬効の正確な評価の支援が期待できます。コア技術であるナノテクノロジーを駆使した体外診断分野での研究開発を加速し、当該サービスを皮切りに、先進的技術を通じてライフサイエンスにおける社会的課題の解決に貢献してまいります。
新たなビジネスモデルとして、コア技術で差別化されたハードウェア(Input/Output)とソフトウェア(Process)を組み合わせたコニカミノルタのサイバーフィジカルシステムとして、ソリューションサービスをお客様に提供してまいります。その一例として、ICTで介護ワークフローを変革する「ケアサポートソリューション」を開発しました。これは、介護施設において入居者の行動を非接触センサーで検知し、介護スタッフにスマートフォンで知らせるとともに、スマートフォンにアプリケーションを追加することで、ケア記録の入力や情報共有といった機能を付加するサービスであり、高齢化社会による要介護者の増加と、生産年齢人口減少による介護スタッフ不足という大きな社会的課題の解決に貢献してまいります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、前連結会計年度比30億円(4.0%)減少の732億円となりました。また、各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は以下のとおりであります。なお、研究開発費については、以下の事業部門に含まれない金額及び基礎研究費用117億円(前連結会計年度比11.3%減)が含まれております。
(注)CDPは、企業や都市の重要な環境情報を測定、開示、管理し、共有するためのグローバルシステムを提供するイギリスの国際的な非営利団体です。
(1)情報機器事業
情報機器事業においては、主に複合機やデジタル印刷システムの情報機器から資材、各種ソフトウェア、システムソリューションに至るまで幅広く研究開発を実施し、個々のお客様の働き方に合わせたクラウド利用サービス、ワークフローソリューションのご提案を合わせて行っております。
当連結会計年度においては、オフィスサービス分野では、「bizhub(ビズハブ)」シリーズにおいてスキャン能力を大幅に強化しました。これにより、大量文書の電子化をより正確により早く安心して効率的にすすめ、スキャンを中心としたワークフロー変革に寄与するとともに、モバイル端末・クラウドサービスとの連携でお客様の業務効率・生産性の向上を実現しました。さらにスキャン能力を強化したA3モノクロ複合機「bizhub 758」を発表。毎分75枚の出力速度で、大規模オフィスにおける大量プリントの高速処理ニーズにも対応しました。
商業・産業印刷分野では、新機能により用途が拡大したデジタル印刷システム「AccurioPress(アキュリオ プレス) C2070」シリーズを開発・商品化いたしました。従来のライトプロダクションプリント(LPP)領域でのユーザーに加えて、用紙対応力を強化して使用用途を広げ、より多様な印刷を志向するユーザーへの展開拡大を図ります。また、色管理ワークフローの効率化のための分光濃度計・測色計を組み合わせたソリューションや、デジタル箔押し機などとの組み合わせにより、「AccurioPress C2070」シリーズにコニカミノルタの総合力をプラスし、生産性の高いワークフロー構築の提案を印刷企業に対して行っていきます。
産業用インクジェットにおいては、インクジェット出力システムとして、従来の捺染印刷(スクリーン印刷)機同様の高い生産性を実現するシングルパス方式を採用した、インクジェットテキスタイルプリンター「ナッセンジャー SP-1」を開発しました。イタリアやポルトガルに続きトルコやフランスでも受注・設置し、お客様の業容拡大に貢献しています。さらにB2サイズの両面印刷を可能にした商業印刷用インクジェットプリンター「AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1」を開発。2017年度より本格的に市場展開を始めます。プリントヘッドとインクジェット出力に最適なインク、さらにプリンターの“三位一体”の開発・展開を最大の特長として、拡大し続ける様々なアプリケーション(出力用途)への対応や、各市場からの高画質・高生産性ニーズに対応する研究開発を推進しております。
環境性能面では、再生プラスチックの採用拡大や、業界トップクラスのスリープ待機電力0.5Wを実現しTEC値(注)を従来機から大幅に削減、加えてCO2排出量の大幅な削減等、環境負荷低減に成功し、お客様のTCO(トータル・コスト・オブ・オーナーシップ)削減にも効果的な製品開発を推進しています。
