昨今、デジタル技術の進展があらゆる産業で変革を引き起こし、そのスピードが加速しております。
当社においては、デジタル画像を入力・処理・出力する強み技術や、多様なデータの蓄積・解析・活用ノウハウ、そして全世界約200万社のお客様との「つながり」という大切な資産を有しています。
2017年4月からの中期経営計画「SHINKA 2019」では、これらの強みと資産を結集して、お客様の業務上の課題や社会的課題の解決に積極的に取り組んでいます。
2018年度は、「SHINKA 2019」中間年度として特に次の2項目に注力いたします。
1.基盤事業における抜本的な収益力強化
・お客様起点の発想で使い勝手や魅力品質を追求した商品の上市
・サプライヤー様を巻き込んだ省人化などモノづくり革新の成果出し
・故障予知・遠隔サポート拡大によるサービス費用の低減
・デジタル技術活用によるあらゆる分野での生産性向上
2.新規分野における着実な事業成長
・働き方改革につながる「ワークプレイス ハブ」事業の立ち上げ
・産業印刷や産業光学分野における事業拡大
・2017年度に大型の企業買収を実施した個別化医療の事業化推進
更に、お客様への課題提起を通じて、ビジネス社会や人間社会の課題解決や、社会の進化に貢献することが持続的な企業の成長に欠かせません。当社ではそのための競争力の源泉が人財力にあると考え、グローバルな視点で多様性ある人財を発掘・育成し、グループ一丸となって「新しい価値の創造」に引き続き挑戦してまいります。
以上のような取り組みにより、中期経営計画最終年度となる2019年度の経営目標「営業利益750億円以上、当期利益500億円、ROE9.5%」達成への確実な道筋といたします。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経済、市場、競合環境
当社グループは、複合機やデジタル印刷システム、ヘルスケア用機器製品、産業用光学システム製品・部材やディスプレイ材料及び関連サービス等を世界中のお客様に向けて提供しております。これらの事業の売上及び損益は各国市場の景気動向や事業環境に大きく影響を受けます。
世界経済においては、欧州における反グローバル主義の連鎖リスクは後退したものの、米国による保護主義政策の流れ、中東を中心とした地政学的要因や中国・新興国経済成長の停滞、広域経済圏の枠組や主要国での金融政策の見直し等が引き続きリスク要因として懸念されます。各国市場の景気後退は顧客の投資抑制や経費削減、消費低迷を引き起こし、結果として当社の予想を超えた在庫増加や競争激化に伴う販売価格下落、販売数量の減少に伴う新規設置減少等、将来にわたり当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
複合機やプリンター、デジタル印刷システム等の情報機器、ヘルスケア用機器の領域においては、ネットワーク化、多機能化等に対応した高付加価値製品への需要が拡大し、あわせてソリューションやサービスへのニーズも高まっています。特に情報機器業界においては、チャネル再編や業容拡大のための買収・提携が進んでおり、このようなメーカーや流通を巻き込んだ業界内の競争が想定以上に激化した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
産業用材料・機器事業が部材や機器を提供する液晶テレビ・DVD・デジタルカメラ等のデジタル家電市場では、各メーカー間の熾烈な競争に伴い市場価格は低下傾向を続け、その影響は当社を含む部材・機器メーカーへも及んでおります。同時に、短命化した製品のライフサイクルの中で各社とも大量に生産した製品を短期間に販売しようとする傾向が強く、市場競争の結果、生産調整に伴う急激な需給変化が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、同事業が関連するパソコン、タブレット、スマートフォン等の情報端末市場の今後の成熟化の進展によっては、製品のライフサイクルの変化が起こる可能性があり、それに伴う急激な需給変化は販売数量の減少を招く恐れもあります。
当社グループの主要事業分野や今後当社グループが展開すべき新たな事業分野においては、他社に先んじた技術革新が重要な競争優位の源泉となっており、常に革新的技術開発に挑戦し、そのための研究開発投資及び設備投資も積極的に行っておりますが、競合他社が先行して類似技術や代替技術を出してくる可能性があります。また、IoT、AIに代表される技術革新に伴いデータの活用領域が拡大することで、様々な産業分野、ビジネスモデルに変化がもたらされることが想定されます。これらの変化に充分に対応できない場合、将来にわたり市場でのポジションを喪失する等、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、これらの当社グループの成長を支える有能な人財の確保が一層重要になってきております。人財に対する企業間の獲得競争が激化し、これらの有能な人財の確保及び雇用の維持ができない場合、当社グループの成長戦略の遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替レートの変動
当連結会計年度の海外売上高比率(81.0%)が示すように、当社グループはグローバルに事業活動を展開しており、為替レート変動の影響を大きく受ける状況にあります。
この影響を軽減するため、米ドル、ユーロ等の主要通貨では為替予約を中心としたヘッジを行っております。また米ドルにつきましては、米ドル建て調達と米ドル建ての販売地域での売上を相殺することにより影響を軽減しております。しかしながらユーロにつきましては、為替レートの変動が直接損益に影響を与える状況となっております。米ドル、ユーロともに円高の状況は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響を与えることになります。
(3)各国、各地域の規制
当社グループの事業活動の多くの部分は、北米、欧州及びアジア諸国といった日本の国外で行われており、その国や地域固有の法制、規制や承認手続きの影響を受けております。2018年度に入り顕在化した米国通商法301条に基づく制裁措置による米国と中国の貿易摩擦の動きをはじめ、それらの動向には常に充分な注意を払っておりますが、将来、各国の政府や国際的枠組による規制、例えば税制、輸出入規制、通貨規制、個人情報保護規制、その他各種規則等が新規に導入されたり、変更されたりした場合には、これらに対応するための費用が発生したり、事業活動に支障をきたす可能性があります。また、このような予期しない事態に対応できない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
グループ会社間の国際的な取引価格につきましては、当社グループ税務方針に基づき、適用される日本及び相手国の移転価格税制を遵守しておりますが、税務当局から取引価格が不適切であるとの指摘を受ける可能性や、協議が不調となった場合に二重課税や追徴課税を受ける可能性があります。
当社グループのヘルスケア事業では、事業活動を行っている各国の様々な医療制度や許認可手続きの影響を受けております。医療制度改革等によって、予測できない大規模な医療行政の方針変更が行われ、当事業がその環境変化に速やかに対応できない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)環境規制
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質の除去、廃棄物処理、製品リサイクル、土壌・地下水汚染等に関する様々な環境法及び規制の適用を受けており、それらの遵守のために必要な経営資源を投入しておりますが、現在及び過去の生産活動に関わる環境責任に伴う費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。加えて、環境関連の法規制が将来さらに厳格化した場合には、遵法のための追加的義務及び費用が発生する恐れがあり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)他社との提携、協力関係、企業買収等について
当社グループは、事業競争力の強化あるいは効率化の観点から、技術提携や業務提携、合弁、企業買収等、他社との協業を進めております。
お客様のニーズに対応した新しい製品やサービスをタイムリーに提供するためには、他社との提携や買収によって相互に技術やノウハウを補完し合うことは極めて有用な手段ではありますが、経営上あるいは財務等の要因によってこのような協業関係を継続できない場合や、期待した成果が得られない場合には、当社グループの成長戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、企業買収に伴うのれん及び無形資産を計上しており、定期的に減損テストを実施しております。事業環境の変化に伴い買収対象会社に係る将来キャッシュ・フローの低下が見込まれた場合等には、減損損失を認識する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)調達・生産等
当社グループは、特定の製品、部品や材料、及びエネルギーを外部のサプライヤーから調達しております。これらの資材につきましては適切なバックアップ体制を整えておりますが、それらのサプライヤーに不測の事態が発生した場合、当社グループの生産及び供給能力に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの生産活動において使用する鉄やアルミニウム等の金属製品、原油を原料とする石油化学製品、レアアース等の希少天然資源等の原材料価格、及びエネルギー価格の高騰が業績に影響を及ぼす可能性があります。このような原材料価格の上昇分につきましてはコストダウンと製品価格への転嫁に努めておりますが、すべてをカバーできる保証はなく、また販売価格の値上げは販売数量の減少を招く恐れもあります。
当社グループの主力事業であるオフィス事業、プロフェッショナルプリント事業及び産業用材料・機器事業では、コスト競争力強化と市場への迅速な製品供給のために海外での生産活動の拡充に注力しており、重要な活動拠点のひとつに中国があります。中国におきましては経済発展とともに法制面改革やインフラ整備等も進んでおりますが、法的な変化、労務政策の難しさ、人件費の上昇、人民元の切上げ、輸出入規制や税制の変更等予測困難な事態が発生する可能性があります。主力事業の生産活動の多くを中国で行っている当社グループにとって、これらのリスクに対処できない場合は、当社グループの業績及び成長戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)情報セキュリティ
当社グループは、様々な事業活動を通じてお客様やお取引先の個人情報あるいは機密情報を入手することがあります。これらの情報管理につきましては、サイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん、データの破壊、紛失、漏洩等を防ぐために適切な技術的対策や社内管理体制の整備、従業員教育等の対策を講じておりますが、不測の事情により外部へ流出する可能性があります。万が一、情報漏洩が発生した場合には、被害を受けた関係者に対する賠償責任が発生する恐れがあり、当社グループの信用やイメージにも悪影響が及ぶ可能性があります。
また、技術、契約、人事等に関する当社グループの機密情報が第三者に漏洩、不正使用された場合も、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産権等
当社グループは、事業競争力の優位性を確保するため、製品開発の中で多くの差別化技術あるいはノウハウを蓄積し、それら知的財産権の保護に努めております。しかしながら、一部の地域では法的な制約のために知的財産として充分に保護されない場合があり、第三者が当社グループの知的財産を使って類似製品を製造、販売することを防止できない可能性があります。