また「エコビジョン2050」達成に向けて、製品開発活動において省エネ技術、軽量化技術、石油由来資源削減技術、高耐久化技術等を開発してまいりました。省エネ技術では、トナーと定着部材の両面から低温定着技術を開発しプリント中の大幅な電力削減に成功、また機器のスリープ状態の低電力技術を用いることで、業界トップレベルの低電力化を実現しました。軽量化技術では、低中速製品の高速化と高耐久化技術を用いて、質量の大きい製品が主流である高速領域において業界トップレベルの軽量化を実現し、省資源に寄与しました。また、石油由来資源削減技術では、プラスチック素材の外装に当社独自のケミカルプロセッシング技術による複合リサイクル素材「再生PC/PET」(PC:ポリカーボネート PET:ポリエチレンテレフタレート)の採用を拡大し、内装にも高配合の再生プラスチック素材の開発と製品採用をスタートし、日常生活で使われる資源の有効利用促進に貢献しました。特に、再生プラスチックの採用は、2015年度発売のA3カラー複合機「bizhub C368/C308/C258」シリーズ以降、採用を拡大し業界トップレベルの再生プラスチック採用率を実現しました。
デザイン面では、新たに商品化したA3カラー複合機の「bizhub C658/C558/C458」においても「bizhub」シリーズの統一デザインコンセプトである「INFO-Palette(インフォ パレット)」を共通に展開し、シリーズ全体での高い操作性を継承しています。操作パネルを従来から大型化することで、さらなる見やすさ、使いやすさの向上に努めています。
ユニバーサルデザインの観点においても、モバイル端末からの遠隔操作や操作パネルのカラーユニバーサルデザインなどのソフト面と、給紙カセットの上下アクセス可能などのハード面の取り組みを従来から継続し、オフィスで働く様々なユーザーに配慮しています。
また、プロダクションプリンターのエントリーマシンである「bizhub PRO 1100」と、インクジェットテキスタイルプリンターの「ナッセンジャー SP-1」が、2016年のグッドデザイン賞を受賞しました。いずれの製品も、高い操作性や合理的で無駄のない外観形状が高く評価されております。
(注)TEC値とは「Typical Electricity Consumption」の略で、財団法人省エネルギーセンターの「国際エネルギースタープログラム」に適合するための基準となる値です。
当事業に係る研究開発費は、前連結会計年度比8億円(1.9%)減少の433億円となりました。
(2)ヘルスケア事業
ヘルスケア事業においては、主にデジタルX線画像読取装置(CR:コンピューテッドラジオグラフィー)「REGIUS(レジウス)」シリーズ及びフラットパネルディテクタ(FPD)搭載のデジタルX線撮影装置(DR:デジタルラジオグラフィー)「AeroDR(エアロディーアール)」のラインナップ拡充や電子カルテ、情報システムと連携した医療機関のIT化を図るシステムソリューションビジネスの強化に加え、超音波画像診断装置シリーズの拡充等により、大規模病院と地域の診療所等との医療連携、地域連携の実現やヘルスケア事業の中長期的拡大を図る研究開発を実施しております。
当連結会計年度においては、2011年の発売以来多くの医療現場で高い評価をいただいておりますワイヤレスタイプカセッテ型DR「AeroDR」シリーズのフラッグシップモデルとなる、「AeroDR fine(エアロディーアール ファイン)」(14×17インチサイズ)を発売いたしました。「AeroDR fine」は、センサーパネルの画素サイズ100μmを実現することで、世界最高レベルの解像度を達成しました。これにより手指骨画像などの微細構造を高い解像度で得ることができ、診断精度の向上に寄与いたします。また低線量化(当社従来モデル比25%の削減)による患者様の被曝リスクの低減、軽量化(2.6kg)やカセッテ背面全周への凹み部設置などによる作業性の向上といった価値をお客様にご提供いたしました。
また、当社開発中の技術「Dynamic Chest Radiography(ダイナミック胸部X線撮影)」を用いた研究成果が世界最大級の放射線医学の国際学会「Radiological Society of North America (RSNA) 2016 : 102nd Annual Meeting(第102回北米放射線学会)」にて2件報告され、最高賞である「Magna Cum Laude award」と「Certificate of Merit award」を、それぞれ受賞しました。「ダイナミック胸部X線撮影」は、大視野の動画対応FPDを用いて胸部の連続画像を撮影する技術で、取得された連続画像から呼吸器や循環器の動的な形態情報が得られるだけでなく、肺換気や血流動態に関連する情報も得ることができます。CTやMRIと比較し、日常生活での体勢(立位や座位)での情報取得が可能、低コストである等のメリットがあり、製品化に向けて引き続き技術開発を進めてまいります。
サービス・ソリューション分野では、「連携BOXサービス」、「遠隔読影支援サービス」等の機能を有するICTサービスプラットフォーム「infomity(インフォミティ)」の機能向上開発を継続的に行いました。また製薬会社や医療機関にてイメージングを専門とした臨床試験支援にご利用いただける「臨床試験支援サービス」を実現する「Trial BOX」の販売を開始するなど、ラインナップの拡充を図りました。
超音波画像診断装置では、ハンドキャリー型で最高レベルの分解能を実現した超音波画像診断装置「SONIMAGE(ソニマージュ) HS1/HS1 PRO」及び「SNiBLE(スナイブル)」に、新たに4種類のプローブをラインアップに加えるバージョンアップを行いました。これによって、プローブ交換することなく浅部の組織から深部までが診断可能となる、手の指など細かい組織が診断しやすくなる、鎖骨近傍など狭い隙間からの広い画像描出による診断が可能となる等の特長が加わりました。「SONIMAGE HS1」シリーズの高機能を実現する超広帯域高感度リニアプローブと、高次高調波を用いた広帯域ハーモニックイメージング技術に対して、日本超音波医学会より第16回技術賞を受賞いたしました。
今後も、医療用画像分野において最先端の技術開発に挑戦し、質の高い製品・サービス・ソリューションを通じてお客様へ新たな価値をご提供できるよう取り組んでまいります。
当事業に係る研究開発費は、前連結会計年度比3億円(7.3%)増加の51億円となりました。
(3)産業用材料・機器事業
機能材料分野においては、液晶画面の基幹部材となる偏光板用TACフィルムについての薄膜化や視野角拡大といった高機能化・多機能化に関する研究開発や、材料技術を生かした機能性フィルム(バリアフィルム等付加価値製品)及び有機素材の研究開発を実施しております。また当連結会計年度におきまして、パイオニア株式会社と当社の強みを集結させ有機EL照明事業の立上を図るべく有機EL照明事業に係る合弁会社の設立に合意し、契約を締結しました。
産業光学システム分野における計測機器においては、これまでディスプレイ・光源色測定におけるトップメーカーとして、高品質な製品を提供してまいりました。当連結会計年度においては、自動車の外装色の測定に適したマルチアングル分光測色計「CM-M6」、内装の測定に特化した分光測色計「CM-25cG」を発売いたしました。ドイツのInstrument Systems社からは分光器CASシリーズにおいて新型機CAD-140Dを発表、アメリカのRadiant社からはディスプレイの視野角特性測定用のコノスコープレンズの追加発売を行い、主たる測定分野において、さらなる製品拡充を図りました。
光学機器においては、長年培ってきたコンポーネント技術やユニット技術を活用した、車載関連・光通信関連などの新規事業の創出に向けた取組みを本格化させております。また、世の中でニーズが高まっている安全運転支援に向け、車のフロントガラスに三次元で運転手に必要な情報を表示する、世界初3D AR HUD (三次元拡張現実ヘッドアップディスプレイ)を開発いたしました。車に限らず、あらゆる移動体での安全運転支援ソリューションの提供を目指してまいります。
当事業に係る研究開発費は、前連結会計年度比10億円(7.3%)減少の130億円となりました。
(財政状態の分析)
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当連結会計年度末 |
前連結会計年度末 |
増減 |
増減率(%) |
|
資産合計 (億円) |
10,054 |
9,763 |
290 |
3.0 |
|
負債合計 (億円) |
4,712 |
4,613 |
98 |
2.1 |
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資本合計 (億円) |
5,341 |
5,149 |
191 |
3.7 |
|
親会社の所有者に帰属する持分合計(億円) |
5,243 |
5,142 |
100 |
2.0 |
|
1株当たり親会社所有者帰属持分 (円) |
1,057.92 |
1,037.96 |
19.96 |
1.9 |
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親会社所有者帰属持分比率 (%) |
52.1 |
52.7 |
△0.6 |
- |
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比290億円(3.0%)増加し10,054億円となりました。これは主に、のれん及び無形資産の増加311億円、棚卸資産の増加146億円、その他金融資産の増加124億円、繰延税金資産の減少109億円、現金及び現金同等物の減少73億円、営業債権及びその他の債権の減少63億円によるものであります。
負債合計については、前連結会計年度末比98億円(2.1%)増加し4,712億円となりました。これは主に、社債及び借入金の増加172億円、営業債務及びその他の債務の減少68億円によるものであります。