また、当社グループでは、他社の権利を侵害しないように製品の開発を進めておりますが、見解の相違等により他社の知的財産権を侵害しているとされ、当社グループが事業上重要な技術を使用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性があります。
さらには、現在当社グループがライセンスを受けている第三者の知的財産権の使用が将来差し止められる、あるいは不当な条件に変更されるという可能性があります。
(9)製造物・品質責任
当社グループは、国内外のグループ会社や生産委託先にて厳格な品質保証体制を構築し、お客様に対して高い性能と信頼性を備えた製品及びサービスを提供しております。万が一、当社グループの製品あるいはサービスに欠陥が発生した場合、その欠陥に起因した損害に対して当社グループは賠償責任を負う可能性があり、またその欠陥に対して多大な対策費用が発生する可能性があります。さらに当該問題に関する報道により、当社グループの事業やイメージに悪影響が及ぶ可能性があります。
(10)自然災害・戦争・テロ・事故等
当社グループは研究開発・調達・生産・販売等の拠点を世界各国に置き、グローバルに事業活動を展開しております。地震、火災、台風、洪水等の災害や新型インフルエンザのような大規模な疫病の発生、また戦争、テロ行為、サイバー攻撃等が起こった場合、当社グループの設備等が被害を受け、一時的に操業が停止し生産及び出荷が遅れる可能性があります。また、電気・ガス・水道等ライフラインの寸断又は使用制限、サプライヤー被災による部品や原材料の供給不足、物流の停滞、及び市場の混乱が発生する可能性があります。そのような状況においては、売上が当初計画から減少し、さらには損害を被った設備の修復のため多額の費用が発生する等、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
経営者の視点による当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びにこれらの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」)における経済情勢を振り返りますと、米国では堅調な個人消費を背景に底堅く経済成長を継続し、欧州経済も個人消費に加え輸出を中心に堅調に成長しました。中国は財政政策と個人消費が下支えして安定した成長を維持し、インドやASEANなどの新興国経済も引き続き成長しました。我が国経済は堅調な世界経済に支えられて企業収益が改善し、緩やかな回復基調を示しました。
こうした経営環境の下、当期における当社グループの連結売上高は、1兆312億円(前期比7.1%増)となり、全ての事業セグメントで増収となりました。オフィス事業はカラー複合機が北米での堅調な販売に加え、中国での販売が大きく伸長し、プロフェッショナルプリント事業はカラーデジタル印刷システムの販売が中国で大きく増加したことに加え、欧州においても伸長、産業印刷も北米を中心に販売が拡大しました。ヘルスケア事業は北米でのデジタル製品の販売が伸長、産業用材料・機器事業は、計測機器ユニットが当期を通して好調を継続して大幅な増収を達成しました。
中期経営計画「SHINKA 2019」の方針に沿って業容転換を加速するため、国内で53億円、海外では46億円の構造改革費用を計上しました。また、企業不動産戦略として「ファシリティ(土地・建物)の活用の最適化」を実施し、資産流動化による収益を203億円計上することにより、構造改革費用や大型買収に係る経費を含む新規事業への投資を補いました。
これらの結果、営業利益は538億円(前期比7.4%増)となりました。全ての事業セグメントで増益となり、当社グループ全体としても増益となりました。
税引前利益は491億円(前期比0.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は322億円(同2.2%増)となりました。
当社は高収益企業になることを目指し、中期経営計画「SHINKA 2019」において次の3領域での事業育成に積極的に取り組んでおります。
1.モノとモノがつながるIoT時代にふさわしい高付加価値サービス
2.本格的な商業・産業印刷のデジタル化推進
3.プレシジョン・メディシン(個別化医療)分野への本格参入
本中期経営計画の初年度である当期におきましては、当社の提供するエッジIoTプラットフォームである「Workplace Hub(ワークプレイス ハブ)」の開発をパートナー企業と継続して実施しており、顧客価値検証を進め、着実に製品化に向けて進捗しております。商業・産業印刷のデジタル化推進では、商業印刷においては当社独自の機能を提供するユニットを含め新製品の投入、産業印刷におきましても、当社の提供する付加価値製品が市場に幅広く浸透し販売を加速しました。プレシジョン・メディシン(個別化医療)分野では、10月にAmbry Genetics Corporation、続く11月にInvicro, LLCの買収を完了し、両社の強みと当社の固有技術であるタンパク質高感度定量検出技術(HSTT)とを統合した事業推進体制が発足したことにより、当社独自のバイオヘルスケア事業の確立に向けて動き出しました。
また、業容転換の加速のため、本中期経営計画に沿って継続的な人財シフト、拠点の集約や固定費の変動費化などの構造改革を推進し、また、製造原価やサービス原価の低減を進めることで収益力の改善を進める一方、将来の収益の柱となる新規事業への積極的な投資を継続しています。
これらの取り組みにより、「SHINKA 2019」の最終年度となる2019年度の経営目標に向けて計画どおり進捗しました。
セグメント別の状況は以下のとおりであります。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記5 事業セグメント」に記載のとおりであります。
①オフィス事業