資本合計については、前連結会計年度末比191億円(3.7%)増加し5,341億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前連結会計年度末比100億円(2.0%)増加し5,243億円となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上315億円、剰余金の配当による減少148億円、その他の資本の構成要素(主に在外営業活動体の換算差額)の減少75億円によるものであります。
これらの結果、1株当たり親会社所有者帰属持分は、前連結会計年度末比19.96円(1.9%)増加し1,057.92円となり、親会社所有者帰属持分比率は0.6ポイント減少の52.1%となりました。
(経営成績の分析)
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当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
増減率(%) |
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売上高 (億円) |
9,625 |
10,317 |
△691 |
△6.7 |
|
売上総利益 (億円) |
4,599 |
4,955 |
△355 |
△7.2 |
|
営業利益 (億円) |
501 |
600 |
△99 |
△16.5 |
|
税引前利益 (億円) |
493 |
580 |
△86 |
△15.0 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益(億円) |
315 |
319 |
△4 |
△1.3 |
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基本的1株当たり当期利益 (円) |
63.65 |
64.39 |
△0.74 |
△1.1 |
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ROE(注) (%) |
6.1 |
6.1 |
- |
- |
(注)ROE:親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分(期首期末平均)
(1)売上高
当連結会計年度の売上高は、主力製品の販売数増や企業買収効果があったものの、大幅な円高の影響により9,625億円(前連結会計年度比6.7%減)となりました。この円高影響による減収額は918億円であり、この影響を除けば前連結会計年度比2.2%の増収となりました。
(2)売上総利益
主力製品の販売増があった一方、円高の影響により売上の減少及び利益率の低下が生じ、当連結会計年度の売上総利益は、4,599億円(前連結会計年度比7.2%減)となりました。売上総利益率は、前連結会計年度比0.2ポイント低下の47.8%(但し、為替影響を除くと0.2ポイントの上昇)となりました。
(3)営業利益
その他の収益は、特許関連収入77億円を計上し前連結会計年度比63億円増の141億円となりました。販売費及び一般管理費は、企業買収に伴う費用の増加等がありましたが、円高の影響による費用減もあり、前連結会計年度比132億円減の4,166億円となりました。その他の費用は、量産化試作品処分損21億円及び事業構造改善費用14億円等を計上しましたが、その他の項目が減少したことにより、前連結会計年度比60億円減の73億円となりました。これらの結果、当連結会計年度の営業利益は、501億円(前連結会計年度比16.5%減)となり、営業利益率も前連結会計年度比0.6ポイント低下の5.2%となりました。円高影響による営業利益の減益額は196億円であり、この為替影響を除けば前連結会計年度比16.1%の増益となりました。
(4)税引前利益
金融収益は、為替差損の改善等により12億円の改善となった影響等により、前連結会計年度比5億円増の27億円となりました。当連結会計年度の税引前利益は、493億円(前連結会計年度比15.0%減)となりました。
(5)親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、315億円(前連結会計年度比1.3%減)となりました。
また、基本的1株当たり当期利益は63.65円となり、前連結会計年度に比べて1.1%減少しました。
当連結会計年度のROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は、前連結会計年度と同水準の6.1%となりました。
主な事業の種類別セグメントの業績につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであり、キャッシュ・フローの状況につきましても、「同(2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。