オフィスユニットでは、A3複合機の販売台数はカラー機、モノクロ機ともに市場成長を上回り前期比で増加しました。特にカラー機では新製品を投入した高速機が高い伸長率を示しました。地域別では、欧州は大型案件の設置があった前期から販売台数は減少しましたが、当期後半にはカラー高速機を中心に販売を伸ばしました。北米では期初から好調な販売を維持、中国も前期比で大幅に販売台数を伸ばしました。また、グローバルに事業を展開する大手企業向けの販売では、既存顧客への販売が堅調に推移したのに加え、新規の大口案件が増加し、総契約金額が大幅に増加しました。
ITサービスユニットでは、米国では新規連結効果に加えて高採算のセキュリティソリューションの販売拡大が寄与して増収となり、欧州でも当期後半に買収した会社が収益貢献し始め、サービス体制改善により採算が改善した「Managed Content Services(マネージドコンテントサービス)」の販売が拡大するなど、ITサービスユニット全体としても前期比増収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は5,838億円(前期比4.6%増)、営業利益は449億円(同1.3%増)となりました。
②プロフェッショナルプリント事業
プロダクションプリントユニットは、先進国を中心に市場が伸び悩み、北米では販売台数が前期比で微減となりましたが、欧州では最上位機種を中心に販売が拡大しました。中国では大幅に販売台数が増加し、全体としては前期比増加となりました。当社独自の機能である、出力調整を自動化する品質最適化ユニット「IQ-501」の提供するお客様のワークフロー効率化という価値が広く受け入れられ、競合製品に対する優位性を向上させています。
産業印刷ユニットでは、米欧を中心にインクジェットデジタル印刷機の「AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1」やラベル印刷機、MGI社製のデジタル加飾印刷機の販売が加速し、販売台数が大幅に拡大しました。
マーケティングサービスユニットでは、キンコーズブランドで展開するオンデマンドプリントが伸長しましたが、マーケティングプリントにつきましては当期前半における大口顧客のマーケティング費用抑制の影響が残り前期比減収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は2,142億円(前期比5.0%増)、営業利益は92億円(同12.4%増)となりました。
③ヘルスケア事業
ヘルスケアユニットでは、DR(デジタルラジオグラフィー)は、Ⅹ線装置メーカーとの協業強化と大型案件の獲得により米国を中心に販売数量が増加しました。超音波画像診断装置は、日本での販売が好調を維持し、中国、欧米の各地域で販売数量が増加、当期後半に発売した新製品も寄与して、大きく販売数量を伸ばしました。
医療ITユニットでは、米国での販売増が収益に寄与し、保守サービスも順調に拡大しました。
これらの結果、当事業の売上高は965億円(前期比7.3%増)、営業利益は55億円(同94.6%増)となりました。
④産業用材料・機器事業
材料・コンポーネント分野では、機能材料ユニットが液晶TVの大画面化を背景として、耐水型新VA-TACフィルムや、IPS向けZeroTACフィルムなど高付加価値製品への転換戦略が奏功し、価格圧力を受けながらも増収となりました。光学コンポーネントユニットは増収、IJコンポーネントユニットも堅調な販売が持続し増収となりました。
産業用光学システム分野では、計測機器ユニットがディスプレイ製品のイノベーションに応えるソリューションを提供することで複数の顧客需要の波を捉えて、大幅な増収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は1,182億円(前期比16.4%増)、営業利益は234億円(同6.4%増)となりました。
(2)財政状態の状況
|
|
前連結会計年度末 |
当連結会計年度末 |
増減 |
|
資産合計 (億円) |
10,054 |
12,039 |
1,984 |
|
負債合計 (億円) |
4,712 |
6,683 |
1,970 |
|
資本合計 (億円) |
5,341 |
5,355 |
14 |
|
親会社の所有者に帰属する持分合計(億円) |
5,243 |
5,245 |
1 |
|
1株当たり親会社所有者帰属持分 (円) |
1,057.92 |
1,060.72 |
2.80 |
|
親会社所有者帰属持分比率 (%) |
52.1 |
43.6 |
△8.5 |
当連結会計年度末(以下「当期末」)の資産合計は、前期末比1,984億円(19.7%)増加し1兆2,039億円となりました。これは主に、のれん及び無形資産の増加1,231億円、現金及び現金同等物の増加572億円、営業債権及びその他の債権の増加202億円によるものであります。
負債合計については、前期末比1,970億円(41.8%)増加し6,683億円となりました。これは主に、社債及び借入金の増加1,081億円、その他の金融負債の増加569億円、営業債務及びその他の債務の増加179億円、その他の負債の増加109億円によるものであります。
資本合計については、前期末比14億円(0.3%)増加し5,355億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前期末比微増の5,245億円となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上322億円、資本剰余金の減少177億円、剰余金の配当による減少148億円によるものであります。
これらの結果、1株当たり親会社所有者帰属持分は1,060.72円となり、親会社所有者帰属持分比率は8.5ポイント減少の43.6%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当期の連結キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー653億円の収入と、子会社株式の取得を中心とした投資活動によるキャッシュ・フロー1,337億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは683億円のマイナスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは1,266億円のプラスとなりました。
その他に、現金及び現金同等物に係る為替変動の影響があり、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比572億円増加の1,499億円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前利益491億円、減価償却費及び償却費562億円、営業債務及びその他の債務の増加による増加115億円等によるキャッシュ・フローの増加と、有形固定資産及び無形資産除売却損益198億円の調整、営業債権及びその他の債権の増加による減少76億円、法人所得税の支払い140億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは653億円のプラスとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出269億円、無形資産の取得による支出110億円、子会社株式の取得による支出1,169億円、有形固定資産及び無形資産の売却による収入234億円等があり、投資活動によるキャッシュ・フローは1,337億円のマイナスとなりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは683億円のマイナス(前期は19億円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債の発行及び長期借入れ1,457億円、非支配株主からの払込み354億円等の収入と、短期借入金の純減少額151億円、社債の償還及び長期借入金の返済233億円、配当金の支払い148億円等の支出により、財務活動によるキャッシュ・フローは1,266億円のプラス(前期は23億円のマイナス)となりました。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
前期比 |
|
|
百万円 |
% |
|
オフィス事業 |
319,909 |
101.1 |
|
プロフェッショナルプリント事業 |
||
|
ヘルスケア事業 |
24,366 |
118.7 |
|
産業用材料・機器事業 |
112,385 |
114.7 |
|
報告セグメント計 |
456,661 |
105.0 |
|
その他 |
8,042 |
105.8 |
|
合計 |
464,704 |
105.0 |
(注1)金額は、売価換算値で表示しております。
(注2)上記金額には、消費税等は含んでおりません。
(注3)オフィス事業、プロフェッショナルプリント事業につきましては、共通の設備にて生産を行っておりますので、当該生産拠点における生産実績を記載しております。
(注4)前期比の数値につきましては、前期のセグメント情報を、当期のセグメント区分に変更したものと比較を行っております。
②受注実績
当社グループは見込み生産を主としておりますので、記載を省略しております。
③販売実績
販売状況については、「(1)経営成績の状況」において各セグメントの業績に関連付けて示しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
①資金需要
当社グループの主な資金需要は、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資や、将来の成長及び企業価値向上を目的としたM&Aによる投資であります。
②資金の源泉
当社グループの資金の主な源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入や社債の発行による資金調達であります。
③流動性
当社グループは、従来から営業活動により多額のキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き重要な資金源になると見込んでおります。また、複数の金融機関との間で2022年9月末を期限とする1,000億円のコミットメントライン契約を締結し、効率的な資金の調達を行っている他、アンコミットメントベースの融資枠、国内社債発行登録枠を有しています。なお、当社の既発行社債の債券格付、発行登録予備格付はともに株式会社格付投資情報センター(R&I)及び株式会社日本格付研究所(JCR)からA格を取得しています。
当社グループ内の資金の効率化については、日本・北米・欧州・アジアパシフィックの各統括拠点においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、各地域の余剰資金を当社へ集中し一元的に管理を行うことにより、資金効率の向上と金融費用の極小化及びガバナンスの向上を図っております。なお、一時的な余剰資金は、安全性が極めて高い金融資産で運用しております。
(6)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんの償却については償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降の償却を停止しております。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、当連結会計年度において販売費及び一般管理費が19,241百万円減少しております。
(表示組替)
日本基準では、営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失に表示していた項目を、IFRSではその他の収益、その他の費用、金融収益及び金融費用に表示しております。
当社グループは、2017年7月6日に、Ambry Genetics Corporation(以下「Ambry社」)の株式を株式会社産業革新機構と共同で取得し子会社化することを決定し、Ambry社との間で合併契約を締結しました。なお、本契約に係る買収手続は2017年10月18日に完了しております。
当社子会社とAmbry社との合併については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記6 企業結合」に記載のとおりであります。
当社グループは、経営理念である「新しい価値の創造」及び「Giving Shape to Ideas」というお客様への約束を掲げ、材料・光学・微細加工・画像の4分野のコア技術に関わる研究開発はもとより、コア技術を高度化し更に複合化・融合化することによるお客様本位の新製品・新技術の開発を進めております。
当連結会計年度においては、中期経営計画「SHINKA2019」に基づいた中期経営戦略基本方針に対応して、「継続的なイノベーション創出」、「技術競争力の実践的強化」の技術戦略の基本方針を定め推進してまいりました。
IoTビジネス領域では、オフィスのITインフラを1つに統合する画期的な企業向けITプラットフォームである「Workplace Hub(ワークプレイス ハブ)」の開発をパートナー企業と実施しております。顧客価値検証を進め、着実に製品化に向けて進捗しております。商業・産業印刷分野では、出力枚数が多く、特に多彩な用紙への対応力と高い生産性が求められるヘビープロダクションプリント領域へ、コニカミノルタ独自のサービス展開と合わせて業容を広げております。さらに、デジタル加飾印刷機メーカーでは業界トップのフランスのMGI社との連携強化により、ラベル・パッケージ業界のデジタル化を加速させる製品ラインアップの拡充を図り、産業印刷分野の強化を推進しております。バイオヘルスケア分野では、米国の遺伝子診断技術をもつAmbry社、創薬支援事業を展開するInvicro社を買収し、当社の保有するタンパク質高感度定量検出技術(HSTT)、Ambry社のグローバルトップレベルの遺伝子診断技術、Invicro社が持つ数値解析技術、バイオマーカー探索技術、画像処理技術、製薬企業への提案力を統合し、新薬開発の飛躍的な生産性向上、そして患者のQOL(Quality of Life)向上、国民が負担する医療費高騰の抑制に貢献してまいります。
また、持続可能な地球・社会の実現をめざし、「環境」をメインテーマとして、省エネルギー、リサイクル可能な環境配慮型製品の開発も進めております。その結果、持続可能な経済を実現させる活動を行う国際NGOのCDP(注1)により最高評価の「気候変動Aリスト」企業として2年連続で認定されました。2050年を見据えた長期環境ビジョン「エコビジョン2050」のもと、新たに「カーボンマイナス」という概念を追加し、より意欲的な目標としました。また、「エコビジョン2050」からのバックキャスティング(注2)により、自社製品のライフサイクル全体におけるCO2排出量について2030年までに2005年度比で60%削減という中間目標を設定し、この目標が、国際的なイニシアチブである「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ(注3)」より、科学的根拠に基づいた目標として承認されました。長年培った多様な環境技術やノウハウを取引先や顧客に提供し、協働で社会全体のCO2排出量削減に努めるとともに、コストダウンや売上貢献といった事業貢献と両立した施策を、ワールドワイドで着実に推進しています。なお、製品ライフサイクルにおけるCO2排出量の2017年度実績は約104万トンで、2050年に2005年度比で80%削減するという長期環境ビジョン「エコビジョン2050」に対して、49.8%削減まで到達しています。
(注1)CDPは、企業や都市の重要な環境情報を測定、開示、管理し、共有するためのグローバルシステムを提供するイギリスの国際的な非営利団体です。
(注2)バックキャスティングは、未来のある時点に目標を設定し、そこから逆算して現在すべきことを考える手法です。
(注3)SBTイニシアチブは、産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標の達成を推進するために、CDP、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)の4団体が2015年に共同で設立したものです。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は770億円となりました。そのうち、オフィス事業及びプロフェッショナルプリント事業に係る研究開発費が418億円、ヘルスケア事業に係る研究開発費が50億円、産業用材料・機器事業に係る研究開発費が125億円、バイオヘルスケア分野を含むその他事業及び基礎研究費用が175億円であります。各事業部門別の研究の目的、主要課題及び研究成果は以下のとおりであります。
(1)オフィス事業及びプロフェッショナルプリント事業
オフィス事業及びプロフェッショナルプリント事業においては、主に複合機やデジタル印刷システムの情報機器から資材、各種ソフトウェア、システムソリューションに至るまで幅広く研究開発を実施し、個々のお客様の働き方に合わせたクラウド利用サービス、ワークフローソリューションのご提案を合わせて行っております。
当連結会計年度においては、オフィスユニットでは、モバイル連携を強化し、顧客のワークフロー改善に貢献するA4カラー複合機「bizhub(ビズハブ)C3851」を発売。現行のA3カラー複合機と共通のソリューションプラットフォームを採用することで、印刷管理や認証、メンテナンスや操作性の統一化が可能となり、お客様の業務の利便性と効率化に貢献するとともに、お客様毎に異なる業務の課題に対して幅広く柔軟なソリューションを提供することが可能となりました。A3複合機としては、ハイボリュームオフィスで高いパフォーマンスを発揮するA3モノクロ複合機658eシリーズ5機種と、オフィスの高度な印刷業務を効率化するフラッグシップA3カラー複合機C759シリーズ3機種を発売し、従来機から培ってきた操作性やソリューション連携能力、大量印刷と連続給紙に耐える堅牢性を備え、オフィスの高度な印刷業務の効率化と生産性向上に貢献しております。
プロダクションプリントユニットでは、クラス最高レベルの厚紙対応や長尺印刷などの新機能により用途を拡大し、生産性を向上させたデジタル印刷システム「AccurioPress(アキュリオプレス)C6100」シリーズを開発・商品化いたしました。従来のライトプロダクションプリント(LPP)領域でのユーザーに加えて、生産性と用紙対応力を強化して使用用途を広げ、より多様な印刷を志向するユーザーへの展開拡大を推進しております。また、コニカミノルタの総合力で分光濃度計・測色計と画像処理技術を組み合わせた「IQ-501」を開発・商品化し、「AccurioPress C6100」シリーズにプラスし、デジタル箔押し機やワークフローソフトウェアなどとともに、高い付加価値と生産性を高信頼性で実現するソリューションの提案を印刷企業に対して行っております。
産業印刷ユニットにおいては、従来の捺染印刷(スクリーン印刷)機同様の高い生産性を実現したシングルパス方式インクジェットテキスタイルプリンター「ナッセンジャー SP-1」を拡販し、お客様の業容拡大に貢献しました。さらに、B2サイズの両面印刷を可能にした商業印刷用インクジェットプリンター「AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1」は、その画質の良さが高い評価を受け、拡販を続けています。プリントヘッドとインクジェット出力に最適なインク、さらにプリンターの“三位一体”の開発・展開を最大の特長として、拡大し続ける様々なアプリケーション(出力用途)への対応や、各市場からの高画質・高生産性ニーズに対応する研究開発を強化・推進しております。
環境性能面では、再生プラスチックの採用拡大や、業界トップクラスのスリープ待機電力0.5Wを実現しTEC値(注1)を従来機から大幅に削減、加えてCO2排出量の大幅な削減等、環境負荷低減に成功し、お客様のTCO(トータル・コスト・オブ・オーナーシップ)削減にも効果的な製品開発を推進しています。
また「エコビジョン2050」達成に向けて、製品開発活動において省エネ技術、軽量化技術、石油由来資源削減技術、高耐久化技術等を開発してまいりました。2018年1月に上市したA3カラー複合機「bizhub C759 / C659 / C759 Premium」(3機種合わせて、以下「bizhub C759」シリーズ)では、省電力性能を強化し、国際エナジースタープログラムVer.2.0のTEC値基準を大幅にクリアしたうえ、従来機よりもさらに約12-20%の電力削減を実現しました。スリープモード時にCPUの電源をオフにすることで消費電力を従来機の半分となる0.5Wまで低減し、CO2排出量の削減にも貢献しています。また、コニカミノルタ独自のケミカルプロセッシング技術をさらに進化させ、PCR比率(注2)を約70%まで増加させた再生PC/PETを採用しました。これにより、この再生素材の使用量は、本体で使用している総樹脂量の重量比で約30%、表面積比では約64%まで高まりました。再生素材の積極的な採用で資源の有効活用に貢献し企業の環境保全を推進します。
デザイン面では、「bizhub C759」シリーズにおいても「bizhub」シリーズの統一デザインコンセプトである「INFO-Palette(インフォ パレット)」を共通に展開し、シリーズ全体での高い操作性を継承しています。操作パネルを従来から大型化することで、さらなる見やすさ、使いやすさの向上に努めています。A4カラー複合機「bizhub C3851」はA3カラー複合機と共通のファームウェアを採用し、小型操作パネルにおける操作性を統一できました。これにより機種が混在するオフィスにおいてもさらなる利便性と効率化の向上を可能にしています。
ユニバーサルデザインの観点においても、モバイル端末から複合機の遠隔操作や操作パネルのカラーユニバーサルデザインなどのソフト面と、給紙カセットの上下アクセス可能などのハード面の取り組みを従来から継続し、オフィスで働く様々なユーザーに配慮しています。また、モバイル端末から複合機にデータを入出力するアプリケーション「KONICA MINOLTA MobilePrint」はデザインをリニューアルし、モバイルアプリケーションに求められる軽快で明快なUI(ユーザーインターフェース)を提供し、クラウドと連携したプリント、データスキャン操作を高いユーザビリティで実現しています。また、プロダクションプリンターのフラッグシップマシンである「AccurioPress C6100 / C6085」においては、シリーズ統一デザインコンセプトである「Grid & Solid(グリッドアンドソリッド)」を共通に展開し、商業・産業印刷機シリーズ全体での高いブランド性を継承しています。高品位で力強く、安心して使える製品をデザインすることに加え、商業・産業印刷領域でブランドを強固にし、よりマシンの顧客満足度を高めるよう努めております。いずれの製品も、高い操作性や合理的で無駄のない外観形状が高く評価されております。
アプリケーション面においても、UIを共通展開し、操作性の共通化を図っています。クラウド色管理システム「AccurioPro(アキュリオプロ)Cloud Eye」でのインターフェース上の印刷機色再現状態確認を、より簡便でより明確に、「AccurioPro Conductor」では、複数の印刷機を一元管理し、各オペレーションを自動化することで、作業効率の向上、分散印刷処理を可能とし、生産性、印刷稼働率の向上を行っています。
(注1)TEC値とは「Typical Electricity Consumption」の略で、財団法人省エネルギーセンターの「国際エネルギースタープログラム」に適合するための基準となる値です。
(注2)PCR(post-consumer recycling)比率:再生素材中で使用される市中回収材料の割合です。
(2)ヘルスケア事業
ヘルスケア事業においては、デジタルX線撮影装置「AeroDR(エアロディーアール)」のラインナップ拡充や電子カルテ、情報システムと連携した医療機関のIT化を図るシステムソリューションビジネスの強化に加え、超音波画像診断装置のシリーズ拡充等により、大規模病院と地域の診療所等との医療連携、地域連携の実現やヘルスケア事業の中長期的拡大を図る研究開発を実施しております。
当連結会計年度においては、ヘルスケアユニットでは、2011年の発売以来多くの医療現場で高い評価をいただいておりますワイヤレスタイプカセッテ型DR「AeroDR」シリーズのフラッグシップモデルである「AeroDR fine」にフルサイズ(17×17インチ)モデルと四切(10×12インチ)モデルを追加ラインアップいたしました。「AeroDR fine」は、センサーパネルの画素サイズ100μmを実現することで、世界最高レベルの解像度を達成しており、従来の半切(14×17インチ)モデルに加え、立位・臥位専用機や救急ポータブル撮影に最適なフルサイズモデルと、整形・小児領域における利便性向上が期待できる四切モデルの追加により、より幅広い使用シーンでのご利用が可能となりました。また、新たに開発した画像処理エンジン「REALISM(リアリズム)」を組み合わせることで、黒つぶれや白とび等の課題を抑制し、より立体的で奥行き感に優れた高画質化を実現、診断精度の向上に寄与いたしました。「AeroDR fine」の高度な軽量・堅牢・ハンドリング性と高画質性能とを両立させたデザインは多くのご評価をいただき、2017年度グッドデザイン賞を受賞いたしました。また、今後は「AeroDR」システムを活用した動態解析技術(連続画像から肺換気や血流動態に関する情報を取得する技術)の開発に注力し、単なるモノ売りから付加価値を提供する事業へと、その軸足を変えていきます。
超音波画像診断装置では、コンパクトサイズでありながらワンクラス上の画像性能を実現する超音波画像診断装置「SONIMAGE(ソニマージュ) MX1」、「SNiBLE(スナイブル) yb」(以下「SONIMAGE MX1」シリーズ)を発売いたしました。「SONIMAGE MX1」シリーズは、整形外科領域で高いシェアを占め、麻酔領域でも高い評価を得ている2014年発売の「SONIMAGE HS1」シリーズのテクノロジーを継承し、さらに超音波の音響ノイズを抑制して伝達効率を向上させる新技術「Dual Sonic(デュアルソニック)」により軽量・コンパクトでありながらも高精細な画像表示を実現しました。超音波診断措置を手軽に持ち運べることで、場所を選ばない的確な診療をサポートいたします。また、シーメンスヘルスケア株式会社から国内経腟超音波事業を譲受し、日本国内向け経腟用超音波画像診断装置「SONOVISTA(ソノビスタ) FX premium edition」の販売を開始いたしました。本診断装置の販売はウーマンズヘルスケア分野への事業展開を加速するための足がかりの一つと考えており、Ambry社、Invicro社買収によるプレシジョン・メディシン戦略とも融合することで、患者のQOL向上に貢献していきます。
医療ITユニットでは、「連携BOXサービス」や「遠隔読影支援サービス」等の機能を有するクラウド型サービスプラットフォーム「infomity(インフォミティ)」、及び独自の画像処理機能による画像診断・管理をサポートする医用画像管理システム「NEOVISTA I-PACS(ネオビスタ アイパックス)」シリーズの機能向上開発を継続的に行いました。また、パナソニック ヘルスケア株式会社から、PACS(医療用画像保管・転送システム)を中核とした病院及びクリニック向けソリューション事業を展開するパナソニック メディカルソリューションズ株式会社の株式を譲受し、コニカミノルタメディカルソリューションズ株式会社として事業活動を開始いたしました。これにより次世代ITソリューション事業の国内展開拡大を加速し、医療IT市場でのプレゼンスを高めるとともに、画像診断機器とITとを組み合わせたソリューション提供による一層の診療の質向上と効率化に貢献していきます。
(3)産業用材料・機器事業
材料・コンポーネント分野における機能材料ユニットおいては、液晶画面の基幹部材となる偏光板用保護フィルムにおいて耐水型新VA-TACフィルムを開発・販売しました。TACに加えて、新樹脂をプラットフォームにした幅広い要求に応えられる商品で事業拡大を推進しております。また有機ELディスプレイ向けには円偏光反射防止フィルム、インクジェット部材、有機EL素材等を組み合わせた顧客価値提供に向けた提案取り組みを展開しております。当連結会計年度においては、ディスプレイ分野で最大の学会であるSociety for Information Display(SID)が主催する国際学会にて当社の電極補助材料について発表を行い、IDW '17 Best Paper Awardを受賞いたしました。
光学コンポーネントユニットにおいては、長年培ってきたコンポーネント技術やユニット技術を活用した、車載関連・光通信関連などの製品化に注力し、新規事業の立上げに取り組んでおります。
産業用光学システム分野における計測機器ユニットにおいては、ディスプレイ・光源色測定におけるトップメーカーとして、高品質な製品を提供してまいりました。当連結会計年度においては、有機ELなど進化し続けるディスプレイの測定ニーズに対応したカラーアナライザー「CA-410」を発売いたしました。ドイツのInstrument Systems社からはイメージング色彩輝度計LumiTop2700を発表し、アメリカのRadiant社からはイメージング色彩輝度計PrometricシリーズのAR/VR評価用新レンズの発売を行い、主たる測定分野において、さらなる製品拡充を図りました。
また、世の中でニーズが高まっている安全運転支援システムやその実現の為にキーとなる構成製品の開発も行っております。安全運転支援システムの実現に欠かせない主要構成部品の一つとして、車のフロントガラスに三次元で運転手に必要な情報を表示できる全く新しい3D AR HUD(三次元拡張現実ヘッドアップディスプレイ)を開発しておりますが、車載対応の為のさらなる高性能化・高品質化を実現すべく他社との共同開発体制も開始し開発を加速させております。こうした製品やシステムにより、車に限らず、あらゆる移動体での安全運転支援ソリューションの提供を目指してまいります。